杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

・こどもの心を動かすものは・・・

2007-11-03 09:47:36 | Weblog
志村建世さんのブログ(志村建世ブログ)
に、「忘れられない先生」というテーマで下記のような記事が載っていて、心を動かされました。
引用
「 6年生で私は2組だったが、1組の担任は、以前にも触れた特攻隊帰りの岩沢
先生だった。生徒に体当りしてくるような迫力があり、体操でゲームをするときなどは、生徒といっしょに転げ回るような熱血漢だった。後に聞いた話では、子供たちと触れ合うことで、自身が戦後の虚脱から抜け出すことができた、ということだった。わずか半年にも満たない期間の、しかも担任ではない先生が、私の小学生時代の先生の中で最大の思い出を残している。2月6日にこんな日記がある。
 「1組の岩沢先生(もと神雷特攻隊中尉)は先週の金曜から休みだったが、今日みんなが帰るころ1組の教室へ来て、掃除の様子を見ていた。その日はちょうど、いいかげんな水まきしかしてなかったので、機嫌が悪いらしくタバコばかりふかしていた。先生は病気のせいかとても痩せていて元気がなかったが、黒板のそばへ寄って何か書き始めた。1組の残っていた生徒5、6人と2組の生徒10人ぐらいで見ていたら、先生はこんなことを書いた。『君達の掃除は無責任極まるものである。各自各自が自分の教室をみがくのに何の遠慮があるか……私は君達を……信頼するが故に、今日のこの見苦しい掃除を見て、失望とある種の義憤を感じるものである……1組生徒諸君の猛省を促す。』こう書いて、まだ病気が治り切らないのか、ふらふらしながら黙って帰って行った。1組の生徒は、これを何度も読んでいるうちに『おい、やり直しだ』と掃除のやり直しを始めた。僕たちも手伝った。掃除をやりながら何度も黒板を見て、全くいい先生だ、僕も1組へ来たかったと思った。」
引用終わり

教師は、文字で子どものこころを動かすことができるのですね。この文字には、教師の心が映されていなければなりませんが、教師に限らずこうありたいものです。まして教師はこうあってほしいものです。

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4 コメント

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岩沢先生について (志村建世)
2007-11-03 13:45:57
引用ありがとうございます。先生は元軍人にもかかわらず、怒鳴り声や制裁を行使することはありませんでした。ただ、ふだんの言動から、誰よりも生徒を愛してくれていることがわかっていました。だから先生を失望させたことを素直に反省できたのだと思います。
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耳が痛い。 (鉄甲機)
2007-11-03 23:57:35
 子どもたち相手に声を荒げては、自己嫌悪に陥ったりする私です。
 努力を怠っているつもりはありませんが、まだまだ修行が足りない。

 感情が出てしまう言葉ではなく、文字で伝える方がいいかもしれません。また使わせて頂きます。
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いえいえ・・・。 (杉浦ひとみ)
2007-11-04 00:46:19
鉄甲機さんからのコメントをずっと拝見していて、物事に前向きに取り組まれる姿勢、是は是、非は非として潔く語られる姿勢には、岩沢先生に通ずる部分があると感じています。
今こそ、先生には本当に期待したいですし、私たちは心ある先生を応援していかなければ、と思っています。
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ありがとうございます (鉄甲機)
2007-11-04 15:52:09
 またまた過分な評価を頂き、身が縮む思いです。
 今の子どもたちは、志村さんや私が子どもの頃とはすっかり変わってしまっているように見えても、それは表面的なことであり、何かを知りたい表現したい、認められたい、立派な何かになりたいという、根本にある気持ちは変わっていないと思います。
 子どもたちの心を動かす・感じさせる手だてを、自分の引き出しの中に増やし、子どもたちがより良い方向へ進むことを、微力ながらも、手助けしていきたいと思います。
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