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スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

ニッケルハルパの購入について

2007-05-28 23:25:02 | ニッケルハルパ

質問を時々うけるので、こちらで簡単に説明したいと思います。
※随分前の記事だったので、2018年、少しだけ修正更新しました。

残念ながら、ニッケルハルパは楽器店で購入はできません。
職人にオーダーして作ってもらう楽器です。

※東京のレソノサウンドにニッケルハルパが数台置いてあり、実際に触って弾いてみて買うことができるそうです!(2018年追加情報)

職人:
ニッケルハルパ職人は、仕事として制作している人は全部で10人とか、大体そのくらいと言われています。スウェーデン以外の職人さんも加えると、もう数人います。「本業ではないがプロ並の腕前で販売もしている人」を加えるともっといるでしょう(そういう場合は紹介で買うのが一般的)。

種類:
ニッケルハルパは数種類あります。
通常のニッケルハルパ(クロマチック・タイプ)がほとんどですが、変わったものもあります。
コントラバス・ハルパ、ムーラハルパ、テノールハルパ、オクターブハルパ、エレキタイプ。
変わったニッケルハルパになると、さらに特注で、職人なら誰でも作ってくれるわけではありません。

期間:
全て手作業なので、注文から数ヶ月かかります。
早く作る職人さんでも注文がいくつか入っていれば、1-2年待ちとなります。でも「1台注文を受けてどうせ作るならと3台同時進行で作った。今、たまたま手元に売れる状態の楽器が余っている」なんて話もたまに聞きます。

予算:
2万クローネ~(22000、25000、28000とか)が良く聞く価格帯です。プロも好む職人さんになると、3万クローネ~、4万クローネ以上。
本業ではないけど上手なものを作って売ることもある、という人が作る場合、15000kr~20000krのものをみかけます。
一つずつ手作りなので、値段よりも職人の腕で質は左右されます。

バイオリンは、数万円、数十万、または数百万と価格帯が広く、買い替えも視野に入れて安いものから買う場合があると思います。
ですが、ニッケルハルパは需要の面からも量産しない楽器です。(バイオリンのように工場でパーツを作って低価格のものを販売することはありません)。
手作りの楽器ですので、音色や作りがイマイチだってあってもかける手間から安価な価格のものはありません。そして、数百万すると誰も買わないので(民俗音楽ですので)びっくりするような高値の楽器もありません。
価格帯の幅は狭く、イマイチでも最低価格がそれなりにすることを考えれば、最初から良い楽器を買うことをおすすめします。

弓:
楽器と弓を別々に売っている場合は、予算も膨らみます。
1万円程度で売っている安物の弓を、無料で楽器につけてくれる場合が多いです。中級の腕になると弓は買い替える人が多いです。
参考までに、ウプサラ在住の職人さんによる弓は1500krです。
フランスの職人が作る弓が特に人気で、それだと日本円で11-12万円します。


メロディ弦3本、ドローン弦1本、共鳴弦12本、合計16本です。
1セットかなりの値段になります(1.5万~2万円弱くらい?)
チェロの弦を代用する人もいます。
最低でも1年一回は要交換です。面倒くさがりでも2年に一回は...。ちなみに、海外ツアーしている私の先生は年に4回と言っていました。
メロディ弦、ドローン弦の4本であれば、Primというメーカーがニッケルハルパ用の弦を販売していて、日本だとI love stringsというオンラインストアで取り寄せ注文が可能です(在庫はなく、仕入れに合わせて取り寄せ可能とのことで、タイミングが合わないと最大で半年待つことになるそうです。ショップのお問合せメールを送って注文します)。

作る:
手工芸品の色合いが濃いためか、自分の楽器を自分で作る人も少なくありません。
家具を作る、家を補修する、といった趣味で木を扱うことが得意な人はスウェーデンには沢山います。
日本でも、大工仕事が得意で、ある程度の道具が揃っていたら、作る楽しみもあります。
スウェーデンで、短期、長期の製作コースもありますし、作り方のDVDや製図も販売しています。

注意すべき点:
中古、ネットで、個人間で安く売買されている場合がありますが、ものがデリケートなだけに状態と質の確認、
またプロの職人さんの数の少なさからも分かるように誰が作ったのものか、注意が必要です。
誰も聞いたことがないような人が作ったものだと...現物を触るまで判断できません。
中古では製作年代も気になるところです。
70年代以前だと、デザイン、つまり構造に問題を抱えているモノがあり、調整・修理済みかどうかも確認をおススメします。
(70年代以降でも、古いデザインを踏襲している場合あり)
ここではデメリットばかり書きましたが、値段と質のつりあったものもきっとあるでしょう。

スウェーデン以外の職人さんについて:
いいモノをつくる職人さんはいます。
でも、スウェーデンの伝統を守っているかどうかは関係なく、デザインが斬新だったり、音色の種類が違っていたり。
スウェーデン以外のヨーロッパでは、自国のバロック音楽や中世の音楽を弾いたり、求める音色、イメージが違うと聞いたことがあります。
伝統にこだわりがない場合は面白いでしょう。

購入方法:

<日本で誰かに相談>

東京のレソノサウンドにニッケルハルパが数台置いてあり、実際に触って弾いてみて買うことができるそうです。(2018年追加情報)

横浜のダルシクラフト。以前、積極的な斡旋はしていないとききましたが、(特殊楽器に理解があれば)相談可能だと思います。

<職人さんに直接連絡>
日本からだとメール連絡でオーダーします(大抵は、英語でOK)。

あまり更新されていない(最新情報でない)気がしましたが、アメリカのサイト(ANA)を紹介します。
上記リンク先では「instrument makers」という職人リストがまとめてあり、それぞれ本人のサイトへリンクが貼っています。

ちなみに、私は知人からOlle Plahnの楽器を購入。
今はEsbjörn Hogmarkの楽器を使用。スウェーデン人に誰か職人を紹介してというと、Bo Nilssonをすすめられて、何人か紹介しました。

斡旋や仲介はしていませんが、メールにて分かる範囲でお答えします。
nyckelharpa@folkishproject.com


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