能登でココロもどる旅

ぶなの森エコツアーのスタッフブログです。
能登の海・山・里で日本の原風景に帰る旅を楽しみましょう。

スタッフブログ

インタープリター山崎の日常、スタッフブログ「ゆらりぶらり」も日々更新中です!

鉢伏山 路傍の四天王

2009年08月27日 | 鉢伏山
林道鉢伏山線の盛夏の草刈りで、手ごわい強敵が4種あります。
①イタドリ、②イタチハギ(クロバナエンジュ)、③オオヨモギ、④アカソです。

①イタドリは春先は赤くてかわいい芽が出るのですが
夏には2~3メートルに達して道に覆いかぶさってきます。
次第に木質化して硬くなるのでもっとも手ごわい相手です。

しかしながらイタドリは「いたみとり」が語源の薬草でもあったようです。

②イタチハギ(クロバナエンジュ)は大正時代に帰化した外来植物で
のり面工事後の緑化用に使われ広まったそうです。繁殖力旺盛。

初夏にこんな花が咲きます。
ハチがたくさん飛んでいたので意外に養蜂植物として有用かも。

オオヨモギは食用に、アカソは糸の原料に、昔の人は使っていたようです。

しかし今は見向きもされず、私もただひたすら刈り倒すだけです。
ちょっと考えてしまいますが、なにはともあれ草の勢いに押されて
草刈り作業はたいへんでした。

ところが・・・
8月下旬にシルバー人材の方々が草刈りを集中的に行ってくださいました。
おかげで林道がずいぶんすっきりとし、車の走行も安全になりました。

鉢伏山 ナツエビネとタマゴタケ

2009年08月25日 | 鉢伏山
鉢伏山の頂上エリアで整備作業をしているときれいな花がありました。
今頃は春に比べて花が少ない時期なのでちょっとした花にも目がとまります。
これはしかも美しい。

ランの仲間・ナツエビネです。夏咲きのエビネで全国に分布しているのは
本種のみだそうです。


少し前は白いつぼみがおじぎをしていました。

今度はきれいなキノコがありました。
あんまりきれいで毒々しいので食べられないかと思っていましたが
調べてみるとおいしいキノコ「タマゴタケ」だそうです。

開いた傘に小さなヤマナシの実が乗っかっていました!

これから秋はキノコ狩りのシーズン、能登では「コケとり」といって
みんな楽しみにしています。
けれど毒キノコをきちんと見分けられないと怖いですね。
タマゴタケによく似たベニテングタケという毒キノコもあるそうです。

ジャパンテント ブナ林散策

2009年08月21日 | 鉢伏山
ジャパンテント特別プログラム 鉢伏山のブナ林散策
「留学生と夏のブナ林でゆっくり過ごしましょう」

ジャパンテントの留学生を受け入れる能登町のホストファミリーをお誘いしたところ、
能登町鵜川の森さんご一家からお申し込み頂きました。
能登の海に暮らす森さんは能登の山も知りたいと、ご参加下さいました。

森さんはジャパンテントの留学生を毎年受け入れています。
今年も3人、アメリカ人・ウガンダ人・中国人の男性3人を連れていらっしゃいまいました。

総勢7名の皆さんが午後2時に到着。
当日は雨模様でしたがアメリカ人のブライアンさんの強い希望があったそうです。
事務所で鉢伏山の歴史や森の様子をご紹介しているうちに雨が上がりました。いざ出発!

足元に注目”
アランさんはお気に入りのナイキを汚さないようにビニール袋と布テープで
靴を防水防塵パックしました。お見事!

今回は留学生なので、日本のふつうの自然の姿をよくみてもらうことにしました。
ブナ林について、ブナの見分け方、樹形の不思議、人との関わりなどについていろいろな
QUESTIONを出して、みんなで一緒に考えてみました。

特にブライアンさんは物理学を専攻しているだけあって旺盛な探究心と好奇心で
見事な推論や感激を示してくれて、大いに盛り上がりました。
ブライアンさん、大きな体をかがめて小さな草について研究中です。



「自分の住むマイアミはまっ平らな草地にヤシの木があるだけ。
日本の自然は密度が濃く多様性に富んでいて本当に驚いた。
日本は美しい。大好きです。」

能登の、石川のふつうの山、ふつうの森の「豊かさ」を留学生が感じ取ってくれたことは
わたしたちにとっても喜びでした。

「けっこう楽しかったよ」と森さんから笑顔の一言。ありがとうございます。
留学生たちと森さんご一家は親睦を深め、楽しんで頂けたようです。

ジャパンテント in 舳倉島 2日目

2009年08月20日 | エコツアー能登
翌日は野外授業。舳倉島の自然観察や暮らしなど総合的な環境を学びました。

当代一流の権威の先生から現地で野外調査の実際をお聞きすることができるとはなんというぜいたくでしょう!
楽しく学ぶ。これはまさに私が目指しているエコツアーの舳倉島版ともいえ、その点でもたいへんよい経験でした。

舳倉島は能登沖50キロに浮かぶ離島です。
海の浸食で海岸段丘となった周囲5キロ・最高地点14メートル余の
平らで小さな島に百人が暮らしています。
溶岩の島ですが、井戸が掘れるほど水が確保できたところです。

島の西は海食崖の荒磯で風が強いので人が住んでいません。

集落は東側に集中していますが、冬は強風のため半分の人が島を離れて
輪島に移ってしまうという特異な共同体です。

生業の中心の海女は高齢化が進んでいますが、最高齢92歳の方を筆頭にみなさんお元気。鍛え方が違うんでしょう。


資源管理は共同体で決めています。撒き餌を禁止し、漁期を設定し、小さなものは海に戻します。
島の移動手段は徒歩と三輪自転車のみ。車は診療所の一台だけです(そのかわり各家で船を所有しています)。
灯台の灯りも渡り鳥の時期は光度を落として鳥の激突死を減らします。
使い終わった漁具の縄を屋根に敷いて重しに使っています。

小さくて有限な島の環境で人が持続可能に暮らすための自主的な決めごとです。
和製マーメイド「海女」が暮らしてきた離島の文化風土は今、再評価され注目を集めています。

診療所の先生は「お金は全然使わないけれど不自由は感じません。村の方との語らいも多く充実していますよ」
とおっしゃっていました。自給と物々交換の部分が今でも多いのでしょう。島民は全員知り合い同士です。

一日一便の連絡船の入出港が島全体の生活リズムになっている他はゆっくりとした時間が流れていました。
留学生たちの心にもこの体験は深く刻み込まれたことでしょう。

ジャパンテント in 舳倉島 1日目

2009年08月19日 | エコツアー能登
ジャパンテント=世界留学生交流・いしかわ2009 「ふるさと愛」がテーマ。
22回目を迎える今大会の特別プログラムとして「留学生による舳倉島調査」が行われ、同行しました。


団長は金沢大学名誉教授の藤則雄先生。理学博士。地球科学がご専門です。
トレードマークはふさふさのあごひげ。ご高名ですがとても気さくな方です。
またフィールドワークで見せるフットワークの軽さとタフネスは驚くべきものがあります。
私にとっては宮沢賢治の作品に出てくる「フーボー先生」です。

北國新聞社の米田論説委員は広い見識と豊富な話題で藤先生のお話に別の視座を示して下さいました。
おだやかな語り口調と分かりやすい表現に努めて下さり、和らいだ場づくりをして下さいました。

留学生は南米・ヨーロッパ・東アジアから3人、アレックスさん、イザベルさん、エンレイさんです。
舳倉島をフィールドとしている大学院生の河合さんもご一緒です。

日本滞在2年前後の留学経験を持つ優秀な学生が揃いました。

初日のフィールドワークは漂流物調査でした。
日本海の沖に浮かぶ舳倉島には海流の関係でたくさんの漂着物があります。
海岸で漂流物(ゴミ?)を拾い、その種類と国をまとめました。


半分以上は日本のゴミですが、中国・朝鮮半島・ロシアなども混じっていました。世界はつながっています。
木陰のない海岸は暑く、海風の涼とボトルの水をたのみに長時間の作業に取り組みました。

夜は地元の漁師やお宿「つかさ」の方との語らいです。
漁は夫婦で行い、夫が操船し妻が素潜りで貝を獲ります。その昔と今の違いを伝えて下さいました。

現役の海女の方から驚くようなアワビの生態や海に対する心理的な怖さを教えて頂きました。
海女になる時は母に付いて覚えたそうです。
自分で捕った新鮮な魚介類をお客様に提供できるメリットも語って下さいました。
暮らしの中で日常的に触れている海の知識はとても深いものがあります。

・・・続く・・・

鉢伏山 星稜大ゼミ生「働く」

2009年08月12日 | ― 竹取物語
金沢星稜大学の西村先生のゼミ生のみなさんが鉢伏山で「竹取物語」をしました。
能登町での体験型授業「働く」研修の一環です。
当日は曇り後晴れの絶好の作業日和。9時から14時までたっぷりと山で過ごしました。

導入は事務所の2階、さわやかな風が吹く中で「エコツアーと保全」について話を聞いて頂きました。
里山の森で竹を刈るという保全活動を通じて、人が関与し守ってきた奥能登の自然の実相を感じながら、
「環境」を考えてもらうことが目的です。

なにはともあれ、楽しく体を動かすこと。山を登って鉢伏山の頂上へ!

「運命の赤いヒモ」で決まったペアで共同作業します。ハサミ係と刈り出したネマガリダケの運搬係を交替しながら。

さらに3つにグループ分けして三方からネマガリダケの大群落に突入です!


山は涼しいとはいえやはり夏。こまめな休息と水分補給は欠かせません。

最初は慣れずに手こずっていたみなさんでしたがあっという間にコツをつかんで
ペースも上がってきました。
時に和気あいあいと、時に真剣に打ち込んでネマガリダケの山を築きあげます。


さすが大学生、若いパワーで一挙に一網打尽。スタッフを含め総勢20名のチカラ。
予定を30分残して完了してしまいました。

みなさん、おつかれさまでーす! ありがとうございました。

今日の記念に星稜大学の皆さんに刈っていただいたスペースを「星稜広場」と命名いたします。

お弁当を食べた後に「森遊び」が待っていました。
木登り・目隠し木探しなどをしてみんさん、生き生きと元気に。森の効用です。


ゼミ全体のエネルギーが自然に開放された楽しい時間でした。
最後に森の瞑想。あんまり気持ちよくなって眠ってしまい、木から落ちてしまった人がいました(笑)。

森を明るく整備すると人の交流の場となります。こういった体験を通して、
環境に対して敏感な若者たちが次代を担うことを願っています。