「成田問題」をモチーフとしたミステリー作「熱鷹 ―内陸空港の功罪―」(著者/豊田 旅雉)が4月14日(金)に発売されたというので、たまには図書館司書らしい話題にも触れようと、今回はネットではなく市内の書店で取り寄せて購入してみました。
著者はかつて流山を担当された千葉日報の元新聞記者・豊田旅雉さん。新聞社を辞めて作家になると昨年、「わっ嘉」でお話を伺った時には、「安定している新聞記者から、作家になるのは大変!」と思ったワタクシですが、こうして「第2回らくむぎ出版コンテスト」優秀賞を受賞されたご著書を手にすると、やっぱり夢は諦めちゃダメなんだろうな……などと考えたりします。
ISBNコード:978-4-434-32011-8 つむぎ書房発行 星雲社発売 1760円(税込)
本の帯には、元千葉県警警視正の唐鎌茂夫氏が「成田闘争の歴史は二度と繰り返してはならない そう改めて思わせてくれた」と推薦のお言葉を寄せられています。唐鎌元警視正は、元流山署長で、成田闘争の惨劇から50年の節目となった2021年9月17日、かつて豊田記者が取材をされていた千葉日報に『若き巡査、惨状に絶句 「膝交え話すべきだった」 元県警警察官・唐鎌茂夫さん(73) 成田東峰十字路事件半世紀』という記事が特集され、いまもネット(下のURL)で無料公開されています。
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/831394
4月19日(水)には千葉テレビでも紹介されました
千秋国際空港で大型旅客機が爆破された。県警捜査一課の内藤は初動捜査に当たるが、捜査本部は手口から国際的なテロと断定し、捜査の本筋から外されてしまう。内藤に割り当てられたのは、空港内に無数にある防犯カメラの解析。だが、空港内のありとあらゆる風景を記録していたはずのカメラに、犯行の様子を記録したものは一つもなかった。本当に国際テロ組織による犯行なのか。四十年前の開港前夜、空港反対派による過激な反対運動があったが、今はもう、その火は完全に消えている。関連はないのか。もしも反対派なら、今さら何に反対しようというのか。内藤が頭を悩ませる中、厳戒の警備態勢をあざ笑うかのように二機目が爆破されるー。
「北総よみうり」4月号にも紹介されました
作者の豊田旅雉さんは、かつて支局長などとして取材活動をされた千葉市や成田市の図書館にご著書「熱鷹 ―内陸空港の功罪―」を寄贈されていますが、統一地方選挙も終わって、少しずつ落ち着きつつある流山の図書館にも「ぜひ、寄贈を」と考えていらっしゃるそうです。ありがたいですね。
成田の未来屋書店では大型連休に合わせ「ヒコーキと日本の旅」というコーナーをつくって応援
かつて流山市の秘書広報課で当時の豊田さんと交流のあった元職員さんは「あ、この記者は某社の誰々さんだ、このテレビ局は……」とあれこれ思い出しながらもストーリーや人物設定がしっかりしていて面白く一気に読めたと感想を聞かせてくれました。ワタクシ、実はまだ読んでいる途中なので、ネタバレされたら困りますので、あまりお話を聞かないようにして、少しずつゆっくりとページをめくって楽しんでいます。