Photo by Ume氏
牧を開いて早くも10日が過ぎた。日の経つのが早い、早過ぎる。大型連休に入ったが、好天にもかかわらず、いつもながら人の出は静かなもの。
昨日の、もう来ないと思っていた予約客は、夕暮れが近付きつつあるころ到着した。ここに来れば、どんな感動が味わえるかを身に沁みて知って貰おうと、第1牧区へその夫婦を案内した。二人は澄み切った夕空に、赤い陽が西山に沈んでいく光景に声を上げ、中央アルプス、御嶽、乗鞍、そして北アルプスの眺めに感極まっていた。入笠牧場の実力の一端をお見せしただけだが、それで充分だったようだ。
大型連休で日本中の観光地に人が溢れているはずなのに、ここはいつもと変わらない、まるで別世界のよう。ただしそれでも、牧場はその美しい景観を隠そうとしない、惜しまない。鳥の囀りも、これから咲き出す山桜も、日毎に牧草の緑の色を強める放牧地も、人が見ようと見まいと関係なく季節に合わせようとする。今は絶滅危惧種に指定されているのかも知らないが、そう、貞淑な妻のようだ。
連休の後半になると、天気はあまり期待できそうもないというが、さてどうだろう。4,5日先の予報などおよそ当てにならない。まして山の天気など。そういえば、天気予報の悪口を言うと怒るあの人は、元気にしているのだろうか。
FAXでも予約や問い合わせに対応できるようになりました。ご利用ください。今月末からの連休は今年も、さまざまな野鳥の美しい声に混ざり、閑古鳥の鳴き声もしてます。
入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。