能登でココロもどる旅

ぶなの森エコツアーのスタッフブログです。
能登の海・山・里で日本の原風景に帰る旅を楽しみましょう。

スタッフブログ

インタープリター山崎の日常、スタッフブログ「ゆらりぶらり」も日々更新中です!

竹取物語-長野大学 森の恵みクリエイター

2011年11月04日 | ― 竹取物語
只今、鉢伏山は紅葉まっさかり~!
今日は長野大学の「森の恵みクリエイター養成講座」の能登実習です。
今回で3回目の実習のため、顔見知りになった先生や学生さんにまたお会いできて、嬉しかったですね。



鉢伏山の保全活動プログラム「竹取物語」を体験していただきました。
まずは、頂上エリアへ。
これまで地主さん、地域の方、大学生と一緒に行ってきた「竹取物語」。
ネマガリタケがはびこって暗かった森が、タケを刈ることで明るくなりました。
去年からブナの稚樹も植えています。


さっそく、本日の作業フィールドへ移動し、作業開始。
枝切りハサミで選択的にカットしていきます。
鋭い切り株が残らないように、根元からしっかりハサミを入れます。


ブナの根元は人の身長ほどのネマガリタケに覆われています。


協力しながらしゅくしゅくと作業を進める学生らです。

午前、午後合せて2時間ほどで明るい広場ができました!
目に見える変化に学生さんたちも満足気なご様子。
作業後は出来たての広場でアクティビティを楽しんでいただきました。


目隠し木探しは、視覚以外の感覚を研ぎ澄まして、体全体で自然を感じます。
動いた後は、ゆっくりお昼寝していただきました。
ぐっすり眠入っている方もちらほら見受けられました。


明るくなった森で全員で記念撮影。
みなさん、本当にお疲れ様でした~!また是非、森の変化を探りにお越しくださいね。
※設置したボード(寄せ書き)の麻紐交換もお待ちしています(笑)。
(今井)

インターン学生と竹取物語

2011年09月01日 | ― 竹取物語
今日はインターン学生に鉢伏山の保全活動プログラム「竹取物語」を体験してもらいました。
竹取物語は鉢伏山にはびこるネマガリタケを除去して、本来の植生に戻す活動です。
これまでも、地域住民や地元の大学生にも参加していただいています。

枝切りバサミを使い、ネマガリタケだけを切っていきます。
学生たちはコツを覚えるとスピードもアップし、3時間ほどの作業で明るいブナ林になりました!
決して体育会系には見えない男子4人組(笑)、頑張ってくれました。

さっそく、9月の「癒しの森のサロン」でお客様にゆっくりしていただきたいと思います。

一目散に水場へ向かう学生ら…
労働した後に飲む湧水は、間違いなく美味しいですよね。
お疲れ様でした。
(今井)

第七回 竹取物語

2010年11月07日 | ― 竹取物語
11月7日に第七回になる竹取物語を行いました。
紅葉の山の中で元気にネマガリタケの刈り取りです。

今回の解説は竹取物語のメッセージに加え、この森で”見える”様々な課題を問いかけました。

山や森に関わる保全とはつねに百年単位の視野を必要とするのです。

行事の多いこの日ですが地元の若手10人が集まりました。ホントにありがとうございます。

このチーム、作業の進捗がすごく早かった!

またたく間にネマガリタケの群落を駆逐です。

おつかれさまでした。

木を走る人も現れて森の中での時間を楽しんでもらえたようです(笑)。

今回は「ブナの移植」がもうひとつのテーマでした。
これまでの経験から種から芽を出すのはたいへん難しいのですが
ブナの幼樹を移植することは活着がよいことが分かってきました。
そこで林道のノリ面に生えたブナの幼樹を探して出して

鉢伏山の頂上へ植えることにしました。ノリ面ではやがて枯れるか刈り取られる運命です。
またその地域に生えているブナをその地域に植えることは遺伝子の交雑を防ぐ上でも大切です。


この写真が百年後に「この大木を植えた人たちの写真」として後世に残るかもしれません(笑)。

雪が積もる冬は中断ですが、来年も「竹取物語」続けますよ~!

第五回 竹取物語

2010年05月31日 | ― 竹取物語
通算5回目となる「奥能登鉢伏山 竹取物語」。
5月30日に地元13名様のご参加とお子さん3名様の計16名で行われました。
目と鼻の先のご近所さんから小木や鮭尾まで、能登町の各所からご参集頂き
少しずつ輪が広がってきています。お声かけを頂きありがとうございました。

いつも通りタケ刈り開始です。
来週行われる地域イベント「歩こう歩こう鉢伏山」で子どもたちが頂上まで上ります。
そのためにも頂上付近をもっと明るするために手前に残っていたネマガリタケを集中的に刈りました。

大人13人+スタッフ2名が手ごわいネマガリタケの群落を速やかに駆逐していきます。

上がBefore 下がAfter

たくさんの人が関わると少しの労力で大きな成果が得られます。
皆さまのご協力で本日の目標はアッという間に達成しました。
(恒例の記念写真を撮り忘れてしまいました・・・ショック)

実はネマガリタケの新芽は山菜として北国の人々の楽しみとなっています。
このあたりは5月が旬のようですが、ギリギリ間に合いました。

即席グリルでそのまま焼いてみたら、みなさんにご好評でした。

一見悪役のように刈り取っているネマガリタケですが、資源として活用できる可能性があるのです。
手入れすることで山が活きる。日本の自然とはそういうものなんですね。

作業の後はブナ林へ移動してゆっくりとしました。

ここもかつてネマガリタケが繁茂していましたが刈り取って広場と道を整備しました。

その結果、このように人々が安らぐレクリエーションの場として新たな価値が生まれたのです。

竹取物語はこれからも継続します。皆さまのご参加をお待ちしております。

第四回 竹取物語

2010年04月25日 | ― 竹取物語
昨年は3回行った「奥能登 竹取物語~鉢伏山の宝みがき~」。
今年はより深まったテーマを抱きながら本格的に始動します!
今回の新機軸はブナのたねまき。百年後の森づくりへの第一歩です。

まずは山主の坂下さんの「穴とお宝伝説」のお話。
初めて聞く人は驚きます。何度聞いても興味深いものです。

そしていつも通り竹取物語メインプログラムの開始です。

老いも若きも世代を超えて無心になって一緒にネマガリタケを刈り倒します。

また見晴らしがよくなり広場も少し広がりました。ありがとうございました。

さて、今回はブナのたねまきがあります。雪解け直後にまくのがよいそうです。
寒かった春先のおかげでたねまきにギリギリのタイミングで間に合いました。

ネマガリタケは浅い地中に縦横無尽にはびこっています。まずはこれを撤去。

落葉をよけた一坪ほどの「畑」に等間隔でブナの種をまきました。
これは去年近くのブナ林で拾っておいた種です。
地元の種を育てたい環境にまけば、その地に合った本来の植生が蘇るはずです。

鉢伏山頂上のネマガリタケを刈った跡に失われたブナの森を再生する取り組みです。
世代が携えながら作業をし、世代を超えた森を作ります。

頂上の未来の姿を感じるために、保全されたブナ林で休みました。

いよいよ新緑が芽吹きだしたブナ林はやはり気持ちの休まるところです。深呼吸をして、

ごろ寝しました。

この写真の中に3人が眠っています・・・。

これからも竹取物語をよろしくお願いします。

奥能登 竹取物語 3回目!

2009年11月08日 | ― 竹取物語
今日は鉢伏山の頂上エリアのネマガリタケを刈り取る「奥能登竹取物語」の当日。
今回で3回目、ご参加頂いた地元の皆さんと私を含め総勢11人でいざ、紅葉の山へ!


鉢伏山頂上の所有者の坂下さんは三角点付近を国に永久貸与しています。

また興味深いお宝伝説(戦国時代の上杉勢や義経逃避行など)をご披露下さいました。

これまでに開いたスペースや道を確認し作業のコツをご説明した後、
枝切りバサミを手にして作業開始です。

下は9歳から上は90余歳まで、11人が力を合わせます。

目に見える成果に作業ペースも加速します。


またたく間にネマガリタケが山のように積み上がりました。

今回生まれた大きなスペースに、来春ブナの実を蒔きます。

みなさん、ありがとうございました。

というわけで帰り道、来年の種付けのためにブナの実を拾いました。


ブナの実は三角。これがあの大木になるとは不思議です。

「竹取物語」はこれからも継続します。自然と人を結ぶ大きな物語になっていくことを目指します。

竹取物語 森づくり

2009年11月07日 | ― 竹取物語
「竹取物語」の第三の目的=ゴールは森づくりです。
どういうことかというと・・・。

まずネマガリタケを刈ることは、実は自然の摂理に適っているのです。
タケやササは地下茎でつながって増殖(栄養繁殖)しますが不思議なことに
60~70年に一度、一斉開花してから枯れ果てます。
その後タケやササが回復するまでの数年間は苗木にとって千載一遇のチャンス。
この時にうまく育てばササを越えて大木となることができます。

私たちはこの「ギャップ」と呼ばれる樹木の更新を人為的に起こして森の成長を促します。
つまり「次世代の森」のはじまりに立ち会っているのです。

次世代の森はどうあるべきでしょうか。

竹取物語の舞台・鉢伏山の頂上付近はミズナラなどの明るい雑木林です。
薪や炭を産する森でも今はニーズが無く、放置されたら元に戻ってしまいます。
針葉樹の植樹もよく行われていますが森が単調になるだけでなく人の管理が不可欠です。
実際は放置林となって荒れているのが現実です。

一番よいのは自然の摂理に合わせて鉢伏山を本来の姿であるブナ林に戻すこと。

しかし鉢伏山の頂上エリアにはほとんどブナは残っていません。
そこで鉢伏山山域に残されたブナ林(白滝自然林)から種を拾って蒔いたり
稚樹を移植したりして少しずつブナを増やすことを来春から始めたいと思います。
ちょうど佐渡の朱鷺のように。

人の手で自然本来の姿に戻す森づくり。
それは環境の世紀となる百年後に向けた私たちのメッセージとなるでしょう。

竹取物語 人が関わる意義

2009年11月06日 | ― 竹取物語
「人の手による自然本来の植生の回復」といった言葉に
疑問を感じる人がいるかもしれません。
そもそも自然とは人が手を加えないことなのではないか、と。

答えはこうです。
人の利用によって維持されてきた山は人が手を加え続ける必要があるのです。
縄文時代から石斧で森林伐採が始まり、日本にはほとんど原始の自然は残っていません。
薪炭需要をはじめ様々に人が手を入れてきたのが日本の山の自然です。

それではなぜササ(ネマガリタケ)を刈るのか。
ササは日本の自然、特に寒さに適応した種族です。
常緑のササは本来明るい光が必要で森の外側を縁取る役割の植物です。
原生林のような暗い森ならばササは森の中に入ってこれません。

ところが実際には木の生育を阻害(更新妨害)するほど森の中に入って繁茂しています。
それは森が明るくなったから、つまり人が木を切ったからです。
よってブナを含む多くの木々がササに対して有効な防衛戦略を持っていません。
(刈る前)

それでも炭焼きが行われていた頃は枝拾い・落葉掻き・下草刈りなどでササの勢いは
抑えられていました。ところが熱源が石油に置き換わった昭和40年代以降、山は放置され、
今やササの天下となりました。森の時間単位ではまさに一瞬の変化です。

ブナなどの木の更新妨害の遠因に人が関わっているのだとしたら、
人の手によってササを抑えてやる義務があるのです。
(刈った後)

人と自然(山や森)の関わりを今日的なテーマで取り戻すこと、
それが「竹取物語」の本当の意義です。(更に続く)


竹取物語 ネマガリタケ

2009年11月05日 | ― 竹取物語
私たちは「奥能登 竹取物語」と称して鉢伏山のネマガリタケを刈り取っています。
それはなぜでしょうか?そもそもネマガリタケとは何ぞや?

ネマガリタケは一般名で「チシマザサ」と呼ばれます。

1.5~3メートルと大型のササで根元が曲がっているので「根曲竹」と言われるそうです。
日本海側の山地ではブナ林やミズナラ林などの林床にふつうに生えています。
春先に若い芽が山菜として楽しめます。

ところがこれが林床を埋め尽くすほど密生していることがあります。

こうなるとだれも中へは入れません。
山の恵みを得ることも歩くことも遊ぶこともできません。

ネズミと虫以外は動物も鳥も入れなくなります。
ブナ林の場合だと下層植生といわれるショウジョウバカマやオオイワカガミなどの草や
中低木のヒメアオキ・ヒメユズリハ・ハイイヌガヤ・オオカメノキなどが駆逐されてしまいます。
もっと深刻なのは森の木の苗が育たなくなることです。
こうしてネマガリタケの占有によって本来の多様な植生が失われてしまうのです。

「竹取物語」はネマガリダケを人の力で除くこと。

それによって本来の自然の植生を回復することが第一の目的です。
人の往来が回復して誰もが訪れる山になることが第二の目的です。

それには大きな意義があります。(続く)

奥能登 竹取物語

2009年10月30日 | ― 竹取物語
来る11月8日(日)に「第三回・奥能登 竹取物語」を行います。

ネマガリタケが繁茂する頂上付近を見晴らしよくするために、
手作業でネマガリタケを刈り取ります!

ネマガリタケを刈り取ったところに、来春ブナを植える準備をします。
百年後の森づくりへ向けた初めの一歩、人の手で森本来の姿に戻す試みです。

「鉢伏山の宝みがき」を、さあ、ご一緒に!

日時:  2009年11月8日 (日) 9:30集合 ~ 14:00解散
集合場所:グルーヴィ能登事務所 (当目地区・岩井戸バス停そば)
参加費: 1,000円*昼食代・お茶代・保険代・環境協力金(100円)を含みます。

○作業しやすい服装(長袖長ズボン・厚底のくつ・軍手)でお越し下さい。
○えだ切りバサミをご持参頂けると助かります。
○目の保護のためメガネ(またはゴーグル等)があると安心です。

ご参加頂ける方、お問い合わせ等ございましたら下記にご連絡ください。
皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。

   (前回の様子)
主催および連絡先:㈱グルーヴィ 能登事務所  担当 山崎

〒928‐0334 石川県鳳珠郡能登町字当目60‐41‐2
TEL(0768)76‐0600 携帯080-1952-2172
e-mail groovy-noto@ca3.luckynet.jp

鉢伏山 星稜大ゼミ生「働く」

2009年08月12日 | ― 竹取物語
金沢星稜大学の西村先生のゼミ生のみなさんが鉢伏山で「竹取物語」をしました。
能登町での体験型授業「働く」研修の一環です。
当日は曇り後晴れの絶好の作業日和。9時から14時までたっぷりと山で過ごしました。

導入は事務所の2階、さわやかな風が吹く中で「エコツアーと保全」について話を聞いて頂きました。
里山の森で竹を刈るという保全活動を通じて、人が関与し守ってきた奥能登の自然の実相を感じながら、
「環境」を考えてもらうことが目的です。

なにはともあれ、楽しく体を動かすこと。山を登って鉢伏山の頂上へ!

「運命の赤いヒモ」で決まったペアで共同作業します。ハサミ係と刈り出したネマガリダケの運搬係を交替しながら。

さらに3つにグループ分けして三方からネマガリダケの大群落に突入です!


山は涼しいとはいえやはり夏。こまめな休息と水分補給は欠かせません。

最初は慣れずに手こずっていたみなさんでしたがあっという間にコツをつかんで
ペースも上がってきました。
時に和気あいあいと、時に真剣に打ち込んでネマガリダケの山を築きあげます。


さすが大学生、若いパワーで一挙に一網打尽。スタッフを含め総勢20名のチカラ。
予定を30分残して完了してしまいました。

みなさん、おつかれさまでーす! ありがとうございました。

今日の記念に星稜大学の皆さんに刈っていただいたスペースを「星稜広場」と命名いたします。

お弁当を食べた後に「森遊び」が待っていました。
木登り・目隠し木探しなどをしてみんさん、生き生きと元気に。森の効用です。


ゼミ全体のエネルギーが自然に開放された楽しい時間でした。
最後に森の瞑想。あんまり気持ちよくなって眠ってしまい、木から落ちてしまった人がいました(笑)。

森を明るく整備すると人の交流の場となります。こういった体験を通して、
環境に対して敏感な若者たちが次代を担うことを願っています。

奥能登 竹取物語

2009年06月07日 | ― 竹取物語
鉢伏山は奥能登の名山として1986年「森林浴の森100選」に選定されました。
しかし頂上付近は保全管理が十分なされずネマガリダケが繁茂しています。
これではせっかく訪れてくれた人も見通しが悪くてがっかりしてしまいます。

そこで鉢伏山のネマガリダケを手作業で刈り取ろうというイベントを企画しました。題して「奥能登 竹取物語」。
昼食付きの有料プログラムでしたが趣旨に賛同してくださった地元の方など11名が集まりました。


鉢伏山の山頂(標高543.6メートル)へ着くとさっそく坂下さんが頂上付近の大穴の謎について興味深いお話をしてくださいました。

坂下家は代々鉢伏山山頂と水源地を所有されています。坂下さんは齢九十。かくしゃくとした無駄のないこの動き!!!

山の森は神秘的な霧につつまれて涼しく快適で、絶好の作業日和でした(笑)。
枝切りバサミを手に人海戦術で一本一本ネマガリダケを切り倒しました。


なぜ機械で一網打尽にしないのかというと、理由は二つあります。ひとつは機械で刈った場合、切り跡が鋭く残って危ないから。そうならないように落ち葉の中の根元から丁寧に切ってゆきます。もうひとつの理由は支配的なネマガリダケを選択的に減らすことで豊かな植生を回復させるため。だから他の植物は残しておきたいのです。

きつい単純作業には果てがありません。それでも少しずつ開けてくる視界に確かな成果を感じました。

林業のプロもいらっしゃったので作業もはかどり、完了時には格段と見通しがよくなりました。


ご参加頂いた皆さんのおかげです。どうもありがとうございました。

それにしても皆さんはお疲れのはずなのになぜかだんだん生き生きと。
「何もかも忘れ自然の中でリフレッシュできました。」「自然の中に一日いて癒されたぁ。」
「次回の竹取も期待しています」「またぜひ参加させてください」
などなどうれしいご意見を頂きました。

これからも「奥能登 竹取物語」を行ってまいります。
こうしたイベントを楽しみながら事業として続けていくことが、
多様な人々を交えた息の長い保全の仕組みにつながっていくと
私たちは考えています。

鉢伏山は能登町の宝。地域に愛される山、奥能登の魅力を伝える山になれます!
「鉢伏山の宝みがき」を、さあ、ご一緒に!