モッチリ遅いコメの距離感

オーディオルーム、シアター、注文住宅などに関してのblog。

オーディオルームの優先順位を考えてみる

2021-06-20 22:10:31 | オーディオ
家庭内試聴の室内音響について配慮すべきと言われていることについて、いくつか言われていることがあるが、何を優先すべきか、断片的に考えたことがあるのでそれを書き出すことで整理してみる。

・防音
・吸音率
・フラッターエコー対策
・定在波対策
・初期反射音の対策
・後期反射音(残響音)の対策
・部屋の大きさ


少なくとも防音はかなり大事だと言える。なぜなら音量を十分に出せないなら
せっかくダイナミックレンジがを十分にある音源を再生しても、小さい音の表現が可聴閾値以下の音量になってしまうからだ。
小音量でもすべての音を拾うには聴力検査で並の人よりも数十dB小さい音まで拾えないと不可能だ。
ただ、音楽再生は楽器演奏やホームシアターと比べると出音はそこまで大きくない。
なので上記のものと比べると防音はそこそこでも良いと思う。
それよりも大事なのは近隣の住居や同一建物内に迷惑がかからない工夫をすることである。
建物の防音自体にコストをかけるのはある一定を超えるとコストパフォーマンスが非常に悪くなってくるので、
それ以降にコストをかけるよりは、周囲に迷惑がかからなそうな場所を確保する方にコストをかけた方がいいと思う。

防音ができず小音量になってしまうなら残響音の多くが可聴音量以下になってしまうので残響時間が長いか短いか残響が包まれる感じかどうかなど良く分からないので小音量で残響をデザインする意義はあまりないと思う。
なので、防音>後期反射音(残響音)の対策なのは明らかであり、残響時間と関与する吸音率も優先順位は落ちるので防音>吸音率である。

部屋の大きさも大きすぎると響きが長くなりすぎるが、常識的な住宅であればそこまでにはなりそうもないので、大きければ基本的には良いと言える。
大きければ初期反射面の影響も小さい部屋よりも和らぎ、残響時間も確保しやすいので何もしなくても残響が比較的良い物になる。
定在波も立方体などよほど特殊な部屋でない限りは大きな部屋であれば低音も出やすいし配慮しなくてもそこそこのものになる。
なので部屋の大きさ>初期反射音、後期反射音、定在波対策と言える。

定在波対策は一から部屋を作れる場合は是非意識しておくべきだし後から変えるのは難しい。
だが一から作ってないような部屋の場合、定在波となるような超低域の遮音がしっかりできないことがほとんどであり、たいていの場合はほどよく外に抜けるので勝手に多少は対策できてしまっている。
部屋の寸法比も縦横高さが全て同じという部屋はまず存在しない。
そもそもオーディオリスニングの場合定在波となる超低域の周波数はあまり使われない。
という意味では実際の所あまり重要視しても仕方ないのかなと思う。

フラッターエコーは明確な音響障害で、発生する空間の音は明らかに悪い。特定の周波数を含む音はビィィンという特異な残響音を残す。明らかな悪である。
初期反射音の処理に関しては諸説あり、無処理の場合も普通に想定される。後期反射音(残響音)はリスニングルームという小空間の場合知覚できるほど残らない場合も多い。
なのでフラッターエコー対策>初期反射音の処理>後期反射音の処理といえる。

吸音率は後期反射音の処理と関係が深いが、そもそもオーディオルームのような小空間の場合、残響時間があまり取れないので部屋全体のマクロ的な視点では吸音する必要性がそれほど多くない。吸音率を気にしない→意識して吸音部を作らないという選択をしてもそんなに悪いことにはならないのではないか(当然ながらデッドな音が好きな人であれば話は別だが)。
なので吸音率はあまり重要とは思えない。

部屋の大きさと防音どちらが大事かというと難しいが、防音(騒音公害への配慮)という意味では大きい部屋でも周囲に騒音公害を及ぼすならオーディオルームとして使ってはいけないと思うし、そもそも周囲に音で迷惑をかけかねない部屋は外からの音も中に入れてしまう部屋なので、外からの雑音というノイズが音質に悪影響となる。
となると

①防音(騒音公害への配慮)
②部屋の大きさ
③フラッターエコー対策
④初期反射音の処理
⑤後期反射音(残響音)の処理
⑥吸音率
⑦定在波対策

ということになるのかなと思う。まああくまで個人の感想だけれども。


コメント
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