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米俳優M・ダグラス、「ウォール街」続編に出演決定

2009-04-30 15:12:02 | レコード・ビデオ
米俳優M・ダグラス、「ウォール街」続編に出演決定

米ベテラン俳優のマイケル・ダグラスが、冷酷な投資家ゴードン・ゲッコーを演じた1987年の映画「ウォール街」の続編に出演することが決まった。20世紀フォックスが28日、発表した。
 同社によると、「ウォール街」を監督したオリバー・ストーン監督が続編も担当。仮タイトルは「Wall Street II(原題)」で、現在のところ公開予定は決まっていない。
 1作目が「欲深いのは良いことだ」というゲッコーのせりふとともに、景気の良かった1980年代を凝縮していたように、続編は最近の金融危機や景気後退などのニュースを映し出すとみられている。
 この夏から制作が開始される予定で、脚本は2008年にケビン・スペイシーが主演したギャンブル映画「ラスベガスをぶっつぶせ」のアラン・ローブが担当する。

2. ザ・ピーナッツが50周年で初のDVD発売

 デビュー50周年を迎えた伝説の双子姉妹デュオ、ザ・ピーナッツが初DVD「P-Legend」を6月24日に発売する。
 ザ・ピーナッツは59年4月30日に「可愛い花」でデビュー。「情熱の花」「恋のバカンス」「恋のフーガ」などがヒット、シングルとアルバムで約1000万枚を売り上げ、75年に惜しまれつつ引退した。
 その後は公の場に姿を見せなかった2人だが、今回は50周年企画として、DVD発売を了承したという。同DVDには「シャボン玉ホリデー」の映像のほか、引退特別番組「さようならピーナッツ」を完全収録。封入されるブックレットには、引退後初となるインタビューや本人所蔵秘蔵写真が掲載される。また、50周年に合わせ、今年1月から、オリジナルLP21タイトルが紙ジャケットでCD化されている。
 音楽プロデューサーの酒井政利氏(70)は「彼女らは高い音楽性と双子姉妹という話題性で、テレビという昭和の映像文化の流れに乗った。DVD化は待ってましたという感じ」と話した。

3. ニッポン放送松本秀夫アナが初著作 ラジオの野球実況はリズム

 テレビカメラの代わりとなって、刻一刻と変わる戦況を言葉だけで伝えるラジオのスポーツ実況アナウンサーは専門職の中の専門職ともいわれる。実況にまつわる悲喜こもごもをつづった著書を出版したニッポン放送「ショウアップナイター」の松本秀夫アナウンサー(47)に、ラジオ実況アナの生き方を聞いた。 

 「まあ、中継されることはないから」と送り出された“予備の予備”の試合で急きょ、実況デビュー。トンチンカンな質問をして解説者に無言で後頭部をたたかれたり、先輩アナにしごかれたり、試合中にトイレに行きたくなったり。そして選手、解説者との酒と釣りの日々。松本アナの初の著書「プロ野球・実況できなかったスゴイ話」は、知ってそうで知らない実況アナの青春グラフィティとしても読める。

 「一人でも多くの人にラジオナイターに興味を持ってもらいたい。インターネットで結果だけはわかるけど、野球の本当の楽しさって、数字や勝ち負けじゃなくって、グラウンドの泣き笑いだと思うんです。それを伝えているラジオを聴いてほしい」
 松本アナは本を書いた理由を、こう話す。
 子供のころから夢はスポーツアナウンサー。ニュース読みや外回りリポーターを経て、入社三年目にスポーツに。駆け出しの実況アナは、放送予定がない試合で修業を積み“デビュー”するが、彼の場合は、本来の中継カードの巨人戦がノーヒットノーランで二時間弱で終了、第二候補のヤクルト戦が雨天中止、わけがわからないまま第三候補だった広島戦でデビューした。配属わずか一カ月だった。
 「その後、当時の部長が先輩たちにつるし上げられたんです。『生活権の侵害だ』って。一人前になるまでどれだけ苦労してきたかわかっているのか、来て一カ月のヤツがやれる仕事をオレたちはやっているんじゃない、という意味だったんでしょう」。実況アナの専門性の高さ、誇りを物語るエピソードだ。
 同じ実況でもテレビとラジオは“別競技”だという。CS放送ができたころにテレビ実況もやったが、ディレクターが「そんなにしゃべらなくていいです」。裏返せば「しゃべり過ぎ」と言われてしまった。ラジオは逆にしゃべり過ぎるくらいでいい。
 「ラジオの基本はリズム。『一対一/同点/二回の裏/巨人の攻撃/ワンエンドワンから第三球投げた/ボール』。こういう基本のリズムを延々と奏でながら、ドラマを伝える。リズムの基本である得点、イニングを言わないと、どんな気が利いた言葉を言っても0点。言わなきゃって思っているうちはダメ、リズムを体が覚えていないといけない」
 ラジオナイターにはライバルが増えた。テレビはデータ放送で情報量が増え、ワンセグ放送も始まった。携帯電話のサイトでも結果は即時にわかる。一方のラジオは昔ながらの解説者と実況の声がすべてだが、そのアナログ感に生き残りのチャンスがあるという。
 「世の中、データが増えて便利になればなるほど、選手と触れ合い、足で情報を稼いで、積み重ねた経験の中から表情、雰囲気を伝えるラジオに安らぎを感じてくれる人はいると思うんです」。そして、専門性の高さも武器になる。「ラジオは“プロの野球ファン”が聴いてくれるので精度を上げていきたい。声はピークを越えたかもしれないけど、テクニック、経験、味でカバーしていけると思う。ストレートの球威は落ちたけど、変化球ならいける、というように」
 まつもと・ひでお 1961年、東京都出身。早稲田大学を卒業、85年にニッポン放送に入社。パーソナリティーとして出演するときは「松本ひでお」。
       ◇
 著書「プロ野球~」(ぜんにち出版)は1575円。5月17日午後4時から、横浜の東戸塚西武オーロラモール・リブロ東戸塚店で松本アナのサイン会が行われる。

第1四半期のDVD売上高は前年比14%減=業界団体

2009-04-29 15:08:52 | レコード・ビデオ
第1四半期のDVD売上高は前年比14%減=業界団体

2009年第1・四半期のDVD売上高は、前年同期比14%減の29億ドル(約2780億円)だった。業界団体DEGが27日明らかにした。
 中古DVDやブルーレイディスク(BD)、デジタルダウンロード販売を含めたホーム・エンターテインメントのソフト販売全体では、同四半期の売上高は5%減にとどまり53億ドルとなった。
 一方、ブルーレイディスクだけを見ると、前年同期比2倍以上の2億3000万ドルで、デジタルダウンロードも同19%増の4億8700万ドルだった。
 ハリウッドでは、DVD販売の不振を、ブルーレイディスクやデジタルダウンロードの伸びが補ってくれるとの期待が寄せられているが、両市場は、約10年前から販売され続けているDVDに比べ、まだ成長が始まったばかり。
 ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメントのボブ・チャペック社長は声明で、ブルーレイディスク市場は今後も成長を続けると確信していると述べた。
 映画やテレビの制作会社は近年、制作費の多くをDVD販売で回収しており、DVDの売り上げ減少が映画制作の資金調達を困難にしている。


2. JASRAC、排除命令取り消し求め審判請求

 放送局が番組で使う楽曲の使用料の徴収方法が包括契約になっていて著作権管理業への新規参入を制限しているとして、独占禁止法違反(私的独占)で公正取引委員会からの排除措置命令を受けた、著作権管理団体「日本音楽著作権協会」(JASRAC)が28日、命令の取り消しを求めて公取委に審判を請求した。
 同協会は「包括契約は、諸外国のほとんどの著作権管理団体が採用している」「放送事業者が、追加の使用料を回避するため、他の事業者の管理楽曲を利用しないということはない」などとしている。

3. 「X-MEN」のメキシコ公開延期、映画館閉鎖で

豚インフルエンザの感染が拡大する中、米ニューズコープ傘下の20世紀フォックスが27日、今週末に予定されていた「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」のメキシコ公開を延期すると発表した。
 同社の広報担当者によると、同作品のメキシコ公開はおそらく数週間後になるという。
 豚インフルエンザの影響で、当局は大勢の人が集まるイベントなどの自粛を呼びかけており、メキシコ市では多くの映画館が閉鎖されている。
 翌週には、メキシコを含む世界50カ国での「スター・トレック」の公開が予定されているが、米メディア大手バイアコム傘下のパラマウント・ ピクチャーズは、今のところ公開日の変更は伝えていない。

英長者番付、経済危機でエルトン・ジョンの資産も大幅減

2009-04-28 15:35:21 | エンターティメント情報
英長者番付、経済危機でエルトン・ジョンの資産も大幅減

英大物歌手のポール・マッカートニーさんやエルトン・ジョンさん、ミック・ジャガーさんの個人資産が、経済危機の影響で大幅に減ったことが、24日発表された英サンデー・タイムズ紙の長者番付で明らかになった。
 エルトン・ジョンさんの資産は、ラスベガスでのコンサートが終わったことや慈善事業への寄付で、昨年の2億3500万ポンド(約333億円)から1億7500万ポンド(約248億円)へ25%以上も減少。ビートルズ元メンバーのマッカートニーさんの資産も6000万ポンド減少した。英ロックバンド、ローリング・ ストーンズのミック・ジャガーさんも16%の資産を失い1億9000万ポンドとなった。 
 一方、最も資産を増やしたのは、映画「マンマ・ミーア!」の製作を担当したジュディ・クレイマーさんで、前年比29%増の7500万ポンドだった。
 英国で最も資産の多い1000人を並べた同リストは、26日付の同紙に掲載される。


2. 日本ビクターと凸版、CD・DVDの生産統合

 日本ビクターと凸版印刷はCDやDVDの生産事業を統合することで合意した。今夏までに凸版の生産設備をビクター子会社に移管、凸版はビクターに生産を全面委託する。事業統合に伴い、凸版はビクター子会社に約3%出資する。インターネットを使ったコンテンツ配信の増加などによりCD・DVDの生産枚数は減少しており、事業統合で競争力を高める。
 28日に両社が発表する予定。凸版は子会社の凸版製本(東京・板橋)を通じて朝霞工場(埼玉県新座市)で雑誌や書籍に添付するCD・DVDなどをプレス生産している。生産設備をビクター子会社のビクタークリエイティブメディア(VCM、神奈川県大和市)に移す。

3. オバマ政権最初の100日、報道官の採点は「Bプラス」

 オバマ米政権が発足100日を迎える節目を前に、ギブズ大統領補佐官はこれまでの政権の仕事ぶりを、5段階評価で最高の「A」には及ばないものの、「B」よりやや上を示す「Bプラス」と採点した。26日の会見で質問に答えた。
ギブズ補佐官はこの評価について、「改善の余地は常にあるというのが私の考え方だし、大統領も同意すると思う」と説明した。
同補佐官は24日、CNNの番組でのインタビューで、ホワイトハウス担当記者団の100日間の仕事ぶりについて「大変な仕事を非常によくやっている」と述べ、「強力なA」という評価を出していた。補佐官による採点では、記者団の成績が大統領をしのいだ形だ。

北米映画興行収入=ビヨンセの「Obsessed」が初登場首位

2009-04-27 15:33:48 | 映画 話題等
北米映画興行収入=ビヨンセの「Obsessed」が初登場首位

 映画スタジオの推計に基づく4月24日―26日の北米映画興行収入ランキングは、ビヨンセ演じる既婚女性が、自分の夫を好きになった派遣社員と容赦ないバトルを繰り広げる「Obsessed(原題)」が、2850万ドル(約27億6000万円)で初登場1位となった。 
 ソニー傘下のコロンビア・ピクチャーズの低予算部門であるスクリーン・ジェムズが製作した同作品は、業界関係者予想の約2倍のオープニング興収を記録し、予算の2000万ドルを大きく上回った。
 ジェイミー・フォックスとロバート・ダウニー・ジュニア共演の実話に基づいたドラマ「路上のソリスト」(日本公開は5月30日)は、映画評論家から好意的なレビューが多かったものの、970万ドルで4位のスタート。「デュプリシティ/スパイはスパイに嘘をつく」(日本公開日は5月1日)に続き、大人向けのドラマが苦戦している。
 同じく初登場の「アース」(日本公開は2008年)が、ネイチャー・ドキュメンタリーとしては過去最高の860万ドルで5位に入った。

2. カンヌ映画祭、コンペ部門出品作発表

 第62回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品される作品が23日発表された。クエンティン・タランティーノ監督やケン・ローチ監督、ジェーン・カンピオン監督など、同映画祭の最高賞「パルムドール」の受賞経験者が名を連ねている。
 また、オーストラリア出身俳優ヒース・レジャーの遺作となったテリー・ギリアム監督の「The Imaginarium of Doctor Parnassus(原題)」の上映も決まった。同作品では、ヒース・レジャーの代役をジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが務めた。
 オープニング作品には、ディズニー・ ピクサーの「カールじいさんの空飛ぶ家」(日本公開は12月)が選ばれ、同映画祭のオープニング作品としては初のアニメーションとなった。
 5月13日開幕の同映画祭には、ペネロペ・クルスやモニカ・ベルッチ、ブラッド・ピットなどが登場する予定。


3. ハリウッドで最も稼ぐ「ママ」はマドンナ

 米フォーブス誌が24日、ハリウッドで最も働き者のワーキングマザー・リストを発表。2008年に1億1000万ドル(約107億円)を稼いだ米歌手マドンナがトップに選ばれた。
 フォーブス・ドット・コムによると、3人の子どもを持つマドンナは、ツアー収入や米国で100万枚近く売れたアルバムの売り上げにより収益を拡大。また、昨年は複数のCM契約も結んだという。
 米女優リース・ウィザースプーンが推定年収2400万ドルで2位、同2000万ドルの米女優グウィネス・パルトロウが3位に入った。

あのとき映画が変わった 1978年スターウォーズ公開

2009-04-26 12:57:38 | エンターティメント情報
あのとき映画が変わった 1978年スターウォーズ公開


 かつて映画は大人のものだった。ガルボもドロンも錦ちゃんも、みな大人が熱狂していた。子供たちも映画館が大好きだったが、彼らは大人の映画を背伸びしながら見ていた。ところが今、シネコンに行くと子供の映画ばかりが並んでいる。映画館はいつから子供の遊園地になったのか。それは、米国の若者が作った1本の映画が全国を熱狂させた1978年にさかのぼる。
 東京・京橋の映画館「テアトル東京」の前は、早朝から異様な空気に包まれていた。千人余りの若者が長い列を作っている。
 米映画「スター・ウォーズ」が、78年6月24日に封切られた。配給する20世紀フォックス映画の社員だった古澤利夫さんは、若者たちの熱気に「鳥肌が立ち、体が震えました」と振り返る。
 米国では、約1年前に公開され、若者たちが映画館に押し寄せた。その2年前、28歳のスティーブン・スピルバーグ監督がサメを主役にした「JAWS ジョーズ」で興行記録を書き換えたばかりだった。その記録を、33歳のジョージ・ルーカス監督があっさり抜き去った。
 巨大帝国の支配に対し、共和国の王女が、不思議な力を持った青年らの協力で戦いを挑み、宇宙に平和を取り戻す。物語自体はシンプルだ。しかし、海外で一足先に見てきた者たちが、その斬新さを得意げに語り回った。日本の若者たちは1年間お預けを食い、期待感が沸点に達した時、やっとベールを脱いだ。
 映画評論家の品田雄吉さんは「VFX(視覚効果)や音響など技術の新しさに驚かされた。映画の表現を革命的に変えた」と見る。「以後、ハリウッドはVFXで見せる作品が全盛になり、それが現在まで続いている。見せ物として出発した映画が原点に立ち返ったともいえます」
 産業としての映画に最も影響を与えたのは、キャラクターの商品化だろう。フィギュアを始め、プリントシャツなどのグッズが爆発的に売れた。また古澤さんによると、米国が夏休み興行を重視し始めたのも「スター・ウォーズ」からだという。
 超ド級のヒットメーカーと認められたルーカスと、「ジョーズ」のスピルバーグは作品を量産し始める。ルーカスは「スター・ウォーズ」を全6作の壮大な物語として続編を次々製作し、スピルバーグは「E.T.」や「ジュラシック・パーク」を撮る。そして、2人がタッグを組んだ「インディ・ジョーンズ」。2人の映画が興行記録の上位を独占する時代が長く続いた。
 ルーカスとスピルバーグが編み出したヒット映画のフォーマットは、新世代にも受け継がれた。「スパイダーマン」「バットマン」などのアメリカン・コミックものや「ハリー・ポッター」「ロード・オブ・ザ・リング」などのファンタジーもの……。VFXを駆使した作品が現在もハリウッドを席巻し続けている。
 かつてのハリウッド映画は、成熟した大人を主人公に据え、大人の観客に向けた作品が主流だった。ジョン・フォードの西部劇、ビリー・ワイルダーの喜劇、フランク・キャプラの人間ドラマ、アルフレッド・ヒチコックのサスペンス、ジーン・ケリーのミュージカル……。
 むろん子供向け映画もあった。しかし、あくまで脇役だった。ところが、ルーカスとスピルバーグの登場以降、大人の映画が映画館の片隅に追いやられ、観客層の低年齢化が進んだ。スターよりもVFXが主役になった。かつての映画館では子供たちが大人に合わせていた。今は大人たちが子供に合わせている。
 低年齢化が進み始める予兆はその前からあった。テレビの登場で映画が斜陽になった60年代末。強大な撮影所システムが崩れ、映画界には、若者の、若者による、若者のための一連の作品が登場する。「俺たちに明日はない」「卒業」などの作品群は「アメリカン・ニューシネマ」と呼ばれ、映画の主役と作り手と観客の年齢層を大きく下げた。
 アメリカン・ニューシネマでは、大人の成熟よりも若者の未成熟の方に価値が置かれていた。「アメリカン・グラフィティ」で注目されたルーカス監督も、「続・激突!カージャック」で劇場映画デビューしたスピルバーグ監督も、アメリカン・ニューシネマの系譜に連なっている。
 ハリウッドの映画製作が旧来通り大人の価値観に支配されていたら、「スター・ウォーズ」は生まれなかっただろう。20世紀フォックスの製作責任者だったアラン・ラッドJr.は、ルーカスが書いた脚本を読んでも全くイメージがわかなかったという。それでも若い作り手のエネルギーを信じてゴーサインを出した。
 ハリウッドが未成熟の価値に気づいたのは、アメリカン・ニューシネマの十数年前、1955年ではなかったか。ジェームス・ディーン主演の「エデンの東」の公開。彼は、ジョン・ウェインやクラーク・ゲーブル、ハンフリー・ボガートといった従来のスターとは全く違っていた。
 未熟な男の、ちょっとすねたような表情に、女性観客の心はわしづかみされた。ジミーこそが現代に続く映画の若年化の始まりだったといえる。「スター・ウォーズ」は、そんな若年化への流れをテクノロジーの力を持って一気に推し進めたのだ。(石飛徳樹)
3D化で映画改革なるか 大高宏雄さん(映画ジャーナリスト)
 ハリウッドの作り手は今、「観客を退屈させない」という強迫観念に捕らわれている。VFXを多用し、めまぐるしくカットを割って、次から次へ新しい映像を見せようとあがく。その究極が、これから続々公開される3D(立体)映画です。「タイタニック」のジェームズ・キャメロン監督が「アバター」という3D大作を準備中ですが、これが映画の革命になるか。私には、3D化は映画から本来の特質を奪うように思えます。繊細な日本の観客は、そんなハリウッド映画の風潮にうんざりし始めているんじゃないでしょうか。


2. 高橋留美子さん新作、英訳ネット配信 海賊版に先手

 「うる星やつら」「犬夜叉(やしゃ)」などで知られる人気マンガ家、高橋留美子さんの新作が、日本での雑誌掲載と同時に英訳されて北米向けにインターネットで配信されている。海外では日本のマンガを勝手に翻訳した違法な海賊版がネット上に横行しており、その対策として異例の配信に踏み切った。
 作品は週刊少年サンデー(小学館)で22日に連載が始まった「境界のRINNE(りんね)」。幽霊が見える少女・桜が死に神の少年・りんねと出会い、不思議な出来事に巻き込まれていく物語だ。
 小学館や集英社などが出資する米国企業で、マンガの翻訳出版を手がける「VIZ Media」が英訳版を作成。同社が運営する高橋さんの英語版公式サイト(http://therumicworld.com)で第1回の配信を始めた。会員登録が必要だが無料。アクセスは北米からしかできず、印刷は不可。サンデー発売日の毎週水曜に更新していく。小学館によれば、「日米同時連載」はマンガ史上初の試みだ。
 VIZの広報担当によると、海外で評価が高い日本のマンガは、ネットに多数の海賊版が出回っている。人気の高橋作品では、早ければ日本での発売から数日で海賊版が出回るという。画質が落ち、セリフの訳が間違っていることもある。こうした違法な粗悪品が野放しのままでは日本のマンガのイメージが悪化すると、出版社やマンガ家の間で懸念が強まっていた。
 「正確で美しい正規版を海賊版より早くファンに届け、単行本が出た際のセールスにつなげたい」とVIZの担当者。少年サンデーの福本和紀副編集長は「早く読みたいという海外のファンの要望にも応えた。ほかの作品にも広げるかは未定だが、今回の試みが最初の一歩だと考えている」と話す。
 英語版第1回は同誌のサイト、クラブサンデー(http://clubsunday.jp)で特別公開されている。

ポニョ・おくりびと効果 東宝の売上高最高、松竹も黒字

2009-04-25 11:11:44 | 映画 話題等
ポニョ・おくりびと効果 東宝の売上高最高、松竹も黒字



 映画大手2社が24日に発表した09年2月期連結決算は、ともに大ヒットした邦画が下支えとなった。「崖(がけ)の上のポニョ」が人気を集めた東宝は増収増益の好決算となった。

 東宝の売上高は前期比4.1%増の2134億円で過去最高。営業利益も16.5%増の232億円。純利益は株安による有価証券の評価損が膨らみ、68.5%減の22億円だった。ただ、9月に公開予定の映画に主演するSMAPの草なぎ(なぎは弓へんに剪)剛さんが逮捕され、作品の公開は不透明になった。10年2月期の業績について、浦井敏之取締役は「今は判断材料がない」と説明した。
 松竹は売上高が1.5%増の949億円、営業利益は17.1%減の15億円。洋画の不振が響いたが、米アカデミー賞を受賞した「おくりびと」が支えた。純損益は3億円の赤字から1億円の黒字に転換した。「おくりびと」の興行は引き続き好調で、10年2月期の営業利益は、52.4%の営業増益を見込む。

2. 映画の年齢区分に新表記…映倫が5月から採用

 劇場で上映される映画を事前審査する第3者機関、映倫管理委員会(井出孫六委員長)は23日、年齢によって入場制限などを定める区分の表記を、5月から改定すると発表した。
 新たな区分表記は、年齢を問わず誰でも観賞できる「G」、18歳以上の「R18+」、15歳以上の「R15+」、12歳未満には保護者の助言・指導が必要となる「PG12」の四段階。
 従来は「一般」「R―18」「R―15」「PG―12」で、実質的な区分の仕方や審査基準に変更はない。
 映倫は「禁止や制限よりも、年齢別に観覧を薦める意味合いを強めるため、表記をマイナスからプラスに変えた」と説明。全国の映画館にポスターを配布するなどして周知を図る。
 また映倫は、表現の自由をうたうとともに審査基準を分かりやすく明文化した「映画倫理綱領」を新たに制定。正式名称も5月1日付で「映画倫理委員会」に変更するほか、ホームページでの審査結果の公開や審査対象の拡大方針なども明らかにした。



3. 文化庁、5月22日からブルーレイに課金 著作権料を上乗せ

 文化庁は、ブルーレイ・ディスク(BD)とその録画機器の価格に著作権料(補償金)を上乗せする政令を、5月22日に施行することを決めた。映像の著作権権利者団体とメーカー側の調整が難航。当初予定の4月1日からずれ込んだ。
 文化庁は22日までに公表する施行通知で、デジタル放送についてはメーカーが補償金の回収に協力しないおそれがあると明記する。メーカー側は事実上、製品価格に補償金を上乗せしない可能性が高く、今後、権利者側はメーカーを提訴する可能性が残った。

“鬼平ワールド”に浸る 時代劇専門バスツアー

2009-04-24 16:01:31 | エンターティメント情報
“鬼平ワールド”に浸る CS『時代劇専門チャンネル』がバスツアー


 CS放送の「時代劇専門チャンネル」が、人気時代劇「鬼平犯科帳」ゆかりの地を巡る東京都内の日帰りバスツアーを催したところ、予想外の人気を呼んだ。まるで、「はとバス」のようなツアーを実施したチャンネル側の思惑は? 今月中旬のある日、バスに同乗してみた。 (井上幸一)
 この日の参加者は、六十代を中心に約八十人。二台のバスに分乗して、午前九時すぎにJR東京駅を出発、最初に主人公・長谷川平蔵邸跡の墨田区菊川へ。現在は住宅が密集している場所だ。
 説明役は、鬼平研究の第一人者・西尾忠久さん。「歴史上、小説、テレビ時代劇と、鬼平は三人いる。ここは、火盗改の仕事もしていた史実上の本当の住居跡。小説、テレビでは江戸城清水門外(千代田区)に役宅があるが、あれは面白くするため」と熱弁をふるい、「ここは後に、江戸町奉行・遠山金四郎の下屋敷になった」と、うんちくも。
 バスは下町を巡り、長谷川邸、軍鶏(しゃも)鍋屋「五鉄」、お熊ばあさんの茶店「笹や」など、今度は小説、テレビに登場する“名所跡”へ。当然、現地は何の痕跡もないコンビニや駐車場だが、同行スタッフが関連する「鬼平~」の場面写真を掲げてフォロー。「大川の隠居」の物語に登場する巨鯉(きょごい)の塚を竜宝寺に訪ねる前には、車中のテレビで巨鯉のシーンを流すなど、細かなサービスで“鬼平ワールド”にいざなった。
 ツアーの目玉は、昼食後のトークショー。密偵・伊三次(いさじ)役の三浦浩一がゲストで、撮影秘話などを披露した。「伊三次は食べ方が美しいけれど、監督の指示?」との参加者の質問に、三浦が「小道具さんのおかげで、本当においしいんですよ」と答えるなど、和気あいあい。最後に、三浦を囲んで記念撮影も。
 午後は、架空の清水門外の役宅の“跡”と、史実上の平蔵の菩提(ぼだい)寺・戒行寺(新宿区)を回り、夕方五時すぎに東京駅で解散した。
 拡声器の音量など問題点もあったが、参加者にはおおむね好評。夫と参加した千葉県松戸市の自営業・川口雅世さん(55)は「コスト意識が高い役人だったことなど、テレビには出てこない平蔵の姿が分かり、より興味を持った」と満足げ。最高齢は新潟市在住の滝沢惣一郎さん(84)で、「ツアーは東京に住む長男からのプレゼント。ほとんどの場所がいかった(良かった)」と笑顔で語った。
 一昨年の京都に続く時代劇ツアーは、近畿日本ツーリストとの共同企画。東京で初開催となる今回は、二日で百六十人を募集したところ六日で完売、急きょ一日分追加したが、それでも多数のキャンセル待ちが発生した。昼食付きの代金は九千八百円だ。
 放送外収入を当て込んだチャンネルの新規事業かと思いきや、「収支はうまくいってトントンで、あくまでファンサービス。笑顔で帰っていただき、時代劇を見続けようと思ってもらえれば成功」と営業部事業チームの小野田光美副部長。「いろんなツアーの切り口があるので、『鬼平~』に限らず今後も企画していきたい」と話す。
 同チャンネルの視聴可能世帯は約六百三十五万世帯(今年1月末現在)で、一九九八年七月の開局以来、右肩上がりだ。ただし、番組ソフト供給源である在京キー局は経営環境の悪化もあり、費用がかかる時代劇の制作を控える傾向にあり、長い目でみれば懸念材料もある。トークショーの会場では「百年後に時代劇はあるの?」といった悲観的な声も上がった。
 「(人気低下が叫ばれた)プロ野球は盛り返すため、ファンサービス充実などの努力をしている。出演する側も積極的にアピールしていく必要性を感じた。また、喜んで出させていただく」。ゲストの三浦がショー終了後に語ったように、ツアーのような地道な企画が、時代劇の生き残りには大切なのかもしれない。
<鬼平犯科帳> 「鬼平」こと、江戸幕府の火付盗賊改方長官・長谷川平蔵が悪を取り締まる、池波正太郎さんの時代小説。テレビ時代劇で松本幸四郎さん(先代)、萬屋錦之介さんらが鬼平を演じ、一九八九年からのフジテレビのシリーズで、鬼平は中村吉右衛門の当たり役に。原作に限りがあり、二〇〇一年に約百三十作でシリーズは終了。その後は単発のスペシャルが制作されている。時代劇専門チャンネルでは、過去の作品を毎週日曜に三回放送している。

2. 携帯専用放送局、1日開局へ ドコモとエイベックスが合弁会社

 エイベックス・エンタテインメントとエヌ・ティ・ティ・ドコモの合弁会社「エイベックス通信放送」が、5月1日から携帯専用放送局「BeeTV」をスタートさせる。
 携帯電話向けエンタテインメント市場の新たな可能性を求めてオリジナルコンテンツを開発、その原版権を確保した上で、携帯にとどまらず、ヒット作のDVD化や書籍化などへと展開、そして制作者へ収益分配するという、ビジネスモデルとしては画期的な内容で臨む。
 映像コンテンツはドラマ、音楽、トーク、バラエティー、アニメーション、ムーログ(ムービーブログ)など8つのカテゴリー。
 ドラマは「40女と90日間で結婚する方法」(市原隼人、飯島直子ほか)、「KOI☆AGE~恋するアゲハ~」(小西真奈美ほか)、「とっても甘いの」(香椎由宇ほか)、トークでは「和田アキ子最強バトル!」「前忠×デーブの芸能都市伝説」、ムーログには東方神起が登場するなど人気の芸能人が多数出演。和田は「地上波では規制があって言えないこともここでは話せる」と今から楽しみな様子だ。
 1話はそれぞれ10分以内、月額315円ですべての番組を視聴できる。開局には70億円を投入。新会社の会長を務める松浦勝人エイベックス・エンタテインメント社長は「いつでも、どこでも、誰とでも。百パーセント満足できるコンテンツを作ります」と話す。初年度の加入者目標は70万人という。

3. 生放送の気象番組、24時間ネットで無料配信 ウェザーニューズ

 気象情報サービスのウェザーニューズは23日、24時間生放送の気象番組を27日からインターネットで無料配信すると発表した。専用ソフトウエアをパソコンにダウンロードすると見られる。視聴者が所在地の気象情報を投稿できる機能を備えたのが特徴で、新たな気象サービスの創出につなげる。

 ライブ気象情報番組「SOLiVE24」を始める。同社のサイトから専用ソフトをダウンロードすれば、パソコンのデスクトップ画面上で視聴可能。初年度に10万ダウンロードを目指す。

 同社のスタジオから、専属の女性キャスターや気象情報を収集する社員などが24時間体制で、日本各地の気象情報や災害情報、交通情報などを伝える。番組制作ノウハウはフジテレビジョンが協力する。

08年のレコード音楽販売は8%減少=IFPI

2009-04-23 18:49:14 | エンターティメント情報
08年のレコード音楽販売は8%減少=IFPI

 音楽大手各社で構成する国際レコード産業連盟(IFPI)によると、2008年の世界のレコード音楽の売上高は、前年比8%減の184億2000万ドル(約1兆8100万円)となった。
 過去数年間で大幅な減少が続いている理由は、消費者が比較的安価なデジタル形式で音楽を購入するようになったことと、多くの国で広がっている海賊版の被害が挙げられる。
 デジタル形式での音楽販売は伸びているものの、コンパクトディスク(CD)の売り上げの減少を補うほどには至っていない。
 2008年の音楽販売を地域別にみると、米国が前年比19%減となり、欧州で同6%減、ラテンアメリカでも同5%減となった。アジアだけが、わずかながら1%増加している。

3. 懐かしの歌番組「ザ・ベストテン」CDに

 往年の人気歌番組「ザ・ベストテン」の放送30周年を記念したCD6枚が、ソニー・ミュージックダイレクトなど5社から22日に発売される。ポップスや演歌など多彩なヒット曲が続出した時代を思い起こさせる109曲を収めている。
 「ザ・ベストテン」は78年から89年までTBSで放送。最高視聴率は41%を超えた。今回は黒柳徹子さんと久米宏さんが司会を務めた85年までに番組に登場したヒット曲を収録。2人のオープニングコールや順位表が「パタパタ」めくれる音もある。時代別の4枚とテーマ別の2枚があり、各2500円(税込み)。
 
 CDなど物理的形式による音楽販売だけをみると、2008年の世界での売上高は15%減の138億3000万ドルで、米国では約30%減少している。

2. 千葉真子さん、高橋尚子さんとラジオで“切磋琢磨”

 21日、元マラソン選手の千葉真子(32)が文化放送で行われた定例社長会見に、初パーソナリティーを務める同局「千葉真子のベストスマイルメッセージ」(11日スタート、土曜前5・05)のPRで登場した。同じ元マラソン選手の高橋尚子(36)もニッポン放送「高橋尚子 サインはQ」(土曜前6・20)でパーソナリティーに初挑戦しており、「お互い切磋琢磨できたらいいです」。


映画フィルム、初の重文指定へ 明治32年撮影の「紅葉狩」

2009-04-22 13:36:49 | 映画 話題等
映画フィルム、初の重文指定へ 現存最古 明治32年撮影の「紅葉狩」

 日本人が撮影した現存する最古の映画フィルムが国の重要文化財に初めて指定されることになり、24日と5月3日の2回、東京国立近代美術館フィルムセンター(東京・京橋)で上映される。近代の文化遺産の重文指定はまだ数が少ない。初めてとなる映画フィルムの指定は、今後の保存活動に弾みをつけそうだ。
 作品は、九代目市川団十郎と五代目尾上菊五郎らの歌舞伎を1899(明治32)年に撮影した「紅葉狩」。同じフィルムが何点か残っているが、1927(昭和2)年製の可燃性フィルム(約6分)がオリジナルの長さに近く、現存する中で最古と認識されている。保管していた日活が平成18年にフィルムセンターに寄贈。文化審議会が3月、このフィルムを国の重文指定に答申した。夏にも指定される見通しだ。フィルムセンター主幹の岡島尚志さんは「映画フィルムの重文指定は初めて。文化財として価値が認められた」と喜ぶ。
 重文指定は、これまで江戸時代以前のものがほとんどだった。しかし有識者会議が平成8年、近代の文化遺産の保存と活用の一層の充実をはかるように文化庁に提言。中でも映画の可燃性フィルムは、扱いの難しさから大量破棄された歴史があり、文化財として適切に保存する必要があるとして19年に全国的な調査が実施されていた。
 文化庁によると「映画は昭和30年代ごろまでセルロイド製の可燃性フィルムを使って製作されていたが、保管状態によって自然発火する恐れがあるため消防法の規制対象になり廃棄された時期があった」という。
近代の文化資料は技術の進展や生活様式の変化などの影響で消滅・散逸する可能性が高く、対策を講じなければ将来的に保存することは難しい。フィルムだけでなく、写真などの印刷物、レコードなど多様な近代遺産の重文指定が今後も検討されるとみられる。
 フィルムセンターでは、21日から始まった特集イベント「発掘された映画たち2009」で、「紅葉狩」の「日活版」と、松竹会長の大谷信義氏から寄贈された約4分の版を上映する。

2. ユッキーナ、会いたいのはギャル曽根より恐竜

 タレントの木下優樹菜(21)とギャル曽根(23)が21日、東京・台場のフジテレビ本社屋大階段で行われたディズニー映画「ウォーリー」のDVD発売記念イベントに参加した。

 誕生日が同じ(12月4日)ことから私生活でも親友の2人は、色違いのおそろいワンピースで手をつないで登場した。
 地球上にただ1人残されたロボットが、初めてほかのロボットに出会い恋する物語にちなみ、同じ境遇なら誰に会いたいか聞かれた木下は、「恐竜!」と即答。一方のギャル曽根は「私は優樹菜って言おうと思ったのに…」とがっくり。
 宝物を探して応募するとオリジナルグッズが当たる記念キャンペーン「ウォーリーのタカラモノハント」が、同所で5月6日まで実施中。DVD&ブルーレイは、22日に発売される。


米国進出やアニメ化も…「子連れ狼」ネットで復活!

2009-04-21 18:17:30 | エンターティメント情報
米国進出やアニメ化も…「子連れ狼」ネットで復活!

原作者・小池一夫氏が熱い思いを明かす

 劇画界の大御所、小池一夫氏(72)が自身の代表作「子連れ狼」を今月、インターネット上で復活させた。出版不況で漫画誌の休刊が相次ぐ中、新たな表現の場を得て、「世界進出も狙う」と意気盛んな小池氏を直撃した。
 「父をなくし、ひとりぼっちになった大五郎を育てていくのは、作者の私の責任です」
 こう語る小池氏が原作を手掛けた「子連れ狼」は、漫画家、小島剛夕氏と組んで1970年に「漫画アクション」で連載開始。刺客・拝一刀(おがみ・いっとう)と、大五郎親子のさすらいの旅と戦いを描いた物語だ。
 映画やテレビドラマでは、過去に若山富三郎、萬屋錦之介、高橋英樹、田村正和、北大路欣也といったそうそうたる顔ぶれが一刀を演じている。大五郎が父を呼ぶセリフ「ちゃん!」はあまりに有名。
 原作は76年に一刀の死で終了したが、「大五郎の成長を読みたい」との声は強く、2003年に続編「新・子連れ狼」が「週刊ポスト」で開始。作画は00年に死去した小島氏から森秀樹氏に交代した。
 06年まで続き、翌年からは自ら会長を務める小池書院の「時代劇漫画 刃-JIN-」で、第3作「そして-子連れ狼 刺客の子」がスタート。
 幕府の秘密を知り、江戸城地下の迷宮「弾掌」(だんじょう)に追放された大五郎の戦いが人気を呼んだものの、出版不況のあおりで、連載1年で雑誌が休刊した。
 そこに助け舟を出したのが、ネット出版「イーブック・イニシアティブ・ジャパン」(東京、鈴木雄介社長)。同社が今月14日に創刊したウエブマガジン「KATANA」で復活した。
 鈴木社長は元「週刊ポスト」編集長で、小池氏とは旧知の仲。「紙雑誌の休刊で、大物先生も活躍の場が制限されてしまっている。ネットなら紙などにコストをかけることもない。表現の場として提供したい」と語る。
 小池氏は「僕は10年前から『モバイルとロボットの時代が来る』と言い続けていた。ケータイ小説が現れ、紙媒体から電子媒体への移行は着実に進んでいる」と話す。
 「刃」ですでに発表した分を再録し、続きは9月後半に開始予定。大五郎は父の宿敵・阿部頼母の息子、秋田高星(たかあき)と恩讐を越えて、ともに戦っていく。
 「子連れ狼」は奇抜な殺陣や仏教的世界観の色濃い作風で海外でもファンが多く、日本の漫画ブームの草分けとなった作品。小池氏は「ネットなら紙より海外進出が期待できる」と意気込む。
 1977年に設立した「小池一夫劇画村塾」から高橋留美子氏、原哲夫氏らを輩出するなど、後進育成にも尽力。門下生から出資を募り、米国進出も視野に入れてアニメ化も準備中というが、作品にこめるテーマはどんな媒体でも変わらない。
 「今の時代に失われている親子愛、兄弟愛、友情を描いていきたい」
 “劇画魂”に終わりはないようだ。
 ■「KATANA」は当面、毎週火曜発行。執筆陣は小池氏のほか、「ワイルド7」の望月三起也氏、ギャグ漫画の見ル野栄司氏、石川勝哉氏ら。1部105円。