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入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’20年「春」 (34)

2020年04月18日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

 高遠から152号線を東進すると旧長谷村の杉島という集落が始まる。そこで分杭峠へ向かう国道からそれてすぐ、さらに山の中に入り急な坂道をしばらく進めば、なぜこんな所に人の暮らしがあったのかというような「宇津木」という小さな廃村に行き着く。写真の無住の山寺はそこにある。寺の名を「法恩寺」というが、この寺よりも境内にある薬師堂の方が有名で、本尊である秘仏は33年に1回しか開帳されないという。その謂れによれば、聖武天皇の時代まで遡る8世紀、民間の布教と数々の社会事業を行った、あの行基の作と伝えられているが、阿弥陀堂の奥深くに鎮座して姿の見えない主と同じく、由来の真実も闇の中でしかない。また、ここには石工(いしく)、守屋貞治の高弟だった人の作「三十三観音」があり、写真の中段にその一部が写っている。

 この薬師堂の由来もだが、イチョウの巨木には圧倒される。これだけの太さになるには相当の年月を経ているだろう。上の写真には枝垂れ桜の花しか映っていないが、その桜の木も下の写真のようにこれまた相当に古い。左端にチラッと見えてる赤い屋根が薬師堂だ。

 入笠牧場の春から初夏にかけては仕事をしていても、そこにいるだけで充分に気が満たされる。しかし、長い間、そのころの他の地域を知らないままに来てしまった。山上の牧場で牛守になれたのは本望だが、信州で暮らし始めたころのように寒さを気にしない季節に、多くの寺や土地を訪ね歩いておきたいという気持ちがこのごろ強くなってきた。

 緊急事態宣言の対象地域が全国となり、それに従い、しばらくは浮かれて山寺、古刹を巡ることは中止することにした。それに何よりも、仕事が始まる。もうそんな時間もない。

 赤羽さん便り拝読、多謝。そうですか、テレワークの日々ですね。それも自宅でないというのは恵まれてませんか。ウーン、天候、雪崩・・・、確かに運という要素は大変に大きいと思います。加えて、それまで気付いていなかった肉体的、精神的な弱点が、ある条件下では致命的な原因になるのではと思います。3852hmさんにも感謝いたします。

 安倍晋三首相も和服、それも袴姿で、自宅の一室で瞑想している映像でも流せば良かったのでは、というのが感想です。白いズボンはゴルフ場で。

 本日もお粗末な独り言。明日は沈黙します。  

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     ’20年「春」 (33)

2020年04月17日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

 桜の花に加えて柳の葉の新緑が目に染みる。そういう季節となり、いよいよ来週から牧場の仕事が始まる。きょう長年仕事と通勤で愛用してきた走行距離18万キロを超えた軽トラックが届いた。今年1年の活躍を期待するばかりだが、当然ながら不安がないわけではない。通勤の途中で車が故障すれば、山の中では電話連絡が取れる場所など極めて限られてしまう。

 それに、どうも13日から14日にかけての雪降りは、昨冬で一番の積雪になったのではないかなどと脅す人もいて、とりあえず明日、状況を見に上がってみようと考えている。行ってみなければ分からないが、雪の状態によっては、車重の軽い、タイヤのすり減ったあの車では通勤はしばらくは無理かも知れないからだ。そうなれば昨年のように、まだ雪用のタイヤのままにしてある自分の車で行くしかないが、牧場内での移動や作業となるとやはり、軽トラでなければできないこともある。

 5か月の冬ごもりが終わり、牧場、この独り言では「仙境の牧」と呼ぶこともあるが、これからの7か月間を思えばやはりそれなりの高揚感が湧いてくる。狭い畜舎で飼育されていた牛が、広い放牧地に放たれるようなもので、これも野生化の進んだ証ではないだろうか。今年で早や14年目に入るわけで、古来稀なる年齢を2年も過ぎた高齢者のくせに、あまり体力の衰えについては気にしていない。というよりか、もちろん若いころのようにはいかないが、しょうがないと思っている。

 自分の生涯において、14年もの牛守稼業をどのように評価したらよいのかまだ分からないが、さりとて当時60歳を過ぎた身で、何か他のことが頭の中にあったわけでもない。毎年5か月の冬ごもりは炬燵に縛られ、酒と本と骨犬HALが、寒い無聊の日々の相手になってくれた。そして、この独り言を聞いてくれた人たちがいた。舞台は広い自然の中に移るけれども、またお付き合いいただけたら幸いです。

 新型コロナ対策の方針が揺れているが、それはさておき、各自が毎日の簡単な行動や接触者の記録を残しておけば、万一の時には、政府が支給してくれる2枚の布マスクよりか役に立つと思う。466億円!ムーン。

 本日もお粗末な独り言。

 

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     ’20年「春」 (32)

2020年04月16日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

 今テイ沢へ行けばこんな風景が待っているのだろうか。あるいは一昨日の降雪で、渓は雪に埋もれているのかも知れない。日当たりの良い場所は「年寄りの元気」と同じですぐに消えてしまっても、日陰はかなりの雪が残ると予想される。それに、どうも週末から来週にかけてあまり好天を期待できそうもなく、昨年は10日の雪だったが、今年はそれよりも遅く13日から14日で、昨年よりもさらに厳しい状況を覚悟しておいた方が良さそうだ。今年に限ったことではないが、伊那側は林道の大半が西側を走るから雪解けにも時間がかかる。

 現下の新型コロナウイルス拡大を防ぐため、富士見パノラマも営業を5月6日まで自粛するらしい。伊那側は林道の補修工事に加え、多分雪で車での通行ができなくなるから、そうなると大型連休中も山はいつになく静かになる。毎年、仕事始めの20日から連休に入る前の1週間が過ぎると、富士見側ほどではないが人の姿が目に付くようになり、静かな牧場の雰囲気も少しは影響を受ける。それが今年はまさに様変わりするだろう。前にも独り言ちたが、牧場の山小屋やキャンプ場はそれで受ける影響は大したことはないが、しかし、大型連休を当て込んでいた行楽地などは、その影響は甚大だろう。国の現金給付について、やれ30万円とか10万円とか、はたまた対象を絞ってとか全国民にとか、いろいろな議論があるようだが、そもそもそんな一時しのぎの金額で果たして間に合うのだろうか。気になるところだ。

 きょうも入笠牧場とはあまり関係のない話題になってしまったが、今回の災厄があぶり出した行政府の諸々の対応策のについては、COVID-19の拡散と同じく関心を持たざるを得ない。世界で最も猛威に苦しむアメリカだが、WHOへの拠出金停止という挙に出て、それをあの大富豪が非難している。ついでながら、そのWHOはマスクで感染被害を防止できるかには相変わらず懐疑的だ。ドイツは都市封鎖などの対策を少しづつ緩やかにしていくらしい。またアジアは、国境を越えて経済の行方を心配する声が上がるなど、かように国によって状況も、対応も様々だ。

 大型連休が終わったら、長野県内は感染者数が一挙に増大した、ということにならないことを祈る。

 本日もお粗末な独り言。    

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     ’20年「春」 (31)

2020年04月15日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

 

 もう、こういう山の姿を見るのは今年最後だと思う。昨日の午後、この辺りでは最も古いと言われている「日輪寺」へ行こうとして、開田に上がって驚いた。千丈岳がこの姿であった。降雪はかなりだったようで、半日以上過ぎても千丈ばかりか鹿嶺高原まで前夜からの白装束を脱がない。どうする。

 この山の美しさを、雄大さを、写真ではなかなか伝えられない。10倍は見事だというところで想像力を膨らませてもらえたらと思う。写真の中央に笠原の堤に植えられた桜が見える。これも実際はもっと素晴らしい。牧場の仕事が始まれば、毎日のようにこの近くを通ることになる。

 上伊那にもいろいろと史跡があって、入笠を通る法華道や関連する高座岩もその例である。今少し、入笠の自然を守ることにも携わりたいとは思うが、郷土の謂れのある土地を興の向くままに訪ね歩きたい。それが、冬ごもりの間に考えついたことで、第2の生き甲斐になってくれれば有難いことだ。

 きょうは朝から柿木に珍しい鳥が来ている。椋鳥とは違う。その正体をこれから野鳥の本で調べてみるが、多分確信には至らないと思う。

 本日もお粗末な独り言。O沢さんの健闘を祈る。本当に、歩かなければ駄目ですね、歩かなければ。   

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     ’20年「春」 (30) 

2020年04月14日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

   

 また昨夜、西山に雪が降った。里は雨だったが、山はかなり低い所まで白くなっている。先日行った萱野高原も雪だったようで、これでまた、入笠の状況をあれこれと思案しなければならない。特に今年はド日陰の大曲り手前で崩落現場の補修工事が予定されている。そのため、市からは焼き合わせを左折して入笠湿原へ迂回するように言われていて、この雪でそれが困難なら、いつものようにそのまま林道を直進し、工事現場の手前からは車を捨てて歩くしかあるまい。昨年は、辛くもド日陰の大曲りは通過できたが、北門500メートルくらい手前で降参し、そこからはやはりまた歩いている。  

 今年もそうなる可能性が高いが、そのことはさほど苦にしてない。初日に望むことは好天であることだけだ。そうすれば、管理棟や小屋の窓を開けてひと冬の間沈潜していた重い空気を追い出し、春の陽光の中で誕生したばかりの新鮮な大気を迎え入れることができる。そしてその間に、小屋へ水が通るようになるとひと安堵する。もっとも昨年は、2日目だったか3日目だったか、管理棟内の水道管が凍って破裂し、台所は水浸しになってしまった。ド日陰と牧場内の上の大曲りの雪掻きでも幾日か汗を流した。牧場の仕事が順調に進むようになるまでにはいろいろなことが起こる。

 先日、マスクを各戸に2枚づつ配るのには250億円かかるとのある試算に、そこまではかからないだろうと呟いた。ところがなんと、400億円以上にもなるという。一部ではまだマスクの予防効果については懐疑的な人が結構いて、特に布マスクはウイルスの感染防止の効果が低く、10%から30%という数字すらある。その信憑性については何とも言えないが、すくなくも政府は当然、配布するマスクの予防効果をしっかりと科学的にとつかんでいると考えるが、実際はどうだろうか。是非ともその科学的根拠を数字で示してもらいたい。もしそうでなく、納得できる根拠もないのであれば大金が無駄になるばかりか、それだけでなく、マスクを配布された国民がその効果を過信する恐れがあり、却って危険である。また、布マスクが信頼に足るのであれば、自宅待機している人たちに内職で作ってもらって政府が買い上げるとか、その大金で最新の工場を建てて生産した方が余程懸命な気がするが、気がするだけだろうか。それと、マスクが市場に出る前に、大きな組織、団体、会社が大量に購入してしまっていると疑いたくなるフシもある。

 昨日の遠くから眺めた高遠城址の花も、週末には散ってしまうかも知れない。それでもいい。ともかくも、5か月の巣ごもりがもうすぐ終わる。今は峠の向こうに去っていった古い友のような冬に、「ご苦労さん」と言ってやたい。

 本日もお粗末な独り言。  

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