今夏の計画停電を回避する策の一つとして、菅政権が電気事業法27条に基づく電力使用制限令を発動する方針を固めた。石油危機に見舞われた1974年時には量を抑えたが、今回は「ピーク」を抑えるため昼間の時間帯の消費電力カットを狙う方針だ。
以前から私は提言しているが「計画停電」だけは絶対に避けるべきで、この方針は非常に良い傾向だと思う。今後の「重要な視点・施策」として考えるべきは次のようなことだ。
まず注目すべきは揚水発電。東電の管内には意外と多くの揚水発電所があり、東電全体のキャパシティの約10%に当たる442万kwhの揚水発電が可能だと言われている。
揚水発電は夜間の余裕があるときに原子力発電所からの余剰電力で下池から上池へ水を汲み上げておき、夏の暑い昼間などに上池から水を落とすことで発電することができるので、ピーク時の電力供給の調整にうってつけだ。
加えて、東西グリッドの拡大。私の友人の試算によると、1000万kwhくらいの送電を可能にするには2年ほどで約7000億円~8000億円の工事費になるとのことだ。また次世代送電網として注目されている「高圧直流(HVDC)送電システム」についても検討する余地はあると思うが、日本勢はアセア・ブラウン・ボベリ(スイス)、シーメンス(ドイツ)、アルストム(フランス)などの外国勢の後塵を拝している。原則として日本の電力会社は外国からの購入をしていないが、この際検討しても良いかもしれない。
そして私が菅首相だったら、「今年の夏限定で原子炉の再開」について認可を得るように動くだろう。国家的な危機という点を考慮し、これまでの反省を踏まえて改善をするので今年の夏だけ限定で原子炉を作動させるよう地元住民の方に協力を仰ぐのだ。
最後に「警報システム」を作る。地震警報や津波警報と同じように、消費電力量が供給上限の5%以内に迫ってきたらテレビや携帯電話を通じて、国民に警報するという仕組みだ。もし「5%以内」になったら、冷暖房、テレビ、電灯、PCなどは止め、5階以下のエレベーターへの乗降を控えてもらう。重要なのは絶対に停電は避けることであり、特に電気が必要な商売や産業は原則停電しないということだ。
こうした状況の中、原子力産業の将来にも注目が集まっているが、私は次のような指針に基づく「原子力産業の再構築」が必要だと思っている。
まず海外では一般的になりつつある「垂直分業」だ。原子力発電は民間ではなく公営とし、そこから9電力に売電する。そして送電網は公営で全国ネットとし、基本的に9電力には配電を任せるのだ。
9電力への売電には外資や民間の参入を許可すれば、オーストラリアなどは喜んで自国のエネルギーを売りに来るだろう。また、ロシアのサハリンでLNG発電して稚内に送電するという仕掛けも考えられる。将来的には東電の管内への送電も可能だろう。
企業に目をむけたとき、東芝・日立・三菱の3社は、WH・GE・AREVAの傘下で仕事量の確保を図る以外に手はないと思う。国としては、国策として原子力の技術者の温存を図るべきだ。そして、「現場の知恵」として今回の事故の反省を活かして、既存の柏崎刈羽原子力発電所や福島第2原子力発電所などの再生に役立てるべきだろう。
東電に関してはGM型の破綻処理をして、東電生産事業会社・発電会社・配電会社になる以外に道はない。すなわち、原子力は公営会社に売却・譲渡、高圧送電網も公営会社に売却・譲渡、配電会社として新たに発足するということだ。
新たに誕生する「公営の原子力発電会社」は、9電力のうち希望するところから原子力発電所を全て譲り受ける。そして、安全審査、住民対応、オペレーションは全て「国の責任」で行う。同時に安全委員会、保安院などを統合して「経済産業省」とは独立した組織を作るべきだ。国の組織としてよりニュートラルな組織であることがポイントだ。
今回の事故の結果、「想定外の経済的ダメージ」が大きく、これを一刻も早く解決することもかなり重要だと私は強く感じている。計画停電と節電を誤解し、東京の街でさえ「暗く」なってしまい、外国人が気味悪がってしまう事態になっているし、交通機関の打撃後遺症も未だに残っている。また大げさな自粛ムードもやめてもらいところだ。震災のダメージに加えて自粛し過ぎて経済がダメになったら、本当に日本は目も当てられない状況になってしまう。
今の状況を見ていると、私には不必要に日本経済の評判を落としているように思える。結果、不必要に日本経済に打撃を与え続けている。一刻も早くこのような行為はやめてもらいたいと思う。
以前から私は提言しているが「計画停電」だけは絶対に避けるべきで、この方針は非常に良い傾向だと思う。今後の「重要な視点・施策」として考えるべきは次のようなことだ。
まず注目すべきは揚水発電。東電の管内には意外と多くの揚水発電所があり、東電全体のキャパシティの約10%に当たる442万kwhの揚水発電が可能だと言われている。
揚水発電は夜間の余裕があるときに原子力発電所からの余剰電力で下池から上池へ水を汲み上げておき、夏の暑い昼間などに上池から水を落とすことで発電することができるので、ピーク時の電力供給の調整にうってつけだ。
加えて、東西グリッドの拡大。私の友人の試算によると、1000万kwhくらいの送電を可能にするには2年ほどで約7000億円~8000億円の工事費になるとのことだ。また次世代送電網として注目されている「高圧直流(HVDC)送電システム」についても検討する余地はあると思うが、日本勢はアセア・ブラウン・ボベリ(スイス)、シーメンス(ドイツ)、アルストム(フランス)などの外国勢の後塵を拝している。原則として日本の電力会社は外国からの購入をしていないが、この際検討しても良いかもしれない。
そして私が菅首相だったら、「今年の夏限定で原子炉の再開」について認可を得るように動くだろう。国家的な危機という点を考慮し、これまでの反省を踏まえて改善をするので今年の夏だけ限定で原子炉を作動させるよう地元住民の方に協力を仰ぐのだ。
最後に「警報システム」を作る。地震警報や津波警報と同じように、消費電力量が供給上限の5%以内に迫ってきたらテレビや携帯電話を通じて、国民に警報するという仕組みだ。もし「5%以内」になったら、冷暖房、テレビ、電灯、PCなどは止め、5階以下のエレベーターへの乗降を控えてもらう。重要なのは絶対に停電は避けることであり、特に電気が必要な商売や産業は原則停電しないということだ。
こうした状況の中、原子力産業の将来にも注目が集まっているが、私は次のような指針に基づく「原子力産業の再構築」が必要だと思っている。
まず海外では一般的になりつつある「垂直分業」だ。原子力発電は民間ではなく公営とし、そこから9電力に売電する。そして送電網は公営で全国ネットとし、基本的に9電力には配電を任せるのだ。
9電力への売電には外資や民間の参入を許可すれば、オーストラリアなどは喜んで自国のエネルギーを売りに来るだろう。また、ロシアのサハリンでLNG発電して稚内に送電するという仕掛けも考えられる。将来的には東電の管内への送電も可能だろう。
企業に目をむけたとき、東芝・日立・三菱の3社は、WH・GE・AREVAの傘下で仕事量の確保を図る以外に手はないと思う。国としては、国策として原子力の技術者の温存を図るべきだ。そして、「現場の知恵」として今回の事故の反省を活かして、既存の柏崎刈羽原子力発電所や福島第2原子力発電所などの再生に役立てるべきだろう。
東電に関してはGM型の破綻処理をして、東電生産事業会社・発電会社・配電会社になる以外に道はない。すなわち、原子力は公営会社に売却・譲渡、高圧送電網も公営会社に売却・譲渡、配電会社として新たに発足するということだ。
新たに誕生する「公営の原子力発電会社」は、9電力のうち希望するところから原子力発電所を全て譲り受ける。そして、安全審査、住民対応、オペレーションは全て「国の責任」で行う。同時に安全委員会、保安院などを統合して「経済産業省」とは独立した組織を作るべきだ。国の組織としてよりニュートラルな組織であることがポイントだ。
今回の事故の結果、「想定外の経済的ダメージ」が大きく、これを一刻も早く解決することもかなり重要だと私は強く感じている。計画停電と節電を誤解し、東京の街でさえ「暗く」なってしまい、外国人が気味悪がってしまう事態になっているし、交通機関の打撃後遺症も未だに残っている。また大げさな自粛ムードもやめてもらいところだ。震災のダメージに加えて自粛し過ぎて経済がダメになったら、本当に日本は目も当てられない状況になってしまう。
今の状況を見ていると、私には不必要に日本経済の評判を落としているように思える。結果、不必要に日本経済に打撃を与え続けている。一刻も早くこのような行為はやめてもらいたいと思う。
しかし、原子力発電の公営化は日航と同じで、官僚の天下り先の民間企業が経営困難となっての公的資金注入という、(民主党のやり方として)誠におぞましい構図となってしまうし、今度は政治家や政党に原子力という責任が回ってくるので、やりたがらないのではないか、と想像がつく。
問題はやはり、東京電力が独占企業でいることであり、関東に新しい電力会社を造り電力消費の多い東京に安全で効率的な発電所を作ってしまうことだ。被災地のエネルギー供給が優先だが。
太陽、それは自然の核融合炉です。水素がヘリウムに変化する爆発的反応を自分自身の重力で閉じ込めています。地球には分厚い大気の層があり、紫外線までの可視光線が地表にとどきます。そのため地球上の生物は、紫外線までは耐性を持つように進化して来ていますが、放射線には非常に弱いのです。太陽エネルギーは不安定なエネルギーではありません。太陽は、これまで46億年の間地球の半分の面積を常に照らしてきました。これから100億年は照らし続けることができるのです。地上に小型の太陽を作る必要はありません。先々週もコメントしましたが、昨年度の経産省の400億円の補助金で、原発1機分の電力が太陽光発電で確保できています。確かに電力会社が太陽光発電で発電した量は1%以下かもしれませんが、各家庭での発電はその場で消費に回るため集計値にはもともと入っていないのです。実際には現状でも相当量の発電がなされていると考えられます。家には電灯線が引かれていますから、大きな発電所をつくるより設備投資は少なくてすみます。その設備投資も20~30年の発電でペイします。日本全国の屋根を発電機にすれば産業部門に電力を回せる余裕も出てくると思います。原子力発電ではなく太陽光発電の余剰電力を大前さんの言われている揚水発電の揚水(蓄電)にまわす仕組みが必要です。補助金などあてにせず、国民それぞれの判断で太陽光パネルを自主的に設置することが国益、そして、皆さんの利益にかなうのではないかと思います。
毎日、高濃度の放射性汚染水が海に放出されることに、心を痛めております。
今年のGWには、千葉や三宅島等で潜る計画が仲間からあがっています。
日本経済の事を考えますと、今まで通りの生活をしていくことが、社会に貢献することにつながると思い、気持ちは行きたいのですが、
海に入ったら、私の身体も汚染される?(異常をきたす)のではないか不安です…
果たして日本の海に潜っても安全なのか…
もし、ご存知でしたら教えて下さいm(__)m
『ニュースの視点』と関係ない質問ですみません
毎年潜っているエリアで潜ってみてください。そこでの変化に気付くのは定点観測をしている人だけです。
政府に正しい情報を開示させるのはそういった細かい情報の積み重ね以外にないと思います。
最後に自粛はもっとすべきでしょう。当たり前の生活が出来ていたのは「原発を抱える県が、ここまで大きなリスクを背負ってくれていたからだ」と言うことが骨身に沁みているとは思えない。もうちょっと贅沢をしたいからといって、被災地のためと言うのは身勝手すぎる。
耳を疑うどころか、勉強不足も甚だしい。
電力不足などというのは東電のまやかしですよ。
計画停電が脅迫停電だったのは、もはや周知の事実。
IEA(国際エネルギー機構)が30%しか稼働させていない火力発電所を70%稼働させたら全て賄えると忠告しています。にもかかわらず、大前さんみたいな推進派が国民に原発が無くなれば電気も無くなると刷り込ませるために停電を行いました。
一番大事な電車なんかたった3%しか使ってないのに真っ先に止める始末。言い逃れはできません。
原発なんてなくても日本はなんも影響はありません。
電力会社、天下りを狙う官僚の思うつぼです。
すぐに使用可能なメタンハイドレードも120兆円分もありますから、あなたのような原発右翼は発言を控えて頂きたい。
我々は人命より経済を優先させた結果招く悲劇を繰り返してはならない。
また、原発と配電施設等を買い取るお金が日本の国のどこにありますか?
ただでさえ、国民生活を無視した増税を虎視眈々と狙い、自分たちの懐を超えさせようとしてる官僚をもっと太らせるだけです。
税金の無駄使いを減らすべき政治家が官僚に手玉に取られる姿が目に浮かびます。官僚に思うように動かされている日本の政治が、原発の公営化によって、もっと大きなダメージを受けるのは明瞭です。
すぐに役立つ火力発電・風力発電・太陽光発電・揚水発電の可能性のほうが適切です。
たった1回の原発事故がどれほど大きなダメージを広範囲に与えるかを考えれば、脱原発の道が国を救う道です。
また、原発の効率的活用は結構ですが、原発以外の発電所の効率的活用にも言及すべきです
原子力主体の記述になっているあたり、やはり大前さんの考えの根底には原子力推進があるのでしょう
下でコメントされている方には申し訳ないですが。
まずは、ダムなんかは原子力と比べて、やたらとお金がかかります。原子力が経済的です。今回の災害でも高台に作っておけば良かっただけです。それだけで事故は免れた。
火力も石油に左右されます。安定したエネルギーがほしいなら、違います。
一企業がやってるからそうなったのであって、公営にすればよいと思う。
下のコメントにもありましたが、公営にすると天下りになる。これは公務員制度の問題であって、日本のエネルギー問題についてではない。公務員制度を見直す必要があることです。
原発の周辺住民も今まで原子力の税金などの公的な恩恵を受けてたのだから、良いのではないですか。
あと今回の原発事故ではまだ亡くなった方はいません。
二度とこのような事故を起こさないためには、原子力の利用をやめる以外にないと思います。やめた後も核廃棄物の処理が残ります。事故が起こるまで、廃棄物の地層処分を訴えるコマーシャルや新聞広告をよく見ましたが、500kmの範囲で25mもずれるような中に高レベル廃棄物を地層処分した場合、万が一にも高度に圧縮されて臨界状態になったら、それこそ地球の半分が吹き飛ぶような事が起こりうるのではないかと思います。吹き飛ばなくても、溶けた核燃料が噴火するかもしれません。いずれにせよ、地球規模の災害になりかねません。結局、すでに4万本もたまってしまったガラス化した高レベル廃棄物を、つまり何の役にもたたない核のゴミを、延々と次の世代に管理を託さないといけないのです。
今回の原発事故で本当に亡くなった方はいないのでしょうか? 半径10km以内で助けを待っていた人はいなかったのでしょうか? 原発がなければ助けることが出来た人がカラスの餌食になっているかもしれない現実をどう考えればいいのでしょうか?
人材派遣会社が原発の清掃作業を時給1万円で募集したところ希望者が殺到したという記事を目にしました。人間が近づくことが困難な高レベル地域ではロボットの作業となりますが数千万円するロボットをそうそう使い捨てにはできません。線量上限ぎりぎりのところで、アルバイトを使いまわす方が安あがりだという安易な判断が横行しないように切に望みます。これでは、現代の特攻隊です。