日々雑記

政治、経済、社会、福祉、芸術など世の中の動きを追い、感想を述べたい

電力会社は原発再稼働のため再生可能エネルギーの買い取り枠を減らそうとしている

2014-12-28 19:03:14 | 原発

12月27日の朝日新聞は、編集委員・上田俊英氏によるコラム「原発優先 新手の空押さえを見過ごすな」を載せています。私はこの問題提起に賛成です。大事な問題なのでご紹介しましょう。


 問題は北海道、東北、北陸、中国、四国、九州、沖縄の7電力会社の動きでです。この7社は、再生可能エネルギーの受け入れ可能量を発表しました。

 受け入れ可能量というのは、太陽光、風力と言った比較的「新顔」の再生可能エネルギーの買い取り量の枠です。

この買い取り量は、火力、原子力などの「古手」への割り振りが増えれば、その分、「新顔」の受け入れ可能量が減ります。

上田氏は、原子力発電のための空押さえが目立つといいます。現在一つも再稼働していない原発がフル稼働した時のために、枠を空押さえしておき、再生可能エネルギーの受け入れを減らそうとしているというのです。

たとえば大間原発、この原発はまだ建設中です。東北電力の見込み通りに完成しても稼働は7年先になります。それなのに枠を押さえようと言うのです。上田氏によると、大間原発はまだいろいろな問題を抱えていて7年後の稼働も危ないといいます。技術的には、大間原発は新しい方式で発電しようとしていますが、これは世界でも初めての試みであり、予定通りに進むか分からないといいます。大間原発はまた、函館市から建設差し止め訴訟を起こされています。これもまた稼働の時期が遅れる原因になりうるといいます。

大間原発の例をとっても、「空押さえ」と言ってよいでしょう。

大間ばかりではありません。東北電力は自社の女川1~3号機、東通1号機、東京電力柏崎刈羽1号機、日本原電東海第二からの受電を算定に入れています。原発をもつ他の5社も同様です。老朽化で廃炉がとりざたされる日本原電敦賀1号機、中国電力島根1号機も含め、原発の枠を最大限押さえています。

 


空押さえは、原子力発電の再稼働と、再生可能エネルギーの導入拡大を阻むための手練手管の一つになっています。このようなごまかしで、原発の再稼働を許さないようにしなければならないでしょう。


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安倍さん、翁長知事が怖いんですか。それともいじめのつもりですか。

2014-12-27 21:24:29 | 選挙

沖縄県の翁長知事は首相に会いに24-26日の三日間東京に出てきましたが、首相にも、官房長官にも会えずに帰りました。

沖縄県知事として首相や閣僚に会い、沖縄県民の民意を伝えるための状況だったのでしょう。しかし会えた閣僚は山口俊一沖縄担当相一人だけでした。外務省、防衛省で会えたのは事務方だけで、大臣には面会も出来ませんでした。

安倍首相も、菅官房長官も会おうとはしませんでした。

安倍首相は、沖縄県知事選挙で示された10万票差に示された沖縄県民の意思、そうして沖縄の四つの選挙区すべてで辺野古新基地反対派を勝利させた県民の意思を恐れているのでしょう。そのために知事に対して冷淡な態度をとっているのでしょう。首相はたしか「ていねいに説明する」とおっしゃいましたよね。会いもしないで説明も何も出来ないではありませんか。一か国の宰相たるもの逃げ隠れするなどみっともないことではありませんか。

首相や官房長官は、翁長知事をいじめれば沖縄県民がしりぞくとでも思っているのでしょうか。県民はきっと首相の思惑通りにはならないでしょう。首相の無礼な態度には倍返しの民意で答えるのではないでしょうか。

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政府の予定している「介護報酬の引き下げ」は、介護保険を破壊する「社会保障削減」の一翼だ

2014-12-25 17:12:41 | 選挙

政府は介護報酬を引き下げようとしています。介護報酬とは特別養護老人ホーム(特養)や、いわゆるデイケアサービスなどを行うサ―ビス提供業者への、サービスの対価です。介護報酬は3年ごとに見直すことになっていますが、来年4月はその見直しの時期にあたっています。今回は、財務省が「6%」と具体的数字を挙げ、前例のない大規模な報酬削減を要求するなど、安倍政権の強硬姿勢は歴代政権のなかでも突出しています。

政府は特養ホームの経営がよいから報酬を下げると言っています。しかし、全国老人福祉施設協議会の調査によると、特養ホームは今でもその3割近くが赤字だそうです。さらに、政府が計画しているような6%の報酬引き下げが行われると6割近くが赤字に転落すると言っています。

特養ホームなどの施設は人手不足に悩んでいます。賃金が安いので人が集まらないのです。もし政府が言うように介護保険施設の経営が豊かならば、賃金を増やして職員を増やし、経営を拡大するでしょう。しかし今の経営状態ではそれが出来ないのです。

また特養ホームは不足しています。現在特養ホームに入る必要があるのに入れない待機者は、52万人に上ると言われています。それにもかかわらず特養ホームが増えないのは経営状態が悪いからです。もし政府が言うように経営状態がいいならば、経営者はもっとたくさんの特養ホームを建てて、金儲けをしようと考えるでしょう。しかし現実には増築する余裕などないのです。

以前にこのブログに書いたように、政府は介護保険のサービス自体を切り詰めようとしています。「要支援」の人たちに対する介護保険サービスをなくし、市町村に丸投げしようとしています。これは高齢者に対するサービスの切り捨てです。

政府はまた、介護保険サービスを受けるときの自己負担金を1割から2割に上げようとしています。ほかにも自己負担の値上げを計画しています。自己負担を増やすことで利用者数を減らしたいと考えているのでしょう。

政府は、その「骨太の方針」で社会保障費を「聖域なく」減らすと宣言しています。分かりにくいかもしれませんが、高齢者の人口が増えると医療費も、介護費用も増加するのは自然なことです。政府が「聖域なく」と言うのは、この高齢者人口増による「自然増」も許さないと言うのです。裏返せば、一人当たりのサービスは減らすということです。

政府は、ふたこと目には「財源がないから」といいます。しかしその口の下で、大企業に対する減税を予定しています。富裕層に対して税負担を求めることもしていません。やるべきことをやらずに「財源がない」と言い訳するのは、どこを向いて政治をしているのかと問いなおさなければならないでしょう。

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中国高官の腐敗の報道を読んで――私の感想

2014-12-24 11:39:26 | 民主主義

新聞を見ると中国ではまた汚職事件があり、高官が取り調べられているようです。詳細はよくわかりませんが、相当大きな事件のようです。それにここ数年間の報道を見ると、中国の高官の腐敗はかなり広い範囲に広がっているようです。高官が地位と職権を利用して私利をはかり、私欲を満たすことが大々的に行われているのだと思います。人民のために革命を起こした国で、こんなことが行われていることは非常に残念なことです。これでは革命以前と同じように国民はつらい思いをしているのではないかと心配になります。

こんなに腐敗が広がっているとしたら、それを摘発していくのは良いことだと思います。むしろ遅きに失したと言ったほうがよいでしょう。

それにしても、何故こんなことが起こるのか? 考えてみることが必要だと思います。

いろいろなことがあるかもしれませんが、一番の問題は民主主義が成熟していないことではないでしょうか。権力者の腐敗を避けるためには民主主義が必要です。権力者が腐敗した時に選挙や議会でこれを暴くことが必要です。そうして自由な選挙で止めさせることが出来れば防げたのではないでしょうか。こうしたことができるためには言論の自由がぜひ必要です。権力者に都合の悪い言論を封じるようなことをやっていたら、腐敗はなくならないでしょう。

日本でも汚職や腐敗はありますが中国程ひどくならないのは喜ばしい限りです。しかし特定秘密保護法のような法律が動き出すと心配です。権力を持った人たちが自分に都合が悪いことを「秘密」にしてしまうと、いつ中国と同じようなことが起こらないとも限りません。そんなことにはしたくありません。

 

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辺野古新基地に反対する沖縄の「島ぐるみ」運動ーーー知事とすべての選挙区での勝利の軌跡

2014-12-21 10:54:22 | 選挙

今回の衆議院総選挙で特筆すべきことの一つは、沖縄のすべての選挙区で「オール沖縄」の候補者が当選したことです。

沖縄一区では共産党前職の赤嶺政賢氏、二区には社民党前職の照屋寛徳氏、三区は生活の党前職の玉城デニー氏、4区では無所属新人のナカサト利信氏がそれぞれ当選しました。

この勝利は11月の県知事選挙で翁長雄志氏が当選したのに続く快挙です。。

どのような力がこうした結果を生んだのでしょうか。この1,2年間の沖縄県の政治の動きを辿ってみました。

一昨年2012年9月米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの配備に反対する沖縄県民大会が開かれ10万1000人が参加、宮古・八重山地方で同時開催された集会とあわせ10万3000人に達しました。

それにもかかわらず、日米両政府は、沖縄県民の総意を踏みにじり、県民大会からわずかひと月も経たない10月1日、オスプレイを強行配備しました。

このような事態に、2013年1月沖縄の全首長が次のような建白書を作り、安倍総理大臣に提出しました。


安倍晋三内閣総理大臣殿。

 沖縄の実情を今一度見つめて戴きたい。沖縄県民総意の米軍基地からの「負担軽減」を実行して戴きたい。

 以下、オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会実行委員会、沖縄県議会、沖縄県市町村関係4団体、市町村、市町村議会の連名において建白書を提出致します。

1.オスプレイの配備を直ちに撤回すること。及び今年7月までに配備され  
 るとしている12機の配備を中止すること。また嘉手納基地への特殊作戦用 
 垂直離着陸輸送機CV22オスプレイの配備計画を直ちに撤回すること。

2.米軍普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設を断念すること。


しかし仲井真弘多知事は2013年12月27日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設に向け、同県名護市辺野古の埋め立て承認を表明しました。知事選における「県外移設」と言う公約をやぶり、自らも賛成した建白書もうらぎりました。。

 建白書の実現を目指す人々は、7月27日「沖縄『建白書』を実現し未来を拓(ひら)く島ぐるみ会議」を結成しました。保守・革新の枠を超えた2000人以上が参加し、沖縄に新たな基地を造らせないことなどを求める「建白書」に基づく島ぐるみのたたかいへ、多くの県民を結集していく新たな出発の日として、熱気あふれる大会になりました。

これに対し自民党沖縄県連と自民党本部は「島ぐるみ会議」に参加した自民党員を除名処分にしました。

ここで、沖縄では保守・革新の対立ではなく、辺野古新基地の賛否をめぐり対立軸が創られて行きました。

この後は記憶に新しいことですが11月に翁長雄志知事が実現しました。辺野古基地に反対する県民の意思を反映し、10万票の差をつけた大勝利でした。県民の希望を裏切った仲井間氏は無慚な敗北を喫しました。

県知事選挙の後、「オール沖縄」の勢力は衆議院選挙の沖縄1,2,3,4選挙区に統一候補を立て、すべての選挙区で勝利を収めたことはこの文章の冒頭に書いたとおりです。


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