能登でココロもどる旅

ぶなの森エコツアーのスタッフブログです。
能登の海・山・里で日本の原風景に帰る旅を楽しみましょう。

スタッフブログ

インタープリター山崎の日常、スタッフブログ「ゆらりぶらり」も日々更新中です!

奥能登 竹取物語

2009年10月30日 | ― 竹取物語
来る11月8日(日)に「第三回・奥能登 竹取物語」を行います。

ネマガリタケが繁茂する頂上付近を見晴らしよくするために、
手作業でネマガリタケを刈り取ります!

ネマガリタケを刈り取ったところに、来春ブナを植える準備をします。
百年後の森づくりへ向けた初めの一歩、人の手で森本来の姿に戻す試みです。

「鉢伏山の宝みがき」を、さあ、ご一緒に!

日時:  2009年11月8日 (日) 9:30集合 ~ 14:00解散
集合場所:グルーヴィ能登事務所 (当目地区・岩井戸バス停そば)
参加費: 1,000円*昼食代・お茶代・保険代・環境協力金(100円)を含みます。

○作業しやすい服装(長袖長ズボン・厚底のくつ・軍手)でお越し下さい。
○えだ切りバサミをご持参頂けると助かります。
○目の保護のためメガネ(またはゴーグル等)があると安心です。

ご参加頂ける方、お問い合わせ等ございましたら下記にご連絡ください。
皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。

   (前回の様子)
主催および連絡先:㈱グルーヴィ 能登事務所  担当 山崎

〒928‐0334 石川県鳳珠郡能登町字当目60‐41‐2
TEL(0768)76‐0600 携帯080-1952-2172
e-mail groovy-noto@ca3.luckynet.jp

鉢伏山 また新しい道

2009年10月29日 | 鉢伏山
紅葉がすすんで落葉すると森の中がよく見渡せるようになりました。
これまでは緑にむせかえるようでしたが、ずいぶんすっきりしました。

すると林道からすぐに入れるゆるやかな尾根が見つかりました。道をつけられそうです。


途中の紅葉もきれいでした。

この先は少し急になっていますが水音が聞こえます。
水源地ルートのバリエーションがまたひとつ増えそうです。


こうやって道を見つけて探してつなげるのがとても楽しいです。
道づくりはいつも最小限の整備にとどめるようにしています。そうすればきっと
訪れる人が自然のただ中に入っていくような探検気分を味わうことができるでしょう。

鉢伏山 黄葉

2009年10月28日 | 鉢伏山
今、鉢伏山は紅葉真っ盛り。
黄葉とも書きますが、その黄色い葉の木々です。

ブナは黄葉します。茶色くなるものもあります。


優美なブナ「クイーン」の今の姿。

ミズナラは大きめの葉なので黄色く色づくと華やかです。


ミヤマガマズミは赤い実が印象的でした。


大木が多いハリギリ。ちょうどいい具合に幹に葉が貼り付いていました。

カエデのような葉ですが違う仲間です。キリと名が付きますが違う仲間です。
幹はクヌギのようですがウコギ科です。一筋縄ではいかない存在です。

空中取り木によるアテの森づくり

2009年10月26日 | エコツアー能登
「空中取り木」という手品の名前のようで手品のような苗の作り方があります。

アスナロヒノキとかヒバともいわれている能登特産の針葉樹「アテ」の枝の樹皮を切り取ってから
ミズゴケを巻いてビニールをかぶせると、そこから根が再生して苗木になるのです。

これがその「空中取り木」している現場写真。

能登空港のそばにある石川県健康の森館長の石下哲雄さんが20年前にアテに導入しました。
ご本人から直接そのノウハウを講演して頂きました。



昨日の日曜日に行われたテレビ金沢主催「ふるさとの森 再び」のアテの森づくり。
今年は穴水七海が植樹地です。

みなさんそれぞれの思いで植林活動に参加されています。


記念の目印も立てました。

ボリューム満点のキノコ汁やおいしいきゃらぶきの昼食を頂いた後に
松尾和広さんによる焼き栗の実演と講演がありました。

松尾さんは愛知から移住、能登栗を使った焼き栗を4年前から輪島の朝市で販売されています。

香ばしくてとてもおいしかったです。

これから植樹イベントを、鉢伏山に活かしてみたいと思います。

ANA きりこの森づくり

2009年10月24日 | エコツアー能登
植林イベント「私の青空 能登空港 きりこの森」へボランティアとして参加しました。
ANA全日空グループCSR活動の一環として能登空港の森づくりです。
地元の日本航空高校石川の生徒をはじめ約150名のボランティアが集まりました。

地元在来種のアテ(能登ヒバ)やケヤキ、カツラなどの広葉樹の苗木約400本を植樹します。


京都大学フィールド科学教育研究センターの柴田昌三教授(左端)の『青空塾』。
「人間の手が入った自然はもう元には戻らない。だから人が手をかけることが必要なんだ」と語りました。


私のグループはアテでした。森林組合の前田さんが手本を示します。


クワやショベルに慣れた人、慣れてない人、みんなで一緒に植樹です。

私も一緒に4本ほど植えました。

木を植えることは環境保全の第一歩です。

鉢伏山 ママの休息

2009年10月23日 | 鉢伏山
うららかな秋の日、ママと1歳3カ月の坊やを鉢伏山にお連れしました。

東京から能登空港でお越しになりましたが、実は最近まで能登町にいらっしゃった方です。
都会暮らしの中でも能登がなつかしく、いや能登が「欠乏」してしまったようで、
まさに「能登でココロ戻る」お子様との二人旅です。

今日はママも都会も忘れてゆっくりとくつろいで頂きましょう。

お子様は私がお相手しました。
坊やと一緒に森を歩いて気付きましたが森はおもちゃいらずです。
子どもにとっては枝やドングリや落葉やキノコが自然のおもちゃ。
話しかけに「うん、うん」とうなずくとてもいい子でした。

けど、やっぱり最後はママですね。「木はいいな」の絵本の読み聞かせはすてきな時間でした。
能登の空気を吸って元気になって頂けたらいいです。

講演会

2009年10月21日 | エコツアー能登
能登町雇用創出評議会の主催で国民宿舎「やなぎだ荘」にて私の講演会を行いました。

7月19日に岩井戸公民館で行った講演会をベースにして(7月20日のブログに詳述)、
エコツーリズムという考え方やこれまで実際に行ったエコツアー的なプログラムをご紹介しました。
「鉢伏山の森林浴」と「能登はいいとこ」のスライドショーも新しい写真を加えて構成し直し、
パワーアップしました。

まだ事業としての実績が浅く、講演などを引き受けるには時期早尚、内心こころ苦しかった部分もありました。
しかしせっかくの機会を頂いたのです。来て頂ける方に少しでも楽しんで帰ってもらおうと工夫しました。
20人近くもお集まり頂き、ありがたくも、うれしく・・・。

「能登の人よりも能登を楽しんでいるみたいでうらやましい」
と参加者の方に何よりものお言葉を頂き、楽しむ能登を伝えていく決心を強くしました。

ご来場のみなさま、どうもありがとうございまいした。

キノコ博士とキノコ狩り

2009年10月20日 | エコツアー能登
赤石大輔先生による「キノコ博士とキノコ狩り」に4名のご参加を頂きました。
赤石先生が駐在研究員をなさっている珠洲の能登半島里山里海自然学校に集合です。

プログラムはキノコの生態や地域の関わりについての講義から始まりました。
例えば「キノコ」と「きのこ」の微妙なニュアンスの違い、ご存知ですか?

マツタケは人手によって落ち葉かきされたアカマツ林によく発生します。
かつて珠洲はマツタケの一大生産地でしたが、昭和30年代をピークに生産量が激減しました。
里山から薪を取らなくなって放置されたのが原因ですが、能登瓦の生産が廃れたことが背景にあったようです。
マツタケと人の営みの密接な関係を知ることができました。
先生はマツタケを回復させるための研究と実践も行っています。
専門家から実地の内容を学べたことは参加者にとってよい経験になったのではないでしょうか。

さて、いよいよ楽しみのキノコ狩りです。自然学校の裏にある保全林が舞台です。
自然のキノコは早足で見つかるものではありません。ゆっくり歩いてじっくり探します。

こわれやすいキノコは紙袋に入れてからカゴに入れるのがよいそうです。

見つかるとうれしい。採るのが楽しい。だんだん童心に帰っていきます。

能登で「ネズミノテ」と呼ばれているおいしいキノコもありました。


採ったキノコを集めてひろげて、仕分け作業です。
混沌としたキノコの山が先生の手によってまたたく間に可食・不可食に分けられて行きます。

万物を分類して把握したいという人間の要求から学問は始まりましたが
その現場に立ち会ったかのよう(笑)。まさに「ゴッドハンド=神の手」でした。
食べられるキノコ。

こっちは食べられないキノコ。

参加者の中には経験者もいらっしゃって食べられるキノコのみ集めていらっしゃいました。さすがです。

農家民宿「しいたけ小屋ひろ吉」さんのランチはキノコずくしの豪華料理。
酢の物・味噌漬け・炒め物など味付けも工夫されていておいしく頂きました。


採ったばかりのキノコもササッと調理されて出てきました。歯ごたえ・香り申し分ありません。
ご主人ご自慢の手打ちそばやサプライズメニューのイチジクのてんぷらもあって話も弾み、
ボリュームも十分すぎるほどでおなかいっぱい食べました。

能登では昔からキノコが愛されてきました。別の山でまた違ったキノコを探すのもおもしろいでしょう。
今後はそんな展開も赤石先生とふくらませていけそうです。知と動と食のプログラム、乞うご期待です。

鉢伏山 紅葉のはじまり

2009年10月16日 | 鉢伏山
最近の朝晩の冷え込みにより、いよいよ鉢伏山の紅葉が始まりました。

山がまだ青いうちにサクラの仲間やホウノキは紅葉しすでに落葉しています。
ウルシ科のヤマウルシやヌルデの紅葉も早い部類です。


本格的な紅葉を前にノブドウは宝石のような実で彩りを添えます。


キノコもチャワンタケがカラフルです。

色あふれる季節の到来です。

鉢伏山 偉大なるキノコ

2009年10月15日 | 鉢伏山
キノコの正体は土の中にあります。試しにその根元を掘り返してみると・・・

白い糸のような菌のかたまりがあります。菌糸体です。
暗い土の中でカビのようなかたまりが力を合わせて
空を求め高く伸びあがります。それがキノコです。

なにもかも胞子を飛ばして子孫を残すためです。
カサの裏のヒダは整然と並び胞子を蓄えています。


キノコ(菌類)の真の偉大さは自然界での分解者としての役割です。

菌類は一切の有機物を無機物へと還元します。
光合成によって無機物から有機物をつくりだす植物とは逆の役割を担うことによって
生物界が無限に生き続ける大循環を可能としているのです。
動物は部分的な分解や咀嚼で還元作用を補っているに過ぎません。

キノコをはじめとする菌類がなければ生態系は破局してしまうのです。

キノコ・・・偉大なる小さな存在です。


鉢伏山 キノコ撮り

2009年10月14日 | 鉢伏山
新聞によるとなんでも若い人にキノコが人気だとか。
毒キノコや食用にむかないキノコを観察したり、写真を撮って楽しむ人が増えているそうです。
キノコ採りならぬキノコ撮りです。大いにうなづく私でした。

キノコは名前の同定がむずかしくて図鑑で探してもさらに迷う結果になります。
そこで、きれいだったりかわいかったり変だったりしているのを楽しむことにしました。

まず変わり種のホコリタケ。

袋みたいになっていて叩くと中から胞子がまさにホコリのように出てきます。

破れ傘みたいなキノコや日傘みたいなキノコたち。

青いキノコもあります。

これはマッシュルームでしょうか?

きのこのなんとかというお菓子そのまんまのキノコです。

シラタキのような質感の繊細なキノコ。

これはノウタケ。名前の通りちょっとキモチ悪い形をしています。

下ばかり見ていたらもうすっかり暗くなっていました。

秋の夕はつるべ落とし、季節が動き出しています。

宝立山 奥能登最大のブナ林

2009年10月13日 | エコツアー能登
珠洲の最高地点は宝立山。奥能登で最大のブナ林が残されています。


黒岳(471メートル)にはすぐそばまで林道がきていますが途中に開けたところがあり、
能登の山と海のパノラマを楽しめます。七尾湾と日本海の両方を見渡せる稀有な好展望。

高洲山(輪島)や鉢伏山(能登町)も全体が見渡せます。


丸山(469メートル)の方は開放的な斜面にブナの純林が広がってすがすがしい感じです。
大きな風車の向こうに見附島も遠望できました。明るく広々としているのは美点でしょう。


少々荒れている山道があります。少し手を加えれば回復は早そうでした。

下草を刈れば広場のような休憩スペースも整備できそうです。
植生も鉢伏山と同じなのですぐにエコツアーを構築できるエリアです。

宝立山 ナラ枯れの実態

2009年10月12日 | エコツアー能登
すでにナラ枯れの被害を受けている珠洲の宝立山へ行ってその実態を確認しました。

大きなミズナラがほとんど茶色くなって景観上、目立ちます。
一見紅葉のようですがミズナラは「黄葉」するのでそれではありません。

ミズナラの根元におがくずのような粉が大量にあった場合はカシノナガキクイムシが入った証拠です。
このフラスは木屑と虫のフンなどが一緒になったものです。

そういう木を見上げてみると枯れ葉ばかり・・・すでに枯れていました。

発生の原因は一説によれば炭焼きをしなくなったことだといいます。
山に手が入らなくなって大木化したミズナラはこの虫にとってのごちそうです。
そんな山ばかりなのでカシノナガキクイムシが日本中で大繁殖してしまったというのです。
人がやめてしまった山の手入れ(?)を虫と菌がやっている、という自然の摂理でしょうか。

この宝立山は鉢伏山の近い将来の姿でしょう。
この現実を受けとめるのはたいへんつらいのですが、自然現象である以上仕方がありません。
そういった現実をお伝えし考えて頂くこともまた、私たちのエコツアー・プログラムが目指すことです。

鉢伏山 ナラ枯れの兆し

2009年10月08日 | 鉢伏山
全国の森で起きているある異変とは、「ナラ枯れ」のことです。
7月から9月にコナラやミズナラが突如として枯れていく現象です。
これはカシノナガキクイムシが媒介するナラ菌が原因です。

ふつうならこんな感じのミズナラの枝葉ですが、


不自然に枝先が枯れているものがあります。被害木かもしれません。
もしそうならば近い将来立ち枯れてしまいます。

これはカシノナガキクイムシが入りこんだ穴のようです。
まわりにフラスという白い木の粉が落ちています。他の場所で見つけました。

被害にあうのはミズナラばかりでブナには影響ありません。
しかし大木からはじまって森全体のミズナラの7割が枯れるほど深刻な事態の、
被害地もあります。
能登でも宝立山や町野の山林で被害が報告されています。

鉢伏山にはミズナラの大木が豊富にあります。森の行方がとても心配です。

鉢伏山 脇役のミズナラ

2009年10月06日 | 鉢伏山
ミズナラはブナと環境を共にする山の木で、数は圧倒的に多いです。
鉢伏山域はミズナラの森と言っても過言ではなく、見事な大木があります。

いわゆるオーク材としてヨーロッパでは重宝される木材です。
炭焼きにも重要な材でした。

4月下旬に芽吹きます。同時に花が咲きます。雄花序は垂れさがります。

緑が美しく、特に新緑の頃は爽やかです。

コナラの葉によく似ていますが、ひとまわり大きいです。

ところが最近、茶変しているミズナラが目立つようになってきました。

大きな木が立ち枯れしているのです。もしかしたら今、
全国の森で起こっているある異変のせいかもしれません。