スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

ダニエル・ペテション

2007-03-17 23:47:16 | 楽器製作
朝食を食べながら友人Sと雑談していた。
ウロフのニッケルハルパとニクラスのニッケルハルパ、どちらもエスビョンが作ったのに音色が違うことについて。
確かなことは聞いてみないと分からないけど、ニクラスのハルパを見たとき、通常よく見るタイプの弦じゃなかったことを覚えている。
今度、聞いてみるつもり。

そんな話をしていると、電話がなった。出るとエスビョンからだ。
「やあ!まだ来ないの?」
おっと、そんな時間!?「行く、行く!今出るとこ!」とあわてて自転車にまたがり猛ダッシュ。

着くなりさっそく「話はウッレ・プランから電話で聞いたよ」とエスビョン。(3/12)
私→ウロフ→ウッレ→エスビョン→私ということで、話しが回りまわってきた。
なんだかんだで修理か交換を依頼することになるので気を悪くしてなかったらいいのだけど。と心配ぶつけてみると「全然そんな感じじゃなかったよ」って。
良かった。

「でも、どのみち、もう1台手にすることになるからね。今作っている楽器は出来上がるとこんな感じの音だよ」と、SlattaのCD(ブログで紹介)をエスビョンがかけながら言った。
Slattaで演奏しているダニエル(Daniel Petersson、うちの学校の卒業生)は、エスビョンの楽器を使っている。

そこで、今朝、友人Sとの会話を思い出し尋ねてみた。
「ウロフとニクラスでは音色の種類が違うよね」と。
すると「オーイエス。だってデザインから作りから全く違うからね。今はウロフ・タイプの楽器は作ってないよ。
今はどちらかというとニクラスタイプやこのダニエルタイプの音色だね」とエスビョン。
なんでも北欧風ノルディック・サウンドを追求した結果、デザインが変化していったらしい。
“遠く豊かにクリアに響く共鳴弦の音色と、芯では暖かみのある音色”というのを表現したいそう。

そして、「ほほう、このCDいいねぇ。ダニエルはやっぱり上手いねぇ」と言いながら、
「ウメオから飛行機で来ることになってるんだ。もう着いてもいい頃だけど」って。
え?ダニエルが?
本当に毎回、色んなお客さんが来るものだ。

そう言ううちに、ダニエルご一行さま到着。
私はslattaをはじめ、青いCD、赤いCD(CDの名前は忘れてしまった)、フランス版のCDと、ダニエルのCDは全部持っている。
こんなとこでお目にかかるとは思ってもいなかった。

今回、ダニエルはハッセ・イッレ作のコントラバス・ハルパを持ってきていた。
Kvartston(クウォータートーン。例えばドとド#の間にもう一音ある) のあるハルパで、そのkvartstonをもっと増やしたいという。
それと私のようにlöv(ポチポチ部分)に問題がありその相談。
なんで作った本人のとこに持っていかないのか不思議だけど
すぐに出来るらしく、さっそく大分解(写真左)。

作業の間、少しだけ話をした。「青いCDにhaikuってタイトルの曲があるよね?」と聞いたら
「そう。日本の文化が大好きなんだ。俳句もそうだし、絵や音楽、日本の伝統文化は素晴らしいと思う」とダニエル。
伝統を大事にし、現代文化も西洋などから取り入れその社会の器としてのあり方云々…熱く語っていた。
ここにも親日家。スウェーデンってひょっとして多いかも?

そんなこんなで、今日は新しい作業に取り掛かる予定だったけど、エスビョンから取り残されってしまったので、未だ不ぞろいのペグを何とかきれいに整えることに集中することにした。(そう。まだ出来上がってなかったのです)
なので細かいナイフ遣いで削っていると、思わず指を切ってしまった。
無傷目標を掲げていたのに…。
それを見たダニエル「もっと切って楽器に血をしみこませなきゃ!」
他人事だと思って。全く。
夕方には、改造と修理を終えた楽器を手にダニエルは満足そうにbyggnanを弾いてくれた。(コントラバス・ハルパ時代(17~18世紀?)のビス・カレ作曲)

エスビョンちの2歳の子、言葉が通じない私におかまいなく、しょっちゅう名前を呼んだりしがみついてきたりする。今日も帰ろうとするとbolibompaを一緒に見ようといわれた。子供向け番組らしい。
でも、暗く前に帰らないと自転車だからね、と言って帰って来た。
いつか2歳児に負けないくらいのスウェーデン語を話せる日が来るのだろうか…。
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