入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’16年「夏」 (47)

2016年06月24日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 今朝来る途中、池の平のレンゲツツジを撮るつもりが、こんな写真になってしまった。今日はこの写真しかないのでもう1枚、やっと近影を許すようになったジャージー子にも登場願うことにした。



 午後には雨になりそうなので、午前中に急いで給塩と全頭数の牛の確認を済ますことにした。草刈は雨が降っていてもできるが、塩は雨に溶けて流れてしまうし、濃い霧の中で全頭の牛を確認するのは簡単なことではない。
 珍しく今日はその両方が上手くいったので昼まで、第1牧区の電気牧柵の下に生えた草刈をすることにした。草刈をするのは、電気が流れるリボンワイヤーに草が触れると漏電して電圧の維持ができなくなるためだが、ことに、雨の降る今の時期がいけない。
 草刈は嫌いではない。むしろ好きだと言ってもいい。ただし、上手くはない。毎年、キャンプ場の草を刈り、今日のように電気牧柵の下の草を刈る。その距離は優に3キロは超える。さらに、テイ沢の草刈もある。これはTDS君と一緒にやるが、これだけやっても、いまだ名人にはなれない。草刈機の高速で回転する歯が石や岩に接触したときのあのガキッという音と、その感触、あれがまっこと苦手なのだ。食べ物に混ざっていた石を噛んだときのようだ、と言えば少しは分かるかも知れない。
 それが名人の域に達すれば、チリン、チリンと歯の先を岩や石に当てながらでも草を刈る。高遠から杖突街道を少し北進すれば、沿道の土手にそういう名人たちの職人芸を見ることができる。あれはまさしく作品だし、名人らもそう意識しているに違いないだろう。
 草刈とくればもう一人、北原のお師匠を忘れてはいけない。師の草刈は名人芸とはまた違う。しかし、85歳の高齢を押して昨年まで、法華道と北原新道の草刈を、誰にも頼らず、ナント20年もの間続けてきた人だ。あれも凄い。名人どころか、「別格」と呼ぶしかない。

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     ’16年「夏」 (46)

2016年06月23日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


   下ではすでに雨は止んだそうだが、こっちは昼を過ぎても一向にその気配はない。午前中は気になっていた電気牧柵の下の草刈を1キロほどした。仕事をしている間はそれほどの雨だとも思わずにいたが、ここに戻ってきて見ると帽子はぐしょり濡れていた。
 その後すぐ思い立って、昼飯も食べずにクリンソウの群生を撮りに合羽に加え雨傘まで差して、例の森へ行ってきた。傘を差して森の中を歩くなどということは初めてのことだったが、目的の花は見事なまでに咲いていた。流れの傍の花を撮ろうとか、群生の全体もとか、あれこれと考えてみたが、やはり思うようにはとてもいかない。諦めて戻って、温度計を見たら16度Cだった。都会の暑さに閉口している人たちが知ったら、驚くだろう。

 今日も権兵衛山は姿を見せない。雨は止んだようだが深い霧が周囲をみな隠してしまっている。雨の中でも鳴いていた小鳥たちも、霧は苦手なのか沈黙してしまった。
 6月1日は牛乳の日で、6月は牛乳月間だと、須鴨氏からコメントを通じて教えてもらった。早速、朝日新聞のメルマガも読んでみた。一体、こんなことを知っている人がどれほどいるだろうか。恥ずかしながら「Jミルク」という一般社団法人の存在も初めて知った。前にも書いたが、もう少し広報活動が必要なのではと思ったりした。

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    ’16年「夏」 (45)

2016年06月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

ここにもやがて牛たちが来て、風景が変わる

 そこまで痛めつけることはないだろう!熊本に降った大雨のことである。ようやくにして、地震の苦難から立ち上がろうとして田に稲を植えたら、今度は大雨による非情な洪水が容赦なく田を押し流してしまった。そればかりか憎き泥水は、しばらくはそこに留まったままだ。今年の米の収穫は、諦めるほかないだろう。
 こんな山の中にいると、天気予報など当てにしないと決めている。しかし熊本の農村地帯である。その沃野がこれほどあっけなく地震に続いて大雨の被害を被らねばならないとは。新聞によれば、6名の生命が亡くなっている。
 どうも、事が起きてからの方が気象庁は饒舌になる、という印象を持つ。大雨の発生原因の分析や、はたまたそれが数年に一度しかない大雨だったと言ってみても、もう遅い、後の祭りだ。
 それともう一つ、伊那谷を縦貫して流れる天竜川は幾つもの場所で、川床を掘り起こし、何本もの円柱のコンクリートの構造物を据え付け、再び埋設するという土木工事を続けている。川床を強化し、洪水を防ぐためだというが、素人から見ればそこまでする必要があるのかと思ったりした。しかし見方を変える必要があるのかも知れない。
 熊本県と長野県では地形の状況がかなり違うから、ここまでの対策は考えなかったのかとも思うが、洪水災害が起こるたびに、まだまだ日本の国土は脆弱なんだと思わずにはいられない。
 それとも、今回の熊本のような転変地変に対しては、諦めて天を仰ぐしかないのか。それにしては理解に苦しむ土木工事も目に付くが。

 つい今日は、ブログの趣旨とは違うことを書いた。世間から遠い者の、無責任な妄言であったならあしからず。

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    ’16年「夏」 (44)

2016年06月21日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

      第1牧区では和牛が目立つが、実際は総数44頭のうち11頭と4分の1しかいない

 権兵衛山よ、名無しの権兵衛山よ、お前も寒がりなのか。今日も、その灰色の衣をまとって・・・。たまには素裸になって、お前の方が入笠山より4.9メートルも高いのだと、あの山頂に蝟集している登山者に見せたらどうなんだ。そうだとも、お前たち名無しの4兄弟の中では、2千メートルを越えている山もある。入笠山ごときに負けるんじゃない。なに、入笠山のように名前が欲しいと。ウムー、ここだけの話だが、とりあえず南に向かって六兵衛、七兵衛、八兵衛でどうだ、ン。
 
 オオダオ(芝平峠)に出てしばらく来たら、鹿の親子に出くわした。母鹿の跡を追う生後間もない子鹿は、すぐ目の前で雨に濡れた道路に滑り、危うく尻餅を突きかけた。あ、と思ったら、なんとか持ちこたえて、親の後を右手の藪の中に消えていった。
 鹿の親子をほほえましく眺め、転びかけた子鹿を気にかける。同じ人間が、その一方で、鹿の生命を絶たなければならない。早くそんなことをしなくても済むように、前にも提案しておいたが、鹿の好物である塩と避妊薬を一緒に食べさせ、個体数を抑えるというやり方を本気で検討してみてはどうなのか。


  少し慣れたかジャージー子

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     ’16年「夏」 (43)

2016年06月20日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


今日は重い厚い雲がかかっている。権兵衛山の上半分は霧の中。時折鳥の声が森の奥から聞こえてくるが、静かだ。雨の雫をいっぱいに含んだ木々の葉に霧が絡み、まとわり、そしてすぐまた白一色の霧が湧いてきて山を閉ざしてしまう。かと思ったらまた、ゆっくりと幕が上がるように森が姿を現す。しばらく眺めていると、霧はそうやって同じことを何度も繰り返していた。時々その白い霧の一部が背景になって、何本かの林が幻想的な情景を見せる。上手い具合にそんなときにホトトギスが歌い、カッコーが鳴けば、いつまでもここにいて、たった一人の観客を気取りたくなる。

 昼近くになって、二日ばかり見回りを怠っていた罠を大沢山へ見に行った。そしたら、思いがけずも鹿が1頭掛かっていた。今年はそれほど鹿の被害がなかったから、彼らへの敵対意識は薄かった。一瞬戸惑った。困惑した。今年はまだ一度も、直接には鹿に手をかけていないせいもあって余計に、処置をするのが気が進まない。しかし捕獲した以上は、その鹿の運命をこちらが決めなければならない。
 いつものことだが鹿は、人の近付く気配を察知して必死で逃げようとした。だが、非情の罠は妥協などしない。なんの用意もしてこなかったから、それ以上恐怖におののく鹿を刺激しないよう、取り敢えずその場を離れた。
 実は、鹿に付いているダニが、牛の感染症と関係があるのではないかと疑われていて、鹿を捕獲したら県の家畜衛生保健所に連絡すると約束していた。で、担当の獣医が、これから来ることになった。もちろん、彼女に殺処分までは頼まない。

 町田隊は、無事に里へ帰っていった由、何よりでした。入笠山からの下山路は、さすがに大丈夫だろうと思っていました。都会は暑いでしょう。また、涼しい風に吹かれにいらっしゃい。

 本日、管理棟の☎0266-62-4122が復活しました。留守がちですので、伝言を留守電に残してください。

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