能登でココロもどる旅

ぶなの森エコツアーのスタッフブログです。
能登の海・山・里で日本の原風景に帰る旅を楽しみましょう。

スタッフブログ

インタープリター山崎の日常、スタッフブログ「ゆらりぶらり」も日々更新中です!

鉢伏山 能登半島の自然観察

2010年09月29日 | 春蘭の里
埼玉県から自然観察指導員の皆さまが能登半島を2泊3日で巡りました。
その貴重な時間のかなりの部分を鉢伏山の自然観察に割り当てて下さいました。

埼玉といえば私が暮らしていたところ。
皆さんが観察員として活動しているという場所もお聞きするだけで分かりました。

ブナ林へお連れしましたが、群馬や栃木にも立派なブナ林があることは知っています。
関東の植生に詳しい皆さんが何に興味を持つかは私と視点が近いはずです。
そこで北陸、特に日本海型の気候に合わせて変化した常緑樹の生存戦略についてお話しました。
森の下層が解説の舞台です。

するともっと詳しい方から、わからなかった植物名を教えて頂きました。

ツルツゲです。勉強になりました。ありがとうございます。
実際に参加者の方から教えられることがたくさんあるのです。

森の中でお弁当を食べたりゆっくり過ごして楽しみました。


それも私たちの提案です。

さて、事務所についてから横の休耕田で皆さんが本領発揮。

北陸らしい珍しい野草の数々に興味津々。

野草が好きな方は自然への探求心が人一倍強い人たちです。
ガイドとして学ぶべきことがたくさんあったツアーでした。

駒寄農場で稲刈り

2010年09月25日 | 観察・作業・保全の体験
駒寄農園では農薬・化学肥料を使わない『山田のいちばん星』を作っています。
自家製堆肥と山の水で育った稲の収穫に、オーナーとして参加しました。

手刈りはたいへんです。昔の人の苦労を体で理解します。
子供でも大助かり。

娘の祥奈はなかよしのくるみちゃんを誘って稲束運びも遊びにしながらお手伝い。

おーい、どこへいくんだー。積めるだけ積んでます(笑)。

大変だけど稔りはうれしいもの。作業の中でも明るい空気が流れます。

ハザ架けして乾燥させました。


作業後のぺこぺこの胃袋にはおいしいおはぎや煮物が用意されていました。

子供たちは自分たちでも作ってみましたが・・・結局、あんこともち米の新商品?開発となりました(笑)。


これは後日届いた「山田のいちばん星」。

能登在住の版画家 鈴木敏治さんが作ってくれたすてきなパッケージです。

作り手の思いに共感し、知り合い、共に植え収穫し、お米を手に入れる。
こうなればお米は単なる商品ではありませんね。

お講料理

2010年09月23日 | 食文化
笹川子供会の食育活動の一環で能登町石井の光栄寺でお講料理を頂く機会があったので参加しました。

浄土真宗はお講という集まりが盛んで、秋の終わりには「報恩講」という大きなお講が各所で開かれます。
その時にふるまわれる精進料理が「お講料理」です。
今日はお彼岸のお講で国光・鴨川・平床地区の檀家の方が作ってくださいました。

いただきます。

代々伝わっている季節感あるれたお料理。すべて地元で採れたものです。

素朴ですが、しっかりと手間暇をかけて作られたお料理。

子供の分まで食べておなかいっぱいになりました。

食事がすんだ後、読経と法話をお聞きしました。

南無阿弥陀仏=ナムアミダブツ、いわゆるナンマイダーを唱和。

都会では便利さと手軽さが行きついてファストフード全盛の時代ですが、
その一方で地産地消・安心安全・健康志向の食生活への模索もまた大きな潮流です。
そんな時に地方に残されているお講料理は大きな示唆を与えてくれるものでしょう。

春蘭の里でキリコ復活

2010年09月20日 | 春蘭の里
能登の農家民宿のリーダー「春蘭の里」で、昨夜キリコ祭りがありました。

とはいってもこの集落(宮地)でウン十年ぶりの復活、歴史的瞬間です(笑)。
嫁に来たおばあちゃんも地域のキリコが動いているのを見るのは初めて!という人も。
東京から来たホスピタリティ・ツーリズム専門学校の学生さんたちが担ぎ手となっての復活です。

学生たちは小さなキリコを担ぎながら各家々を回ります。
お酒を飲んでいるのは多田さん。キリコ祭りの復活にご尽力なさいました。
地域を愛し集落を存続させたいという強い思いで春蘭の里をここまで引っ張ってきた
地域のリーダーです。

神社に着くと大きなキリコがそびえていました。

神事も執り行い、神輿も加わりました。
神様もずいぶんと久しぶりにお出かけなさったようです。

13年も続いている地域おこし「春蘭の里」でキリコ祭りがなかったのは不思議なくらいでしたが、
過疎と少子高齢化による人口減少で身近な祭りが絶えて消えていく、というのが現実です。
そんな中で祭りを「復活」させたことは地域の中で大きなインパクトがあるでしょう。
来年以降も続くことを期待したいです。

鉢伏山 キノコ「撮り」

2010年09月19日 | ― キノコ撮りツアー
秋の特別プログラム『鉢伏山のキノコ撮り』がいよいよ今日からから始まりました。
キノコを採らずに写真を撮るエコツアーです。

森にひそむ「キノコ」を探し出してじっくり観察し、とことん撮影します。

キノコは美しくて可愛らしくて

不思議に満ちています。

マクロレンズで撮影すればその美しさに魅了されてしまいます。

ブナ林にはキノコの種類が多く、特に秋にはいろいろなキノコを見ることができます。

きのこ狩りの季節にキノコを採らずにキノコを愛でるちょっと変わった森歩き。

ゆっくり秋を楽しみながら、大きな生態系を考えるエコツアーです。

鉢伏山 いきものマイスター養成講座

2010年09月18日 | エコツアー鉢伏山
金沢大学が今年から始めた「いきものマイスター」養成講座
能登の森の代表として鉢伏山が選ばれ、受講生たち6人とスタッフがやってきました。
今日のメンバーなら通常のツアーよりも自然のこと(ひとつひとつの植物や森の仕組み)を詳しく
話すことができる絶好の機会です。私も楽しみにしていました。

本で読んだ知識は現場で実物を目の前にすることで生き生きとした理解になります。

分かったという喜びに火が点くともっと知りたくなります。
「森のマイスター チェックシート」を用意して16項目の?&!で森を探っていきました。

シーンは移り変わり沢沿いの難所も次々と現れます。
これには探検気分の子供たちが喜びの声を上げました。やっぱり子供は自然が一番の遊び場!


皆さんからは次々となに?なぜ?どうなるの?と質問が飛び交います。
インタープリターとしてはとてもうれしい瞬間です。

自然はまわりにあるすべてが素材であり教材でありおもちゃです。


私のメッセージは自然と人間が深く関わっていることを実感して頂くこと。
それは単に生活の糧を求めるだけではなく、「今ここ」にいる私たちひとりひとりの
心のあり方に深くつながっている(のではないか?)ということです。

チェックシートによって皆さんが森の多様性について体験的に理解したことを確認したので
全員に「鉢伏山 森のマイスター修了証」を授与しました(笑)。

「ひとりで来てもぜったいに気が付かなかったことをたくさん知ることができた。」
「結論を押しつけるのではなく、自分で考えるように導いてくれた。」
と、参加者の皆さんからインタープリターとしては勲章のような言葉を頂きました。
これはスタッフの皆さんのサポートがあってこそです。ご協力ありがとうございました。

鉢伏山 キノコ博士と下見

2010年09月15日 | ― キノコ撮りツアー
週末の実習ツアーのためにキノコ博士の赤石大輔博士が下見に来ました。
お世話になっている佐野さんもご一緒で「水源の森キノコ探し」といった趣きで下見をしました。

まず遭遇したのはオオワライタケ。食べると狂騒状態になる毒キノコです。

次はテングタケの仲間。シロオニタケにそっくりですが白くありません。
先生によると命名されているキノコは全体の3割くらいだそうです。
去年は赤石先生によって新種とされたキノコもあります。

ベニウスタケ。臼のような形からウスタケです。

次がウコンハツ。ウコン色のハツという意味。ハツは真ん中がくばんでいます。

チチタケ。チチは乳の意。割るとミルクのように白い液が垂れます。

その量にはビックリしました。

水源に下りると腐朽菌のキノコがたくさん生えていました。

特筆すべきカエンタケ。炎をイメージしたネーミング。見たこともない不思議なキノコです。

印象的な色合いのムラサキフウセンタケ。割って中を観察しました。


これは道端に生えていたアンズタケ。アンズの匂いがします。

これは食べられるそうで持って帰りました。博士のお墨付きなので安心です。

今日は赤石先生のおかげでキノコの名前や性質が分かりたいへん楽しい山歩きとなりました。

今度の週末、鉢伏山は赤石先生が指導する「いきものマイスター」の実習地となります。
私が解説することになりますので今日のお礼に頑張りたいと思います。

鉢伏山 林道の保全

2010年09月13日 | 鉢伏山
先日の台風で鉢伏山林道の路肩が一部崩れていました。
まず、林道入り口すぐのところ。
ここはもともと山側の崩壊を防ぐ工事を去年済ませて一安心していましたが、
今度は反対側の川側の路面が削られてきました。

もう少し先にいったところも道がやや狭くなっていました。
ちょうど川の流れがぶつかるところなので先週のように台風が来ると一挙に崩れてしまうようです。


こちらは林道の脇を草刈りした後。
のと森林組合が9月に入ってから作業をしてくれました。

これまで夏の盛りは雑草の盛りとなって両脇からやりたい放題で伸びていました。
車一台通るのがやっとで見通しが悪く常に対向車に最大の注意を払っていました。
これで緊張を解いて走ることができます。

これまで部分部分の草を刈ったり、路傍の石を拾って除けたり、地道に気がついたことは
してきましたが、ひとりふたりの作業では限界があります。
林道が快適で安全であるように自助努力はもちろん、関係機関などと連絡を取り合って
協力等を仰ぐ必要があります。

能登で国際テニス大会

2010年09月11日 | イベント
能登町で今年4回目になる「能登国際女子オープンテニス」が開催されました。
およそ一週間のトーナメント戦。私が訪れたのは土曜日。
個人準決勝のタイのルアンナム・ヌドゥニダ選手vs中国のW・チアン選手、

ダブルス決勝のタマリーン・タナスガーン(タイ)・藤原里華(日本)vs井上明里・青山修子(日本)
の試合を観戦しました。

プロの真剣勝負は見ごたえがありました。

能登町はテニスの町で、特に軟式(ソフト)テニスにおいて百年の歴史を持ち、
有名選手や全国トップレベルの子供たちを輩出しました。
インカレ、インターハイ、国体とこれまで数々の大会を行ってきて
16面のテニスコートや屋内コートWAVEなど施設も充実しています。

この国際女子オープンテニスは硬式テニスの世界大会です。これは能登町民が
硬式・軟式の区別なく広くテニスを愛し、日常的に親しみ楽しんでいることを
世界に発信できるチャンスです。

テニスを軸にして時代・地域の変化を町民が感じることができるのは
先人たちのおかげです。受け継いだものに新しい意味を見出し継続することは
常に創造であり、決してマンネリズムではありません。
そんなことを考えるよい機会になりました。

シーカヤック 海の自然

2010年09月08日 | エコツアー能登
海を楽しむならシュノーケリングは最も簡単で効果の高い道具です。
シーカヤックがあれば沖の岩礁へ渡って潜ったりもできます。

よく岩礁がコンクリートで埋められてベタっとなっているところがあります。
あれはいったいなんでしょう?

答えは「ノリ畑」。冬になると荒波が洗い岩ノリがかじり付きます。
夏ならなーんにもありませんが、冬は地元の人とトラブルにならないように気をつけましょう。

海の中は一面海藻ばかり、というのが能登。

たくさん穴が開いていて、全部ウニ(ムラサキウニ)で埋まっています。
岩礁のアパートは空き部屋なし、といったところでしょうか。

仲良しのシマダイ(イシダイの幼魚)。

かわいいのですが人を襲い(?)ます。人を恐れず、まとわりついて突いてきます。
けっこうしつこいので一度気に入られてしまうと追っ払うのに一苦労。

貝が岩場にビッシリ。なんというんでしょうか。海のことはまだまだ知らない私です。


日頃、自然案内人として能登の森で活動していますが、能登の海もいつかは深めたいと思っています。
自然とはすべて、海も山も区別はありませんから。

シーカヤック 木ノ浦編

2010年09月06日 | エコツアー能登
このブログの2月に季節外れではありましたが能登のシーカヤックの魅力をお伝えしました。
今回はタイムリーに夏の終わりの外浦をご紹介します。
能登の外浦(日本海側)でも先の方にある珠洲市「木ノ浦」海岸から堂ガ崎へ、折り返し戻って木ノ浦からシャク崎を通って折戸まで、そして木ノ浦へ再び帰着というコースです。

木ノ浦から南側へ。まず岬をまわりこみます。この瞬間はいつも期待でワクワクします。

外浦らしい入り組んだ岩場や入り江がありました。ややこじんまりした印象。

ここ上の方には「岬自然遊歩道」が通っています。海の見える自然観察路です。

奥は徳保の千本ツバキと言われているヤブツバキの大木が残る自然林です。

進路を北へ向け、シャク崎へ向かいます。遠くから見ると滝のような白い筋。
海鳥のコロニーかとも思いましたが、そばで確認すると岩の成分の色でした。

シャク崎にも大きな洞窟がありました。

漂流ゴミが散乱しているのはムード台無しですが、奥の方がよほど広くなっているようでちょっと不気味でした。

シャク崎と三十三広という大きな岩礁の間は水路になっていて、ここを通って折戸へ向かいました。

帰りは三十三広をぐるりと回って木ノ浦へ。


木ノ浦・・・ここは岩場・波磯・洞窟・水路などがこじんまりと全部揃っていました。
陸上からのアクセスがよいのでエスケープするのも容易で安心度が高いです。
能登外浦の入門コースとして特に初心者や初級者には最適の場所だと思います。

ここでシーカヤック・インストラクターとなって海の男になるのも悪くないなあ(笑)。

ANAきりこの森 下草刈り

2010年09月04日 | 観察・作業・保全の体験
昨年10月下旬に能登空港の植林イベント「私の青空 能登空港 きりこの森」へ参加しましたが、
今年のイベントは9月4日で、下草刈りの作業を行いました。植林には継続的な手入れが必要です。
奥能登農林総合事務所の皆さまのサポートの下、日本航空高校石川の生徒やボランティアが参集しました。

はじまりです。植えたはずの木が草にかくれてよく見えません。

柄の長~い草刈り鎌が驚くほどよく切れるし、たくさん人がいたので作業ははかどり、
あっという間に苗木が見えるようになりました。

短い時間でも大汗が出て体力が消耗します。熱中症に気を付けながらの作業でした。

おお、順調に育っているなあ、と眺めていたらこれはどうやら松です。
確か松は植えていませんでした。どうやら勝手に生えてきたようです。

こういうのをパイオニアプランツ(先駆的樹木)といいます。

これがアテ(能登ヒバまたはヒノキアスナロ)です。まだ小さく弱々しい。

横には枯れてしまったアテの苗木が集められていました。

種類によって木の育ち方にもずいぶん違いがあります。
アテは商用価値の高い木材ですが育てるのも簡単ではないようです。
大きくなったアテで能登の祭りに使うキリコをつくるANAの取り組み。
その日までずっと見ていきたいと思います。

鉢伏山 キノコ・きのこ・茸

2010年09月02日 | 鉢伏山
まだまだ暑い夏が続いていますが、秋になるとたくさんでる「キノコ」。
特にひと雨降った数日後がいいです。鉢伏山にはブナ林があるのでキノコの種類も多種多様です。

キノコはただ歩いていてもなかなか気づきませんが、立ち止まってしゃがんでよーくみると
よく見つかります。

それにしてもキノコの判別はむずかしい。図鑑をどんなに詳しくみても分からないことも多々あります。
写真と実物では色も少し違うようだし、幼菌と老菌とでもずいぶん違います。
ササクレシロオニタケの幼菌(左)と成菌。出たばかりの幼菌も見えます。

「鬼の金棒」のような幼菌がおもしろいキノコです。

テングタケの仲間の成長過程。タマゴを破るように伸びます。途中で割ってみるとこんな感じ。


キノコの名前にはよく「タケ」が付きますが、これは竹と一緒でタケルに通じます。
つまり勢いよくグングン育つという意味です。
キノコは出始めから腐ってなくなるまで1週間ももたないものがたくさんあります。
命名されているキノコはまだ全体の30%位だろうと言われていますが、アッという間に成長して
消えてしまうのですから無理もありません。
私も図鑑との格闘が続きます。