入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

「初冬」 (10)

2015年11月18日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


今朝は年に一、二度あるかどうかというような深い霧の中を来た。何年も続く山室川の砂防ダムの工事のせいで、急に大型トラックが日に延べ40台も通行するというような状況になって、それを嫌って少し遠回りになるが最近は千代田湖経由にしていた。
 湖近くまで来るうちにようやく、霧の深さがいつもとは違うことに気が付いた。わずか数メートルの先が白い闇になてしまい、スピードを上げることができない。加えて最近、右目の視界に黒い毛糸くずのようなものがちらつき、これがまた余計にイライラを募らせた。

 いつもの年なら、明日で仕事は終わる。しかし今年は有害駆除の仕事が入ったせいでそうはいかず、大雪でも降らない限り12月の8日まで山の仕事が続く。そんな事情でまだ、小屋や周辺の冬支度が完全には終わっていない。気温が高いせいもある。
 そういった仕事の中でだが、かならずやらなければならない仕事、これは牧を閉ざすまでにはもちろんやる。しかし、やった方がいいだろう、というような仕事もある。これが実に悩ましく、頭が痛い。使ってない牧区の牧柵の補修、山道の水はけ、補強、水場の確保、枝打ち・・・。
 今日も第1牧区の電気柵を落としながら、そういったジレンマに陥った。地形によっては冬の間に雪の動きによって、支柱のグラスファイバーが折れてしまうことがある。こういう場所は支柱ごと抜いてしまうしかないが、しかし平の場所でも、これまでと同じことをする必要があるのかどうかと迷ったのだ。鹿の侵入はそこらここらで許してしまっているし、特に来年の立ち上げの苦労を思うと、余計にその気持ちは強くなる。しかしもう半分以上は終わった。恐らく明日、残りを全部やり終えて、安堵することになるだろう。

 今年はどこにも行かなかっただろうと、友人に言われた。どこかに行くと言っても日帰りか、せいぜい1泊が限度だが、確かに「入笠牧場命」で明け暮れて、また一年が終わろうとしている。

 昨日友人のNは、鹿嶺高原まであと3キロという地点で引き返してきたという。所要時間4時間少々。一般には休憩も入れて、往復で7,8時間をみておきたい。
 TDS君、体長でも悪いのか?

 入笠牧場の宿泊施設及びキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H27年の営業」、「H27年度冬季営業」を、また天体観測に関心のある方は「入笠牧場からの星空」をご覧ください。
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