日々雑記

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タックスヘイブンでますます格差が広がる

2016-05-11 16:02:03 | 政治

このところ新聞もテレビも「タックスヘイブン(租税回避地)」「パナマ文書」と騒いでいます。大変なことのようなので、あちこち探し回って勉強しました。

タックスヘイブンというのは、難しそうに見えますが、本質的には簡単なことなのだということが分かりました。国によって違う税金の仕組みを巧みに利用して、金持ちや大資本が払う税金の総額を少なくすることでした。

 

自分の持っている財産や会社を税金が安い国において、なるべく税金を少なくすることです。たとえば2兆円の資産を持つ、日本一の資産家ユニクロの柳井正氏は、自分が持っているファーストリテイリング社(ユニクロの製造元)の株全部を、オランダに自分が作った会社に譲りました。そうしてオランダにあるこの会社の株は全部柳井氏が持っています。こうやって資産を全部オランダに移したうえで、日本とオランダの税制の違いを利用して収める税金を年間7億円減らしたそうです。7億円の「税逃れ」に成功したのです。

 

今日の新聞には、柳井氏と同じようにタックスヘイブンを利用している会社や、個人の名前が挙がっています。伊藤忠商事、丸紅、楽天の三木谷浩史氏、など400以上の人名、会社名です。

 

租税回避地として利用されているのはオランダばかりではありません。ケイマン諸島などの名が挙がりますが、どの国が一番利用されているのかはわかりません。何しろ租税回避地になれるのは税金が安いことと、金融の秘密度が高いことが条件になるわけですから。

 

パナマ文書で名前が挙がった企業、UCCホールディング、伊藤忠、丸紅、ソフトバンク、セコムが新聞社にこたえたところによると、どの企業も口をそろえて「租税回避ではない」「合法的に納税している」と言っています。そうです。この「合法的」ということが曲者なのです。

富裕層は金の力で法の抜け穴を利用することが出来るのです。OECDの推計によると、多国籍企業の税逃れだけでも年間1000億ドルから2400億ドル(10兆~26兆円)の税金が失われているということです。そうして税収が足りなくなると中所得、低所得者の税金が重くなり、金持ちはますます金持ちになり、貧乏人はますます貧乏になります。こうして格差が広がっていくのです。

 

 

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1 コメント

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Unknown (おおかわ)
2016-05-11 23:00:46
消費税および所得税の取られ方(税率)を含めてタックスヘイブンによる税逃れの見直しは、税制の民主主義化として喫緊の課題ではないでしょうか。
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