能登でココロもどる旅

ぶなの森エコツアーのスタッフブログです。
能登の海・山・里で日本の原風景に帰る旅を楽しみましょう。

スタッフブログ

インタープリター山崎の日常、スタッフブログ「ゆらりぶらり」も日々更新中です!

ノトノブナバヤシ 鉢伏山ツアーの紹介

2011年05月25日 | エコツアー鉢伏山
鉢伏山の森歩きは今、新緑で絶好の時期。エコツアーの取り組みを
たくさんの人に知ってもらいたいので関係者の方々にも声をかけています。

例えば農家民宿の皆さん。
「自分たちは能登に住んでいるのに知らないことがたくさんある。
遠くから来た人に能登の森を教えてもらいました。ありがとう。」

皆さまの仲睦まじいひと時。森の霊気で夫婦円満?!

お礼においしいお弁当を頂きました。ごちそうさま。

例えば能登でも有名なお宿のご夫婦。

「森の中・自然の中でただひとりきりになれるっていいかもね。
ふつうの特に都会の人にはなかなかそういう機会がないから。」

「自然と人との関わりが見えておもしろいよ」

例えばマスコミ関係の人。

[ボーイスカウトの頃を思い出します。森の中に一日どっぷり浸かったのは久しぶりでとても満足しました。
自然は私たちが気付かないことや知らないことだらけなんですね。」

みなさんに能登の森のよさ・鉢伏山のよさを満喫してもらいました。これからもよろしくおねがいしまーす!

ノトキリシマツツジ 芦田家

2011年05月21日 | 能登 旅の目
芦田家のノトキリシマツツジは旧柳田村で最大のものでしょう。

眷族ともいうべき100本以上の小さなノトキリシマツツジが赤を添える奥に鎮座する樹齢300年以上の主木。

枝ぶりは炎のよう、幹は太く力強く、樹勢なお盛んです。

奥能登をむすぶ主要幹線・珠洲道路が通る中斉にあるので満開の時期にはとても目立ちます。

ここは能登の家との調和が見事です。

それから冬の積雪から守るための大きな囲いをレールを敷いて移動できるようにしていることでも有名です。

それでも今年の大雪によって壊れてしまいこれから作り直すそうです。意気込みも投資も本気です。
それほどまでに代々受け継がれてきた古木は持ち主を魅了するのでしょう。

今年は例年より色づきが悪かったり開花が遅かったりしていましたがもう時期も終わりです。
いろいろまわってみましたが到底すべて見れるものではありません。また来年のお楽しみです。

ノトノハナノ寺 萬年寺

2011年05月19日 | 能登 旅の目
能登にある花自慢の庭園を持つ12のお寺が「能登花の寺」という花めぐりを企画しました。
「花と仏に出会う旅」という心安らぐありがたいコンセプトです。

ということでノトキリシマツツジの萬年寺(能登町七見)へ。

庭園の主木であるノトキリシマの咲きっぷりは今年はイマイチのご様子。

二重露出のコラージュ??? いえいえ、ガラスに反射したのを写しただけです。

実はここ、ご住職が植え始めた若いノトキリシマツツジが杉の木立の中に点在する景色が見もの!

こちらはよい色づきでした。

杉の濃緑・垂直な幹・黄緑色の苔など整然と立体的な構図。考えられています。
しかも海と空が借景となり、美しく青が差します。

ご住職の久保さんの美学です。

また能登に夢の場所ができつつあります。

能登の平凡な一日

2011年05月17日 | 能登 旅の目
先の土曜日は子供と過ごしました。そんなプライベートな一日を大公開!(笑)
まずは朝の犬の散歩から。いつものことながら息子は引っ張られています。
たまに転んでます。近所でも評判です。

ワラビ発見。まだまだそこら中に出ています。ポキポキと折り取って収穫。上手いもんです。

そして我が家に到着。うちにもノトキリシマツツジがあります。

あんまりいい天気でせっかくだから新緑あふれる山を見てもらいたいと思い
娘を鉢伏山へ連れて行きました。早速木登り。

森のスマイルマーク発見。これはオオカメノキの葉痕です。

なかよしのお友達とご満悦。

森の新緑の楽しい気分も、野鳥の鳴き声や植物の不思議も
大きくなって思い出してくれるといいです。

それからおいしいお弁当の味も(笑)。

山を下りて家族合流、駒寄農園で田植えです。

なんどかやっているので年々慣れてきました。
息子はかなり手早くて大人顔負け。この子は自然との関わりに向いています。

働かざる者食うべからず。労働の後は食事が楽しみです。

これは駒寄さんオリジナルの高菜のピザ。

こっちは「ふつうの」

どちらもおいしかったです。ごちそうさま。

帰ってからはまた夕方の犬の散歩。一日中遊んでいたからもう日は傾きかけています。

近くの溜め池はこうしてみると山の沼のようです。うすみどりはコナラの芽吹き。

暗い杉林の向こうから水田が反射して・・・ここはどこ?カナダ?なんて想像力が飛躍します。

カエルが鳴ったらかーえろー。

能登の平凡で素敵な一日でした。

のとキリシマツツジ 前家

2011年05月15日 | 能登 旅の目
珠洲市正院の前さんのノトキリシマツツジは一見の価値があります。それは量。

聞けば400本以上が扇形に裏山を覆っていてそれが満開となる様は圧巻の一言です。

当主の惣四郎さんがTV局の取材に応じていました。四十年前からコツコツと植え続けてきたそうです。

裏山の木が台風で倒れた後にいよいよ全体をツツジ園に変えることにしました。そして今、
茶屋も出来ていて雨の日でも楽しめます。座布団がかなりいいです。妻は欲しがっていました。

今年のノトキリシマツツジは咲き方がよくありませんが前さんのところは比較的よく花が付いているようです。
右も左も深紅の遊歩道で満開の一時・最高の瞬間を堪能。

ツツジの裏側をよく見れば縦横に組まれた竹の棒が支えとなって幹や枝を風雪の被害から守っています。

一年のこのわずかな期間のためにご当主が費やした労力と歳月はいかばかりのものだったでしょうか。
この庭園はひとりの男の夢の実現であり強い意志の証明です。この風景は能登人の真髄です。







高洲山 アンビバレントな光景

2011年05月13日 | 能登 旅の目
能登半島で二番目に高く、奥能登では一番高い高洲山(567m)は
毎年5月8日に山頂の高洲神社の「山開き」があります。
249号線からは菰沢から入ります。とても地味でわかりずらい入り口ですが
山開きの日はのぼりが立っていました。
ちなみにもうひとつの入り口は自衛隊の許可が必要です。

電波塔が見えてくると見晴らしがよくなります。

電波塔から輪島方面を望む。この日は山開きだったので林道を歩いて山頂を目指す人もチラホラ。

期待しながら山頂にある「高洲神社」にたどり着くと・・・
最高地点を分け合うように神社にまったく隣り合ってレーダー基地の威容が。
これはかなり辛い光景です。ブーンという機械音も耳から離れません。

大半が刈り払われてわずかに残ったブナ林ですが、
かつて豊かな自然の中で心の清浄を行った信仰の舞台を彷彿とさせます。

しかし木々の間からはちらちらと他のレーダーも見え隠れしていて
山岳信仰に相反するものものしい軍事施設が同居している光景です。

レーダー観測のためでしょうか、あちらこちらむき出しの裸地で整地されてその分、遠くまで見えます。
南東:鉢伏山の方角。

北西:輪島側の方角。海まで見下ろせる帰りの下り道は山岳道路のような雰囲気でした。

新緑。

高洲山は奥能登の雄峰としてガイドブックなどにも紹介されています。
山岳信仰・ブナ林などと共に自衛隊のレーダー基地のことも言及されていますが、
実際に訪れてみると特に頂上が人工的に手を入れられているという印象を残します。
”観光として”自然を楽しむのは難しいかもしれません(展望地としてはいいです)が、
古くからの信仰で今でも人が頂上を目指す「山開き」が残る伝統や
輪島から仰ぎ見るシンボル的な存在として、能登を代表する山です。

ノトノオオキナ木 池上家のノトキリシマ

2011年05月11日 | 能登 旅の目
「ノトキリシマツツジ」それは知る人ぞ知る能登の宝。
その頂点ともいえる大木が珠洲市大谷の池上家にあります。(昨年5月16日に取材)
大谷から狭い山道を5キロも上って道を間違えたんじゃないかと不安になる山奥に
池上家があります。ノトキリシマツツジはその裏庭の急斜面に忽然と現れます。

樹高4メートル・枝張り6メートルのツツジの大木は県指定文化財です。
しかも合わせて3本あります。成長の遅いキリシマツツジがここまでなるには
400年近くも経っているはずです。

のとキリシマツツジ・オープンガーデン」期間中は一般公開されており、
座敷にも上がらせて頂きました。ガラス板を載せた座卓にノトキリシマツツジが投影される粋な計らい。

すぐに奥様が「でがらしで申し訳ありませんがゆるりとなさって下さい」とおもてなしの一杯です。
ありがたく湯のみをひと口すするととてもおいしいお茶でした。雲のように覆う深紅は圧巻でした。

奥さまのお話によると幕末の頃、宇出津にあった大木3本を買い取り移植したそうです。
旦那さんはとても大切に手入れなさっていて、毎冬大雪の日には寝ずの番で雪を落としています。

ツツジとは思えない太い幹が10本も出ていてきめ細やかなお手入れの跡が。ご苦労が偲ばれます。

夕日差す頃、山のようなノトキリシマツツジの深紅の反射で2階の窓が赤く染まりました。

残像で目がおかしくなってしまいそうな凄さは伝えきれません。

ノトキリシマツツジを語るなら必ず訪れるべき所です。
いや、だれもが一生に一度は見るべきです。はい。

柳田のノトキリシマツツジはこちら

ノトノオオキナ木 元祖アテ

2011年05月09日 | 能登 旅の目
「元祖アテ」と呼ばれ全国の巨樹としてもしばしば取り上げられる県内有数の巨木。
ヒノキ科の大木が二本並んでいる様は見ごたえがあります。

輪島市門前の門前の国道249号線からすぐ、こんな何気ないところにあります。
写真の竹林(黄緑色)の手前の森の中にあり、庭園のような敷地に隣接しています。

俯瞰するとこんな感じ。

この大木の個性はこのアングルにあるかな、と思いました。

説明によると・・・
「この二本のアテの樹高はともに約30メートル、幹周4メートルと3.6メートルと県内でも最大のものである。
また、樹齢は約450年以上と推定され、県内では最古級のアテである。」

由来については12世紀末に奥州藤原家の者が平泉から持ってきたとも、
16世紀後半に泉家の者が東北地方から苗木を持参したともいわれています。

さて、「アテ」とは何か・・・(複雑ですよ)
ヒノキの仲間に「アスナロ」があり、その変種に「ヒノキアスナロ」があります。
これを能登では「アテ」と呼びます。青森では「ヒバ」といいます。
この並び立つ二本の大木は移植されているで明らかに「青森ヒバ」です。
厳密に言うと「能登ヒバ=アテ」の元祖ではありません。DNA鑑定でも裏付けられました。

能登のアテは5種ありますが、特にマアテ・クサアテが大半を占めています。
宝立山にはマアテの自然林が確認されています。藩政時代から植林が奨励され
能登全域にアテの人工林が広く分布しています。

出実はともかくとして、このアオモリヒバ・通称元祖アテの巨木が数百年の風雪に耐えてきた風格と、
里の人々の畏敬を集めてきた存在感はいささかも損われるものではありません。

一見の価値ある能登の巨木です。

ノトノブナバヤシ 森びとマスター

2011年05月07日 | ― 森びと
森びと ノトノブナバヤシ in 鉢伏山」ツアー、実施しております。

ゴールデンウィークに金沢から女性3人がやってきました。
ツィッターやブログを通じてのご友人だそうで初対面の方もいるそうですが
すぐに打ち解けていらっしゃいました。新しい交友関係ですね。

森びと マスター」のプログラムはより深く自然観察を行い、少々ワイルドな道を進みます。
森は今、花盛り。とはいっても意識して見てみないと気が付かないかもしれません。
でも一度分かってみると次々と新しい発見で見る目が変わってきます。

この時期は鳥のさえずりが谷に響きわたります。今回もたくさんの鳥が迎えてくれました。

昼食タイムは思い思いにゆったりと森の中。地域の食材を使ったお弁当です。

”かわいい”その①「森のスマイルマーク」とはこれです。

”かわいい”その②ノウサギの赤ちゃんにも会うことができました。私も初めての遭遇でビックリ。

今回は簡単なセルフマッサージも始めてみました。森の中なら心までも癒されます。

そして生きるエネルギーに満ちた春の森で元気になりましょう。この通り効果抜群です。

とても楽しいツアーになりました。
ガイドがインタープリターとしてまた案内人として皆さんに楽しんで頂くよう心がけるのはもちろんですが
お客様が本当に楽しんで頂いたと実感できたツアーには手ごたえがあります。
そして本当に幸せな時間を共有できます。お客様あって、お客様のおかげだとつくづく感じました。

鉢伏山 いのち開く

2011年05月05日 | 鉢伏山
ブナ林の新緑は日々濃くなっていきますが

他の木々の新緑もどんどん芽吹いています。

山は淡い水彩画のような色合いになってきました。
タニウツギの芽吹き。この地域では田植え草とも呼ばれています。

山に多いモクレンのような白い花はタムシバ。

リョウブの新芽は食べられるということで、食べてみました(笑)。

ハウチワカエデの新芽はぷかぷか浮かぶクラゲを見ているようです。

足下に目を転じると、イソギンチャクのような花が。

実はオオイワカガミの下向きに咲く花を上にして写真を撮りました。

水源の森へ入るとエンレイソウがたくさん咲いていました。

カンスゲのつぼみはロケット花火のよう。

大王ブナの新緑は壮麗でした。

何百何十何回目の春でしょうか。