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さらにイタリアの巨匠との出会い ~Ennio Morricone(エンニオ・モリコーネ)と

2008-11-27 | Music
It was a distinct honor for Patrizio to meet maestro Ennio Morricone.

そしてもう1人・・
イタリアの巨匠、Ennio Morricone(エンニオ・モリコーネ)との素晴らしい機会が・・
こちらも11月のものです。
この時Patrizioはこのマエストロから直々にアドバイスをいただいたんだそうです。
どんなアドバイスかしら。
いつかPatrizioに曲を提供してくれたら素敵ですネ。




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「イタリアの巨匠 ~Ennio Morricone(エンニオ・モリコーネ)」

                             Grazie mille, Toshimiさん!


今やイタリア映画だけでなく世界中のスクリーンを彩る映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネ。
今まで彼が携わった映画は460ほどとも言われています。
彼自身正確な数字はわからないらしい、それほどモリコーネの映画における功績は
多大なものがあります。

イタリアが生んだこの名作曲家エンニオ・モリコーネは、1928年ローマ生まれ、
父はジャズ楽団や劇場などで幅広く活躍していた有名なトランペット奏者です。
エンニオ少年は、そんな父の影響で、幼い頃から楽団や無声映画の音入れの現場等に出入りし、
音楽に親しんで育ちました。
わずか6歳で作曲を始めるという非凡な才能を発揮し、
トランペット習得のため10歳でローマのサンタ・チェチーリア音楽学院に入学します。

この学院に学んだ10数年が、彼の音楽人生の基礎を築きます。
彼の才能に気づいた師の勧めで作曲の道に進むことになったエンニオ、
クラシックはもとより、軽音楽や歌曲もこなして作曲の才能を開花させ、
18の頃にはローマの劇場から劇用歌曲の依頼も受けるようになり、
学生の身に関わらず、作曲家として注目されるようになっていきます。
平行して、父の属するバンドでトランペット奏者としてジャズを演奏、
あらゆる分野の音楽を学びます。

折しも第二次大戦後の変革のとき、音楽の世界にも新しい波が押し寄せ、
今までの旧態依然としたクラシック音楽からの脱却が試みられていました。 
エンニオもこの新しくて自由な曲作りの手法を吸収消化し、
作曲家としての進歩を遂げていきます。

もちろんポピュラーの分野も忘れず、
ラジオ番組の音楽を担当するなどして、1954年26歳で学院を主席卒業する頃には、
イタリアの音楽業界で「カンツォーネも書ける現代音楽作曲家」として、
すでに名を知られるようになっていました。
そして1960年にはいよいよ映画音楽の世界に足を踏み入れます。
他人の楽曲のアレンジなどの下積みから、徐々に頭角をあらわすエンニオ。

彼の映画音楽が一躍世界中に知れ渡るきっかけとなったのは、
セルジオ・レオーネ監督とマカロニ・ウエスタン
(これは日本で命名されたイタリアのウエスタン映画の呼称)との出会いでしょう。
黒澤映画を軸にした『荒野の用心棒』に起用され、映画は空前の大ヒット、
それと共にモリコーネの名は世に広く知られることとなります。

エンニオは、この破天荒なウエスタン映画をさらに印象強いものとする
独特な音楽を作り上げました。
鐘や口笛や歌詞の不鮮明なコーラスを用いる、など、
彼の音楽はそれまでただ美しく滑らかだった映画音楽の業界に大きな衝撃を与えました。

才能を生かした自己主張のクラシック音楽作曲とは全く異なり、
‘映画に沿い映画を盛り上げるための音楽作り’という道に、
最初は戸惑うことも疑問視する声もあったというエンニオ。
しかし彼はそこに彼流の表舞台を見出していったのでしょう。
ここからエンニオ・モリコーネの映画音楽の世界が始まったのです。

当時イタリア音楽界の第一人者はニーノ・ロータ
(ゴッド・ファーザー、ロミオとジュリエット等)と言われていました。
あくまでも美しい旋律と哀愁漂うその作風で、
たしかにロータはイタリア音楽界をリードした作曲家です。
そのロータと人気を二分するモリコーネは、
美しさとともに奇抜で独特な技法を取り入れ、あらゆるジャンルの映画に携わり、
それぞれに見事なまでに相応しい曲をつけていきました。

その他代表的なものをいくつか挙げてみました。



続・夕陽のガンマン』(1966)
口笛、ジューズ・ハープ、エレキ、人声などを多様、独特な世界を作り出しています。

『ウェスタン』(1968)

シシリアン』(仏1969)
巨匠アンリ・ベルヌイユの超一級作品を飾った美しくもどこか冷たい非情さが際立ちます。

『死刑台のメロディー』(1970)
フォーク歌手ジョーン・バエズと共演。

天国の日々』(1978)
初めてハリウッドデビュー。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984)
Il Divoのニューアルバム「The Promise」収録の「アイ・ニュー・アイ・ラヴド・ユー」
(世界の夜明け)は、この映画の「デボラのテーマ」として知られています。

ミッション』(1986)
「ガブリエルのオーボエ」は、かの曲「ネッラ・ファンタジア」として、おなじみです。

これらの心に沁みる美しい旋律の曲はあまりにも有名ですが、
エンニオはまったく別のジャンルの映画にも参加しています。

たとえば、SFカルトムービーの最高峰と今でも称される傑作、
ジョン・カーペンター監督の『遊星からの物体X』(1982)ご存知でしょうか?
このホラー映画もなんとモリコーネが曲を手がけ、
恐怖感と緊迫感をこれ以上ないほどに高めています。
あの優しいメロディーラインとは、一味もふた味も違うホラー・サウンド!

そして、やはり極めつけは、
ジュゼッペ・トルナトーレ監督作品『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988)でしょう。
シチリアの小さな村の映画館を舞台に、
少年サルヴァトーレの友情、青春、恋、
そして映画への熱い思いを描いた映画史に残るこの名作は、
モリコーネの音楽なしには語ることはできません。
音楽大生だった息子のアンドレアも、「愛のテーマ」を提供、
共同作業で感動の世界を完璧なまでに作り上げました。
こちらはラストシーンです。



『海の上のピアニスト』(1998)も記憶に新しいですね。
トルナトーレ監督の作品はニューシネマ以来ずっとモリコーネが担当、
生涯を船の上で過ごした天才ピアニストの物語と全編に流れる情感溢れた楽曲の数々が、
観る者の涙を誘いました。
こちらは数ある名曲の中で、私がもっとも好きなシーンです。

「Playing Love(愛を奏でて)」



これらはほんの一握り、彼の手がけた作品は枚挙にいとまがありません。
80年代から現在に至るまで、
もはやモリコーネは世界中の映画界にとってなくてはならない存在となり、
イタリア国内は勿論のこと、ヨーロッパでの彼の地位と名声は不動のものとなりました。
国内外で映画関係各賞を多数受け、
映画界だけではなく文化面での活躍と貢献を認められた彼は、
1995年にはイタリア大統領から国家勲章を受けるという名誉までも手にしました。

あまり知られてはいませんが、
エンニオは単に映画音楽だけではなく、コンサート用の楽曲も多数手がけ、
さらにポール・アンカやシャルル・アズナブール、ミルバ等多くのポップス歌手にも
数多くの楽曲を提供しています。
2003年に日本の某局の大河ドラマを手がけたことも当時話題を呼びました。
その活動域の広さが伺えますね。

モリコーネは単に映画音楽の巨匠のみならず、
現代音楽すべての世界での大家である、ということなのでしょう。
作曲家モリコーネは、後世に残る偉大な芸術家に相違ありません。


                 
イタリアを愛するエンニオは、
どれほどアメリカで仕事が増えようと決してローマから離れようとせず、
今でも作曲に没頭する毎日だそうです。
80歳のエンニオ・モリコーネ、
これからも変わらずに素晴らしい映画音楽の世界を私たちに届けてくれることでしょうね。


Il mio musica cinema favorito è 'La leggenda del pianista sull'oceano'

4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (Kaori)
2008-11-27 16:03:26
モリコーネの紹介記事、
映画にお詳しいToshimiさんにお願いして書いていただきました
自分で書いてたらまとまらなくなっちゃって

私もピアノを弾くので、
「海の上のピアニスト」は大好きな映画、
しかもこのシーン、大好きなんです!
主人公の心と表情の変化、
それに船の外の世界を知らない彼にとって、音楽は私たち以上に特別なものなんでしょうね。
彼にとっては、レコードにすることより、
「今」、その人の目の前で奏でることが大切っていう気持ちも、とってもよくわかります。

映画と音楽がぴったり合うと、相乗効果で心にずっと残る映画となりますね!

あぁぁ!それと、私、勘違いしてました!
今気づいたけど、「シシリアン」ってもしかしてアラン・ドロンのですか?
私が観たことある「シシリアン」ってクリストファー・ランバートですけど、
よく考えたらこれはアメリカ映画ですよね
返信する
Unknown (Toshimi)
2008-11-27 17:00:28
kaoriさん、もっと軽くさらっと紹介したかったのだけれど、これとこれはどうしても、とまとめたら、随分長ったらしい紹介になってしまいました

今までここに紹介してきた色々なアーチストたち、みんな生まれた時からなるべくしてこの道に、といった人ばかりで、やっぱり‘宿命’ってあるのかしらって、つくづく思いつつ・・・

モリコーネ、大好きです!
ニューシネマ~のこのシーン、何度観てもそのたびに感動して涙!
音楽を聴くだけで、胸の中が暖かくなるのって、素晴らしいですよね

シシリアン、はい、ドランとジャン・ギャバンとリノ・ヴァンチュラという(知っているのは私くらい?笑)3大名優の共演!
フランスギャング物(笑)です。

返信する
Unknown (Kaori)
2008-11-27 20:22:39
Toshimiさん、
わかります、途中を省くと意味がわからなくなるから、短くまとめられないですよね。
ほんと、素敵な映画音楽が流れてくると、
その映画のシーンがすぐ蘇りますね。
ニーノ・ロータも好きですけど、
モリコーネは癖になる感じ!
幅広いジャンルを手がけてるなんて、感性豊かですよね
Patrizioに会って、どんな印象を持ったかしら。
即興でPatrizioをイメージした曲をかいてみてもらいたいです。
どんなかナ~~

「シシリアン」、アラン・ドロンみたいなマフィアがいたら、もうたちまちメロメロです~
マフィア、大好きです(笑)
でも「アンタッチャブル」は、デニーロのカポネも好きですけど、
「いい者」も大好き揃いでした。
特に若い警官役のアンディ・ガルシア、かっこよかったわ~
返信する
私も大好き! (ぎゃふん。)
2008-12-16 17:01:24
私、つい最近まで「エンリオ」だと勘違いしてました。
「エンニオ」だったんですね。
しかもまだご存命だったとは!パトと面会してたとは!
超びっくりです!!!知らないって恥ずかしい・・・。

Toshimiさん、年表ありがとうございます。
アラン・ドロン大好きなので、シシリアンも入っていて
嬉しいです。でもあまりにも有名で名曲ばかりなので
日本人の殆どがモリコーネの曲だとは知らずに聞いていますよね~。
ニニ・ロッソとかルフェーブルとか、映画音楽なんかの人々は
みんなそうかも知れませんが・・・。

パトの為だけに曲を書いて下さるなんてことは
ないのでしょうかね??
返信する