日々雑記

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小選挙区制で民意は曲げられた―――河野洋平氏の反省を生かそう

2014-12-16 15:40:38 | 選挙

昨日の新聞を見てがっくりきました。自民党291議席。大見出しは「自民大勝」とありました。

今日になると票数が発表されたので、もう一度細かく見てみました。まず議席数をみて「なになに、自民の議席数は減っているじゃない」と驚きました。前回2年前294議席、今回291議席、3議席減っていることに気がつきました。「では公明党と合わせると」とみると、与党全体でも前回より1議席増えただけです。すこし冷静になれました。自民党は減り、自公与党勢力も現状維持だったのです。

それにしても自公合わせて326議席はバカになりません、3分の2を超える大勢力です。つい、自公にこのような票をいれた国民をうらみたくなりました。「こんな悪政に怒らないのだろうか」とも考えてしまいました。それで票数を見直してみました。政党支持率をあらっわす比例区の票数です。自民党1765万票です。投票総数の33.11%です。公明党は13.71%、民主18.33%、維新15.72%、次世代2.65%、生活の党1.93%、共産党11.37%でした。自公合わせても、3分の2はおろか半分も取ってはいない。話が違うのではないかと思いました。

それでは票数通りに議席を割り振ったらどうなるのだろう。今回比例区の得票率通りに議員を選ぶと各党の議席数はどうなるのか計算してみました。自民党157議席、公明党65議席、民主党87議席、維新75議席、共産党54議席、次世代13議席、改革0議席、生活の党9議席、社民党12議席となります(四捨五入したため総数が合わなくなっていますがおおよその数としてはこう考えてよいでしょう)。御覧の通り自公合わせて222議席と、総議席数の半数にも足りません。

何故こんなに当選者数が民意から離れてしまうのでしょうか。小選挙区のせいです。小選挙区制では選挙区内で一番多い票をとった候補者が当選します。二人の候補者がいたら、多い方、得票が51%でも当選です。あとの49%は「死に票」になってしまいます。半数近い人の民意が無視されることになります。候補者が3人、4人と多ければもっと多くの人の民意が無視されてしまうでしょう。

先日土井たか子さんがなくなった時に河野洋平さんが、土井さんの霊に謝罪しました。産経新聞の記事から引用しておきましょう。

 河野洋平元衆院議長は25日、東京・永田町の憲政記念館で開かれた土井たか子元衆院議長のお別れの会で、「大きな間違いを私は犯しました。今日の日本の政治は、劣化が指摘され、信用ができるか、できないかという議論まである。そうした一つの原因が小選挙区制にあるのかもしれない」と述べ、衆院選に小選挙区制を導入した自らの判断は誤りだったとした。

 衆院の中選挙区制廃止と現行の小選挙区比例代表並立制の導入は平成6年1月、当時、野党だった自民党の河野総裁と、細川護煕首相とのトップ会談で決まった。

 河野氏は、この会談の最中、当時衆院議長だった土井氏から、細川氏とともに議長公邸に呼ばれたエピソードを披露。このとき土井氏が、直接的な表現は避けながらも、小選挙区制導入に慎重な考えを示していたことを明かした。

 小選挙区制を導入した人自身が後悔している制度は止めるべきではないでしょうか。そうして多くの国民の考えが反映されるような国会を作るべきではないでしょうか。

 

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