Photo by Ume氏
きょうより、これから7か月、11月末まで牧の仕事が続く。牛が来るのは6月だが、牧場管理人にとっては本日が牧開き。
驚いたことに、入笠には雪がなかった。「焼合わせ」や「ど日陰」でさえ、雪はなかった。これまで仕事最初の日からしばらくは、途中から車を捨て歩くのが普通だったが、そんなことがまるで嘘のようだった。前回来たのが3月の30日のことだから20日しか経っていない。あの時は、日陰にはまだしっかりと雪があった。牧場に来ても1か所、例年遅くまで残る谷を省けば、乾き切った枯草に早くも緑色の新芽が生え始めていた。こんなことは12年間のうちで初めてのことだろう。
それと、鹿の姿が目に付かなかった。オオダオ(芝平峠)の手前で1匹の雄鹿を見たが、それだけだった。北門を過ぎて、いつもの斜面で数頭の鹿を確認したが数も少なく、後で放牧地を見回っても姿はなく、落し物も信じられないほど目立たなかった。
初日はまず何を差し置いても水回りを優先させる。取水場だけでも4か所のバルブを開けたり閉めたりして、管理棟と小屋でも6か所で同じようなことをする。山小屋に通ずる配管が1か所漏水しているところがあり、取り敢えずだが、小屋は断水にしておいた。あそこは小屋の西側の日陰で、バルブを開くためには凍結した多量の雪を、いつもなら鶴嘴(つるはし)まで持ち出して掘り出さなければならなかった所だ。今年は有難いことにその必要がなかった。ここにも雪がなかったのだ。
自慢の露天風呂も煙突を立て、水を引き、いつでも入浴できるまでにはした。ただ、案じていた水漏れが若干あり、コーキング処理が必要になる。大きなコナシの枝が風呂の近くに落下していて、片付けるのに苦労したが、心配していたチェーンソーは、一汗かいたらようやく動き出してくれ、助かった。
昨日Ume氏に頼みごとをしてあって、そのため氏はわざわざ上まで来てくれた。大変に有難かった。きょうの最初の写真はその時のもの。本日の空から見た入笠牧場の様子で、赤い屋根が管理棟と時代遅れの山小屋。
入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。