仲良し
レンゲツツジが雨に濡れていた。上に来れば小降りになると期待して来たが、生憎今日はそうとはならず、加えて風もかなり強く、朝9時の気温は12度Cでしかなかった。
一息入れてから第1牧区へ行ってみると、何頭かの牛たちは心細げに森の中で風雨を避けてじっとしていた。どうやって判別するのか分からないが、最初のうちは畜舎が同じ牛同士で群れをつくるようだ。今日は4群に分かれていたが、危うくダケカンバの林の中の1群を見落としそうになった。どうもまだ、お気に入りの場所が決まらないようで、思いがけもしなかった場所でこちの方をじっと見ている群れに遭遇して、驚かされることがある。
和牛の群れは姿を見せず、どうしたのだろうかと「舞台」の方へ行けば、そこに9頭が雨に濡れながら反芻していた。さすがにこの群れは堂々としたもので、風を避けるふうもなく、濡れた草の上に茶色の図体を休ませていた。ホルスタイン牛の方が体は大きくても、主導権は和牛が握っている。
雨合羽のポケットからメモ帳を出し、双眼鏡の助けも借りながら耳に付けている牧場の番号札の番号を記録していくのだが、耳標といってもう一つ、牛は自分のIDとなる札を耳に付けている。これが、牧場番号札と重なったりして読み取るのによく苦労する。イラつく。
最終的には全頭数を確認でき、これはこれで雨の中の1万歩以上を歩いた”甲斐”となる。気分良し!
昼近くになって、鳥の声がして、周囲が明るくなってきた。霧は風のせいでそれほど深くない。雨は止むかも知れない。いつもは囲い罠の隅にいるまき牛(=種牛)と2頭のホルスも、草地の中央に出て一心に草を食んでいる。
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