日々雑記

政治、経済、社会、福祉、芸術など世の中の動きを追い、感想を述べたい

「70年談話」問題――侵略の事実を認めて初めて、日本の国に誇りを持てる。

2015-01-27 11:55:30 | 歴史問題

いわゆる「70年談話」について安倍首相がまた変なことを言い出しました。村山談話などにある「キーワード」を使わないというのです。もう少し分かりやすく言えば、「植民地支配と侵略」とか「痛切な反省」とかいう言葉を使わないということでしょう。今までの首相の発言の文脈から言えば、日本の侵略行為を曖昧にするということです。

もちろん自分の国が悪いことをした歴史など認めたくないのは当たり前です。まして謝罪など気分がいいものではありません。

しかし、日本が中国や韓国を侵略したことは明らかな事実だと思います。

中国の領土に入り込んで軍隊の力で支配したこと、これは侵略ではないのでしょうか。南京で何人殺したかなどということを言う人がいますが、そんなことが問題ではないでしょう。日本の裁判では二人殺せば死刑になることが多いでしょう。何千人、何万人も殺せばどうなるか分かっています。謝らずにすます訳にはいきません。

韓国(朝鮮)の場合にはもっとひどいことをしました。言いがかりをつけて軍隊の力で攻め込み、国そのものを日本の領土にしてしまいました。朝鮮の文字も、言葉もなくし、日本語以外を使うのを禁じました。名前までも日本式の名前に代えさせました。これを植民地ではないとは言えません。

こうしたことは、「痛切な反省」をして謝るほかにないのです。それが今後の出発点になるのだと思います。

日本と一緒に近隣を侵略したドイツは長い時間をかけて反省と謝罪をしてきました。そのことであらためてヨーロッパの一員として認められるようになりました。

第二次世界大戦後の世界は、日本、ドイツ、イタリアの侵略と世界支配を否定するところから始まりました。「国際連合」もこの三国と戦った国の連合(「連合国」)そのものです。日本語では「国連」と「連合国」とを違う言葉で使い分けていますが、これは言葉のごまかしです。英語ではどちらもUnited Nations です。もともと同じものなのです。国連の秩序というのは、日独伊と戦った国の秩序なのです。こういうと「勝者」が「敗者」に秩序を押し付けているように聞こえますが、それは違います。正確に言うと日独伊と戦った「国」ではなく、同時に植民地支配や圧政と戦った人たちが作った秩序だったのです。ですから、日本は敗戦国ではありますが、日本人は戦後の秩序の中で「民主主義」と「平和」を手にすることが出来ました。

すこし理屈っぽくなりましたが、私たち自身が第二次大戦後の秩序のなかで、軍国主義日本から解放され、大事なものを手に入れることが出来たのですから、この秩序を大切に守る必要があるのだと思います。そのためにも戦前の日本が犯した罪をキチンと否定する必要があると思います。そうです。侵略の事実を認めこれを否定することです。そうして初めて私たち日本人が自分たちの国に誇りを持てるのではないでしょうか、

 

 

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末端からみた文化予算の削減 子供たちも音楽家もがっかり

2015-01-26 17:18:39 | 経済

昨日は私が関係している医療機関で新年会がありました。近隣の方々数十人が集まり、バイオリンやお琴の生演奏やら、ゲームやらで楽しい時間を過ごしました。

その時のことです。毎年生演奏のために来て下さる音楽家の方々のお話です。彼女らはあちこちで演奏活動をされていますが、商業的な場だけでなく、文化庁の後援で各地の小中学校を訪ねて、演奏することがあるそうです。毎年数十挍にも及ぶそうです。きっと生演奏など聞いたことがない子供たちが目を輝かせながら聴いているのだろうと思いながら話を聞いていました。

ところが最近は文化庁の予算が減ってしまい、このような活動があまりできなくなったと嘆いていました。

私の頭の中では、文化庁の後援と言うとつい大ホールで行われる音楽会や、オペラの公演などが浮かんできますが、こういう地道な活動も公的な援助で支えられているのだと初めて知り、不明を恥じました。

ここまで書いてから、思いついて文化庁の予算を調べてみました。細かいことは分かりませんでした。

いずれにしても熱心に子供たちに音楽の素晴らしさを伝えようとする事業が縮小されるのは残念なことです。

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真珠湾攻撃は誰が決めたのか  総理大臣も大臣も開戦を知らない明治憲法の態勢  

2015-01-23 15:17:36 | 経済

不破哲三さんの書いたものを読んで驚きました。太平洋戦争の開戦、とくに真珠湾攻撃の決定過程です。東京裁判の記録や、不破さんの国会質問の議事録に詳しく書いてあるので信憑性があると思われます。

太平洋戦争は、1941年12月8日日本がハワイの真珠湾基地を攻撃したことで始まりました。戦後、戦争犯罪人を裁いた東京裁判で、この決定に誰が参加したのかが問題になりました。

当時の総理大臣。東条英機は、自分は総理大臣だったが、この決定には参加していない、12月2日ごろ参謀総長から陸軍大臣の資格で聞いた、と答えています。

決定の順序を整理してみますと、真珠湾攻撃の方針が決まり、天皇の承認を得て作戦命令が出たのは11月5日、それを受けて連合艦隊が千島・択捉島の基地を出発したのが11月26日でした。この間、総理大臣以下、閣僚は誰も知らないところで進んでいたのです。それでも東條首相は陸軍大臣を兼任していたので陸軍大臣の資格で攻撃前に知ることが出来ましたが、これが軍人でない首相だったら現実に攻撃が始まった後で初めて知ることになったでしょう。

私はこれを読んでぞっとしました。総理大臣が知らないうちに戦争が始まるのです。天皇と軍人だけで決めて戦争を始める。政府は誰も知らないのです。確かに天皇は知っていました。しかしその天皇は、戦後になって、自分は大臣の輔弼(助言)によって物事を決めてきたのだ、といいました。そうだとすると、輔弼すべき大臣が一人もいない場で、軍人だけで決めたことになります。

その結果が3年半後の敗戦と1千万人単位の犠牲者を生みだしました。考えるだに恐ろしいことです。

私たち日本人はこの教訓を忘れないことが必要でしょう。そのためには戦争をしないという憲法9条とともに、平和を守るという国民の意思が確実に国政に反映させるような民主主義を守り通すことが大事だと考えたことでした。

(参考文献)

不破哲三:「科学の目」で日本の戦争を考える(上) 前衛2015年2月号 13-41ページ

 

 

 

 

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富める者はますます豊かになっているーーオックスファム・インターナショナルの警告

2015-01-22 15:07:25 | 経済

 国際援助団体オックスファム・インターナショナルは19日、スイスのダボスで21日から開催される世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)を前に世界の経済格差に関する報告書を公表しました。世界で80人の億万長者が保有する富はこの5年間で倍加し、2014年は貧しい50%の人たちの富の総計を上回ったと指摘しました。


 報告書によると、最も豊かな1%の人たちが保有する富は、世界金融危機が起きた2008年以降増え続け、2014年には世界の富の48%を占めています。この傾向が続けば、2016年には逆転し、1%の富裕層が保有する富は残る99%の保有する富を上回ることになります。

 1%の富裕層の富の平均は、成人1人当たり270万ドル(約3億1900万円)。一方、下位80%の平均は1人当たり3851ドルで、その合計は世界の富の5・5%を占めるだけでした。

 また2010年には388人の億万長者の保有する富が貧しい50%の保有する富と同じでしたが、2011年は177人、2013年は92人と富の集中が進行。2014年は80人でした

 報告書は「不均衡の拡大は不可避ではない」と指摘。各国政府が貧富の格差是正に取り組む女性の経済的平等を促す労働者に生活できる賃金を保障し、役員報酬との格差を是正する富裕層の課税を強化する―ことなどを提言しています。

 オックスファム・インターナショナルのビヤニマ事務局長は19日、自身のブログで、国際的な税制改革が必要だと指摘。「世界税金サミット」の開催を呼び掛けました。

 

 

 

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再び安倍首相へ――沖縄県民いじめは止めて県民の意思を聞きましょう

2015-01-18 15:34:01 | 原発

12月27日にこのブログで安倍さん、翁長知事が怖いんですか。それともいじめのつもりですか。と聞いてから3週間がたちました。この間に沖縄に対する政府の対応はますます硬直してきました。

翁長知事が上京しても閣僚は誰も会いません。沖縄県議団が行っても会いません。会ったのは国会議員ではない事務方だけでした。

翁長氏が沖縄振興予算案の閣議決定を受けて首相官邸を訪れても、菅長官は「(翁長氏と会う予定は)私はありません」と言い放ちました。

一方で新年度予算案の沖縄振興予算は2014年度予算比162億円減の3340億円とし、5年ぶりの削減を行いました。

辺野古沿岸域の埋め立てに向け、連日抗議する市民を強制排除して工事拠点のキャンプ・シュワブに重機や資材を搬入し海上作業を強行しました。その挙句にけが人まで出しました。

このような安倍政権の対応は異常とも言える暴走です。沖縄県民いじめとしか言いようがありません。

昨年行われた沖縄県の四つの選挙では辺野古基地の建設が最大の争点であったのに、どの選挙でも辺野古基地移転に反対する人々が勝利を収めました。辺野古を抱える名護市の市長選挙と市議会議員選挙、沖縄県知事選挙、そうして衆議院総選挙では沖縄の四つの選挙区で辺野古基地建設反対派が当選しました。この結果からみても、沖縄県民の民意は明らかなのではないでしょうか。

今安倍政権がやるべきことは、県民に選ばれた代表に会、県民の意思を聞くことではないでしょうか。そうして県民の希望をかなえるたためにアメリカ政府と交渉することではないでしょうか。それが民主主義国家の政府の仕事ではないかと思います。

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