能登でココロもどる旅

ぶなの森エコツアーのスタッフブログです。
能登の海・山・里で日本の原風景に帰る旅を楽しみましょう。

スタッフブログ

インタープリター山崎の日常、スタッフブログ「ゆらりぶらり」も日々更新中です!

上越でみた冬のブナ林 後編

2010年03月31日 | エコツアー全国
ブナは雪に最も強い樹木です。
寒さに強い樹木は他にもありますが、雪に対する強さはブナがピカイチです。
実際に豪雪の菱ヶ岳の真っ白な森はブナの純林でした。

雪の女王の宮殿をのぞいてみましょう。
見上げれば、夏には緑の天蓋となる光景が冬には白いシャンデリアです。

枝の一部がレースのカーテンのように下に垂れさがっています。
雪の重みに耐える材の柔軟さがブナの強さの秘密です。

日中に融けた雪が夜の寒さで氷となって枝に付着します。
幾何学模様の抽象芸術に見えるか、あみだくじに見えるか。

毎日毎日、数か月の間続く寒さと雪で枝がツララと化し冬芽が氷漬けされています。
吹雪いた時はその上に雪が付着します。白いつばさのような自然の造形です。
想像を絶する過酷な環境ですが、ブナは負けません。

冬芽の中には春に伸びる枝や葉がしまわれていますがブナの葉の裏には絹毛が生えています。
また冬芽を覆う芽鱗がブナには20以上もあり、たくさん毛布をかぶっている状態です。

幹にも氷がついていますが、ブナの内部は決して凍ることはありません。

それでも時々大きな音がしていました。
さすがのブナでさえ折れたり裂けたりすることもある重い信越の雪なのです。

知識で理解していたその強さを実際に目の当たりにした感動は大きかったです。
冬だからこそ感じることができた貴重な体験となりました。

セッチュウカワゲラを捕まえました。生態は謎につつまれています。
もし研究すればすぐに博士号をとれるでしょうとはガイドさんの弁。
ただその観察フィールドはこの通り過酷な冬山です(笑)。

ノウサギがかじった痕です。雪が融けたら4~5メートルの高さの枝のはずです。
夏に訪れた人がノウサギの食痕だと聞いたら不思議に思うでしょうね。

ノウサギがいました。真っ白でした。

すばらしいスノーシュートレッキングを企画して頂いた越後田舎体験のスタッフとガイドさん、
どうもありがとうございました。

上越でみた冬のブナ林 前編

2010年03月29日 | エコツアー全国
上越の菱ヶ岳は信越県境付近の豪雪地帯にあり、厳冬期と同じブナ林の姿を教えてくれました。
私がフィールドとする能登の鉢伏山に林道の積雪で近づけない今、ブナ林観察の貴重な体験となりました。

幹についた雪は積もっている方角から風雪が吹いてきたことを示しています。

風が吹いて枝を揺らすとカラカラと乾いた音と共に小さなかたまりが降ってきます。
枝についた氷が落下するのです。陽光で枝全体が透明に光輝いていました。

菱ヶ岳の山体のふところには大規模なブナ林があります。

たくさんの大径木があり、森の中はシャンデリアの宮殿のような美しさでした。

あまりに美しく静謐な冬のブナ林の姿に深い感動を覚えました。

枝がこれほど見事に真っ白になるのです。冬のブナの色です。

上越 雪上スノーシュー体験

2010年03月27日 | エコツアー全国
「雪の上を楽しむトレッキング」に参加してきました。場所は
新潟県上越市安塚にある雪だるま高原のキューピットバレイです。
菱ヶ岳(1129m)の山頂周辺をスノーシュー(カンジキ)で歩きます。


ゴンドラ山頂駅(標高960m)でガイド秋山さん、塩崎さん、水島さんに
スノーシューのコツを教えて頂いてからメンバー19人が出発です。

スノーシューは大きなスリッパのような感じ、かかとが動くようになっています。
足裏にあるとがった金具がスパイク代わりです。
大きな接地面が体重を分散するので新雪でも雪にもぐりません。

慣れると雲の上を跳ぶように山を下りることもできます。

大雪の合間に訪れたこれ以上ないような晴天に恵まれ、冬山の美しさを知ることができました。

菱ヶ岳山頂はさえぎるものなく、北信越の山々が一望です。

それにしても参加者の皆さんは山に詳しかった。体力もバッチリで負けそうでした。

菱ヶ岳のブナ林の中をスノーシューのパーティが進みます。
真冬の様相のブナ林は言葉に表現できないほど素晴らしかった。

途中で全長80kmの「信越トレイル」に接続し眺めのよいところで昼食です。

千曲川や野沢温泉を遠望する好ポイント。

そこで積雪を測ると、3メートル余り。昨日来の新雪が60cmほど積もったようです。
積雪を測る道具や雪の質で積雪ラインを見分けたりと、さすがガイドさんです。

季節は春でも全くの冬山。初めてのスノーシュー体験は新鮮でした。
スキー場を抱えるだけあって便利で設備も整っていましたし、
ガイドと麓のレスキュー体制との連携など安全面も配慮され、
安心して楽しむことができました。

能登半島地震から3年

2010年03月25日 | エコツアー能登
3年前の今日、9時42分に震度6強の能登半島地震が発生しました。
私は当時、大宮の家で大きな揺れを感じ、直後のニュース速報で能登が震源だと知らされ驚きました。
すぐに電話で親戚の安否を確認し合ったことを覚えています。

暮らしの再建は着実に進みました。優先されるべきことであり喜ばしいことです。
一方で自然や観光の被害はなかなか回復されていません。今日の北國新聞の記事にも
ヤセの断崖そばの「関野鼻」の復興が難航しているとありました。
(関野鼻の被害状況は2月3日のアップをご覧ください。)

外浦にはすばらしい自然遊歩道がいくつもありました。しかし・・・
猿山自然歩道は年々荒れていて、特に夏季は放置状態です。
荒磯遊歩道は多数箇所で深刻な崩壊が確認できました(写真の通り)。
曽々木の垂水の滝~八世の洞門への自然歩道も崩落が激しく復旧されていません。


能登の海岸美を楽しめる、特に外浦の名所が復旧しないことは地域観光の大きな損失です。
しかしこの見えない損失は地域の利害関係や行政の硬直性の中で矮小化されてしまうのが現状です。

私はこれらの要所でエコツーリズムに基づいた人数制限と保全の仕組みを取り入れた
本格的なガイドツアーの実施を考えています。
新しいアプローチと価値観を創出する担い手の事業活動が、地域利害を超えた視点を
生みだしえるのではないかと考えるからです。

そのためにはまだまだ経験と力をつけなければなりません。

手仕事屋

2010年03月22日 | 店・施設
門前の「手仕事屋」も能登にある全国区のそば屋です。
東の横綱が夢一輪館、西の横綱が手仕事屋と私が勝手に思っています。

そばも出汁もおいしくひとつの完成形です。

さらに添え物の豆腐がサプライズ。

実はご主人はもともと総持寺に納品する豆腐屋でした。ここの豆腐を一度食べてみることです。
濃厚な大豆の味がするので醤油なしの方がおいしく食べられます。それくらい旨い。

ご主人のご厚意で野菜だけのやさしい甘みの汁物を頂きました。

食べ終わってからよく見るとその器はなんと角偉三郎の合鹿椀!
生前の角氏と深い親交があったご主人・星野さんならではのこだわりです。

左がノカンゾウ(ヤブカンゾウ)、右がギョウジャニンニク。

旬の山菜のおひたしの和え物は歯ごたえも味も申し分なし。
こういう旬の一品におもてなしの心を感じました。

ここはうまいものを食べたい人々が全国から集う店ですが

実は門前の頭脳が集まる梁山泊のような店でもあります。

門前の雪割草祭り

2010年03月20日 | イベント
輪島市の門前での「雪割草祭り」。荒れ模様ですごい強風の天候でしたが
お客さんでにぎわっていました。

雪割草の集客力はなかなかのものだと地元の方の言。

栽培された雪割草が500円~700円で販売されていました。環境が合わないとなかなか根付きません。
大きめの株で7年も育てた品種改良品は数千円もしていました。それ以上の価値があると思います。

会場でギョウジャニンニクが販売されていて一束350円でした。まず流通にはのらない代物です。
成長が遅く乱獲でめっきり減ってしまいました。ひっそりと残った群落を管理しているそうです。
今しか手に入らない貴重な山菜を入手できたことに大喜びです。
「鹿丼」も頂きました。能登の山中には鹿はいませんので近くにある能登唯一の鹿牧場からの調達です。

例の猿山岬の近くの群生地は今満開だそうです。

徳保の千本椿 

2010年03月16日 | 能登 旅の目
珠洲市の外浦側には岬自然遊歩道があり、禄剛崎まで11km続いています。
西の入口に近い木ノ浦岬付近には「千本椿」と呼ばれるヤブツバキの群落があります。

この時期、葉を落とさない常緑樹のツバキは濃い緑色に見えるので分かりやすいです。
1月から3月頃までが見頃です。あっちにパラパラッ、こっちにパラパラッと咲いています。

「千本椿」はその名の通りたくさんのツバキがあるのですが驚くのはその大きさと密度です。

天をつくようなツバキの大木や複雑な枝ぶりの小木が覆う、うっそうとした森です。
徳保神社の神域なので自生するヤブツバキが守られました。

他にもタブノキの大木がキングギドラのような圧倒的な存在感で君臨していました。

ツバキやタブノキは常緑広葉樹林(南の森)の代表的な構成木ですが、
ここにはケヤキなどの落葉広葉樹も混在しています。
複雑な植生を持つ能登の海岸の森の特徴です。

鉢伏山 林道の積雪 

2010年03月14日 | 鉢伏山
鉢伏山林道は除雪されないため冬季は通行止めです。
ところが林道の補修工事のために途中まで除雪されました。
実施した寺西建設さんにお断りして入ってみることにしました。

今年は多雪の年。昨年とは別の山のように雪がたくさん残っていました。

除雪した後は約5cmの積雪。それでも上り坂で日産キューブは進めなくなりました。

そこから歩いて100mで未除雪のところへ着きました。

積雪は末端でへその高さ(1m前後)でした。(私の帽子がスケールです)

ここで林道全体の1/3位の地点です。ここは日当たりがよいところなので、
この先の日陰の谷沿いではかなりの積雪が予想されます。まだしばらく
ブナ林のフィールドには近づくことができません。
早春のエコツアー・プログラムの実施は融雪とにらめっこです。

緑のない林道からは川がよく見えました。
このあたりは急流で土石流防止の土留めがなされています。
ちょっと印象よくない感じもしますが、よくよく見てみると・・・

石組のような自然な仕上がりで、階段状に魚道が設けられ、
環境に配慮された工事がなされています。

山の自然と人の関わりの全体を理解するためには
治山工事もその一部として見つめることも大切です。





越後で連携を考えた

2010年03月12日 | 研修・講習
新潟県十日町市の松代(まつだい)へ視察&研修に行ってきました。
いわずとしれた雪国です。近づけば近づくほど雪深くなり、3月も半ばだというのにこの雪の壁!

峠からの眺望。ブナ林を含む落葉広葉樹林が主なる北の森です。
研修ではこの自然環境を活かした自然観察プログラムを疑似体験することができました。

インストラクターの秋山さんは年40回近く菱ヶ岳やそれに続く信越トレイルを案内しています。
創意工夫に富んだプログラムと興味を喚起するさまざまな小道具を惜しげもなく披露してくれました。

修学旅行の子供たちが小道具や謎解きによってきっと引き込まれていくありさまが
目に見えるようでした。「子供の思いや言葉はぜんぶ認めてあげるんです」という言葉には
現場の実感があふれていました。大変勉強になりました。

地元のお母さんたちを先生に、伝統食の料理教室も楽しみました。

米粉のあんぼ、五目チマキ、イッチョパ汁、ズイキの炒物など、おいしく頂きました。

「越後田舎体験」は修学旅行生たちを受け入れて10年以上も実績を上げている先進地です。
十日町市をはじめ隣接する市町村や事業体が広域連携して協議会をつくり事務局が運営し
体験型観光を行っています。
私が感心したこと。
広域連携の窓口で集客して(この場合は数百人の生徒・児童)、各所・各プログラムに配分しますが、
それぞれのプログラムはその場で一日を使う滞在型体験となっている点です。
短時間の体験をいくつもせわしなく行って移動ばかりしているのは広域連携ではないという実例です。

奥能登全域でも広く連携しながら体験観光を盛んにしていこうという動きがあります。
そうした担い手の方々と語り合って信頼関係を築けたことは私にとって有意義でした。

猿山灯台の道

2010年03月10日 | 能登 旅の目
駐車場から猿山灯台と雪割り草群生地までは片道10分の整備された歩道です。

猿山はケヤキ・シナノキの森が特徴的です。
北海道から奥羽地方の日本海の海岸岩壁にできるもので石川県ではここだけ、
これより西にはありません。枝が山側にばかり伸びているのも冬の季節風のためです。

橋の近くに奇妙な木が。エノキでしょうか、へぱりつくようです。

モンスターズインクのランドールみたいです(マニアックすぎたか)。


「逢瀬の谷・悟れじの水」という伝説もあります。

白亜の猿山岬灯台は200メートルの崖上にあります。
そのすぐ先の斜面に雪割草群生地があります。

猿山岬を経由して吉浦から深見まで5キロほどの猿山自然歩道が通っています。
能登半島地震以来、荒れ始めているのが気になりますがすばらしい海の森の道です。

能登の雪割り草

2010年03月08日 | 能登 旅の目
能登半島の外浦の猿山岬には雪割り草の群生地があります。
例年3月下旬が見頃です(この写真は去年の3月18日のものです)。

キンポウゲ科の「スハマソウ」です(オオミスミソウもあるかも)。
小さな花を林床に散らしたように咲く様は可憐です。

群落地はこじんまりとした広さですが小さな花なので見ごたえがあります。

繊細な春の植物。遊歩道から眺めましょう。

ここは断崖上の森です。真下の海から潮騒が聞こえてきます。

今年は3月20~21日に「雪割草まつり」が行われる予定です。
http://www.city.wajima.ishikawa.jp/kankou/yukiwarisoumaturi.htm

門前から皆月へと抜けたら海岸線の道を猿山岬へ進み、道を上りきったら駐車場。
その先の遊歩道を歩いて10分ほどで雪割草群生地へ着きます。
入口で環境協力金として300円を納めます。歩道の整備や盗掘の監視などに使われるそうです。

能登丼 in 能登町②

2010年03月04日 | 食文化
能登町の能登丼の続きです。

主人のわがまま丼 2,100円 by割烹「あたか」
その日に宇出津港にあがったものを載せていただく丼。

・豪快な盛り付けと食べ応えのある肉厚。
・ちょっと量が多すぎるかも。

* * * * * * * * * * * * *

日本海倶楽部風海鮮丼 2,100円 by Heart&beer 日本海倶楽部
冬の魚介類をふんだんに使ったサフランライスのパエリア。

・能登の食材を使った多国籍料理という試みはおもしろい。
・味はよいが「丼」としてのインパクトがほしい。

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猿鬼丼 1,500円 byセミナーハウス「山びこ」
牛丼がベースで山海の幸がのっている。なんでも食べた「猿鬼」の伝説にちなむ。

・天丼のような牛丼のような。
・「能登”丼”」なので蕎麦は要るだろうか・・・。

能登丼 in 能登町①

2010年03月02日 | 食文化
能登町にある能登丼をいくつかご紹介します。コメント付けました。

こりゃまいじゃ丼 1,000円 by道の駅「桜峠」
柳田地区のこだわり米「こりゃまいじゃ」を賞味する丼。

・ボリューム満点の能登牛すき焼き丼。大きなシイタケをはじめ地元食材が豊富。
・立ち寄りでは食べられないのが残念(前日までの予約が必要)。

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能登和牛炙り丼 1,200円 by和味家「竹次郎」
上級ランクの能登牛使用。菊の花を散らして食べる。
あちこちの情報誌にも掲載されて人気。

・肉がとてもやわらかい。
・甘いタレは好みが分かれるところ。

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海鮮山芋丼 1,500円 by「かじ旅館」
新鮮な魚介類と天然の自然薯(じねんじょ)を満喫。

・角偉三郎の合鹿椀(本物)に盛られてた!
・自然薯がすごい。むしろ自然薯丼として再構築してみてはどうか。