スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

復活祭

2007-03-30 23:44:10 | スウェーデンのこと...
今朝はグンナルを講師に、復活祭(Påsken)のお話。
宗教的な視点ではなく、あくまで文化的、民俗学的視点から。

クリスマスは日本にも入ってきているのでなじみがあるけど、復活祭はほとんど入ってきていないに等しい。
私はベーシックな知識すらない(学校で習ったことがあるけど、なじみが無さすぎて忘れてしまった)。

復活祭は、キリストが金曜に亡くなって日曜に生き返ったとされている、そのお祝い。
これと春の生命の息吹というのか、そういったものがミックスされたお祝いなので、土地柄、文化的な要素が入り混じる。

カナダにいた頃は、その日、親戚が集って食事会をするという友人宅に招待された。
隠してある卵を探したような気もする。
けど、恥ずかしながら、当時はもっと若かったので土着文化を知りたい!欲求は低かった。
記憶のほとんどが食べた七面鳥やグレービーソースの美味について。

先週末のブログ(ゆで卵の食べ方)に、デコレーションした卵がやたら売っていたと書いたように、
この卵を飾ったり隠して探したりする。
その時も書いたけど、宗教よりも伝統行事的な意味のほうが強い。

友人に聞くと、子供の頃は復活祭の前日には卵に絵を書いていたらしい。
そして、茶色のウサギのような動物(ウサギではないと言っていた。スウェーデン語はhare)が、
卵を隠しに家にやってくると信じていたそう。
「クリスマスのサンタみたいな感じね」とその友人。

実践している人は現代ではあまりいないだろうけど、昔の伝統の話。
復活祭の40日前からスウェーデン語でfastanと呼ばれる期間がはじまる。
この期間は肉と白いものを口にしてはいけないそう。
白いものとは、白いパンやミルク、チーズなど。
なので、fastanが始まる直前には親戚で集まったりして、豪勢なごちそうをたらふく食べていたのだとか。
セームラ(1/242/20に写真あり)というスウェーデンのお菓子もこの時食べるものだと初めて知った!
元々はそのシーズンに出回るお菓子らしい。

ただし、ほんの40~50年前まで、現在のセームラの姿とは全然違っていて「白いパンをミルクで煮る」
「ホットミルクの入ったスープ皿に白いパンをひたす」といったものだったらしい。
なので、セームラというお菓子はスウェーデンのものだけど、原型のほうの食べ方は
ヨーロッパのいくつかの国(オーストリアやドイツなど)に同じ名前で存在するそう。

このfastanの話を聞いていて以前見た映画を思い出した。
フランスの田舎を舞台にした映画「ショコラ」。
ジョニー・デップがいい味をだしていた。
一昔前の、断食のような期間から復活祭までの雰囲気が伝わって面白いと思う。
凍えるような断食期間と春の訪れとともにわーっと復活祭を祝う対照が、
話を生命感あふれる風にぐいぐいと盛り上げていた。
ただし、舞台はフランスということで、スウェーデン流とは違うと思うけど。

写真左:グンナルが持ってきた東欧(ロシア等)のデコレーション卵
写真右:グンナルが描いた復活祭、絵巻物。セームラの絵も書いてある
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