能登でココロもどる旅

ぶなの森エコツアーのスタッフブログです。
能登の海・山・里で日本の原風景に帰る旅を楽しみましょう。

スタッフブログ

インタープリター山崎の日常、スタッフブログ「ゆらりぶらり」も日々更新中です!

イカ釣り船の休息地

2010年02月24日 | 能登 旅の目
週末を境に季節が動いたような陽気。ココロもカラダもゆるみます。
海沿いはうららかに春めいていました。


「小木」は日本海全域を漁場とするイカ釣り大型船の母港です。
海が荒れる今の時期、船は港内にイカリを下ろして修理やお色直しをしながら休んでいます。

隣接する九十九湾は天然の良港ですが、たくさんの船が並ぶのはこの時期ならではの光景です。

ウグイの群れのように船が顔をそろえて並んでいます。

レトロな小舟。カッコいい!


シロウトの私でも絵ごころを誘われるような・・・

能登の港町の「異」日常風景でした。

森林療法研修会

2010年02月21日 | 研修・講習
「森林療法研修 冬の能登編」がやなぎだ荘で2日間の日程で行われました。
新しい事業と雇用を生みだそうという能登町の試みで森林療法については2回目です。

今回は「森の八兵衛」の異名をとる高山正明さんが講師。
草津をフィールドにした自然ガイドで森林療法によるエコツアーが好評です。
まさに私が鉢伏山で行おうとしているエコツアーに直結する内容で興味深々でした。

講義は期待通り、実践的で楽しいものでした。大いに参考にさせて頂きます!

さて、森林浴だとか森林セラピーだとか、よく聞きますが・・・。
森林浴→森林セラピー→森林療法の順で医療行為としての専門性が上がります。
どれも共通しているのは「森で心身ともに健康になろう!」ということです。

増え続ける医療費を見据えて国は、
病気を治すための医療から病気にならないための予防医療を提唱しています。
そう考えた時、健康づくりに森を活用することは人々の意識変革へとつながります。

都会には高度な治療設備はあるかもしれませんが、自然の森はありません。
地方には高度な治療設備はないかもしれませんが、自然の森があります。

「健康のために森を散策すること」は地方だからこそ先を行ける強みです。

これからも能登町では森林療法に関する研修会を重ねていくそうです。
医療関係の方がたくさん参加して実践的な医療・福祉ネットワークを構築し
「森で元気になった能登町」になれば、きっとすばらしいことでしょう。

酒蔵体験 櫻田酒造

2010年02月19日 | エコツアー能登
「酒蔵見学とマイラベルづくり」の体験プログラムで櫻田酒造へ行ってきました。
「櫻田酒造」は能登半島の先端珠洲の蛸島にある小さな酒蔵で「初桜」の銘柄があります。
ほとんど地元で消費されてしまうため「幻の酒」といわれることも。
http://www.okunotoseishu.com/html/shuzou/sakurada_01.html
内部は昔のまま。家族や近所の方に手伝ってもらいながら機械に頼らず作っています。

古い道具も現役です。
タンクは昭和の中ごろから使っているホーロー製。

2階からはタンクを上からのぞけます。もろみをかき回して(櫂入れ)発酵を管理します。

地獄底といった様相です。

松尾神社が祭られていました。仕事場に神様がいるんですね。

酒蔵には「蔵付き酵母」というのがあって、もし蔵を作り替えてしまったら
全く同じ工程で酒造りしたとしても、同じ味にはならないそうです。
酒造りの難しさと人知を超えた発酵の不思議さに、今も杜氏たちは神を見ているのかもしれません。

櫻田博克さん。若い四代目当主で杜氏。たったひとりですべてをこなしています。
とても気さくな方で、酒蔵全体に彼の陽気なパーソナリティが感じられました。
笑いが絶えない楽しい体験になりました。

洗米。冷水で手がかじかむ重労働。でも昔のままのやり方です。
「先代に教えられた通りにやっています」との言葉が印象的でした。

酒蔵から直接ご主人が発酵している途中のもろみを持ってきてくれました。
体験者自身が濾したしぼりたてがこのにごり酒、この時期ならではの幸運です。

にごり酒のそろい踏み。囲炉裏のある部屋で思い思いのラベルを作りました。

ほとんど機械化されず一人でできるヒューマンサイズの酒蔵はほんとうの酒造り体験の場として
貴重に思えます。櫻田さんも交流としての体験観光に積極的なのでこれからも訪れてみたいと思いました。

能登に生きるエネルギー

2010年02月17日 | 研修・講習
能登のそば屋「夢一輪館」のご主人・高市範幸さんの講演がありました。
夢一輪館は能登にあって全国区の人気を誇るそば屋です。

自ら能登の七不思議という山中の一軒家という不利な環境から
たかが一杯の蕎麦でも本物を、と意を決っして17年の名声です。

地元の食材にこだわり、それを作り出す人にこだわってできた食の結晶です。

私も遠来の友人をよく連れていきます。

外人も納得!(笑)

「本物を発見できる能登で、全国・世界に通ずる能登の価値を発信する。」
高市さんは地元の人(土の人)としての軸とこだわりを持ちながら、
ヨソ者(風の人)の目を持ちえている貴重な存在です。

そして「会わなきゃならない人に会いに行く」実行の人です。

そういう取り組みの中で「畑のチーズ」や「ブルーベリーワイン」などの
独創的な特産品を生み出してきました。

能登の「恵み」を受け、能登に「根づき」、能登に「留まり」、能登で「義」を交える。
能登に生きる恵根留義(エネルギー)をあなたが発信しましょう、
職(食)は自分で作るもの、能登だからできる、と結びました。

よい講演会でした。



能登柳田の冬景色

2010年02月15日 | 能登 旅の目
能登・柳田はほんとに能登の豪雪地帯でした。
どうやら標高50メートルくらいのところに積雪ラインがあるみたいで
宇出津の沿岸部で雨でもこちらでは確実に雪となります。

雪の里・柳田の冬の美しさを一堂にご紹介。

雪が降るからこそ出会える風景です。

能登事務所の窓から、大箱の冬景色。


黒川付近。


白山神社周辺。


重年・日詰脇付近。



天坂。


笹川。

家の正面、毎朝見る風景。

私はこういう景色の中で日常を過ごせることがとても贅沢だと思っています。
なぜならかつての都会生活では望んでも決して叶えられなかったことだからです。

垂水の滝

2010年02月12日 | 能登 旅の目
真冬の外浦の続き、垂水(たるみ)の滝です。

崖上から直接海に注ぐこの滝は荒海日本海・能登の風物詩です。すなわち・・・

強風によって吹きあがるのです。このように流れがだんだん細くなりついには・・・

本流が霧氷となって崖上に消えてしまいました。
そんな寒風にさらされて撮影していた私は、車というシェルターに逃げ込みましたが
あまりの寒さに暖房全開にしても5分間は動けませんでした。

ここは波の花の名所でもあります。

大量発生していました。波の「泡」状態です。

なんでも植物プランクトンがどうのこうのという発生理由だそうですが、私としては
海草の豊富な能登の海が強烈な波で撹拌されて、海草のヌメヌメが泡と化していると
理解した方が感覚的に合っています。

美しい夏の海と厳しい冬の海。外浦はすごい。能登はすごい。

真冬の外浦

2010年02月10日 | 能登 旅の目
最強の寒気団が入り込んだ冬真っ最中の外浦の姿です。

予報で「波高7メートル以上」の海。丘が盛り上がるように波が押し寄せてきます。

後から後から果てがありません。海風が面で圧っしてきて息がしずらいです。

曽々木海岸の景勝地 窓岩。

南氷洋の捕鯨船か戦艦大和の雄姿のよう。

ついに見た波の花。

ほとんど白の世界で一体化していますが
奥が白い海・途中が積雪・手前が波の花です。
波の花は雪に比べるとちょっとクリーム色です。
泡なので雪だるまのように転がりながら飛んでいきます。

氷のように冷たい烈風が刺し、外に1分といられません。

たしかに荒れた日の冬の外浦は人が暮らすには厳しいところです。
将来「波の花ツアー」を考えていましたが、この寒さでは成立しないかも。

のと鉄道とこどもたち

2010年02月07日 | 能登 旅の目
のと鉄道で穴水から七尾まで小旅行しました。娘の同級生と一緒です。

能登の子ですがのと鉄道に乗るのは初めて!ドキドキしながら切符を買います。

無くさないようにみんなで同じようにズボンの右ポケットに入れました。

先頭を陣取ります。意外にスピードが早くて驚きの歓声が上がりました。

今年はたくさん雪がふりました。冬らしいのと鉄道の車窓風景です。



車掌の山際さんのキビキビした運転の様子。
のと鉄道が好きで東京から移住し運転手になった情熱の人です。

子供達への気遣いも好印象でした。

七尾で街歩き。食祭市場や一本杉通りをぶらりと散策しました。
一本杉通りの入り口のステキな壁画。


高澤ろうそく店。子供達も美しい伝統の和ろうそくに見入っていました。

穴水から柳田へ車で帰る途中でボラ待ち櫓の人に声をかけましたが
真剣に魚影を探しているようで返事をしてくれませんでした(笑)。

さきちゃん、しょうなちゃん、くるみちゃん、るなちゃんで電車ごっこです。

ふらっとベーカリーに立ち寄ってソファでくつろいで”お茶”しました。

おいしいパンとおいしいアイスココアと

楽しい会話。そろそろ「私の好きな人」が話題になる年頃です。

能登で生まれしこどもたちよ、能登で育つこどもたちよ。
能登で遊ぼう!能登を楽しもう!

シーカヤック 能登金剛 後編

2010年02月04日 | エコツアー能登
能登金剛は第一級のシーカヤック・フィールドです。
特に笹波・前浜から琴が浜までは断崖が続き陸から容易に近寄れません。
探検しながら進んでいく感じがして充実感・達成感は大きいです。

波と岩の侵食の最前線。
いろいろな性質の岩が複雑に混ざり合ってまるでパレットをひっくり返したかのようでした。

前浜の北側の岬・北脇崎は自然のいたずらか、象、特にマンモスの顔にみえます。

エジプト神殿。斜めに傾く地層は鮮やかな黄色で美しかった。

海の怪物クラーケン。石灰岩の岩はため息するように不気味に吠えます。

多分空洞があって波が入ると空気が圧縮されるのでしょう。
まだアンドロメダ姫を探しているのでしょうか。

たくさんある洞窟。真っ暗な中へ勇気を出して進んでいくと・・・あっ!
エメラルドグリーンとサファイアブルーに満ちた光の中に浮かんでいました。

幻想的な美しさ。やさしげに反響する波の音だけが耳に届く静かな空間。
まさに「青の洞窟」です。

日本海沿岸で最大のカルスト地形・関野鼻。

真っ白な石灰岩が侵食されて独特の造形を作り上げています。
カヤックで上陸してちょっと散歩。それから素潜り。だからシュノーケルは必携です。
能登の海は海藻が繁茂していてカラフル。波にあわせて大きくゆれていました。

黒崎は岩礁だらけ。船なら避けて通る難所ですが身の軽いカヤックなら遊び場に変身です。

ひと遊びした後、そばに洞窟があったので入ってみました。
上陸してひとやすみ。ロビンソンクルーソーの気分。
ひんやりした空気が火照ったカラダに心地よく・・・動と静、満ちたりた時。

そして目的地・海水浴場の琴ケ浜に到着。小さな冒険からの帰還です。

車で眺めて通り過ぎていた観光地が、カヤックによって冒険フィールドとなり、
その未知と豊かさを心に深く刻みました。

皆さんも能登半島で「シーカヤック・エクスペディション」を楽しんでみませんか?
能登のカヤックの拠点 カヌーあいらんど
http://www.dab.hi-ho.ne.jp/canoe-island/index.html


シーカヤック 能登金剛 中編

2010年02月03日 | エコツアー能登
能登のリアス式海岸・能登金剛を漕いで行くと、あの能登半島地震の影響が強く印象に残ります。
そのいくつかの例をご紹介します。

笹波の岬の先にある玄徳岩。能登半島地震の前は烏帽子にも似た巨大な岩の塔がそびえていました。

それがすべて壊れてガレキの山と化していました。

遊歩道から見下ろした美しい風景ですがよく見ると崖の一部が剥離したように崩れ落ちています。

カヤックで海面から眺めると・・・

自然の威力をあらためて思い知らされます。

関野鼻レストハウスには眺めのいいレストランがあり、よくコーヒーを飲みに立ち寄ったものです。
地震後は立ち入り禁止となりました。

それどころかその直下は総崩れとなって建物の土台が一部宙に浮いています。

これでは解体するにも手がつけられません。

関野鼻の海に面した洞窟にある弁天様へ続く海岸の遊歩道。

途中のルートも寸断され、ほとんど回復の見込みはないように思えます。


このように能登金剛を海から眺めると地震の爪痕をまざまざと見せつけられます。
しかしこの男性的な風景美はそもそも自然の強大な力が長い歳月で作り上げたものです。
だとしたら地震もまたその過程に過ぎないはず。「自然に善悪なし」であります。

地震の痕跡が歳月を経てどのようになっていくのか、
これからも度々訪れてそれを確認していきたいと思います。

シーカヤック 能登金剛 前編

2010年02月02日 | エコツアー能登
能登で最も有名な海食崖「ヤセの断崖」。映画「ゼロの焦点」でも話題の断崖絶壁です。
しかし2007年3月の能登半島地震によりヤセの断崖は崩落し風景が変わってしまいました。
能登金剛のある旧富来町や隣の旧門前町は激震地域だったのです。

左がかつての姿、右が崩落後の現在の姿です。
大きくせり出してオーバーハングしていた崖の部分が無くなっています。
高さは健在ですが、見かけの迫力が減じてしまって少し残念です。

これをカヤックで沖から眺めると崖の側面に崩落した跡が白く痛々しく残っていました。

左が側面から眺めたところ、右が真下から見上げたところです。

さて、ヤセの断崖から少し足を伸ばすと「義経の舟隠し」という景勝地があります。

遊歩道から見下ろせる狭い入り江です。これを海から眺めるとこっちへおいでといわんばかり。
カヤックのパドルが当たるほど狭い水路を進んで中へ入っていくと奥にあったのは・・・

かなり大きな洞窟でした。これは上から見下ろしても完全に死角になるので気付かれません。。
海からでもこの狭い水路へは漁船も入れないでしょう。カヤックで進入してこその発見でした。

まさにこれが本当の舟隠しです。
奥州に逃れる義経一行が48艘の舟を隠したという伝承がにわかに真実味を帯びて感じられました。
義経や弁慶が暗がりの中でひと時の休息をしている姿が目にうかぶようで、しばし感動の時を過ごしました。

満たされた思いと共にグランドキャニオンのような水路を離れ、能登金剛を進みます。

シーカヤック 能登巌門編

2010年02月01日 | エコツアー能登
冬の話題ばかりだと色彩が乏しくなります。ここで趣向を変えて夏の海を思い出してみましょう。
それも海から見た能登です。

能登の海はシーカヤック・フィールドとして大きな可能性を秘めていることを
常々ご紹介したいと思っていました。よい機会です。

まず外浦で最も有名な景勝地「巌門」から行きましょう。
志賀町富来の美しい砂浜海岸「増穂ヶ浦」から南へ向かうとすぐに

機具岩(はたごいわ)や猪の鼻など荒々しい岩礁が続きます。

その白眉が巨大ないわおのゲート、巌門です。
シーカヤッカーは穴を見ると中に入りたくなる習性があります。
もちろん巌門をくぐれば自慢できそうです(笑)。

ギャラリーを横目に見ていざ突入!

悠然と、といいたいところですが実はぼやぼやしていると観光船が反対側から入ってきます。
合間をみて全速前進で漕ぎ抜けました。

さらに南へ、鷹ノ巣岩を見上げながらその先の福浦港までパドルを進めました。

この区間は荒々しい海岸線ではあっても車道や漁村が身近に感じられるエリアで
初心者でも安心して楽しめるルートです。
素潜りでサザエを採っている地元の方にもよく出会いました。
観光船の航路の外で待っているとお客さんが手を振ってくれました。