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モッチリ遅いコメの距離感

オーディオルーム、シアター、注文住宅などに関してのblog。

仮想全面棚部屋の棚の設計について考察する。

2021-06-23 00:01:06 | オーディオ
最近リスニングルームについていろいろ考え事をするときにモデルルームとしている全面本棚部屋であるが、以前に反射や吸音や拡散を調節することを是として考えた部屋である。
棚の深さや縦横の寸法はすでに規定したが、他にも規定する事項が存在していることに気付いた。
棚には移動式のもの、壁に固定するものがあり、壁に固定するものだと、折りたたみできるものもある。
そしてメタルラックのように格子状のものだったり、縦板が板だったりポールだったり格子だったりする。
そのあたりをどうするといいのかを考えてみたい。

移動式のものか、固定式のものかということではあるが、移動式の方が全面棚の部屋は上手くいかなかったから作り直すとか、寸法を変えたくなったから交換するなど、後戻りしやすいのは事実だ。既存の部屋でそれを作りたい場合もハードルが下がるだろう。リスニングルーム以外の用途に転用したい場合も想定すると移動式の方が有利かもしれない。
ただ、壁に固定した方が棚板の隙間ができにくかったり、建築化照明を入れやすかったり、剛性を取りやすかったりできる。地震の際の耐震性にも寄与する。
総合して勘案すると壁に固定した方が良い気がする。ただし壁への固定金具は隠さずに、DIYで外せるようにしておく。棚は何かと収納に便利なのであって困ることはあまりない。リスニングルームとして使わなくなったとしても棚が不要だから無くしたいということにはあまりならない。棚を交換したい、撤去したいとしても金具を外して除去できるならどうにでもできる。勿論ネジ穴は残るが、それくらいは大きな事ではない。
同上の理由から棚を折りたたみにして薄くできるという機構もあまり必要ないのではないか。

棚や縦板を格子やポールにするか否かではあるが、これはなかなか難しい。
コスト的には格子にすることで材料費は減少するが、手間が増える。
格子やポールは太さ方向に共振する周波数が超高域になるため、共振周波数を1次元分考えなくていいので扱いやすい気もするが剛性が減少するので扱い難い気もする。
棚自体の拡散効果としては、そもそものコンセプトとしてその部分にあまり過大な期待はしないにしても拡散効果があって困ることはない。板の代わりに使う格子自体をスリットの拡散効果として考えるか、棚板と棚板の間の空間を拡散するための空間と考えるかでどちらを良しとするかは別れる。

金具を使って縦板の代わりに格子を利用している棚

引用:dinos

複雑な形状の造作棚。共振する周波数や拡散する面を分散できるのでよさそう。
https://www.miyakekomuten.co.jp/wp/wp-content/uploads/2019/05
/AdobeStock_98923127.jpg
引用:アイフルホーム

一般的な造作棚

引用:ハミルトン

一般的なスチールラック。拡散性は殆ど無いが棚自体が音響に影響を与える量は僅かなので、そういう意味では適性があるようにも思える。

出典:アイリスオーヤマ


いわゆる「すのこ棚」スノコはさすがに剛性が低すぎるが、スリットが入っているので棚板自体に空気が抜ける構造が付与されたようになる。

引用:lovegreen

ただ、棚板にスリットが入っていると置ける物に制限が出てきてしまうのでスカスカな棚板はどうなのかと思ってしまう。

機能的でありつつ視覚的にも問題ない棚を考えていたが、そもそも格子戸を棚の表面に設置すれば何でもいいような気がしてきた

引用:doop

縦横の格子戸

引用:大山建工

音響調整用の棚をどうすべきかはまとまらなかったが、棚をの表面部分に格子戸を付けると棚の中で音響調整材を好きに入れても視覚的に問題になりにくく、棚の見た目にコストをつぎ込む必要がなくなることに気づけた。
格子自体も拡散性を多少は期待もできる。

戸を付けない棚もあっても良いと思うので、側壁と後壁に格子戸を付けたときの仮装部屋はこんな感じになる。






格子戸を付けると和風になるがリスニングルームがモダン和風というのもアリなんじゃないかなと思えてきているので今度それを記事にしたい。