新春浅草歌舞伎

2006-01-06 18:17:59 | 演劇
3日に新春浅草歌舞伎に行ってきました。
普段は一人で観劇することが多いですが、正月だけは旦那も一緒に。
今回初めて昼の部(11時から)に行ったのですが、楽しいですね~。
3が日ということもあり、浅草寺へ初詣に行く人、歌舞伎や寄席に行く人、人力車も走っていて江戸気分~♪
東京は古い建物や町並みが少ないのですが、浅草はまだ古い感じがしてよいですね。
浅草寺に初詣には行きませんでした。
いつも同じ市内の神社に行くので。
ついで、というのもよくないでしょうしね(笑)

さて、歌舞伎ですが、演目は「鳴神」と「仮名手本忠臣蔵ー5・6段目」でした。
日替わりで最初に年始の挨拶があります。
今回は七之助さんでした。
旦那曰く、「七之助は声に特徴があるからわかりやすい」
へーっ、しょっちゅう見に行ってるとそんなことは思いもしなかった。

○鳴神
鳴神上人(獅童)の祈祷で皇子が誕生したのに、上人の願いである戒壇建立が認められず、それを恨んだ上人が竜神を滝つぼに閉じ込めてしまいました。
そのため干ばつに苦しむ人々。
朝廷の命を受け、やってきた雲の絶間姫(亀治郎)。
絶間姫は女人の色香で承認を堕落させ、雨を降らせるために使わされました。
姫は「夫の形見の薄衣を洗うためにやってきたと嘘をつきます。
そして夫との馴れ初めを色っぽく語りはじめます。
その話に引き込まれる上人。
上人の弟子になることを許され、2人きりになった姫は胸のつかえがおきたと苦しみだす。
それを介抱するうちに女の肌に触れ、正気を失った上人は姫に夫婦になるようにせまる。
意外にもそれを承諾した姫は注連縄を切れば竜神が飛び出し、雨を降らせることができると聞きだす。
酒を飲めない上人にたっぷりと飲ませ、注連縄を切った姫。
雷鳴とともに雨が降り出し、逃げ去る姫。
それに気づき、怒った上人は怒り、あとを追いかける。

まぁなんとも色っぽい話です。
絶間姫の馴れ初めの話が艶っぽいです。
かなりの長台詞なので、絶間姫役は大変でしょう。
亀治郎さんはちょっとふっくらしてきたのか、もうちょっと顔がほっそりしてるとよいとは思うのですが・・・
鳴神上人役の獅童さんは検討しています。
背が高いせいか、上から見ると頭が切れて見えるのが残念。
歌舞伎役者はそんなに背が高くなく、顔が大きい方が見栄えがするというのが一般的ですからね。
しかし、女性から見ると鳴神上人って・・・
姫の胸元に手を入れ、「何やらやわらかいものが2つ」とか「その先には○○(ピーッ)」とか長年修行だけしてて女性に慣れていないせいか、上人アホすぎです(笑)
とうとう夫婦になろうとまで言い出し・・・
最初と姫の色香に迷ったあとの変化の演技は・・・まぁ普通?
獅童さんは初役ということもあり、いっぱいいっぱいなのでしょうか?
しかし、ラストの怒り狂ってぶっ返り、追いかけるところは立ち役の似合う彼にぴったりでしたよ。
獅童ファンとしてはもっとかっこいいヒーロー役か色悪的なものをやってほしいですが(笑)

○仮名手本忠臣蔵ー5・6段目
有名なおかる・勘平の場です。
といっても私も見るのは初めてなのですが(笑)

敵討ちのための資金を調達する約束をした勘平(七之助)。
もちろんそんな大金はなく、猟師をして生計をたてている。
妻のおかる(勘太郎)はこっそりを身売りして調達することにする。
勘平には内緒で、おかるとその親の与市兵衛夫婦で話をつけてしまっています。
前金の50両を受け取った与市兵衛は帰る途中、赤穂の浪人でありながら山賊をやっている定九郎(亀鶴)に殺されてしまう。
その直後、偶然いのししを狙っていた勘平の鉄砲に撃たれて死ぬ定九郎。
暗闇で人の死骸があることに驚いた勘平だが、懐の50両に気づき、握りしめて立ち去る。
与市兵衛が殺されたことを知り、持っていた財布と同じものを持っていることがわかった勘平。
義父を殺したのは自分だと誤解してしまう。
不審に思った与市兵衛の妻おかやに問い詰められる。
そこへ同じ赤穂浪人の2人がやってくる。
勘平の話の一部始終を聞いた2人は激怒する。
その直後間平が切腹。
与市兵衛の死骸を確かめた2人は鉄砲傷ではなく、刀傷であることを発見する。
定九郎が殺されていたことを思い出し、勘平の疑いは晴れる。
敵討ちの連判状に血判させ、勘平は安堵しながら息を引き取る。

うーん、七之助は全然悪くないんですよ。
むしろかなり健闘してました。
でも見た目が細いですから・・・女形多いですしね。
おかる役の勘太郎がごつ過ぎます(爆)
夜の部だと逆の配役なのでそっちの方が見た目しっくりくるでしょうね。
で、この話の見所は定九郎でもあります。
最初の頃は汚い山賊の衣装で演じられていたようです。
しかも台詞はたったの「50両・・」のみ。
それを江戸時代の大部屋役者(いわゆる御曹司ではない下っ端ですね)であった中村仲蔵がなんとか役を目立たせようと考えました。
破れた蛇の目傘をさし、黒羽二重の着物。
白塗りに裾を高々とからげ、茶小倉の帯へ朱色の大小刀。
雪駄を腰にはさみ、五分にのびた月代。
これだけでもなんて美しいセンスと思ってしまいますよね。
鉄砲にうたれるところでは、含み紅をブッと吹き出し、手先をもがき倒れていく演技。
それが大喝采を浴び、今では人気役者が演じることになっています。
で、今回は亀鶴さんが演じていましたが、もうちょっとピリッとした感じがほしかったかなぁ。
夜の部は獅童さんがやっていますから、かっこいいだろうなぁとは思ってしまいかすが、どちらにしてもこの役は非常に難しいんではないか?という印象を受けました。
ベテラン俳優さんの定九郎で見てみたいものです。
まぁ浅草歌舞伎は若手ばかりですから、これからますます伸びていく途中なんでいいんですよね♪
しかしこの演目はどうなんでしょうか?
旦那も「正月なのに暗い話はどうなの?」と言ってました。
旧暦だと元旦頃討ち入りだから?
演目を選ぶ基準やいきさつがあるんでしょうか?
歌舞伎専門劇場ではないのでいろいろ制約があるとは思いますが、正月らしい華やかなものも見てみたいと思うのですが・・・
コメント (2)
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