日々雑記

政治、経済、社会、福祉、芸術など世の中の動きを追い、感想を述べたい

米出版社日本政府の教科書修正要求を拒否ーー歴史問題で

2015-02-19 16:53:37 | 政治

1月15日のウォールストリートジャーナルによると、このブログで私が紹介した(2月12日)日本政府の要請にたいし、アメリカの大手教科書出版社マグロウヒルエデュケーショナルが、要請を拒否したということです。

以下はその記事です。


 【東京】米国の大手出版社が、歴史教科書に出てくる慰安婦の記述を修正するよう求めた日本政府の要請を拒否した。

 マグロウヒル・エデュケーション(本社・ニューヨーク)は15日、日本政府の関係者が「Traditions & Encounters: A Global Perspective on the Past(伝統と交流:過去に対する世界的視座)」に書かれた「慰安婦」に関する記述を変更するよう求めてきたことを文書で公表。「『慰安婦』の歴史的事実に対する学者の意見は一致している。われわれは執筆者たちの記述、研究、表現を明確に支持する」と述べた。

 安倍晋三首相が率いる保守政権は、戦時の行動に関する否定的な記述をトーンダウンさせることで海外における日本のイメージを改善させ、日本人の愛国心を取り戻そうとしている。今回の修正要求もその一環で、日本と韓国が関係改善のきっかけを探っているタイミングで表沙汰になった。

 外務省は、教科書の記述修正を求めるため、昨年12月半ばに米国の総領事館を通じてマグロウヒルと接触したことを認めた。歴史教科書に「重大な事実誤認や日本政府の立場と相いれない記述がある」と述べたが、具体的な箇所は引用していない。

 この教科書は歴史家のジェリー・ベントレー氏とハーバート・ジーグラー氏が執筆した。慰安婦については2段落が割かれ、「日本軍は14〜20歳の20万人もの女性を強制的に募集、徴用し、『慰安所』と呼ばれた軍の売春宿で働くことを強制した」と書かれているほか、日本軍が「その行動を隠すため大量の慰安婦を虐殺した」とも記されている。

 ハワイ大学マノア校の准教授を務めるジーグラー氏は電子メールで、同氏が慰安婦の部分を執筆したことを明かしたうえで、こう述べた。「出版社と私は日本政府の関係者から個別に連絡を受け、不愉快な書き方に何らかの修正を求められた。出版社も私もそのような考えは一切受け入れていない」

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「世界一貧しい大統領」 ムヒカ大統領のリオ会議スピーチ

2015-02-17 12:28:31 | 政治

ウルグアイのムヒカ大統領が1992年のリオ会議で行った演説です。私は先日テレビを見て「世界一貧しい大統領」ムヒカ氏のことを知りました。さっそくこの演説を読み感激しました。もうお読みになった方が多いと思いますが、読んでない方はぜひ読んでください。

ムヒカ大統領のリオ会議スピーチ: (訳:打村明)

————————————————————————————————————————

会場にお越しの政府や代表のみなさま、ありがとうございます。

ここに招待いただいたブラジルとディルマ・ルセフ大統領に感謝いたします。私の前に、ここに立って演説した快きプレゼンテーターのみなさまにも感謝いたします。国を代表する者同士、人類が必要であろう国同士の決議を議決しなければならない素直な志をここで表現しているのだと思います。

しかし、頭の中にある厳しい疑問を声に出させてください。午後からずっと話されていたことは持続可能な発展と世界の貧困をなくすことでした。私たちの本音は何なのでしょうか?現在の裕福な国々の発展と消費モデルを真似することでしょうか?

質問をさせてください:ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てばこの惑星はどうなるのでしょうか。

息するための酸素がどれくらい残るのでしょうか。同じ質問を別の言い方ですると、西洋の富裕社会が持つ同じ傲慢な消費を世界の70億〜80億人の人ができるほどの原料がこの地球にあるのでしょうか?可能ですか?それとも別の議論をしなければならないのでしょうか?

なぜ私たちはこのような社会を作ってしまったのですか?

マーケットエコノミーの子供、資本主義の子供たち、即ち私たちが間違いなくこの無限の消費と発展を求める社会を作って来たのです。マーケット経済がマーケット社会を造り、このグローバリゼーションが世界のあちこちまで原料を探し求める社会にしたのではないでしょうか。

私たちがグローバリゼーションをコントロールしていますか?あるいはグローバリゼーションが私たちをコントロールしているのではないでしょうか?

このような残酷な競争で成り立つ消費主義社会で「みんなの世界を良くしていこう」というような共存共栄な議論はできるのでしょうか?どこまでが仲間でどこからがライバルなのですか?

このようなことを言うのはこのイベントの重要性を批判するためのものではありません。その逆です。我々の前に立つ巨大な危機問題は環境危機ではありません、政治的な危機問題なのです。

現代に至っては、人類が作ったこの大きな勢力をコントロールしきれていません。逆に、人類がこの消費社会にコントロールされているのです。私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。人生は短いし、すぐ目の前を過ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません。

ハイパー消費が世界を壊しているのにも関わらず、高価な商品やライフスタイルのために人生を放り出しているのです。消費が社会のモーターの世界では私たちは消費をひたすら早く多くしなくてはなりません。消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば不況のお化けがみんなの前に現れるのです。

このハイパー消費を続けるためには商品の寿命を縮め、できるだけ多く売らなければなりません。ということは、10万時間持つ電球を作れるのに、1000時間しか持たない電球しか売ってはいけない社会にいるのです!そんな長く持つ電球はマーケットに良くないので作ってはいけないのです。人がもっと働くため、もっと売るために「使い捨ての社会」を続けなければならないのです。悪循環の中にいるのにお気づきでしょうか。これはまぎれも無く政治問題ですし、この問題を別の解決の道に私たち首脳は世界を導かなければなりません。

石器時代に戻れとは言っていません。マーケットをまたコントロールしなければならないと言っているのです。私の謙虚な考え方では、これは政治問題です。

昔の賢明な方々、エピクロス、セネカやアイマラ民族までこんなことを言っています

「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」

これはこの議論にとって文化的なキーポイントだと思います。

国の代表者としてリオ会議の決議や会合にそういう気持ちで参加しています。私のスピーチの中には耳が痛くなるような言葉がけっこうあると思いますが、みなさんには水源危機と環境危機が問題源でないことを分かってほしいのです。

根本的な問題は私たちが実行した社会モデルなのです。そして、改めて見直さなければならないのは私たちの生活スタイルだということ。

私は環境資源に恵まれている小さな国の代表です。私の国には300万人ほどの国民しかいません。でも、世界でもっとも美味しい1300万頭の牛が私の国にはあります。ヤギも800万から1000万頭ほどいます。私の国は食べ物の輸出国です。こんな小さい国なのに領土の90%が資源豊富なのです。

私の同志である労働者たちは、8時間労働を成立させるために戦いました。そして今では、6時間労働を獲得した人もいます。しかしながら、6時間労働になった人たちは別の仕事もしており、結局は以前よりも長時間働いています。なぜか?バイク、車、などのリポ払いやローンを支払わないといけないのです。毎月2倍働き、ローンを払って行ったら、いつの間にか私のような老人になっているのです。私と同じく、幸福な人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。

そして自分にこんな質問を投げかけます:これが人類の運命なのか?私の言っていることはとてもシンプルなものですよ:発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです。発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。

幸福が私たちのもっとも大切なものだからです。環境のために戦うのであれば、人類の幸福こそが環境の一番大切な要素であるということを覚えておかなくてはなりません。

ありがとうございました。



参照元 Read the original here: http://hana.bi/2012/07/mujica-speech-nihongo/#ixzz3Ry5XuYL4 
Under Creative Commons License: Attribution Non-Commercial 
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施政方針演説を聞いて

2015-02-13 17:33:47 | 政治

昨日安倍首相が施政方針演説を行いました。長い文章で、率直でない言い回しも多く読み解くのも容易ではありません。これになんとか食いついて読んでみました

首相は総選挙で多数をとったことを根拠に、国民の声は「『安定した政治の下で、この道を更に力強く前進せよ』ということだといい、「戦後以来の大改革」をキーワードに大暴走を宣言します。

たしかに昨年末の総選挙で自民党は61%の議席を獲得しました。しかし、国民世論を直接反映する比例区の得票では33%しかとっていません。有権者に対する比率では僅か17%です。議席数が多いのは小選挙区制によって民意が曲げられた結果なのです。到底白紙委任出来る状態ではありません。

安倍首相は 「この2年間、全力で射込んできた「三本の矢」の経済政策は、確実に成果をあげています」と自画自賛しています。しかし国民はそう見ていません。「読売」の調査によると、景気の回復を「実感している」人は16%に過ぎません、国民の79%は景気回復を「実感していない」と答えています。

演説の中に述べられている具体策はすべてこの2年間に失敗した政策の延長線上のものばかりです。

「農政改革」は環太平洋連携協定(TPP)に反対する農協中央会(全中)を弱体化させるためのものです。また農協分野に大企業参入をはかるものでもあります。農業に関して国民が求めているのはこんなことではありません。39%まで落ちた食料自給率の向上です。しかし安倍首相はこの大事な問題についてについて何も語っていません。

原発の再稼働について半数以上の52%の国民が反対しています。賛成は39%に過ぎません。(「読売」調査)これについて推し進めるつもりであることを明言しました。国民の安心、安全よりも電力会社などの大企業の利益を尊重する立場です。

首相は「従来の労働制度、社会の発想を大きく改めるといいます」。分かりにくい言葉ですが、政府が出している法案からあきらかなように、その中身は労働者派遣を「臨時的・一時的業務に限る」という大原則を外し「生涯派遣」を実現しようとするものです。

社会保障については「社会保障を充実させる」といいながら、切り捨てのメニューを並べています。介護報酬の引き下げ、健康保険のきかない医療の拡大、国民健康保険の都道府県単位化などです。

首相が最後にもぐりこませているのが「憲法改定」です。首相は言います「本年こそ、「積極的平和主義」の旗を一層高く掲げ、日本が世界から信頼される国となる。戦後70年にふさわしい一年としていきたい。そう考えております。」「憲法改正に向けた国民的な議論を深めていこうではありませんか。」

「外交・安全保障の立て直し」の項で第一に主張したのは集団的自衛権行使容認でした。集団的自衛権の行使関連法案に関して、共同通信社の調査によると、今国会に提出することについて「妥当」だとする意見は23%に過ぎません、法整備自体が「必要でない」とする意見が15.

6%、「時間をかけるべきだ」54.9%です。今国会での提出に反対する意見の方が圧倒的に多いのです。それを強引に進めようとしています。

こうして、憲法違反の「戦争の出来る国」を作り、その基礎の上に憲法の明文改定を進めることを主張しています。

 


 

 

首相の演説をよみ、その暴走ぶりには本当に驚かされました。日本の国を これ以上悪くしないために、そうしてもっと良くするために国民の側も頑張らなければならないと思ったことでした。

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ハワイの日本総領事館がアメリカの教科書を「検閲」

2015-02-12 18:29:18 | 政治

「しんぶん赤旗」の報道によると、ハワイの日本総領事館は、政府の方針を受けて教科書を執筆した歴史学者に直接、記述の訂正を求めたことを同紙の記者の取材に対して認めました。

アメリカのマグロウ社の教科書「伝統と遭遇」の共著者ジーグラー氏に対し、教科書の「事実誤認や日本政府の立場と相いれない部分」を指摘し、訂正を求めました。またこの申し入れは「東京(政府)の方針を受けてしたこと」とも述べました。

ワシントンポストによると、日本総領事館はジーグラー氏に面会をもとめ断られましたが、同氏の研究室のあいていたドアかっら入り、、ジーグラー氏が以下に誤っているかを話し始めた、とのことです。ジーグラー氏は「言論と学問の自由の侵害だ」と批判しています。


日本総領事館がアメリカまで行って「検閲」まがいのことをやる、こんなことは、私たち国民として恥ずかしいことです。

もし教科書に反論があるならば、堂々と公開の言論の場で批判すればいいのではないでしょうか。それを、本人に訂正させようとするなど、姑息な手段を使うべきではありません。もってのほかです。先日このブログで、アメリカの歴史学者たちが、抗議の声明を出すと紹介しましたが、学者たちが怒るのも当然でしょう。

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辺野古の現状 琉球新報の記事から

2015-02-12 11:54:17 | 政治

最近の琉球新聞には辺野古新基地問題の生々しい記事や写真が乗っています。一度ご覧になってからお考えください。またもとの記事をお読みになりたい方はここをクリックあいてください

シュワブ米兵、拳銃抜き歩く 辺野古抗議活動市民「威嚇だ」 2015年2月10日 

新基地建設に抗議する市民たちの前で拳銃を持って歩く米兵=9日午前11時半、名護市辺野古(水鳥陽平さん提供)

 【辺野古問題取材班】名護市辺野古への新基地建設に反対する市民らが抗議を続ける名護市の米軍キャンプ・シュワブで、9日午前11時半ごろ、市民らがフェンス越しに抗議の声を上げていた際、基地内の建物から出て来た米兵が拳銃を抜き、銃口を上に向けながら歩いている様子が目撃された。市民らは「発砲するのではないか」とおびえ、現場は緊張感に包まれた。
 現場はシュワブのゲート前から約1キロ先の海上工事が見える場所。約150人の市民が海に向かって抗議の声を上げていたところ、米兵が拳銃の銃口を上に向けた状態で持ったまま、基地内の建物から出て来た。
 米兵に気付いた市民たちは「拳銃を持っているぞ」と叫び、騒然となった。米兵は5分程度、フェンス越しに拳銃を持ったまま市民らの前を100メートルほど歩いた後、他の米兵と共にトラックに乗って走り去った。
 米兵を目撃した比嘉美代子さん(69)=沖縄市=は「今にも引き金を引きそうで怖かった。私たちを威嚇しているようだった。市民の前で銃を出すなんて信じられない」と憤った。
 在沖海兵隊は、兵士がフェンス内で拳銃を抜いていたことについて、本紙の取材に「武器の取り扱いの手順について(本紙と)議論することはできない。全ての兵士は米国の代表で、日米安全保障条約を支援するために駐留している」と述べ、取り扱いが適切だったかどうかには言及しなかった。

 

 

海兵隊報道部次長が暴言 「在沖基地は23%」「ひき逃げ少佐擁護」 2015年2月12日 

 辺野古新基地建設に反対する住民らが抗議活動の際に負傷したことについて「ばかばかしい」と発言した在沖米海兵隊報道部次長のケイリブ・イームス大尉が、自身のフェイスブックで沖縄の基地の現状について事実と異なる意見や、在沖米海兵隊が公式に示していない見解を流布していたことが11日分かった。さらに大尉はジョン・ミッチェル記者に宛てたメールの中で、昨年12月の米海兵隊少佐のひき逃げ事件について「男性のバイクが少佐の車にぶつかってきた」と現場から逃走した少佐を擁護するような発言もしていた。

 自身のフェイスブックで、大尉は沖縄に全国の米軍専用施設の74%が集中していることについて「正確ではない。沖縄には(日本全国の)23%の米軍施設しかない」と日本政府や県などと異なる見解を示した。
 オスプレイの飛行回数(離着陸・通過)が24機態勢に増えた配備2年目に約1・64倍に増えたとする宜野湾市の調査に対し「計算機を壊して自分で計算しろ」と書き込んでいた。
 さらに琉球新報など地元2紙について「偏向しており公平でない。実際は多くの人が海兵隊の駐留を支持している」としている。
 一連の発信に対して、識者からは「広報官として失格だ」などの声が上がった。

 

辺野古新基地建設

辺野古工事、大浦湾サンゴ破壊 岩盤に20トンブロック

野古問題取材班】米軍普天間飛行場移設に伴う新基地建設に向けた作業が進む名護市の大浦湾で、沖縄防衛局が浮具(フロート)や浮灯標(ブイ)を固定するためなどに設置したコンクリートブロックが、湾内の複数箇所でサンゴを傷つけていることが9日までに確認された。ヘリ基地反対協議会のダイビングチームレインボーのメンバーが2月1、7、8の3日間、潜水して確認した。
 チームのメンバーは「これだけ傷つくと、次に潜るときはサンゴがもっと死んでいるかもしれない」と強く批判した。
 ブロック設置によるサンゴ損傷について、県水産課は取材に対し「岩礁破砕の取り扱い方針では、協議や許可が必要ないものとして『船舶等の投錨』との記述があるが、今回、岩礁破砕申請の対象に当てはまるか検証しなければならない」と、あらためて検証する必要性があるとした。
 一方、防衛局は取材に「どこで撮られた写真か分からない」とした上で、「ブロックを設置している場所は施工区域内で、県は昨年フロートを固定するアンカーの設置について許可は不要とした。県とあらためて協議する予定はない」との認識を示した。
 同チームは、大浦湾の瀬嵩側や安部側で大型ブイやコンクリートブロックを設置した場所や、大型クレーン船が停泊している米軍キャンプ・シュワブ沿岸、航路付近など5カ所で潜水した。臨時制限区域に沿って大型ブイが設置された瀬嵩や安部の海底では、約15~20トンのコンクリートブロックがサンゴの岩盤の上などに置かれ、ブロックの重さで岩盤が切断されたり削られたりしている様子が確認された。
 ブイやフロートを固定するために設置されたアンカーについては、これまでも台風などの影響で引きずられてサンゴを傷つけたり、120個がなくなったりしており、環境保全や管理の面で問題があるとの指摘が上がっていた。

 

抗議船、海保官乗り込み転覆寸前 辺野古2015年2月11日

 海上保安官が船に乗り込んだ際に大きく右舷が傾いた市民船=10日午後3時7分、名護市安部沖

 【辺野古問題取材】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で10日、海上作業の中止を求め抗議する市民船を海上保安官がゴムボートで確保する際、市民船の右舷が大きく傾き、転覆寸前となった。
午後3時すぎ、安部沖の油防止膜(オイルフェンス)上で保安官が乗り込んだ瞬間に船が大きく傾き、船内にいた6人のうち4人が海に投げ出された。危険な状態に気付いた別の市民船4隻が集結し「命を奪うのか」と激しく訴え、現場海域は一時、大混乱となった。
 市民船は当時、定員の6人が乗船しており、海保が近づいた際にも「定員いっぱいだ」と市民らが注意したが、保安官3人が一気に乗り込んだため、大きく傾いた。
 この市民船を含め、海保の危険な確保と作業中止を求め抗議した市民船も午後4時すぎ、オイルフェンス内外でほぼ全て拘束された。同5時には全船が解放された。

 

 
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