能登でココロもどる旅

ぶなの森エコツアーのスタッフブログです。
能登の海・山・里で日本の原風景に帰る旅を楽しみましょう。

スタッフブログ

インタープリター山崎の日常、スタッフブログ「ゆらりぶらり」も日々更新中です!

鉢伏山 林道手入れ

2009年06月24日 | 鉢伏山
鉢伏山の登山道の入り口付近の林道周辺を整備しました。
お世話になっている佐野さんの登場です。便利な道具が並んだ軽トラックの荷台はドラえもんのポケットのようでした。
わき水の周りをきれいにしましたが、流れが消え入るように細くて気になります。

今回の目玉は刈払機。会社で常備することにしました!田舎暮らしの必需品です。

アクセスとなる林道は、放っておくと道の両側からイタドリなどが繁茂します。視界が悪くなってカーブは大変危険です。
機械で一気になぎ倒すとたちまち見通しがよくなりました。こうして人間は自然に打ち勝ってきたんですね(笑)。
 
ちなみに大きな捕虫網を持っている方はアサギマダラを探していました。渡りをする蝶らしいです。

車が数台とめられる駐車場をつくっていたら、よい登山道になりそうなところがみつかりました。
大きな栗の木が生えているので「栗の口」とでも呼びましょうか。
     

これは思わぬ発見です。
頂上へ続く新しい歩く道づくりが楽しみです。


生きもの調査 柳田西部地区 

2009年06月20日 | 能登 旅の目
地区の方々と「水土里(みどり)ネットいしかわ」による川の「生きもの調査」が行われ、
オブザーバーとして参加しました。娘も申し込んだ時から楽しみにしていました。

これは遊びではなくて調査です。水温を測ったりPHのチェックや化学的酸素要求量などを検査キットで計測しました。

当目の農業用水路は安定した比較的きれいな水だそうです。

ここが調査地。こぶな釣~りしかの川♪と歌いそうになるくらいいいところでした。

事前に定置網も仕掛けてありました。歓声が上がるほどたくさんのアブラハヤが入っていました。

いよいよ生きもの採取です。先が直線のタモ網で魚や虫を追い込みます。

なにかとれたかな?

3班に分かれて調査していた全員が一堂に会し、取った生きものの種類・数・特徴を用紙に記入しました。

当目の口正成さんは地域の生きものについて研究されてきた方です。詳しい解説は子どもたちの理解を助けました。
大人にとっても驚きに満ちた小さな世界を垣間見せて下さいました。

定置網の中はアブラハヤやドジョウ・カジカ(ゴリ)など。


オニヤンマのヤゴは今年成虫になる大きさ。暗くするとおとなしくなるトノサマガエル。

こういうアプローチで里の自然に接するなら学びもあっておもしろいものです。
遊びながら、継続的な生物調査や保全に結びつくようなエコツアーとして成立するかもしれません。

鉢伏山 中学生のアメリカ大使

2009年06月15日 | 鉢伏山
アメリカから30人の中学生たちがやってきました。
"PEOPLE TO PEOPLE INTERNATIONAL"が派遣した国際親善の大使です。
日本の各所を回る彼らが能登町にも来ました。

たくさんのプログラムの中のひとつとして、鉢伏山ブナ林をご案内しました。
山の森で遊びながら日本のふつうの自然を感じてもらうのがねらいです。

アメリカの中学生は子供らしくて元気です。体はびっくりするほど大きいけどね(笑)。

見よ!この木登りツリー。どんどん登っちゃいました。
登りにくい大きな木にはガイド自らが踏み台になって登ってもらいました。
おかげで親近感が高まりました(笑)。

事前に通訳の方から集中力が続かないとアドバイスされていたので、
先にエネルギーを開放させる作戦です。大成功!

五感で自然のメッセージを受け取めるためには遊びが一番!
ペアで木を探す課題は視覚以外の感性を高めるゲームです。

ついでに子供同士がお互いを思いやることにも一役買いました。

森で静かに過ごすプログラム。気に入った木に寄りそって数分沈黙します。

これは意外に「とてもよかった」と言ってくれた子が何人もいました。
彼らの内面に複雑さが芽生えはじめていることを証明するものです。

最後にブナ林の保水力=天然のダム=を話しました。
その「天然ダム」がどんな様子かを身をもって体験してもらったのです。
山からの豊かで絶え間ない水が里をうるおしていること、
しかし高齢化などでその労働を放棄すると、数年で棚田が原野と化すことも。
つたない英語でしたが、メッセージはしっかり伝わったような気がしました。

歩こう歩こう鉢伏山

2009年06月14日 | 鉢伏山
柳田小PTAと岩井戸公民館の恒例行事「歩こう歩こう鉢伏山」がありました。
今年は林道歩きを短めにして森や山の中を歩いたりもするゆとりあるコースでした。
ブナ林と鉢伏山の頂上を整備してきたので私たちもスタッフとして参加し先導させていただきました。

参加人数は子供と親御さん合わせて150人ほどにもなって大盛況でした。
全部で4時間の行程でしたがいろいろな要素をそれぞれの個性に合わせて楽しまれたようでした。

途中ブナ林を通ってゆきました。涼し気な緑のシャワーとふかふか落ち葉の道です。
遊んだりじっくり座ったり。気に入ってゆっくりされた方もいらっしゃっいました。

ご父兄の中には山の知識や遊び方をご披露される方もたくさんいらっしゃいました。
子供たちも尊敬のまなざしです。

モミジバイチゴはちょうど食べごろ。あまずっぱい山のフルーツです。

お地蔵さまを見つけて手を合わせる方。合掌。

今年の目玉は鉢伏山の頂上。地元の人でも行ったことがある人はほとんどいませんでした。
頂上で子供は木のぼりしたり道を走り回ったりして遊んでいました。そんなことを将来まで覚えてくれていたらいいです。

いろいろな課題も見えてきてました。
頂上の展望をもう少しよくするためには何本か木や枝を切る必要がありそうです。
ただしその時も公園のような整備ではなくて環境負荷を最小限に抑える工夫をしなければなりません。
これから大切なことはありのままの自然に少しだけ手を入れて保全すること。
親しめる山づくりを目指していきます。

番外編:この時期、白い花がたくさん咲きます。でもひとつだけ花ではないものがあります!


お化粧している葉っぱ、マタタビが○=正解です。
それからヤマボウシは△です。花は真ん中の緑、白いものは総苞片といって実は花びらではありません。

鉢伏山 頂上手入れ

2009年06月11日 | 鉢伏山
先日の「奥能登竹取物語」で刈った竹や切った木がそのままになっていたのでスタッフと片付けに行きました。
柳田在住の佐野さんも引き続き手伝ってくれました。森林組合での経験もある心強い味方です。

中低木は一部伐採してスペースをつくり見通しをよくしました。
折れてしまいそうな枝はあらかじめ枝打ちをして安全を確保しました。
こういう配慮は林業経験者ならでは、さすがです。

刈り取ったネマガリダケを集めて斜面によせて並べました。
都合よくちょうどボーダーラインの役目を果たしてくれます。

週末に130人以上の親子が鉢伏山山頂まで登る行事があります。
たくさんの人が休息できるスペース作り、間に合いました。

作業中に落ち葉の地面からこんなものがにょきにょき。
ニョロニョロみたいです。

これはギンリョウソウというそうです。「銀龍草」と書きます。
この森の潜在的な豊かさを感じさせてくれる腐生植物です。

奥能登 竹取物語

2009年06月07日 | ― 竹取物語
鉢伏山は奥能登の名山として1986年「森林浴の森100選」に選定されました。
しかし頂上付近は保全管理が十分なされずネマガリダケが繁茂しています。
これではせっかく訪れてくれた人も見通しが悪くてがっかりしてしまいます。

そこで鉢伏山のネマガリダケを手作業で刈り取ろうというイベントを企画しました。題して「奥能登 竹取物語」。
昼食付きの有料プログラムでしたが趣旨に賛同してくださった地元の方など11名が集まりました。


鉢伏山の山頂(標高543.6メートル)へ着くとさっそく坂下さんが頂上付近の大穴の謎について興味深いお話をしてくださいました。

坂下家は代々鉢伏山山頂と水源地を所有されています。坂下さんは齢九十。かくしゃくとした無駄のないこの動き!!!

山の森は神秘的な霧につつまれて涼しく快適で、絶好の作業日和でした(笑)。
枝切りバサミを手に人海戦術で一本一本ネマガリダケを切り倒しました。


なぜ機械で一網打尽にしないのかというと、理由は二つあります。ひとつは機械で刈った場合、切り跡が鋭く残って危ないから。そうならないように落ち葉の中の根元から丁寧に切ってゆきます。もうひとつの理由は支配的なネマガリダケを選択的に減らすことで豊かな植生を回復させるため。だから他の植物は残しておきたいのです。

きつい単純作業には果てがありません。それでも少しずつ開けてくる視界に確かな成果を感じました。

林業のプロもいらっしゃったので作業もはかどり、完了時には格段と見通しがよくなりました。


ご参加頂いた皆さんのおかげです。どうもありがとうございました。

それにしても皆さんはお疲れのはずなのになぜかだんだん生き生きと。
「何もかも忘れ自然の中でリフレッシュできました。」「自然の中に一日いて癒されたぁ。」
「次回の竹取も期待しています」「またぜひ参加させてください」
などなどうれしいご意見を頂きました。

これからも「奥能登 竹取物語」を行ってまいります。
こうしたイベントを楽しみながら事業として続けていくことが、
多様な人々を交えた息の長い保全の仕組みにつながっていくと
私たちは考えています。

鉢伏山は能登町の宝。地域に愛される山、奥能登の魅力を伝える山になれます!
「鉢伏山の宝みがき」を、さあ、ご一緒に!

鉢伏山 総合学習

2009年06月03日 | 鉢伏山
昨日、能登町立柳田小学校三年生たちと鉢伏山へ。総合学習の一環です。
私も森の案内人として参加してきました。
暑い日でしたが森の中はひんやりした冷気で涼しげです。


はじめに森にごあいさつ、ただし木に分かるように。
言葉ではなく心で、動かずじっとして、木のようになって寄りそってみました。

「木にココロはあるのかな?」
答えのない問いかけですが、ほとんどの子供が「ある!」に手を挙げました。
何かを感じてくれたようです。
なかには「この木はオムライスが好きだっていってた」と教えてくれた子もいました(笑)。

でも子供たちのココロは・・・森のなかで「あそびたいっ!」

無理もありませんね。

さ~て、本題の調べものです。
テーマは「木の葉・下の草・木の幹・虫・鳥」の5つです。


男の子はやっぱり虫さがしでしょう(笑)。

「紙芝居」と称して大きな写真を何枚かみせました。
秋の紅葉・冬景色・草の花・ブナの花など、今の森では見られないもの。
いつも移り変わる森の姿を想像することは、けっこうおもしろかったようです。

森の中の時間は1時間。往復の移動時間をやりくりして作り出した1時間でしたがやっぱり足りませんでした。
伝えたいこと、みつけてほしいことの十分の一もできなかった・・・力不足です。

それでも30人の子供たちのパワーはすごくて、いろんな疑問・発見・興味あることでイキイキしていました。
森は先生です。また来てもらいたいなあ、今度はじっくりゆっくりでね。