郷土の水生昆虫を長い間研究している谷口正成さんが能登の五山の山系を中心とした調査記録を
著書『この川にこんな「いのち」が』にまとめています。
それによると鉢伏山にはムカシトンボの生息が確認されています。
そこで鉢伏山山域の水系でムカシトンボを探しました。
谷口先生もお久しぶりのご様子です。まるで探検隊です。
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以前にムカシトンボのヤゴを確認したとされる場所で底をすくい始めました。
小石を丁寧によけながら何度も繰り返し辛抱強く探し続けます。
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でも簡単に見つかるものでもありません。そろそろ私たちもあきらめかけていたころ・・・
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「ありましたっ!」と。
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ホントにムカシトンボのヤゴを採取しました。お見事!
ムカシトンボは巨大恐竜がのし歩いていた中生代からそのままの姿の「生きている化石」です。
恐竜は絶滅しましたがムカシトンボは2億年も命をつないできたのです。
しかも世界中で日本とヒマラヤにしかいないそうです。
夏でも18℃までの低水温と陽の差さない森林が生息環境でムカシトンボの幼虫(ヤゴ)は8年かけて育ちます。
だからその地域が少なくとも10年は環境が変わっていないことを示す「指標生物」です。
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ムカシトンボに魅せられて水生昆虫の研究をしてきた谷口先生でさえも
成虫のムカシトンボが飛んでいるのを見たことがないといいます。
希少種ではありませんが自然豊かな環境にひっそりと生息している虫なのです。