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おんらく館~のこぎりものには福がある~

のんびり・ぼちぼち・気の向くままに・・・

&修理

2017-05-01 | 調律
大変ありがたいことに、調律のお仕事を沢山ご依頼いただいてます。
自分は1台1台に結構時間をかけるので、その所為もあるのですが追いつかないくらいになってきて最近ちょっとヘロヘロになってきてます。
うまいこと調整しないといけませんね。。。


さて、そんな中ですが先日ずっと調律させてもらっているライブバーの調律&修理をしてきました。



お店であることと、毎日いろんな人がさまざまな演奏をするのもあるのでしょう、しばらく前からですけど打弦ハンマーがガタガタになってました。

だましだまし調整してやってましたが、いよいよ限界を感じて、前回の調律のときに「次回は1日かけて直したいと思います。なので今までの金額では出来ません」というお話をしました。

お店の方も予算的に厳しいとのことなので、どうするかなと思っていましたが、なんと調律修理募金をしたそうです。

すると2ヶ月も経たないくらいで今回の費用分集まったということで思っていた以上に早いタイミングでお願いされました。


募金、つまりお店を愛する常連さんたちの気持ちが入ってますから、こちらの作業も気合が入ります。

とりあえずぐらぐらなハンマーをチェックしてひたすらセンターピン交換と調整。
59本替えました。

更にぐらぐらだったため打弦点がぶれていたし、それ以前に間隔もおかしかったのでその調整。
そしてハンマーのファイリングと整音。

そして調律。

約束の時間いっぱいいっぱい使ってなんとかここまで出来ました。


皆さん喜んでくれてるといいのですが。。。

とりあえずしばらくはちゃんと使えると思います。


オーナーをはじめ、このピアノの音が好きだというミュージシャンの方も多いので、それに応えられるようこれからも身を入れて調律していきたいと思います。










好みの音はどんな音?

2017-04-10 | 調律
ピアノの先生とか、ミュージシャンとか、そういうお宅に調律に伺う機会もずい分増えてきました。

そんな中「どんな音がいいですか?」とたずねることもしばしば。
先方から言ってくることもありますが。

もちろん完璧にお応えできるわけでもないし、そう思ってもいませんが、なるべくご希望に副うように努力は続けています。結局それが上達への道ですし・・・


先日チェコのグランドピアノを調律しました。
数年前に日本に持ってきて、その後調律していなかったということです。

当然音は狂っていましたが、ヨーロッパらしいキラキラとした華やかな音が鳴るピアノでした。

ところが持ち主は、子供の頃からカワイの音に慣れていて、ベートーベンの単調のソナタが好きだからこういう華やかな音は好きじゃない。と言います。

そこでご期待に副うべく高次倍音はなるべく消して基音の低いところをなるべくずっしりと出すように調律しました。その他にもそうなるようにタッチも多少ですが調整してます。

調律が終わって自分で音のチェックをしたところ、「日本の音だ~!」と思わず自ら唸ってしまいました。(笑)

お客さまにも「日本の音になりました」と伝えて試し弾きしてもらったら「カワイの音になった!」といたく喜んでもらいました。
喜んでもらったのはとても光栄なんですが、調律師として内心ちょっと複雑な心境でした。。。何しろヨーロッパらしさを消してしまったので・・・


そのすぐ後日、今度はカワイのアップライトを使っている先生のお宅へ。
こちらは逆に「カワイの音は嫌いで、もっとカンカンいうくらいの音がいいです」とのリクエスト。

タッチもずい分重たくなっていて(昔ご自信が習っていたときのピアノの先生に「重いほうがいい」と言われて調整したらしい)、しかもそれがあまり良い調整ではなかったのでその辺もあわせて調整。

調律はチェコのグランドとは真逆に、高音のキラキラをなるべく出すように揃えていきました。

結果、ヨーロッパの音にはなりませんが(そもそもそういう成分がない)、ヤマハの音くらいにはなったと思います。

タッチも「軽くなった」と喜んでもらえたので、これも良かったです。


ジャズピアニストさんからは、「タッチをもっと重たく」とリクエストされました。

最初電話でお願いされたんですが、その時調律の作業中であまり手を離せなかったので「オモリを入れる作業でしたら工房を紹介します」と言ってしまいましたが、それはあくまで最後の手段なのでその日の夜に改めて謝罪をしつつ一度調整作業をさせてください。とお願いしました。

ヤマハのグランドで、決して軽くないし、どちらかというと既に重い感じがしましたが、整調でグッと弾き応えのあるタッチを目指しました。
音もドンと太く鳴るように調律しました。

一応納得してもらえて、それで様子を見てもらうことに。



また一番最近では、「音が金属的で硬いので、こもってもいいからもっと柔らかい音に」とリクエストされました。

ヤマハのグランドですが、前任者が諸事情で来られなくなってしまったため新規に頼まれました。

この方は毎年ちゃんと調律をしてましたが、割と調律師さんを探して変えていたようです。
記録を見ると過去の調律師さんも整調とか色々作業をしていたようです。

ところが、実際に作業を始めてみると、とにかく整調がバラバラ・・・

全部は出来ないので最初に感じた違和感を元に、優先順位をつけて何項目か調整しなおしました。

その後の調律は、キンキンしないようにも頭に入れつつですが、特に手を加えずノーマルな調律をしました。

それでも「こういう音が欲しかったんです!」と喜んでいただけました。
ちなみに本来のヤマハの音かな?と思います。

お断りしておきますが、ハンマーには手を加えてませんが整調を変えることによって弾き方も変わるのであわせて音も変わります。


ヨーロッパピアノがカワイの音になったのは、我ながら衝撃的でした(苦笑)が、これをきっかけにより音色に関心をもちながら調律をするようになったと思います。


これからもマイペースですが、楽しく精進していきたいものです。。。











自動演奏ピアノ

2017-03-06 | 調律
今日はあいにくの雨模様ですが、だんだんと暖かさを感じている今日この頃です。


さて、先日自動演奏付きピアノをご購入されたお宅へ調律に行ってきました。
最近ではめっきり見なくなってしまいましたね。。。

二十数年前のヤマハ製で、アンティークショップで購入されたとか!

楽器店購入ではないので納調サービスもなく、正直状態に心配もありましたが、伺って作業した範囲では全く問題なく、ピアノも木目調のキレイなもので良い買い物をされたな、と嬉しくなりました。

なんでも自動演奏ピアノを持つことがご主人の長年の夢だったようで、それがかなって本当に良かったですね!
機械ものなのでいつ壊れるか分からない、という余計なひと言を添えてしまいましたが(申し訳ありませんでした)出来ることならいつまでも元気に動いていて欲しいものです。


たまたまですが、最近古本屋さんで「ピアノの誕生」という本を買って読んでいますが、そこにも自動演奏ピアノについての記述があります。

19世紀末に「ピアノラ」という商標で考案され、またたく間に世界を席巻したとのこと。

ちょうどレコード録音が発明されたのと同時期で、ノイズが多く、しばしば不鮮明なレコードの音よりも、自動演奏ピアノの方がはるかに鮮明な音を実現し、しかもレコードよりも劣化しにくいという比類なき特長を持っていた。
レコードがアナログなのに対して、自動演奏ピアノの録音方式ってある意味デジタルですからね。。


1900年のピアノ販売台数17万1千台に対して自動演奏ピアノが6千台。
この伸び率だけでもすごいのに
1909年にはピアノが33万台に対して自動ピアノは3万4千台。
更にこの頃すでに40種類以上の自動ピアノが製作されており、各社が率先して技術革新に努めていた。

そして1914年ではピアノ23万8千台に対して自動ピアノは9万8千台。
1919年ではピアノ15万6千台に対して自動ピアノは18万台を記録し、ついにピアノの販売台数を追い抜く!
1925年にはピアノ13万6千台に対して自動ピアノ16万9千台と市場をほぼ席巻したことになる。


この数字はこれまでピアノを購入してきた人の半分は、もっと受身のかたちで音楽享受を望んでいたことを語っている。
更に面白い報告として、ピアノは19世紀以来、子女を対象としてきた。それは20世紀に至っても変わることはなかった。
しかし、自動楽器を求めたのは女性ではなくて男性だった。


なんてことが書かれていました。


そう思うと、30年くらい前に自動演奏ピアノが出たときに、「おお~!」と食いついたのは女性より男性の方が多かったのではないでしょうか。
しかも娘にはピアノを習わせているけど、自分では弾けないお父さん。(笑)



ただし、この後レコード等の録音技術、ソフトが良くなるにつれ自動ピアノは下火になり、現在の自動ピアノも珍しさ、新鮮さがなくなるとともに減ってしまったのではないでしょうか。

それでも今でも自動演奏からの生演奏を楽しんでいる人は確実にいらっしゃいますし、せっかくあるのですから、とことん楽しみぬいてもらいたいと思う今日この頃であります。










同じ音であることの不思議

2017-03-05 | 調律
先月途中辺りからまた新規のお申し込みが増えております。
ありがたいことです。m(_ _)m
これからも喜んでいただけるよう、頑張って精進してまいります。


さて、そんな話の後ですが、

最近お伺いしたご新規2件。

午前のお宅
「真ん中のドの音が時々出ないので直してください」とのこと。

ジャックという鍵盤の突き上げをハンマーに伝える部品の回転軸が硬くなっていて(スティックというやつですね)、元の位置に戻らないから2打目以降でちゃんと発音できなくなってしまっていました。

パーツを外してセンターピン交換という修理をいたしました。

その他気になるところを調整したりして、1件目終了。


午後のお宅
「前来てくれていた調律師さんが来られなくなったので」という理由の比較的問題のないピアノ。

古いアップライトで、全体的にピッチの下がりはありましたが、最初にざっと全体を触った感じでは特に問題は感じませんでした。
ただし鍵盤の硬さは感じたので、掃除をしてピン磨きをしました。

その後軽く整調をして、再度調律を始めたところ、真ん中のドの音が発音不良に。
見ると午前中のお宅と同じジャックスティック!しかも同じ音!!
更に最高音のドもスティックになってました。

実は10年以上昔に、この時は湿気が原因だと思うんですが、外装を外して調律をしていたら、作業の最中次から次へとハンマーがスティックになっていく、という現象に遭遇したことがあります。
その時は自分もパニックになってしまい、片っ端からセンターピン交換はしたものの、そのお宅とはそれきりになってしまいました。

今回は、
幸いにその2本だけで済んだようでして、更にプロテックという潤滑剤で動きが復活したので、状況を家の人に説明してふたを閉めました。


それにしても、2件続けて全く同じ音(しかも真ん中のド)が同じ原因のスティックになるなんてビックリです。


更に別の日、ピアノの先生でグランドとアップライトを1台ずつ持っているお宅に行ったとき。

アップライトの次高音のド(真ん中から2オクターブ上)で共鳴現象が発生してました。

またド!

明らかにピアノ内部なんですが、なかなか原因がつかめずあせりましたが、下側サイドのネジを締めたところ共鳴が収まりました。
結構沢山ネジを使ってるんですが、どれかが鳴っていたようです。

収まってホッとして今度はグランドの調律。


共鳴ではありませんでしたが、やはり同じ真ん中から2オクターブ上のドが今度はタッチがおかしい。。。

ジャックをメインに整調してほとんど気にならなくなりましたが、それでも微妙に変です。

聞いたら、高音部のこの辺は、以前から気になることが多く、前の調律師さんも色々いじっていたそうです。
そういうのの名残もあるのかしら。。。?

いずれにしろかなり使い込んでいてバランスも見直したい感じがあるので、その辺の話をして今回は終了といたしました。


それにしても、同じドばかりが複数のピアノでおかしくなるなんて、なんとも不思議な話でした。。。(^^;)











三浦!

2017-01-21 | 調律
久々に早起きをして三浦まで行ってきました。
調律のお仕事です。




イベントで使うため、ということで市の会館のピアノでしたが、ずい分長いこと調律してなかったです。(;_;)
加えて普段あまり弾いてないようで、音もこもっていて可哀想でした。。。

とりあえず出来ることはやって、あと喜んでもらえたらいいな~という思いで後にしました。


で、せっかく三浦に来たのだからお魚の美味しいのをお昼に食べて帰ろうと思い、お客さまにお勧めを教えてもらいました。


最初に教えてもらったお寿司屋さんは今日行くのにはちょっとお値段オーバーだったので、リーズナブルなところを、とリクエストしましたら「はまゆう」さんというところを教えていただきました。
婦人会でやっているところで美味しいですよ。とのこと。




お勧めはなんですか?とたずねたら、メニュー表の上にある「限定食」がお勧めと言われ、その「マグロのかま煮定食」を頼みました。もう一品は「金目の煮付け定食」でこちらも美味しそうでしたが・・・


で、これ



まずでかさに驚きましたが、お味も美味しい!
ホクホク、ほろほろしていて全然生臭さがない。
ちなみにお値段1400円。


海岸沿いを気持ちいいドライブ日和でもありました。