能登でココロもどる旅

ぶなの森エコツアーのスタッフブログです。
能登の海・山・里で日本の原風景に帰る旅を楽しみましょう。

スタッフブログ

インタープリター山崎の日常、スタッフブログ「ゆらりぶらり」も日々更新中です!

鉢伏山 いのち開く

2011年05月05日 | 鉢伏山
ブナ林の新緑は日々濃くなっていきますが

他の木々の新緑もどんどん芽吹いています。

山は淡い水彩画のような色合いになってきました。
タニウツギの芽吹き。この地域では田植え草とも呼ばれています。

山に多いモクレンのような白い花はタムシバ。

リョウブの新芽は食べられるということで、食べてみました(笑)。

ハウチワカエデの新芽はぷかぷか浮かぶクラゲを見ているようです。

足下に目を転じると、イソギンチャクのような花が。

実はオオイワカガミの下向きに咲く花を上にして写真を撮りました。

水源の森へ入るとエンレイソウがたくさん咲いていました。

カンスゲのつぼみはロケット花火のよう。

大王ブナの新緑は壮麗でした。

何百何十何回目の春でしょうか。

ノトノブナバヤシ 新緑!

2011年04月29日 | 鉢伏山
ブナ林が新緑に輝き始めました。

ブナは他の広葉樹に先がけて芽吹くのでブナ林は一足先に新緑を楽しめます。
まだ枝ばかりの山で今、緑に見えるのはブナ。山のどこにあるか分かりやすいです。

それにしても晴れた日のブナ林の新緑はとても気持ちがいいものです。
これは理屈抜き。とにかくこの自然の中に身を置いてみることです。
新芽の愛らしさ。木の肌の感触。土のにおい。鳥のさえずり。
風の音と木立のざわめき。太陽のぬくもりと空の色。ブナのみどり。
心が洗われ癒される場です。

木登りすることもできます(笑)。

鉢伏山 林道開通

2011年04月25日 | 鉢伏山
鉢伏山林道の鬼門の雪をどかし、開通しました。

ブナ林にはもちろんのこと、鉢伏山登山口&林道分岐点まで車で進入可能です。
そのまま高洲山と日本海が見える見晴らしのいいところまで行ってみました。

でも北河内まではまだ途中に雪が残っていて行き止まりになってしまいます。

ブナ林の底の方の水源地は残雪に覆われていました。


そういえば先日、4月20日の記事でブナの雌花と思っていたかたまりは雄花でした。
今日見たらくずれながら伸びていて、こうなると見覚えがあります。間違ってしまいました。

地面には去年の雌花の殻斗があり表面にキノコが生えつつありました。
今年の雄花がその横に落ちて並んでいました。

雄花を持って帰って観察すると、太いトゲのような小さなかたまりが割れて花粉が出てきました。

とても小さな黄色い粉で、これがあの大きなブナの元とは不思議な気がします。

ノトノブナバヤシ ショウジョウバカマ

2011年04月22日 | 鉢伏山
雪がすっかり消えて、フワフワの落ち葉に覆われたブナ林の地面が表れました。

下をみると・・・ありました! 春花火たちが花盛りです。いつも楽しみな花です。
といってもこの名前は私が命名したロマンチックネームで本名はショウジョウバカマ、
まあ、化け物の袴というところです。葉の形からだそうですが味気のない標準名で嫌いです。
この美しさに対して失礼です(笑)。

と思ってカメラを近付けるとかわいらしいニホンミツバチが花の中に埋もれていました。
見えますか? 鉢伏山にもいるんだ!

ショウジョウバカマの花の変遷。

つぼみが開いて

満開!

きれいで小さな花火が春の地面に打ち上がりました。

こっちは木に咲くマンサクの花。
雪の中では縮こまって咲いていましたが、今は花びらがのびのびしてます。

体操のお兄さんみたいです。

これはなんだろうか?

春の新芽は後で調べてみるとよく知っている木だったりしてビックリすることも多いです。

ノトノブナバヤシ 芽吹き

2011年04月20日 | 鉢伏山
関東生まれの私は「ブナ林」をブナリンと読んでいましたが、能登の人はブナバヤシと読みます。
ブナリンは熱帯雨林とか保安林とか、科学用語・専門用語的な響きがしますが
ブナバヤシは雑木バヤシや杉バヤシのように生活に密着している感じがします。
そこで愛情を込めて能登にあるブナ林を「ノトノブナバヤシ」と呼びたいと思います。

鉢伏山のノトノブナバヤシは今、まさに芽吹きの時を迎えています。

芽吹きは一年のうちで最も大きな楽しみのひとつです。

植物が再生するエネルギーが枝いっぱいに満ちています。

できたてほやほやの新芽はよく見るとこんなふうになっています。

葉っぱの横にあるのはその形から雌花のようです。→後で雄花だと分かりました。
ブナは雄花の花粉が風にのって雌花に届いて受精する風媒花です。
数年に一度しか実をつけないブナですが今年は期待できるかも! 楽しみです。

二週間もするとこの空はブナの輝く若葉に覆われてしまいます。

まだ見通しのいい森は一見冬のようですが気温が確実に高く晴れの日はポカポカのんびりできます。

座って休んでいると、そばに鳥の巣が落ちているのを見つけました。

カラの群れをはじめ野鳥が活発に動き出し、さえずりも聞こえ始めました。キツツキのドラミングも森にこだまします。すでに小鳥たちは恋の季節、これから6月まではバードウォッチングに最適の季節ですが、特にGWまでの時期は葉が少ないので鳥がよく見えますよ!

雪が消えた落ち葉の地面には、冬の間ブナの新芽を守っていた殻(芽鱗)が
その役目を終えて散っていました。

ブナ林も春です。

鉢伏山 林道雪解け中

2011年04月18日 | 鉢伏山
最近は暖かい日も多くなっておかげで鉢伏山へ続く林道も雪がなくなってきました。
しかし雪が運んで置いてった大きな岩が道に転がっているので注意を要します。
できるだけ取り除くようにしています。

それでも、どうしても融けにくい「鬼門のカーブ」にはまだこれだけの雪が残っていました。

ブナ林まであと2kmの地点で車を足止めせざるを得ず、ここから歩いて上ります。

その先から上までは所々雪は残るにしても4月初旬に比べれば無いに等しく、
スノーシューは要りませんでした。まさに鬼門のカーブとその周辺数百メートルだけです。


道の真ん中に枝が落ちていました。雪が融けてそのままなのでしょう。

よく見ると表側の樹皮がはがされ、裏返して見ると樹皮が残っていました。
これは耳の長いピョンピョン跳ねる生きものの仕業でしょう。

杉の植林地がなんだかいつもと違います。枝葉を含めた幹全体が斜めになって谷側に傾いています。
みんな揃って・・・。これはいうまでもなく雪の影響です。

この植林間もない小さな杉が雪の下に埋もれ、その後の融雪で斜面の積雪が谷側へ向けてずれたせいで一度倒れたようです。それが今起き上って復活しているところです!

杉は日本固有種で多雪に適応した針葉樹です。
雪国の杉に根曲がりが多いのは幼樹の時に多雪にあい、冬の間雪に埋もれたせいです。
柔軟なのです。他の針葉樹、例えば松は直立するのみですから斜面にあったら折れてしまうでしょう。

雪のない風景に雪を見るインタープリテーションです。

鉢伏山 落ち葉

2010年12月04日 | 鉢伏山
木の葉はすべて落ちました。当たり前ですが落ち葉はすべて、林床に積もっています。
いろいろなできたての落ち葉。よく見るとそれぞれに個性があっておもしろいです。

赤や黄色で彩ったモミジは茶色くなって乾いてクルッと丸くなっています。カサカサしています。

これはブナの落ち葉。つやっぽくてしっかりとした堅さがあり丈夫そうです。

ブナのしっかりした葉は他の木の葉に比べても腐りにくい性質があります。
ゆっくりと腐葉土になっていくのでブナ林は落ち葉の層が分厚く、保水力が高いといわれています。
さて、ここには葉っぱじゃないものがあります。見えましたか?

落ち葉を観察するツアーもおもしろいかもしれませんね。

カサカサフカフカの落ち葉に親しんでその上に寝転べば、こんなに気持ちのいい青い空がありました。


鉢伏山 ブナ林の晩秋

2010年12月03日 | 鉢伏山
冬到来前の静かなブナ林を散策しました。
すっかり葉が落ちてしまいました。

枝だけの透明感ある山の風情も好きです。

今年はミズナラがナラ枯れでずいぶんやられてしまいまいました。
これは被害木です。見分け方は葉の付き方。被害木は枯れたままの葉がいつまでも残っています。

こちらは生きているミズナラ。きちんと黄葉して葉を落としたので枝が青空に映えています。

ブナの大木は葉が落ちても堂々とした風格が漂います。
女王ブナ(クイーン)と大王ブナ(キング)のそろいぶみ。
 
林内はただひとつの葉を残してすべて灰色のフィルターがかかったようになりました。

夏には見えなかった反対側の山の稜線も望めました。

間もなく雪が降ればここにはこれなくなります。

鉢伏山 ブナの黄葉

2010年11月21日 | 鉢伏山
もう過ぎ去ってしまった一瞬の紅葉の美しさをブナを中心にアップします。
今年の鉢伏山のブナの黄葉は11月13日頃がピークだったようで、
その頃の白滝自然林の入り口のところです。

夏には他の木々に埋もれていたようなところでも秋になると
こんな立派なブナがあったんだと気が付きます。

黄葉した大王ブナは圧巻です。

ブナの葉は黄色から茶色の間の様々な色に変化します。

大きなブナの木はたった一本で空を覆います。

こちらはブナの茶色にカエデの黄色、アオハダの黄緑色が合わさって美しい。

自然のなせる一瞬の妙です。

鉢伏山 眺望

2010年11月19日 | 鉢伏山
秋で空気が澄んでくると、能登から中部山岳の山並みが遠望できる日が多くなりました。
鉢伏山の頂上は森に覆われていますが、途中の林道に眺望ポイントがあります。
しかし私のコンパクトカメラの光学3.5倍ズームで七尾湾と剱立山を写してもこんな感じ。
これまで写真ではその感動をお伝えすることができませんでした。

ところがふと思いついたんです、双眼鏡を使ってみたらどうだろう?と。その結果は以下です。
剱立山連峰。

白馬連山(後立山連峰)。

どちらも森に覆われた能登半島の向こうに富山湾があり、その上に名峰が堂々とそびえています。
内浦の海沿いから海越しにダイレクトの眺望も素敵ですが、
ここからは森で覆われた能登半島自身が前景に入るのが独特。
自分が450メートルくらいの標高から見ているので、山もより高く見えます。

七尾湾の遠望をこんな写真にしてみました。
能登島の東端、えの目が見えます。左に二子山がその通りの形で並んでいます。

そのまま右に視線を移すと七尾北湾の向こうに能登島が長々と横たわります。
その向こうは富山と県境を分ける石動山系です。
人工物は七尾の火力発電所が見えるのみ。今日は白いけむりを上げていました。


アルプスも望遠鏡フレームで撮ってみました。白馬と立山。

偶然ですがトイカメラで撮ったようなヤレた感じが出ています。効果満天、大成功!

鉢伏山 カエデ

2010年11月17日 | 鉢伏山
日本の極彩色の紅葉の主役はカエデやモミジの仲間です。
日本には約30種あり、他国に比べても倍以上多いそうです。
モミジは古い言葉で色が変わる=”もみず”から来ているそうですが
カエデは”カエルの手”からだそうです。なんかなー(笑)。
鉢伏山での代表的なカエデたち。まん中のがヤマモミジです。
イロハモミジやオオモミジに似ていますが日本海側にはこれがあります。

紅葉はふつうみどりから黄色(カロチノイド)に変わります。「黄葉」です。
葉に糖が残っていると赤(アントシアニン)に変わります。
ハウチワカエデの葉っぱの写真。赤いところは葉脈が途中で折れてしまって糖が行き場を失い赤くなりました。

ウリハダカエデ

イタヤカエデ

コミネカエデ

ハウチワカエデやコハウチワカエデ。これが一番多いかな。


木によって黄色に染まったり赤くなったりしてとてもきれいです。

紅葉を楽しむのなら遠くから眺めるよりも森の中へ入ることをお勧めします。

逆光で透かした美しさは格別ですし、木の葉一枚一枚の個性を楽しむことができます。

鉢伏山 紅葉の変遷

2010年11月15日 | 鉢伏山
鉢伏山の町有地全体を見渡せるいつもの定点で紅葉の変遷を撮りました。
10月23日

11月6日

11月11日

紅葉は動き出すと早いです。正味2週間くらいが盛期です。
今年は期間中に嵐のような日が多かったのでたくさんの葉が吹き飛ばされてしまいましたが、
紅葉自体は美しく楽しめました。今は里に紅葉が移っています。

鉢伏山 林道の保全

2010年09月13日 | 鉢伏山
先日の台風で鉢伏山林道の路肩が一部崩れていました。
まず、林道入り口すぐのところ。
ここはもともと山側の崩壊を防ぐ工事を去年済ませて一安心していましたが、
今度は反対側の川側の路面が削られてきました。

もう少し先にいったところも道がやや狭くなっていました。
ちょうど川の流れがぶつかるところなので先週のように台風が来ると一挙に崩れてしまうようです。


こちらは林道の脇を草刈りした後。
のと森林組合が9月に入ってから作業をしてくれました。

これまで夏の盛りは雑草の盛りとなって両脇からやりたい放題で伸びていました。
車一台通るのがやっとで見通しが悪く常に対向車に最大の注意を払っていました。
これで緊張を解いて走ることができます。

これまで部分部分の草を刈ったり、路傍の石を拾って除けたり、地道に気がついたことは
してきましたが、ひとりふたりの作業では限界があります。
林道が快適で安全であるように自助努力はもちろん、関係機関などと連絡を取り合って
協力等を仰ぐ必要があります。

鉢伏山 キノコ・きのこ・茸

2010年09月02日 | 鉢伏山
まだまだ暑い夏が続いていますが、秋になるとたくさんでる「キノコ」。
特にひと雨降った数日後がいいです。鉢伏山にはブナ林があるのでキノコの種類も多種多様です。

キノコはただ歩いていてもなかなか気づきませんが、立ち止まってしゃがんでよーくみると
よく見つかります。

それにしてもキノコの判別はむずかしい。図鑑をどんなに詳しくみても分からないことも多々あります。
写真と実物では色も少し違うようだし、幼菌と老菌とでもずいぶん違います。
ササクレシロオニタケの幼菌(左)と成菌。出たばかりの幼菌も見えます。

「鬼の金棒」のような幼菌がおもしろいキノコです。

テングタケの仲間の成長過程。タマゴを破るように伸びます。途中で割ってみるとこんな感じ。


キノコの名前にはよく「タケ」が付きますが、これは竹と一緒でタケルに通じます。
つまり勢いよくグングン育つという意味です。
キノコは出始めから腐ってなくなるまで1週間ももたないものがたくさんあります。
命名されているキノコはまだ全体の30%位だろうと言われていますが、アッという間に成長して
消えてしまうのですから無理もありません。
私も図鑑との格闘が続きます。

鉢伏山 ハナイカダ

2010年07月16日 | 鉢伏山
これは「花筏」です。みなさん、葉っぱの真ん中に花が咲いているので驚きます。

雅名ゆえに茶席・生け花でも使われるそうです。

花びらはそもそも葉っぱが変化したもの。虫たちに分かりやすくするための目印です。

5月下旬にちいさな「花」が咲き、6月中旬には散ってしまいますが
やがて緑の実ができます。

秋にはこの実が黒くなります。

ハナイカダはこういう暗い森の中にいます。

森の中の日陰で光不足を前提にしてひっそりと生きている低木の一種です。
彼らは大木になろうなどという高望みをせず、そこでの成長と繁殖がうまくいくように
「それなりの暮らし」をしています。

森という生態系をみると人間社会の縮図のようです。
いやもしかしたら社会も生態系の一種なのでしょうか。