入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

「暮秋」 (7)

2015年11月03日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


  昨夜も上に泊まり、「山の人」になった。身体的にはラクだが、何となく一日の区切りがつかない。冬の到来を意識しながら、山室川の造った芝平の谷を10キロばかりも上り、また下っていくのが日課、いや今の季節の儀式のようなものだ。毎日まいにち、来る日もくるひも、悪路に腹を立て、足掻き続けながらも、周囲の自然が年月の経過を否が応でも教えてくれる。今年ももうすぐ7か月の労働契約が満了し、入笠の9年が終わる。

 ただし今年はここにきて、いろいろなことが予定されてる。第1牧区の電気柵、管理棟や山小屋の冬対策は毎年のことだが、CMの撮影が済めば、長野県が企画した「誘引狙撃法によるニホンジカ捕獲」は12月の半ばまで続く。そのあとに待っている冬季営業は、ボランティア活動となる。
 年末年始の営業は初めての試みとなるが、あまり期待はしていない。本格的な冬山をやろうとするならもう少し高い山に向かうだろうし、中級山岳の森や林を歩こうとする情緒派は、時代遅れの山小屋よりも、もっと快適な食事付きの宿泊施設を選ぶだろう。
 それでも、例年の積雪量から判断すれば、伊那側からなら1月の初めまで車で来ることができるはずだし、今年は法華道を歩いて登ろうという人がいるかも知れない、と思って決めたことだが、さて。

 驚いた、大病を患い1カ月以上も入院していた北原のお師匠が、娘さんの介添えを得て突然現れた。そして思い入れ深い、本家御所平峠の地蔵様をお参りしたいという。この地蔵様もそうだが、御影石の標識も師が私費を投じて建てたものだ。
 確かに以前のようなわけにはいかないが、それでもしっかりとした足取りで歩いたのは実にご立派、ご本人もさぞ満足されたことだろう。




    どんな思いでいるかは師にしか分からない

 入笠牧場の宿泊施設及びキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H27の営業」、「H27年度冬季営業」を、また天体観測に関心のある方は「入笠牧場からの星空」をご覧ください。

 

 

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