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おんらく館~のこぎりものには福がある~

のんびり・ぼちぼち・気の向くままに・・・

グランフィール♪

2018-05-01 | 調律
土曜日、荻窪へ日ピの研修会に行ってきました。

「グランフィール」というアップライトピアノをグランドタッチにする装置の研修です。
といっても、概要の理解と実際の弾いた確認くらいまで。取り付け研修ではありませんが。。


いやあ、ものすごく面白かった!


「グランフィール」という商品は数年前に仲間から聞いて知っていました。

その時は、なにやら穴を開けてどうこうすると連打回数がグランドピアノと同じになる。
という程度のものでした。

でもそういうものなんだ、と思っていたので、参加費も安かったのでどの程度のもんなのかい?と半分冷やかし気分で出かけたのでした。

ところが、見事にやられましたよ。参りました。。。


仕組みはいたってシンプルで、簡単に言うとスプリングを各キーに2個ずつ付けるだけです。

しかしこれで、しっかりとしたタッチが生まれ、通常のアップライトでは出せないppp(ピアニシシモ)が出るようになります。
これが良かった!連打よりもこっちが大事!

開発者の藤井さんも同じことを言ってくれてました!


以下、写真を少し紹介します



通常のアップライトピアノ(右)とグランフィールを取り付けたピアノ(左)

ピアノの性能差もありますが、比べると違いがよく分かります。
渋谷の「三浦ピアノ」に現物があるそうなので、興味がある方は行って試してください。


説明をする開発者の藤井さん



九州の、一技術者でしたが、お客様の要望に応えようとして開発に至ったそうです。
現在は特許を取得し、ドイツ等世界へ出かけ賞賛を浴びています。

比較のための鍵盤アクション模型





ノーマルのアクション(奥)とグランフィール取り付けアクション(手前)

キャッチャーというハンマーを受け止めるパーツも替えてありますが、通常のものでも効果は同じです。

お手持ちのアップライトピアノに取り付け可能で、工作がちょっと面倒みたいですが、サイレント付ピアノにも取り付け可能です。

お値段は20万円強ですが、グランドを買うお金と置く場所がない。けどもっと豊な演奏を楽しみたい!という人に本当にお勧めできると思います。

アップライトがますます楽しくなりそうです!



グランフィール(藤井ピアノサービスHP)



















日ピフォーラム

2018-04-18 | 調律
毎年4月にやっている、調律師協会のフォーラム。2年ぶりに行ってきました。

しかも会員になってからは初!(昨年は仕事とブッキングしてしまったのでした)



午前午後それぞれの講習会が楽しみでした。

午前はティピナのピアニストと調律師の対談。
主に「倍音」についての話でした。

「倍音」といえば、調律をするにあたっては常に意識に入れているものですが、漠然と燃していました。
一方、ピアニスト(演奏者)側からすれば、言葉は聴くけど「何それ?」的なものであったという・・・

それ以外にも意識や捕らえ方のズレも色々あり、それを対談形式で行うのでお互い(聞いている我々も)の理解に大いに役に立ちました。

また、その「倍音」についても、測定器を用いながら実際にピアノを鳴らして変化を確認することも出来、これは本や知識だけでは得られない貴重な体験でした。


午後はアメリカの調律師協会(に相当するものの)紹介と、そこでの検定試験のお話し。

比較的若いながらも検定試験に合格した調律師さんお2人による講義でした。

まずは知らない世界だったので、その興味でいっぱいになりましたし、その後のちょっとした実技時間も楽しく堪能しました。


そしてその後の総会に初参加。(2年前は会員ではなかったので参加資格がありませんでした)
まあこれはいいとして・・・(笑)

その後の懇親会に二次会までも参加してきました。(自称飲み会要因ですし・笑)


懇親会、飲み会で感じることは(毎度のことですが)、調律師さん、良い人が多い!!


お1人お1人がライバルで、しのぎを削りあう同士だと思うのですが、技術的な面でも質問すれば丁寧に答えて教えていただける。とか、お互いに頑張ろう。的な間隔なのでしょうね。
僕もその1人でありたいと思っている今日この頃ですが・・・



こういうところに参加すると、新たな課題や目標が見つかるので、とても豊かになれますね!














ちょっとゾッとした話

2018-03-12 | 調律
老人ホームと併設されたデイケアセンターで調律をしました。
広くてキレイなセンターでした。

以前が調律実習生がボランティアでやっていた、というのから3年ほど経っているので、音のひどさは言うまでもありませんが、(笑)
同時に鍵盤のバラつきも気になりました。

一つ一つ直すには時間も予算もないので、掃除で鍵盤を外した際に、土台のレールのネジ5カ所を抜いてその下に紙を挟んで高さ深さを揃えることにしました。

バランス、フロントそれぞれ鍵盤がぶれないようにピンが刺さってます。
そしてそこにはクッションとしてのクロスと厚さ調整の紙が1つずつに刺してあります。

バランスピンとフロントの黒鍵はクロスの間隔が大きいのでそのままネジが回せますが、フロントの白鍵はクロスを抜かないとネジが回せません。

場所を間違えないようにピンのそばにクロスを並べますが、ふと見るとネジ穴と関係ないところのクロスが抜かれてチョコンと置いてありました。

触ってないし近くに誰もいません。

とりあえずそのクロスは戻して、他のネジ脇のクロスを抜いて調整作業をしました。

調整の紙を挟んでネジを締めてクロスを戻していたら、高音側のクロスの一つ(その下の紙も)がありません!

そんなに散らかしているわけではないので、どこかに紛れるということは考えられないんですが、付近を色々探しましたがやっぱりありません。

何か目に見えないものがイタズラしたとしか思えません。

自分は霊感が全くないので何も感じてませんが、どうだったんでしょうね…(+_+)

なくなったところは手持ちのクロスを入れて演奏には支障ないようにしましたが、さて、?…(^。^;)









調律師雑談義(笑)

2018-03-03 | 調律
某ピアノ販売店へ行く。

主に中古再生ピアノを扱っているのだけれど、オーナーが修理と調律仕事に専念したいから店をたたみたい。と言っていた。



僕はお店を持つつもりはさらさらないのですが、どういうところなのか興味あったので、先輩調律師と一緒に見学をさせてもらった。



駅からもそう遠くない(なんとか徒歩圏内)でそれなりに広い。

しかも聞いたら家賃が安い!



お店を持つつもりはないけれど、何か新しいことが出来ないか考えるのは大好きなので、無遠慮に思うところを提案させてもらいました。


先輩のほうは最初特に考えもなかったようだけど、3人であーだこーだ言ってるうちに色々やれそうなことも思いついて(大半は事業としてどうよ?って感じですが)オーナーも「もうちょっと考えてみますね」というところで落ち着いた。

ひとまず良かった良かった。


あとは雑談の中で普段聞けない同業他社(他者)さんのこと(テリトリーやつながりなど)を聞けたのも面白かった。



調律師同士、協力をしながらもっと盛り上げられると楽しいな、と思った1日でした。










鍵盤の張替え

2018-02-19 | 調律
漫画「ピアノのムシ」で以前に鍵盤の張替えを題材にしたエピソードがありました。
白鍵の新素材開発に対して、接着剤がうまく合わず剥がれてしまう。という事例です。

実際にあります。


前にカワイのアップライトで立て続けに剥がれてしまうピアノがあり、カワイの技術センターに問い合わせたら、早速そちらの方から出張してきてくれて無事に直りました。


今回は、ヤマハのグランド。

初めて伺ったときに一つ剥がれてましたが、それだけのようだったので特に何もしてませんでしたが、最近また剥がれたと聞き、問い合わせをしました。

該当番号にあたる、ということで、こちらも無料張替えということになりました。


ただし、お客さまのお宅に行って、実際に作業するのは「私」・・・



音大生のピアノで、弾けなくなるのはまずい。ということで、ヤマハの工場から代えの鍵盤を送ってもらいます。



箱に3段積みになって送られてきました。

そしてそれを今ある鍵盤と入れ替えていきます。




同じヤマハの鍵盤だから、と思ってなめてはいけません。(笑)

ビックリするほど整調がガタガタになりました。。。


鍵盤の高さ深さが全く変わってしまい、とても弾けないピアノになってしまいました。

しかし程なく元に戻すわけなので、それを考慮して整調をします。
それでも全部で2時間くらいかかってしまいました。。



詰め直した箱をヤマハに送って、今は直して戻ってくるのを待ってる状態です。



ヤマハもカワイも該当する製番でしたら無料で修理をしてくれます。

ただし、車等のリコールと違って、申告しないと直してくれません。



剥がれが起きて困ってる方は、まずは相談してください。