去る人たちがいて、来る人たちがいる。小屋に3泊してくれた海老名出丸さんら1行5名が帰ると、それと入れ替わり2名の女性キャンパーが来た。恐らく他の予約客が着くのは昼過ぎになるだろうから、昨日の続きとなる電気牧柵の立ち上げでもやろうかと考えている。(6月8日記)
やはり他の人たちの到着は午後となり、中にはスズラン駅から3時間近くかけて歩いてきた人もいた。そして誰もがキャンプ場の今を盛りと咲き誇るコナシの花を褒め、そうであれば当然ながら、写真におさめようとカメラや携帯を取り出すことになる。開花のころあいが揃ったのも、訪れた人たちには幸いしただろう。
連休の後2週間も営業を休止していたから、久しぶりに小屋やキャンプ場に利用者が訪れてくれ、迎える側としてもそれなりに張り切って対応したつもりだ。普段は海老名出丸さんたちのように馴染の客が多いけれど、今回は初めてという人たちの方が多かった。
みんな喜んで帰っていったし、入笠牧場の魅力、実力が存分に分かってくれただろうと思っている。
日曜日、かなり年配の夫婦が法華道を歩くと言って甲府からやって来た。何でも「山梨県と長野県を結ぶ最短距離の道」ということで法華道に興味を覚えたらしく、二人で古道を往復するつもりだと話す。北原のお師匠のことも知っていた。
ところが、後になって段々心配になってきた。片道ならまだしも、あの距離の往復である。昼も大分過ぎて、そろそろ帰るころだと思っても一向に姿が見えない。ついに、駐車を受け入れた車まで行って、帰ってきたら声をかけるようにと張り紙をした。
4時まで待っても来なければ、行くしかないと決めていたところへ車の停車する音がした。外へ出てみると、車から降りてきたばかりの旦那さんが満足気に「実にいい道だった」と第一声を吐くではないか。
茶を淹れるからちょっと寄っていかないかと誘い、話したところ、また思い出すように古道を褒めた主はは83歳だと言う。奥さんの方は70代後半で、しかし二人とも疲れた様子などは見せず元気だった。
こういう人たちが来てくれて、北原のお師匠もさぞかしあの世で喜んでいるに違いない。今回は下見で、仲間を連れてまた来ると言い残して去っていった。
もう、キャンプ場には誰もいない。外は雨が降っている。祭りが終わった後の寂寥感、とでも言うようなものを感じている。
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本日はこの辺で。