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能登でココロもどる旅

ぶなの森エコツアーのスタッフブログです。
能登の海・山・里で日本の原風景に帰る旅を楽しみましょう。

ノトキリシマツツジ 芦田家

2011年05月21日 | 能登 旅の目
芦田家のノトキリシマツツジは旧柳田村で最大のものでしょう。

眷族ともいうべき100本以上の小さなノトキリシマツツジが赤を添える奥に鎮座する樹齢300年以上の主木。

枝ぶりは炎のよう、幹は太く力強く、樹勢なお盛んです。

奥能登をむすぶ主要幹線・珠洲道路が通る中斉にあるので満開の時期にはとても目立ちます。

ここは能登の家との調和が見事です。

それから冬の積雪から守るための大きな囲いをレールを敷いて移動できるようにしていることでも有名です。

それでも今年の大雪によって壊れてしまいこれから作り直すそうです。意気込みも投資も本気です。
それほどまでに代々受け継がれてきた古木は持ち主を魅了するのでしょう。

今年は例年より色づきが悪かったり開花が遅かったりしていましたがもう時期も終わりです。
いろいろまわってみましたが到底すべて見れるものではありません。また来年のお楽しみです。

ノトノハナノ寺 萬年寺

2011年05月19日 | 能登 旅の目
能登にある花自慢の庭園を持つ12のお寺が「能登花の寺」という花めぐりを企画しました。
「花と仏に出会う旅」という心安らぐありがたいコンセプトです。

ということでノトキリシマツツジの萬年寺(能登町七見)へ。

庭園の主木であるノトキリシマの咲きっぷりは今年はイマイチのご様子。

二重露出のコラージュ??? いえいえ、ガラスに反射したのを写しただけです。

実はここ、ご住職が植え始めた若いノトキリシマツツジが杉の木立の中に点在する景色が見もの!

こちらはよい色づきでした。

杉の濃緑・垂直な幹・黄緑色の苔など整然と立体的な構図。考えられています。
しかも海と空が借景となり、美しく青が差します。

ご住職の久保さんの美学です。

また能登に夢の場所ができつつあります。

能登の平凡な一日

2011年05月17日 | 能登 旅の目
先の土曜日は子供と過ごしました。そんなプライベートな一日を大公開!(笑)
まずは朝の犬の散歩から。いつものことながら息子は引っ張られています。
たまに転んでます。近所でも評判です。

ワラビ発見。まだまだそこら中に出ています。ポキポキと折り取って収穫。上手いもんです。

そして我が家に到着。うちにもノトキリシマツツジがあります。

あんまりいい天気でせっかくだから新緑あふれる山を見てもらいたいと思い
娘を鉢伏山へ連れて行きました。早速木登り。

森のスマイルマーク発見。これはオオカメノキの葉痕です。

なかよしのお友達とご満悦。

森の新緑の楽しい気分も、野鳥の鳴き声や植物の不思議も
大きくなって思い出してくれるといいです。

それからおいしいお弁当の味も(笑)。

山を下りて家族合流、駒寄農園で田植えです。

なんどかやっているので年々慣れてきました。
息子はかなり手早くて大人顔負け。この子は自然との関わりに向いています。

働かざる者食うべからず。労働の後は食事が楽しみです。

これは駒寄さんオリジナルの高菜のピザ。

こっちは「ふつうの」

どちらもおいしかったです。ごちそうさま。

帰ってからはまた夕方の犬の散歩。一日中遊んでいたからもう日は傾きかけています。

近くの溜め池はこうしてみると山の沼のようです。うすみどりはコナラの芽吹き。

暗い杉林の向こうから水田が反射して・・・ここはどこ?カナダ?なんて想像力が飛躍します。

カエルが鳴ったらかーえろー。

能登の平凡で素敵な一日でした。

のとキリシマツツジ 前家

2011年05月15日 | 能登 旅の目
珠洲市正院の前さんのノトキリシマツツジは一見の価値があります。それは量。

聞けば400本以上が扇形に裏山を覆っていてそれが満開となる様は圧巻の一言です。

当主の惣四郎さんがTV局の取材に応じていました。四十年前からコツコツと植え続けてきたそうです。

裏山の木が台風で倒れた後にいよいよ全体をツツジ園に変えることにしました。そして今、
茶屋も出来ていて雨の日でも楽しめます。座布団がかなりいいです。妻は欲しがっていました。

今年のノトキリシマツツジは咲き方がよくありませんが前さんのところは比較的よく花が付いているようです。
右も左も深紅の遊歩道で満開の一時・最高の瞬間を堪能。

ツツジの裏側をよく見れば縦横に組まれた竹の棒が支えとなって幹や枝を風雪の被害から守っています。

一年のこのわずかな期間のためにご当主が費やした労力と歳月はいかばかりのものだったでしょうか。
この庭園はひとりの男の夢の実現であり強い意志の証明です。この風景は能登人の真髄です。







高洲山 アンビバレントな光景

2011年05月13日 | 能登 旅の目
能登半島で二番目に高く、奥能登では一番高い高洲山(567m)は
毎年5月8日に山頂の高洲神社の「山開き」があります。
249号線からは菰沢から入ります。とても地味でわかりずらい入り口ですが
山開きの日はのぼりが立っていました。
ちなみにもうひとつの入り口は自衛隊の許可が必要です。

電波塔が見えてくると見晴らしがよくなります。

電波塔から輪島方面を望む。この日は山開きだったので林道を歩いて山頂を目指す人もチラホラ。

期待しながら山頂にある「高洲神社」にたどり着くと・・・
最高地点を分け合うように神社にまったく隣り合ってレーダー基地の威容が。
これはかなり辛い光景です。ブーンという機械音も耳から離れません。

大半が刈り払われてわずかに残ったブナ林ですが、
かつて豊かな自然の中で心の清浄を行った信仰の舞台を彷彿とさせます。

しかし木々の間からはちらちらと他のレーダーも見え隠れしていて
山岳信仰に相反するものものしい軍事施設が同居している光景です。

レーダー観測のためでしょうか、あちらこちらむき出しの裸地で整地されてその分、遠くまで見えます。
南東:鉢伏山の方角。

北西:輪島側の方角。海まで見下ろせる帰りの下り道は山岳道路のような雰囲気でした。

新緑。

高洲山は奥能登の雄峰としてガイドブックなどにも紹介されています。
山岳信仰・ブナ林などと共に自衛隊のレーダー基地のことも言及されていますが、
実際に訪れてみると特に頂上が人工的に手を入れられているという印象を残します。
”観光として”自然を楽しむのは難しいかもしれません(展望地としてはいいです)が、
古くからの信仰で今でも人が頂上を目指す「山開き」が残る伝統や
輪島から仰ぎ見るシンボル的な存在として、能登を代表する山です。

ノトノオオキナ木 池上家のノトキリシマ

2011年05月11日 | 能登 旅の目
「ノトキリシマツツジ」それは知る人ぞ知る能登の宝。
その頂点ともいえる大木が珠洲市大谷の池上家にあります。(昨年5月16日に取材)
大谷から狭い山道を5キロも上って道を間違えたんじゃないかと不安になる山奥に
池上家があります。ノトキリシマツツジはその裏庭の急斜面に忽然と現れます。

樹高4メートル・枝張り6メートルのツツジの大木は県指定文化財です。
しかも合わせて3本あります。成長の遅いキリシマツツジがここまでなるには
400年近くも経っているはずです。

のとキリシマツツジ・オープンガーデン」期間中は一般公開されており、
座敷にも上がらせて頂きました。ガラス板を載せた座卓にノトキリシマツツジが投影される粋な計らい。

すぐに奥様が「でがらしで申し訳ありませんがゆるりとなさって下さい」とおもてなしの一杯です。
ありがたく湯のみをひと口すするととてもおいしいお茶でした。雲のように覆う深紅は圧巻でした。

奥さまのお話によると幕末の頃、宇出津にあった大木3本を買い取り移植したそうです。
旦那さんはとても大切に手入れなさっていて、毎冬大雪の日には寝ずの番で雪を落としています。

ツツジとは思えない太い幹が10本も出ていてきめ細やかなお手入れの跡が。ご苦労が偲ばれます。

夕日差す頃、山のようなノトキリシマツツジの深紅の反射で2階の窓が赤く染まりました。

残像で目がおかしくなってしまいそうな凄さは伝えきれません。

ノトキリシマツツジを語るなら必ず訪れるべき所です。
いや、だれもが一生に一度は見るべきです。はい。

柳田のノトキリシマツツジはこちら

ノトノオオキナ木 元祖アテ

2011年05月09日 | 能登 旅の目
「元祖アテ」と呼ばれ全国の巨樹としてもしばしば取り上げられる県内有数の巨木。
ヒノキ科の大木が二本並んでいる様は見ごたえがあります。

輪島市門前の門前の国道249号線からすぐ、こんな何気ないところにあります。
写真の竹林(黄緑色)の手前の森の中にあり、庭園のような敷地に隣接しています。

俯瞰するとこんな感じ。

この大木の個性はこのアングルにあるかな、と思いました。

説明によると・・・
「この二本のアテの樹高はともに約30メートル、幹周4メートルと3.6メートルと県内でも最大のものである。
また、樹齢は約450年以上と推定され、県内では最古級のアテである。」

由来については12世紀末に奥州藤原家の者が平泉から持ってきたとも、
16世紀後半に泉家の者が東北地方から苗木を持参したともいわれています。

さて、「アテ」とは何か・・・(複雑ですよ)
ヒノキの仲間に「アスナロ」があり、その変種に「ヒノキアスナロ」があります。
これを能登では「アテ」と呼びます。青森では「ヒバ」といいます。
この並び立つ二本の大木は移植されているで明らかに「青森ヒバ」です。
厳密に言うと「能登ヒバ=アテ」の元祖ではありません。DNA鑑定でも裏付けられました。

能登のアテは5種ありますが、特にマアテ・クサアテが大半を占めています。
宝立山にはマアテの自然林が確認されています。藩政時代から植林が奨励され
能登全域にアテの人工林が広く分布しています。

出実はともかくとして、このアオモリヒバ・通称元祖アテの巨木が数百年の風雪に耐えてきた風格と、
里の人々の畏敬を集めてきた存在感はいささかも損われるものではありません。

一見の価値ある能登の巨木です。

間もなく紅葉の季節

2010年10月27日 | 能登 旅の目
港町宇出津の様子。海だけ見てると季節感が感じられませんが、

紅葉の始まりをこのように感じることができます。

今週は急に寒くなりました。柳田の里ではまだ紅葉の一歩手前ですがもうすぐでしょう。

鉢伏山のブナ林もまだ黄葉しかかっているところです。

ところどころで始まっていますから来週には本格的に色づくでしょう。

今年のブナの葉が地面に落ちていました。

空は晩秋を予感させます。

紅葉を楽しみに能登へどうぞ。

夏の内浦

2010年08月10日 | 能登 旅の目
毎日青空の暑い夏です。夏といえばやっぱり「海」なので能登の内浦をドライブしました。
かつて能登ブームといわれたくさんの観光客が訪れた能登のひとつの象徴がこの見附島(軍艦島)でした。

能登半島地震で惜しいことに先端が少し欠けてしまいまいした。
ちょっと水木しげるマンガ風な人の顔に見えなくもありませんが・・・

もとい、気のせいですね。いまだ空母のような精悍さは健在です(笑)。

見附島のとなりには「恋路海岸」というロマンチックなところがあります。

7月27日にはキリコが海に入る「キリコ火祭り」がありました。
そのお祭りの由来でもある「鍋乃と助三郎」の悲恋物語が伝わっています。

でもこの像はなんかなー、と思っていましたが
後で調べると地元出身の坂胆道作のブロンズ像だとか。お見それしました。

ここは私が贔屓にしている「日本海倶楽部」。夏の海は色が違う!
前庭には海まで続くすべり台があります。これがその入り口。

高度差と距離は本格的なスライダーのようです。けっこうすごくて大人でもためらいます。

九十九湾の「のと海洋センター」。ここには海の上の遊歩道があってかなりユニーク。
「エルマーの冒険」のピョンピョン小岩状態で、しばし子供心で楽しめます。

こんなことができるのは能登の海が干満の差があまりないから。
日本海は入り口の狭い内海状態なので太平洋側のような大きな潮の満ち引きにならないのです。
それが証拠にタブノキの枝がこんなに下まで垂れ下がっています。

能登の海岸線はシイやカシ・タブノキなどの常緑広葉樹林が覆っています。
フィールドの鉢伏山とは違う森です。能登の植生は多様です。

能登の梅雨

2010年07月15日 | 能登 旅の目
能登の梅雨は涼しいです。これ実感。
考えてみるに多分梅雨前線の北に位置するからだと思います。

梅雨前線は停滞前線、北からの空気と南からの暖かく湿った空気がぶつかるところにできます。
同じ梅雨空の下ですが、東京にいた時はもっともっと蒸し暑い雨の日が多くて、
特に通勤電車の中とかは汗ダラダラでした。

それに比べて北陸は快適です。

海が近いせいもあるかもしれません。

朝夕は冷えるくらい涼しくて、よく霧が発生します。

たまに夕焼けで空が染まります。雲が多い分壮大です。

もうすぐ梅雨も明けそうです。去年の梅雨明けは遅かったから今年は暑い夏を期待したいです。
東アジア特有の気象現象である梅雨は本来の夏の季節を半分短くしているかもしれません。
でも暑くて乾く季節に多量の雨水をもたらし、国土の67%が森林である日本の自然を支えています。

あっという間に一年の半分が過ぎてしまいました。

山村点景

2010年06月15日 | 能登 旅の目
前略
能登の山村よりお便りです。みなさま、お変わりありませんか。













特に都会のみなさんにとって一時の癒しとなれれば幸いです。
草々

能登のあそびかた

2010年06月13日 | 能登 旅の目
今年も中能登のいまい農場さんへお願いして会社による稲作を5月29日から始めました。
ゴロを転がしていた田植えした田んぼも

2週間経った6月12日、この通り順調です。今年は有機栽培米への挑戦なので手作業による草刈りが必要です。

これがオモダカ。

これはセリ。

まだ目立たないくらいの量ですが、小さいうちに抜いておくのが効果的で後々作業が楽になるそうです。
主に手作業でしたが手押し除草機もありました。昔なつかしいという人もいましたが私は初めて見ました。

水面を攪乱するのもよいそうで、合鴨(アイガモ)農法などでもその効果は実証済み。
子どもたちを合鴨代わりに放し飼いにすることに・・・と思ったら(この子のシャツの色に注目)

田の横にためてある用水に入ってしまいました。

まるで野生のカバをみているようでした。

子ども絶頂、親絶句。

帰りは素晴らしい天気だったので七尾湾の海沿いをドライブ、まさに「里海」でした。

それから能登町波並の「ふらっとベーカリー」へ立ち寄ってパンを買ってました。
すると目の前の海でお友達が遊んでいたので子どもたちも合流!

海に田んぼにどっぷり「浸かった」一日でした。それにしても能登は楽しいところです。
私も子どもに戻りたい・・・。

山里に湖現れる時期

2010年06月11日 | 能登 旅の目
遅い田んぼも5月末頃までには田植えが終わります。
この辺りは6月に入って田植えをしても本当は大丈夫なんだそうです。
それからしばらくの間、田には水が引き込まれ水田となります。

この時期はまるで湖のほとりのような美しい山里の風景となり、毎年楽しみにしています。

岩井戸神社

黒川

十郎原 西谷

五十里

当目の事務所の周りやここに至る道は能登でも有数の「山里シーニックロード」=美景の道だと自負しています。

のとキリシマツツジ 柳田エリア

2010年05月10日 | 能登 旅の目
能登の人が桜よりも心待ちにしている春の深紅は「のとキリシマツツジ」です。
能登にあるエドギリシマを「のとキリシマツツジ」というそうです。

圧倒的な赤、それも深い赤。見る者に強い印象を残します。

奥能登には樹齢100年以上の株が300本以上もあります。
こんなところはどこにもありません。日本一(ということは世界一)の密度です。
能登の落ち着いた家並に見事調和しています。

水木家。よく手入れされた美しい庭に映えます。

梅家。中庭にあって通常は家人のみの楽しみですが、今、一般公開しています。

樹齢数百年の枝ぶり。成長が遅いのでそれほど大きくはなりません。

GW中に能登空港で展示されていた大株です。柳田盆友会が手入れしています。

酒井家。紫色ののとキリシマもあってその中では最大の株です。

古木が先祖代々受け継がれてきたことも「のとキリシマ」の大きな価値です。

ほとんどが農家の庭にあります。

花の美しさを愛でる先祖がこの辺境の地にあったことは外部の目からすると驚きかもしれません。
しかしかつて日本海側は大陸からの表玄関であり北前船が往来する経済上の大動脈でした。
能登に残る渋い赤はその交流文化を雄弁に語っています。

千枚田の田植え

2010年05月01日 | 能登 旅の目
観光地として有名な輪島市白米千枚田の点景です。

これ以上ない晴天と絶好の気候の下、今年も田植えが行われています。

千枚田はまだ日本各地に残っていますが、ここの特長は海が間近なこと。
一番下段はそれこそ波がかぶってきます。

実際には二千枚以上ある傾斜地の小さな田んぼには機械が入れません。

こうして昔ながらの道具で田植えが続けれれています。これは「ワク」。
ゴロゴロ回してプリントして苗を植える目星をつけます。

観光客がワンサカいる中、淡々と作業を進める地元の方。慣れたものです。
棚田オーナー制度で首都圏や関西圏から田植えに来る方々もいらっしゃいます。

この棚田が存続するための「観光化」の一面です。