深夜、深い霧の中を、車を走らせていました。
夜の霧の中を車で走るのは実に怖い。こういう時は下手にヘッドライトをビームにすると却って視野が悪くなります。ヘッドライトは下げたまま、フォグランプがある場合はこれを利用しながら、ゆっくりと走りましょう。
霧(きり)といい靄(もや)といいますが、これはいずれも現象的には変わりありません。地上に近い大気中の水蒸気が、なんらかの原因で冷やされ水滴となったもので、これが高い上空で発生すれば雲になるわけです。
霧というのはどこか神秘的ですね。霧と不可思議な現象とを結びつける物語も多い。霧の向こう側には異空間が広がっていて、ベル星人が待ち構えていたりする(笑)。特に夜霧というのはどこか不気味で、アメリカン・ホラー小説の帝王スティーヴン・キング原作の映画『ミスト』では、霧のなかに異次元の怪物たちが大挙して現れ人々を襲う。
カルト的ホラー映画監督、ジョン・カーペンターの作品『ザ・フォッグ』では、夜霧のなかに大昔の亡霊たちがあらわれ、小さな港町に復讐をしにやってくる。
この『ザ・フォッグ』私結構好きなんですよね(笑)
霧というもの、特に夜霧というものはそういう意味では「不安」の象徴なのかも知れない。
それでも、朝は必ずやってくる。
ここで一句
【日の本の夜明け前かな夜と霧】
映画『ザ・フォッグ』(1980)より。霧の中の亡霊たち。
夜が明ければいなくなる。
それまで辛抱。