フジ系「エチカの鏡」看板企画 「原点回帰」教育に共感
フジテレビ系情報バラエティー「エチカの鏡」(日曜後9・00)の英才教育企画が、人気を呼んでいる。今なぜ、英才教育か、制作側と出演者に狙いを聞いた。(辻本芳孝)
エチカとは、オランダの哲学者スピノザの著書名で、ラテン語で「倫理」を意味する。番組は2008年10月に始まり、当初は「感動させる実話」などが中心だった。09年4月に初めて英才教育をテーマに、脳科学に基づく育児を実践している“脳科学オバアちゃん”こと久保田カヨ子さんを紹介したところ、番組ホームページに問い合わせや質問が殺到した。
宮道治朗チーフプロデューサー(CP)は「久保田さんの教育理論も斬新なものでなく、昔からの知識を生かしたもので、いわば教育の“原点回帰”。それが視聴者に真理として受け止められたのでは」と振り返る。
◇
鹿児島県で通山保育園など三つの保育園を経営する横峯吉文さんが登場すると人気は更に高まった。初出演した同年5月31日には16・6%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と過去最高を記録。以来、英才教育は番組の看板企画として定着していく。
横峯さんは、「子供はすべて天才である」をモットーに昔ながらの教育手法への回帰を提唱し、「読み、書き、そろばん」を重視。約300人の園児たちは、卒園まで3年間で2000冊の絵本を読み、小学校2年の漢字まで習得するという。
「教育をダメにしたのは、現場を知らない大学教授」が持論だ。毎朝徒競走で競わせたり、泳ぎを覚えるためにプールに投げ込んだりと、スパルタ教育風に見える。その背景には、「子供には平等にありとあらゆる才能があり、才能のスイッチを入れるのが、我々の仕事。スイッチが入れば、子供は勝手に学んでいく」という信念がある。
ただ、横峯さんには英才教育という意識はなく、「ただの幼児教育」という。山間地合宿で、救命胴衣を着けて川に飛び込ませるなど、子供に試練を与えることで心の強さを育てる大切さも説き、現在、年間100件の講演で全国を回る。プロゴルファー横峯さくらの伯父でもあり、その才能の開花も伯父の教育法に基づくという。
今月31日の放送でも横峯さんが登場。彼が経営する3園の“スーパー園児”たちが陸上競技会に臨む姿や、園児らが卒園後も、横峯さんが学童保育の場で教育を続ける様子を追う。
宮道CPは「中国やインドに猛追されている技術立国・日本の未来を占ううえで、英才教育は真剣に考えなくてはならない問題。バラエティー番組ではあるが、柔らかく警鐘を鳴らしていきたい」と語った。
2. 山田洋次監督にベルリン映画祭功労賞
来月の第60回ベルリン映画祭で新作「おとうと」が閉幕上映される山田洋次監督が、同映画祭の功労賞「ベルリナーレ・カメラ」を受賞することになった。都内の映画館で30日に開かれた「おとうと」の初日舞台あいさつで明らかになった。
「映画祭が格別の愛着を抱く映画人や団体」に贈る賞で、日本では市川崑監督や熊井啓監督が受賞した。山田監督のベルリン映画祭出品は今年で7度目。「おとうと」のほか、客員教授を務める立命館大学で学生と撮った「京都太秦物語」も同映画祭フォーラム部門で上映される。
3. iPad:富士通が米で商標申請 アップルと紛争も
米アップルが27日発表した新しい多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」と同じ名称の小売業者向け携帯端末を富士通が米国で03年に商標登録申請していたことが29日、分かった。米国での商標登録はまだ認められていないが、富士通は「事実関係を精査し、対応を検討中」(広報IR室)としており、アップルとの間で商標権争いに発展する可能性がある。
富士通の「iPAD」は、小売店が在庫管理や検品の際、赤外線でバーコードなどを読み取るための携帯端末で、02年から米国などで発売。03年に米特許商標庁に商標登録を申請し、現在は登録待ちの状況という。このほか、「iPAD」の名称は、独電機大手シーメンスも国際商標登録し、エンジンなどの商標に使用するなどしているという。
シーメンスは製品の分野が全く違うため、係争になる可能性は低いと見られるが、富士通の場合は用途は異なるが同じ携帯端末のため、今後のアップルとの協議次第では、法廷での商標紛争に発展する可能性も出てくる。アップル日本法人は「コメントできない」としている。
アップルの商品名をめぐっては、07年に発売した多機能携帯電話「iPhone」についても、日本のインターホン最大手「アイホン」(名古屋市)が表記が紛らわしいとアップル側に協議を申し入れ、日本語表記を「アイフォン」ではなく、音引きのある「アイフォーン」とすることで決着した経緯がある。
フジテレビ系情報バラエティー「エチカの鏡」(日曜後9・00)の英才教育企画が、人気を呼んでいる。今なぜ、英才教育か、制作側と出演者に狙いを聞いた。(辻本芳孝)
エチカとは、オランダの哲学者スピノザの著書名で、ラテン語で「倫理」を意味する。番組は2008年10月に始まり、当初は「感動させる実話」などが中心だった。09年4月に初めて英才教育をテーマに、脳科学に基づく育児を実践している“脳科学オバアちゃん”こと久保田カヨ子さんを紹介したところ、番組ホームページに問い合わせや質問が殺到した。
宮道治朗チーフプロデューサー(CP)は「久保田さんの教育理論も斬新なものでなく、昔からの知識を生かしたもので、いわば教育の“原点回帰”。それが視聴者に真理として受け止められたのでは」と振り返る。
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鹿児島県で通山保育園など三つの保育園を経営する横峯吉文さんが登場すると人気は更に高まった。初出演した同年5月31日には16・6%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と過去最高を記録。以来、英才教育は番組の看板企画として定着していく。
横峯さんは、「子供はすべて天才である」をモットーに昔ながらの教育手法への回帰を提唱し、「読み、書き、そろばん」を重視。約300人の園児たちは、卒園まで3年間で2000冊の絵本を読み、小学校2年の漢字まで習得するという。
「教育をダメにしたのは、現場を知らない大学教授」が持論だ。毎朝徒競走で競わせたり、泳ぎを覚えるためにプールに投げ込んだりと、スパルタ教育風に見える。その背景には、「子供には平等にありとあらゆる才能があり、才能のスイッチを入れるのが、我々の仕事。スイッチが入れば、子供は勝手に学んでいく」という信念がある。
ただ、横峯さんには英才教育という意識はなく、「ただの幼児教育」という。山間地合宿で、救命胴衣を着けて川に飛び込ませるなど、子供に試練を与えることで心の強さを育てる大切さも説き、現在、年間100件の講演で全国を回る。プロゴルファー横峯さくらの伯父でもあり、その才能の開花も伯父の教育法に基づくという。
今月31日の放送でも横峯さんが登場。彼が経営する3園の“スーパー園児”たちが陸上競技会に臨む姿や、園児らが卒園後も、横峯さんが学童保育の場で教育を続ける様子を追う。
宮道CPは「中国やインドに猛追されている技術立国・日本の未来を占ううえで、英才教育は真剣に考えなくてはならない問題。バラエティー番組ではあるが、柔らかく警鐘を鳴らしていきたい」と語った。
2. 山田洋次監督にベルリン映画祭功労賞
来月の第60回ベルリン映画祭で新作「おとうと」が閉幕上映される山田洋次監督が、同映画祭の功労賞「ベルリナーレ・カメラ」を受賞することになった。都内の映画館で30日に開かれた「おとうと」の初日舞台あいさつで明らかになった。
「映画祭が格別の愛着を抱く映画人や団体」に贈る賞で、日本では市川崑監督や熊井啓監督が受賞した。山田監督のベルリン映画祭出品は今年で7度目。「おとうと」のほか、客員教授を務める立命館大学で学生と撮った「京都太秦物語」も同映画祭フォーラム部門で上映される。
3. iPad:富士通が米で商標申請 アップルと紛争も
米アップルが27日発表した新しい多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」と同じ名称の小売業者向け携帯端末を富士通が米国で03年に商標登録申請していたことが29日、分かった。米国での商標登録はまだ認められていないが、富士通は「事実関係を精査し、対応を検討中」(広報IR室)としており、アップルとの間で商標権争いに発展する可能性がある。
富士通の「iPAD」は、小売店が在庫管理や検品の際、赤外線でバーコードなどを読み取るための携帯端末で、02年から米国などで発売。03年に米特許商標庁に商標登録を申請し、現在は登録待ちの状況という。このほか、「iPAD」の名称は、独電機大手シーメンスも国際商標登録し、エンジンなどの商標に使用するなどしているという。
シーメンスは製品の分野が全く違うため、係争になる可能性は低いと見られるが、富士通の場合は用途は異なるが同じ携帯端末のため、今後のアップルとの協議次第では、法廷での商標紛争に発展する可能性も出てくる。アップル日本法人は「コメントできない」としている。
アップルの商品名をめぐっては、07年に発売した多機能携帯電話「iPhone」についても、日本のインターホン最大手「アイホン」(名古屋市)が表記が紛らわしいとアップル側に協議を申し入れ、日本語表記を「アイフォン」ではなく、音引きのある「アイフォーン」とすることで決着した経緯がある。