能登でココロもどる旅

ぶなの森エコツアーのスタッフブログです。
能登の海・山・里で日本の原風景に帰る旅を楽しみましょう。

スタッフブログ

インタープリター山崎の日常、スタッフブログ「ゆらりぶらり」も日々更新中です!

第五回 竹取物語

2010年05月31日 | ― 竹取物語
通算5回目となる「奥能登鉢伏山 竹取物語」。
5月30日に地元13名様のご参加とお子さん3名様の計16名で行われました。
目と鼻の先のご近所さんから小木や鮭尾まで、能登町の各所からご参集頂き
少しずつ輪が広がってきています。お声かけを頂きありがとうございました。

いつも通りタケ刈り開始です。
来週行われる地域イベント「歩こう歩こう鉢伏山」で子どもたちが頂上まで上ります。
そのためにも頂上付近をもっと明るするために手前に残っていたネマガリタケを集中的に刈りました。

大人13人+スタッフ2名が手ごわいネマガリタケの群落を速やかに駆逐していきます。

上がBefore 下がAfter

たくさんの人が関わると少しの労力で大きな成果が得られます。
皆さまのご協力で本日の目標はアッという間に達成しました。
(恒例の記念写真を撮り忘れてしまいました・・・ショック)

実はネマガリタケの新芽は山菜として北国の人々の楽しみとなっています。
このあたりは5月が旬のようですが、ギリギリ間に合いました。

即席グリルでそのまま焼いてみたら、みなさんにご好評でした。

一見悪役のように刈り取っているネマガリタケですが、資源として活用できる可能性があるのです。
手入れすることで山が活きる。日本の自然とはそういうものなんですね。

作業の後はブナ林へ移動してゆっくりとしました。

ここもかつてネマガリタケが繁茂していましたが刈り取って広場と道を整備しました。

その結果、このように人々が安らぐレクリエーションの場として新たな価値が生まれたのです。

竹取物語はこれからも継続します。皆さまのご参加をお待ちしております。

能登 合鹿椀の復元

2010年05月27日 | イベント
大宮静時氏の作品展が「しいのき迎賓館 ギャラリーB」で行われています。
しいのき迎賓館は旧石川県庁で格式の高い古い建物がリニューアルされていました。


合鹿椀(ごうろくわん)は能登・柳田で使われていた古いタイプの漆器です。
能登の山里の日常生活で使われていましたが昭和初めに途絶してしまいました。
その素朴で力強いフォルムは故角偉三郎氏により再評価されたことでも有名です。

木彫師の大宮静時氏は二十数年前に柳田に移り住み合鹿椀と出会って原初的な力強さに惹かれ、
独自のアプローチで復元を目指してきました。今回はその成果を発表する大事な機会。

塗り方の研究から「合鹿塗」という技法も再現し、その木肌や素朴な色使いをモチーフにした
作品づくりにも取り組んでいます。

さらに漆器と土の新しい可能性も示唆しています。


会期は2010年5月16日~30日まで。入場無料です。近くの方は散歩がてらにぜひお立ち寄りください。
復元された数少ない合鹿椀は購入できるそうです。ホンモノは使ってみてこそ、この機会をお見逃しなく!

鉢伏山 道の整備

2010年05月25日 | 鉢伏山
今週は雨続きですが、合間をぬって山へ入っています。
桜の木が冬の雪で倒れて林道にはみ出していたのがずっと気になっていましたが

チェーンソーで細かくして道のわきに寄せておきました。

これで安心です。

それから鉢伏山山頂への登り道も歩きやすいように整備しました。

灌木を除け、コースを分かりやすくしました。佐野さんがチェーンソーで仕上げます。

歩いているとあちらこちらにネマガリタケの新芽が出ていました。

山菜になるということなのでゆでてみました。アク抜きは要りません。
食べてみるとアスパラのようなコーンのような味で、これはイケる!

エコツーリズム研修会・能登の海編

2010年05月24日 | 研修・講習
5月21日から23日の日程でエコツーリズム研修会が行われました。
能登町では3度目になる開催です。今年も地元の方を中心に県内外から個性豊かな方が集まりました。
私(今井)もびっちり3日間、参加させていただきました!


今年の講師陣は、
松本毅さん(有)屋久島野外活動総合センター(鹿児島県・屋久島)
山田桂一郎さんJTIC.SWISS(スイス・ツェルマット)
松田光輝さん(株)知床ネイチャーオフィス(北海道・知床)
楠部真也さん(株)ピッキオ(長野県・軽井沢)
横山昌太郎さん(株)ピッキオ(長野県・軽井沢)


みなさん素晴らしいプロのガイドさん、経営者さんです。
実際の現場のお話をお聞きできて、非常に中身の濃い研修会でした。


こちらはフィールドワークの風景
各グループごとに分かれて8分間のプログラムづくりを行い、発表しました。
「“つかみ”はイケ(ウケ)てたよね」。我がグループはとりあえず自己満足していました。



私は3回目の参加でしたが、毎回この研修会が終わる度に非常に清々しい気分になります。
魅力たっぷりの講師の方から語られる、実践に裏打ちされたお話はとてもわかりやすく、改めてエコツアーの魅力を感じました。
地域の自然や文化、歴史などの資源を保全・活用して、より地域の魅力を高めていくためにインタープリターの役割は重要です。
インタープリターにとって大切なこと、プログラムづくりで大切なことを教えていただきました。

さて、ここで学んだことを能登の鉢伏山で早速実践!
「能登にしかない、能登ならでは!」のプログラムを増やしていければと思います。

鉢伏山 地元の方々と

2010年05月22日 | エコツアー鉢伏山
今日は地元(柿生)の女性5名様をお連れしました。
地元の方でも鉢伏山のブナ林へ入ったことのある方は稀です。
皆さんも初めてでしたが山歩き好きというだけあって装備も足取りも完璧でした。

さて、今日は歩くことよりもゆっくり過ごして頂くことを主眼にしたプログラムでした。
ブナのいろいろな役割を体感したり、森の中で30分ほど横になりました。

これは意外な体験で印象的だったようです。弾む声でご感想を頂きました。

お初のキノコも発見しました。

話題の中心は山菜のおいしい食べ方。みなさんの知識と情熱はすばらしい。
能登のおかあさんの手料理が一番うまいのは、まさにこれ、納得です。

帰り道にはすかさず山菜チェック。食への旺盛な好奇心を見習いたいと思いました。

鉢伏山 山に入ってこそ

2010年05月20日 | 鉢伏山
鉢伏山は奥能登の重要な水源地帯です。
もしこの山がなかったら奥能登は渇水に悩まされ、こんなに豊かな風土にはなっていなかったでしょう。

そんな水源の様子を訪れる方全てにお見せしたいのですが、谷底へ下るルートが少々きついのが難点です。
そこで現在、新ルートを探索しています。
「山のことは山に入ってこそ分かる」との言葉通り、過去に人の歩いた痕跡が確認されたり、
知らなかった生き物や興味深い対象など別の可能性が見つかるのです。

たとえばこんなふうに抱き合っているブナとミズナラの大木のように山や森が語ってくれます。


それから忘れものもみつかります(笑)。

学校に持って行ってあげなくちゃ。

鉢伏山 柳田小三年生 総合学習

2010年05月18日 | エコツアー鉢伏山
昨年に続いて今年も地元の子どもたちと新緑の鉢伏山ブナ林へ。
案内する私も楽しみにしていました。

森に入るとワクワクしない?との問いかけに「うんうん」と子どもたち。
さあ、きのぼりしよう!で喜びの表情へ。みんなお猿さんに変身です。

少し落ち着いたところで大切なお話です。

深呼吸をして森が空気をつくっていることを知りました。
おちばをほったら森が水をためていることがわかりました。
30年前に村(町)の大人たちが子どもたちのためにブナ林を守ってくれたことも。

楽しい「目かくし木さがし」ではどうしてその木が分かったのかをみんなで話しました。

「森の忍者」では鳥たちも気づかないくらいみんなが静かになりました。

どれだけ素敵なことが見つかったか、気がついたかをみんなで話しました。

そして「森のニュースキャスター」になって紙いっぱいにいろいろなことを書きました。

この子はすてきなにおいの枝、ブナのから、ブナの種を見つけたようです。


森の中で2時間弱の時間を頂いたので十分なプログラムを作ることができました。
小学校でいちばん元気な学年と聞いていましたが、その通りとても元気で熱心に聞いたり
話したりしてくれました。
楽しく遊びながら森の実相に触れることで、森の役割を体験を通して理解してくれたと
思います。

森は自然そのもの。また違う季節にも来て下さいね。

鉢伏山 フィールド整備

2010年05月17日 | 鉢伏山
明日子どもたちを鉢伏山に迎えるのでフィールドの安全確認と整備を行いました。
まずはヤマウルシを切って回りました。この時期は赤茶の新芽が目立つので分かりやすいです。

子どもたちが木登りをするフィールドは下草を刈り、枯れた幹や枝を切ってスッキリさせました。

それにしても気持ちのいい森です。

このブナの根元が座り心地のよいイスになることを発見しました。ちょっと一息。

ついに「わたしの木」を見つけました(笑)。

新緑のベストシーズンに子どもたちを迎えることができ、楽しみです。

鉢伏山 木を探す 

2010年05月16日 | エコツアー鉢伏山
これ以上はない天候でした。
サンサンと陽光が降り注ぎ、木漏れ日は快適で心地よい風が吹き抜けて・・・。

新緑輝く鉢伏山へお客様をお迎えしました。
みなさん、気の効いたニックネームがスラッと出てきてビックリしましたが
よくよく聞いてみると冒険村の精鋭7名様ということでした。
和やかな雰囲気の中で緊張しているのはひとりインタープリター本人のみ(笑)。

でも自然がよければね、ブナ林は一年で一番よい時ですから。

さて、「目隠し木探し」の様子を少しご紹介します。
これは特にグループで行うととても盛り上がるプログラムです。

二人一組で木を当てるゲームです。ガイド役が目隠し役を決めた木の所まで先導します。

決められた木を目隠ししたままよーく調べて・・・

また元の所に戻ってから目隠しを外します。さあ、あなたの木はどれでしょう?
不思議なことにほとんどすべての人が当ててしまいます。視覚以外の感覚が呼びさまされる体験です。

本当にすばらしい日でした。

鉢伏山 スタッフとツアー

2010年05月15日 | エコツアー鉢伏山
今、能登の山は新緑のベストシーズンを迎えています。

スタッフを連れて鉢伏山へ入りました。ガイド自身のレベルを上げるためにも大切な機会です。

いろいろな小さな不思議も、ふつうでは気づかないような美しさにも

目をむけて頂けるようなインタープリテーションを目指したいと思います。

クロモジを使ったハーブティーも試飲しました。いろいろと試行中です。

技術的にはまだまだ・・・。でもこの地に関わってきた時間と気持ちでまずは
がんばってます。

鉢伏山 別ルート探索

2010年05月14日 | エコツアー能登
先日、柳田の佐野さんがGPSでのルート探しを教えてくれました。
その情報を頼りに自分なりに新ルートを探索してみました。

鉢伏山で私が感じたり知っていたりすることをより多くの方に見て頂くためには
年齢や体力に応じた様々なルートの開発が必要なことを痛感していました。

違うルートに分け入り開拓するのはいつもワクワクします。

太いツタが狭い谷をわたっていました。違う水源には違う姿があるのでしょう。
この先はどうなっているんだろう?

大きなエンレイ草もありました。初めての遭遇です。

鉢伏山の多様な森をより多くの方に見て頂けるように、もっとルートを作っていきます。
それが魅力を高めることになるでしょう。

鉢伏山 ちょっと寒い森

2010年05月12日 | エコツアー能登
今日はちょっと特別な人をたちと鉢伏山へ。
遠島山公園での展示会に参加している内外のアーティストたちです。
一度鉢伏山に来てもらいたかったのでお誘いしました。

それにしてもどうしたことでしょう、季節外れの寒波でまるで3月の気候。
じっとしていると寒い寒い。

曇っていて残念ながら今の時期本来の輝くような明るさはありませんでした。

それでも感性の鋭い彼らのことですからその時ならではの何かを感じとってくれたはずです。
日本の自然はヨーロッパのそれとはずいぶん違うのですから。

いつかそれが彼らの作品に反映されるといいです。

のとキリシマツツジ 柳田エリア

2010年05月10日 | 能登 旅の目
能登の人が桜よりも心待ちにしている春の深紅は「のとキリシマツツジ」です。
能登にあるエドギリシマを「のとキリシマツツジ」というそうです。

圧倒的な赤、それも深い赤。見る者に強い印象を残します。

奥能登には樹齢100年以上の株が300本以上もあります。
こんなところはどこにもありません。日本一(ということは世界一)の密度です。
能登の落ち着いた家並に見事調和しています。

水木家。よく手入れされた美しい庭に映えます。

梅家。中庭にあって通常は家人のみの楽しみですが、今、一般公開しています。

樹齢数百年の枝ぶり。成長が遅いのでそれほど大きくはなりません。

GW中に能登空港で展示されていた大株です。柳田盆友会が手入れしています。

酒井家。紫色ののとキリシマもあってその中では最大の株です。

古木が先祖代々受け継がれてきたことも「のとキリシマ」の大きな価値です。

ほとんどが農家の庭にあります。

花の美しさを愛でる先祖がこの辺境の地にあったことは外部の目からすると驚きかもしれません。
しかしかつて日本海側は大陸からの表玄関であり北前船が往来する経済上の大動脈でした。
能登に残る渋い赤はその交流文化を雄弁に語っています。

遠島山公園「ハーモニーセンター物語」

2010年05月08日 | イベント
能登町宇出津の遠島山公園で春と秋に行われている室谷一柊&朱琴ご夫妻の展示会。
3回目を数えて恒例となりつつあります。会を重ねるごとに訪れる人も増えてきているそうです。
継続は力、なによりです。

室谷一柊氏の作品。う~ん、なるほど。


室谷朱琴氏の作品。毎日活けている生け花も素晴らしいです。

室谷文音氏の作品。こういうついたてでお客様をお迎えできたらいいですね。

室谷氏は若い才能や異なるジャンルのものとコラボレーションすることを楽しみにしています。
今回、升谷ケイコさんの陶器は異彩を放っていました。
クマが使えるような大きなティーカップや森の造詣。


森をテーマにした作品群に惹かれました。

海外の若いアーティストがイラストや版画、アニメーションなどを出典しています。
会期は5月15日(土)までです。ぜひご覧あれ。

鉢伏山 新緑の森

2010年05月05日 | 鉢伏山
森で一番早い新緑のブナたち。

子どもの日なので子どもとブナ林に入りました。

娘はこのお気に入りの木で休むのが楽しみです。

ゴールデンウィークの期間中は素晴らしい天候で、これまでの冷涼な空気が一新しました。

ブナの若葉も光り輝いていました。

上を見上げて木の根元で横になっていると、まるで自分が森の一部になったようで・・・

すぐそばでコゲラ(小さいキツツキ)が幹を叩いて木屑を落としていました。感激!

異彩を放つハウチワカエデの芽吹きです。

下を見るとネマガリダケの芽が生えていたので折り取りました。

いつも刈り取って退治していますが、ベビータケノコとして楽しる山菜でもあります。
後でホイルで蒸して食べたらトウモロコシのような味わいでした。