全国公開は3月からですが、我が東北では先行上映というかたちで、一部の劇場で公開されております。私の街から一番近いところでは、仙台の劇場で上映されておりましたので、行ってきましたよ、仙台まで。
コロナ云々が叫ばれている昨今、わざわざ密閉された人の集まる空間へ、およそ100キロの道のりを2時間かけて行くなんざ、我ながら酔狂が過ぎらあね。
これも性分だ、しょうがねえ。
さて、
全国公開されていない映画を、ネタバレするわけにもいくまい。まあ、言えることがあるとするなら。
これ、のんは主役じゃありません。
いや、主役と言って言えなくはないくらい、重要な役ではあるのですが、やはり主役じゃない。主役はあくまで、
「山田修とハローナイツ」というムード歌謡コーラスグループのメンバー、6人なんです。
この売れないムード歌謡グループのオッサンたちの悲喜こもごもの人生を謳った、笑いと涙とペーソス溢れる喜劇映画、といったところ。
では、のんちゃんはどんな役割かというと、このオッサンたちの間に飛び込んで、引っ掻き回せるだけ引っ掻き回して、壊れかけていたものを修繕し、切れかけていた糸を結びなおし、結果としてオッサンたちを元気にしていく。
そんな役柄。
観てて思いました。「これって『あまちゃん』やん!」
内容が『あまちゃん』なんじゃないですよ。キャラクターも違う。でも作品のなかでの役割というものが、まさしく『あまちゃん』の天野アキにそっくりなんですね。
天野アキはその「愛すべき傍若無人」さで多くの人々を引っ掻き回し、結果的に人々を元気にし、絆を取り戻させていった。
成る程、この役にのんちゃんを抜擢した理由が分かった気がしました。
のんちゃんの歌う、藤圭子の歌『新宿の女』がいい。ギターを弾きながら歌うんですが、このギターの弾き方がいかにもロック!
のんちゃんの普段の活動が垣間見えて、面白かった。
藤圭子『新宿の女』
映画として面白いかどうか。それはもう、のんちゃんが出ているというだけで、私個人としては面白くないわけないじゃん!6年ぶりの映画出演というだけで、こんな喜ばしいことはない。
あとは皆さんが実際に御覧になって、ご自分で判断してくださいな。私からはこれ以上は
何も云わないよ。
映画『星屑の町』3月6日全国公開。
お楽しみに。
藤圭子さんって、岩手県出身なんですよ。知ってました?
映画『星屑の町』
原作・脚本 水谷龍二
音楽 宮原慶太
撮影監督 佐光朗
監督 杉山泰一
出演
ラサール石井
太平サブロー
小宮孝泰
でんでん
渡辺哲
有薗芳記
のん
菅原大吉
小日向星一
相築あきこ
戸田恵子
柄本明
令和2年 東映配給