能登でココロもどる旅

ぶなの森エコツアーのスタッフブログです。
能登の海・山・里で日本の原風景に帰る旅を楽しみましょう。

スタッフブログ

インタープリター山崎の日常、スタッフブログ「ゆらりぶらり」も日々更新中です!

白山登山

2011年07月24日 | エコツアー全国
1泊2日で白山へ行ってきました。
いしかわ自然学校インストラクターさんの企画で、白山(南竜ヶ馬場周辺)の自然散策と
外来種(オオバコ)の除去活動に参加しました。

ちょうど高山植物がきれいに咲いていました。
深山タンポポ、深山キンポウゲ、コイワカガミ、ニッコウキスゲ、クロユリなどなど…
色鮮やかなお花畑が広がっていました。


左から:深山タンポポ、クロユリ、コイワカガミ

南竜にはたくさんの登山客がいらしていました。
こちらは色鮮やかなテントが並び、山ガールがいっぱいいます。


日中は霧がかかっていましたが、そのうちに晴れ間になり、きれいな夕日、星空、
次の日にはご来光も見ることができました。
早朝3時起きで登ったアルプス展望台からの眺めは、素晴らしかったです。
途中、野ウサギがいきおいよく駆け登っていく姿も見られました。
日頃の行いの良さでしょうか(笑)

2日目、外来種の除去作業を行いました。
低地性植物のオオバコの種子が登山者の靴や荷物によって持ち込まれ、最近では標高2450メートルの室堂でも繁殖しているのだとか。白山固有の「ハクサンオオバコ」と交配した雑種も確認されています。
そこで環白山保護利用管理協会らがオオバコを除去し、本来の生態系を守る活動を行っています。

左:ハクサンオオバコ

手で取り除く地道な作業は、鉢伏山のネマガリタケを刈り取る「竹取物語」と同じです。
こうした人による地道な活動で森が豊かになると信じています。

それにしても、山の上で食べるご飯とビールの美味しいこと(笑)
もうすでに登りの辛さは忘れて、満足感でいっぱいです。

(今井)

上越でみた冬のブナ林 後編

2010年03月31日 | エコツアー全国
ブナは雪に最も強い樹木です。
寒さに強い樹木は他にもありますが、雪に対する強さはブナがピカイチです。
実際に豪雪の菱ヶ岳の真っ白な森はブナの純林でした。

雪の女王の宮殿をのぞいてみましょう。
見上げれば、夏には緑の天蓋となる光景が冬には白いシャンデリアです。

枝の一部がレースのカーテンのように下に垂れさがっています。
雪の重みに耐える材の柔軟さがブナの強さの秘密です。

日中に融けた雪が夜の寒さで氷となって枝に付着します。
幾何学模様の抽象芸術に見えるか、あみだくじに見えるか。

毎日毎日、数か月の間続く寒さと雪で枝がツララと化し冬芽が氷漬けされています。
吹雪いた時はその上に雪が付着します。白いつばさのような自然の造形です。
想像を絶する過酷な環境ですが、ブナは負けません。

冬芽の中には春に伸びる枝や葉がしまわれていますがブナの葉の裏には絹毛が生えています。
また冬芽を覆う芽鱗がブナには20以上もあり、たくさん毛布をかぶっている状態です。

幹にも氷がついていますが、ブナの内部は決して凍ることはありません。

それでも時々大きな音がしていました。
さすがのブナでさえ折れたり裂けたりすることもある重い信越の雪なのです。

知識で理解していたその強さを実際に目の当たりにした感動は大きかったです。
冬だからこそ感じることができた貴重な体験となりました。

セッチュウカワゲラを捕まえました。生態は謎につつまれています。
もし研究すればすぐに博士号をとれるでしょうとはガイドさんの弁。
ただその観察フィールドはこの通り過酷な冬山です(笑)。

ノウサギがかじった痕です。雪が融けたら4~5メートルの高さの枝のはずです。
夏に訪れた人がノウサギの食痕だと聞いたら不思議に思うでしょうね。

ノウサギがいました。真っ白でした。

すばらしいスノーシュートレッキングを企画して頂いた越後田舎体験のスタッフとガイドさん、
どうもありがとうございました。

上越でみた冬のブナ林 前編

2010年03月29日 | エコツアー全国
上越の菱ヶ岳は信越県境付近の豪雪地帯にあり、厳冬期と同じブナ林の姿を教えてくれました。
私がフィールドとする能登の鉢伏山に林道の積雪で近づけない今、ブナ林観察の貴重な体験となりました。

幹についた雪は積もっている方角から風雪が吹いてきたことを示しています。

風が吹いて枝を揺らすとカラカラと乾いた音と共に小さなかたまりが降ってきます。
枝についた氷が落下するのです。陽光で枝全体が透明に光輝いていました。

菱ヶ岳の山体のふところには大規模なブナ林があります。

たくさんの大径木があり、森の中はシャンデリアの宮殿のような美しさでした。

あまりに美しく静謐な冬のブナ林の姿に深い感動を覚えました。

枝がこれほど見事に真っ白になるのです。冬のブナの色です。

上越 雪上スノーシュー体験

2010年03月27日 | エコツアー全国
「雪の上を楽しむトレッキング」に参加してきました。場所は
新潟県上越市安塚にある雪だるま高原のキューピットバレイです。
菱ヶ岳(1129m)の山頂周辺をスノーシュー(カンジキ)で歩きます。


ゴンドラ山頂駅(標高960m)でガイド秋山さん、塩崎さん、水島さんに
スノーシューのコツを教えて頂いてからメンバー19人が出発です。

スノーシューは大きなスリッパのような感じ、かかとが動くようになっています。
足裏にあるとがった金具がスパイク代わりです。
大きな接地面が体重を分散するので新雪でも雪にもぐりません。

慣れると雲の上を跳ぶように山を下りることもできます。

大雪の合間に訪れたこれ以上ないような晴天に恵まれ、冬山の美しさを知ることができました。

菱ヶ岳山頂はさえぎるものなく、北信越の山々が一望です。

それにしても参加者の皆さんは山に詳しかった。体力もバッチリで負けそうでした。

菱ヶ岳のブナ林の中をスノーシューのパーティが進みます。
真冬の様相のブナ林は言葉に表現できないほど素晴らしかった。

途中で全長80kmの「信越トレイル」に接続し眺めのよいところで昼食です。

千曲川や野沢温泉を遠望する好ポイント。

そこで積雪を測ると、3メートル余り。昨日来の新雪が60cmほど積もったようです。
積雪を測る道具や雪の質で積雪ラインを見分けたりと、さすがガイドさんです。

季節は春でも全くの冬山。初めてのスノーシュー体験は新鮮でした。
スキー場を抱えるだけあって便利で設備も整っていましたし、
ガイドと麓のレスキュー体制との連携など安全面も配慮され、
安心して楽しむことができました。