同僚の吉田くんについて書こう。
生まれて32年、彼女いない歴も32年。
25歳でマンションを買い、せっせと貯蓄に励んできたが
結婚の際にはもれなく溺愛する母がついてくるという
悲しいかな
生涯独身を約束されたような男である。
(実は東京理科大出身のエリートなんだけど)
それでも
私と、私と仲良しのナナミが
日々、パワハラか!?と思われるような説教をしているお陰で
彼はずいぶん成長した。
いや、少なくとも
私とナナミが使いやすい男になってきた。
よ~し、いいぞ、吉田。
このままうまくしつけて、管理職に育てよう。
そうすれば私とナナミの将来は安泰だ。
そんな画策をしていたところであったが
ヤツはその評価を地に落とすことになる。
きっかけは、彼が次の休みに池袋で友だちと飲むんです!
と、登録ヘルパーUに言ったことだった。
かねてから吉田くんをよく思っていなかったUは
矢継ぎ早に質問を浴びせる。
友だちって、いつの友だち?
男? 女?
仲良かったの?
そして
その友だちって、今、何の仕事してるの?
それまではきちんを答えていた吉田くんであったが
友だちの職業を聞かれて言葉を詰まらせる。
え?仕事ですか?
さあ、知りません。
そこで勢いに乗ったUがさらなる質問。
なんで? 飲みにいくほど仲のいい大学時代の同級生なのに
今なんの仕事をしてるか知らないのぉ???
オバサンの迫力に気圧され、吉田くんは小さな声で言った。
だって、仕事を聞いたら給料が気になっちゃうじゃないですか!?
もし僕よりたくさんもらっているとしたら、腹が立つじゃないですか!?
だから飲み友達でも、仕事は聞かないようにしてるんです。
は~? また金かい!?
Uは呆れた。
それを聞いた私も思いっきり呆れた。
ドケチ吉田、まさかそこまでとは…。
そんな狭量な心じゃ、女が寄ってるはずもない。
いやそれどころか、引くわぁ。
かわいい手駒として
私とナナミが将来を期待していた吉田くんであったが
残念。
彼の結婚式に招かれることは
おそらくないだろう。
生まれて32年、彼女いない歴も32年。
25歳でマンションを買い、せっせと貯蓄に励んできたが
結婚の際にはもれなく溺愛する母がついてくるという
悲しいかな
生涯独身を約束されたような男である。
(実は東京理科大出身のエリートなんだけど)
それでも
私と、私と仲良しのナナミが
日々、パワハラか!?と思われるような説教をしているお陰で
彼はずいぶん成長した。
いや、少なくとも
私とナナミが使いやすい男になってきた。
よ~し、いいぞ、吉田。
このままうまくしつけて、管理職に育てよう。
そうすれば私とナナミの将来は安泰だ。
そんな画策をしていたところであったが
ヤツはその評価を地に落とすことになる。
きっかけは、彼が次の休みに池袋で友だちと飲むんです!
と、登録ヘルパーUに言ったことだった。
かねてから吉田くんをよく思っていなかったUは
矢継ぎ早に質問を浴びせる。
友だちって、いつの友だち?
男? 女?
仲良かったの?
そして
その友だちって、今、何の仕事してるの?
それまではきちんを答えていた吉田くんであったが
友だちの職業を聞かれて言葉を詰まらせる。
え?仕事ですか?
さあ、知りません。
そこで勢いに乗ったUがさらなる質問。
なんで? 飲みにいくほど仲のいい大学時代の同級生なのに
今なんの仕事をしてるか知らないのぉ???
オバサンの迫力に気圧され、吉田くんは小さな声で言った。
だって、仕事を聞いたら給料が気になっちゃうじゃないですか!?
もし僕よりたくさんもらっているとしたら、腹が立つじゃないですか!?
だから飲み友達でも、仕事は聞かないようにしてるんです。
は~? また金かい!?
Uは呆れた。
それを聞いた私も思いっきり呆れた。
ドケチ吉田、まさかそこまでとは…。
そんな狭量な心じゃ、女が寄ってるはずもない。
いやそれどころか、引くわぁ。
かわいい手駒として
私とナナミが将来を期待していた吉田くんであったが
残念。
彼の結婚式に招かれることは
おそらくないだろう。