能登でココロもどる旅

ぶなの森エコツアーのスタッフブログです。
能登の海・山・里で日本の原風景に帰る旅を楽しみましょう。

スタッフブログ

インタープリター山崎の日常、スタッフブログ「ゆらりぶらり」も日々更新中です!

じょんのびの里 春日先生に学ぶ

2010年08月31日 | 研修・講習
能登町の神和住の真念寺で「いしかわ自治体問題研究所」の夏季セミナーに参加しました。
講師は春日俊雄さん。新潟県高柳町では「じょんのびの里」を作り上げた観光カリスマです。
農村滞在型交流観光を学ぼうという奥能登の経営者・職人・役人たちが研究会メンバーと共に集いました。

春日先生の進めてきた地域づくりを要約すると・・・

まず住民自身が地域の場に刻まれ時に溶け込んでいる「人」「歴史・文化」「風土」「風景」を深く知り、
自然と折り合いをつけた暮らしをローカル性(都市に無いもの)として語り、外部の共感を得ること。
住民それぞれがその価値に気づき自己表現としての暮らし方を再認識し、住民が実践する事業推進で
役割を担う(参加する)こと。
行政は民意総体の前向きのエネルギーの芯がどこにあるのかをつかみその支援に徹すること。


春日先生のお話にはいくつか印象深いエピソードやキーワードがありました。
・自分の年の刻み方が大切。できるできない、成した成さないよりも。
・生きた証として和紙を作る人がいる。生き方としてパンを作る人がいる。
・ズバ抜けた個人の元気さが都会人・著名人の共感を得、交流が続く。
・スウェーデンの過疎対策はそこにいる個人が生きられるための家業支援に向けられる。
・20年ずっと地域を見てきた行政マンが合併でいなくなった。ゆえに地域自治組織が求められる。
・実践活動の中で気づく。当事者を現地に連れていくと本人のスイッチがパチンと入る。
・ローカル性(都市にないもの)とは積み上がった時間&自然と折り合った暮らしのこと。

こういう空間(お寺の中)で研修会が行われることも、私は地域価値のひとつだとと思います。

もうお一方、金沢大学の安嶋是晴先生からは輪島に伝わる「御当組(おとうぐみ)制度」について
お話がありました。初めて聞いたビックリするような話でした。またの機会にお伝えします。

地域の有名な担い手の皆さんともお会いすることができ、たいへんよい機会になりました。

さあ、自分には何ができるか?何をするのか!

鵜川で にわか祭り

2010年08月29日 | 祭り
「鵜川」は能登町の海岸線の南端で穴水町との境界近くにあり、昨夜はお祭りがありました。
「にわか」という弘前のねぷたのような山車に木製の二輪がついています。それでどうするかというと・・・
はしる。

町内を走る走る。広場をみつけるとぐるぐる回る。

よっぱらった担ぎ手ははじめ大変苦しい思いをするそうですが
臨界点を超えるともうわけがわからなくなって夜の3時まで走り続けられるそうです。

にわか総勢9基は「男」で、弁天様のお宮で男比べをするのがクライマックス。
ずらりと並んで順番を待ち、1基ずつハレの舞台に臨みます。

中央の1基が全速力でお宮へ向かって突っ込み、急ブレーキで止まります。
後ろ半分が勢いで持ちあがるなど激しい様ほど、弁天様はお喜びです。

それが延々夜通し続きます。なんかヘンです。なんだかすごいエネルギーです。

「にわか」の武者絵もずいぶん手が込んでいますが、実は毎年新調されます。それもすごいことです。

書家の室谷文音さんも神出組のにわかに名を大書しました。
そんなこともあっていろいろなところで呼びとめられていました。
仕事として祭りに関われるというのも素晴らしいアプローチです。

彼氏のポールも担ぎ手として祭りに参加していました。

毎年この日は妻の郷里・富来の八朔祭りへ行っていましたが、今年は鵜川の「にわか祭り」を
初めて見ることができました。どちらも個性的で激しく、過ぎゆく夏を惜しむようなエネルギッシュな祭りです。
祭り半島・能登です。

春蘭の里でキノコ調査

2010年08月26日 | 春蘭の里
能登で一番がんばっている集落のひとつ、「春蘭の里」で
里山林を創生(再生)する試みがはじまりました。
キノコ・山菜がたくさん採れて自然体験もできるような恵み豊かな森づくりです。

すでに小さな重機を使って整備をはじめています。
松林ゾーンの期待はもちろんマツタケですがそう簡単には出てきません。

そこで能登でキノコといったら赤石大輔博士。キノコ利活用の助言・提言がありました。


現状でどんなキノコがあるのかを写真に収めることも大事な調査ステップです。
ツルタケ             キイロイグチ

ベニイグチ

タマシロオニタケ

正体不明の幼菌

体験ゾーンのバンガローは、(能登らしく)十分立派な家で驚きでした。


多田さんのところで頂いた農家民宿の食事の一例。地域素材に徹底的にこだわっています。

新しい里山創出が成功すれば食材の重要な供給源となるでしょう。
この取り組みは今日的なテーマで昔の仕組みを回復させること、
人が関わる森づくりの一例であること、などの点で私もたいへん興味があります。

笹川で生き物観察会

2010年08月24日 | 観察・作業・保全の体験
住んでいる笹川の溜水(たむしゃ)の家のすぐそばで生き物観察会がありました。
用水路の調査です。区長さんに頼まれて地区の代表のひとりとして参加しました。

水生生物に詳しい谷口正成先生が講師となって子供たちに説明します。
「ここは川がない代わりに山の水を引いて田んぼをつくったところです。
 水を溜めるという意味の集落名はそういうことを表しているんですよ。
 先祖の方々のたいへんな御苦労の末にこの立派な村ができたんです。」

もちろん水生生物のことも。「川の虫は自然の姿を現すモノサシです。」
小冊子が素晴らしい出来栄えの解説書で、子どもよりも私が得した気分です。

さて、今日もよく晴れて暑い中、20分ほど20メートルくらいの用水路で網ですくいます。

我が息子は予想通りパンツまでびしょぬれで熱中していました(笑)。

木陰で集まってどんなのが採れたかを観察します。

とにかくドジョウが多い。調査員の方も驚くほどの量です。
「もしトキが来たとしてもここなら生きてゆけるはずです。」

ほかにはコオイムシ・トンボのヤゴ・シマアメンボ・アカハライモリなどいろいろでした。

魚を捕まえて得意気です。こうやってヒゲの有無でコイかフナかを判定します。フナでした。

これから排水路の整備が行われるのですが、ここはホタルがたくさん棲んでいるので
なるべく環境に配慮した工事をするそうです。例えば表面の粗いコンクリートを使ったり、
流れに段差をつけたりわざとよどむところを作ったりするそうです。
家から近いのでこれからもたまに見てみようとと思います。


柳田でキリコと灯りの祭典

2010年08月21日 | 祭り
8月21日に「キリコと灯りの祭典」が柳田植物公園で行われました。
笹川地区は朝5時集合、キリコを神社から運び出して、公園の広い芝生の上で組み立てました。

昔は「ござれ祭り」と呼んでいてキリコが20本以上出いていたそうですが今は半減しました。
それでも15メートル以上の高さのキリコも混じり整然と並ぶのは見事です。
昼間はいろいろなイベントで盛り上がり、夜には灯りが灯されて雰囲気満点。

山間部の柳田のキリコは漁師町のキリコに比べて格段に大きいので派手な動きはしません。
装飾も質素で落ち着いています。そして一番の特長は昔ながらのロウソクを灯していること。
柳田の人は口を揃えて「わしゃこのしずかーなのがすきや」といいます。

実際の見え方は↑この写真ぐらいです。ゆらゆら、うすぼんやりとゆらめくのは
確かにムードがあります。

最後はお待ちかねの打ち上げ花火。

距離が近いのでずいぶん迫力があります。

店先で呼び込みをやって楽しみました。知り合いも増えました。2年目の夏です。


矢並でキリコ祭り

2010年08月16日 | 祭り
8月14日、能登町矢波のキリコ祭り。地元の地元による地元のための祭りです。
漁師町のこじんまりとしたお祭りですが5本のキリコが並ぶと壮観です。

「民宿ふらっと」ベンさんが担いでいました。そうとう重そうです。

オーストラリアから移住してもう十年、だから担ぐのも今年で十回目です。
地元にしっかりと溶け込んでいます。

酔いも手伝ってハジケてますが、これでもNHKの「ためしてガッテン」では「夏おでん」に取り組み
能登の伝統的な調味料「いしり」を使いこなすイタリアン・シェフとして紹介されたその人です(笑)。

子供たちも鉦や太鼓を練習して今夜がハレの日です。

よく見ると私の住んでいるところのご近所さんがいました。
矢波のご出身だそうで毎年担ぎ手として戻るそうです。

さてキリコはお宮の前まで来ると互いに綱で連結されてから一斉に担がれます。
電車のようにユラユラと行きつ戻りつさまよいます。

どこかの集落のキリコが耐えかねて脚を下ろしたら全体が止まり、そこが「根性無し」ということになるそうです。
だから終いにはどこもへとへとになるまで担ぎ続けていました。はじめて知ったローカル・ルールです。

能登の祭りは種類も様々ですが、そこならではの祭りを盛り上げる仕組みがあるのは興味深いことです。

のとで生きる① 二三味珈琲

2010年08月13日 | ひと
二三味珈琲(にざみコーヒー)
能登で世界から厳選したコーヒー豆を焙煎しています。
風光明媚な海に面した舟小屋というロケーションがまず圧倒的説得力を持ちます。
場所は珠洲の外浦にある木ノ浦海岸。舟小屋はかつておじい様が使っていたところだそうです。

オーナーである二三味葉子さんが地元に戻って舟小屋を改装してお店にしてから
もう10年経ちました。今では珠洲の飯田に開店した喫茶店の経営も軌道に乗っています。

焙煎の最中にお邪魔したにも関わらず丁寧に応対して下さいました。仕事する姿がかっこいい!
VWゴルフのオーナーである点は私と一緒、親近感がわきます。


店内には田んぼで使う「ゴロ」がぶら下がり、

手前にはブラジル・コロンビア・パプアニューギニアから来たコーヒー豆の麻袋が無造作に並んでいます。

店内の雰囲気も能登らしさとコーヒー豆=熱帯の物産が不思議な融合をして独特の雰囲気です。

ローカルでありながらインターナショナルでもある=地域に根差しながら世界につながるという
21世紀型ライフスタイルの難題を「舟小屋でコーヒー豆の焙煎」という解でひらりと乗り越えて
しまいました。ここは来るべき新しい世界への扉です。

狼煙で在来種の大浜大豆を作っている意欲的な農家に生まれ育った葉子さんは
一度都会に出て焙煎の技術を極める中でこの地へ戻ってきました。
今では二児の母となってしっかりとこの地で生きています。

都会に出た地元の人が技術を持って帰り志を持って新たな生き方を始める、
というのは地域の理想的な将来像です。しなやかさを秘めた若き「のとの生きかた」の大先輩が
それを示してくれました。
憧れます。

夏の内浦

2010年08月10日 | 能登 旅の目
毎日青空の暑い夏です。夏といえばやっぱり「海」なので能登の内浦をドライブしました。
かつて能登ブームといわれたくさんの観光客が訪れた能登のひとつの象徴がこの見附島(軍艦島)でした。

能登半島地震で惜しいことに先端が少し欠けてしまいまいした。
ちょっと水木しげるマンガ風な人の顔に見えなくもありませんが・・・

もとい、気のせいですね。いまだ空母のような精悍さは健在です(笑)。

見附島のとなりには「恋路海岸」というロマンチックなところがあります。

7月27日にはキリコが海に入る「キリコ火祭り」がありました。
そのお祭りの由来でもある「鍋乃と助三郎」の悲恋物語が伝わっています。

でもこの像はなんかなー、と思っていましたが
後で調べると地元出身の坂胆道作のブロンズ像だとか。お見それしました。

ここは私が贔屓にしている「日本海倶楽部」。夏の海は色が違う!
前庭には海まで続くすべり台があります。これがその入り口。

高度差と距離は本格的なスライダーのようです。けっこうすごくて大人でもためらいます。

九十九湾の「のと海洋センター」。ここには海の上の遊歩道があってかなりユニーク。
「エルマーの冒険」のピョンピョン小岩状態で、しばし子供心で楽しめます。

こんなことができるのは能登の海が干満の差があまりないから。
日本海は入り口の狭い内海状態なので太平洋側のような大きな潮の満ち引きにならないのです。
それが証拠にタブノキの枝がこんなに下まで垂れ下がっています。

能登の海岸線はシイやカシ・タブノキなどの常緑広葉樹林が覆っています。
フィールドの鉢伏山とは違う森です。能登の植生は多様です。

鉢伏山 真夏の森

2010年08月08日 | エコツアー鉢伏山
金沢と氷見から友人同士の女性たちを鉢伏山へお連れしました。
途中、見通しのよいところで七尾湾を遠望します。その先が富山県氷見の方向です。

バードリスニング・ポイントで鳥の声に耳を傾けます。
夏も盛りとなる頃には森はずいぶん静かになります。
にぎやかだったさえずり(ラブソング)が止んでしまいました。

鳥の恋の季節は終わりましたが地声(ふつうの鳴き声)がたまに聞こえます。
鳥は静かにしているだけで本当はたくさんいるんですよ。

葉っぱの中に実が成っている?

他にも森の不思議はたくさんあります。ブナの実がなる周期のことや

落ち葉と土の中のこと。

たくさんお伝えしたので頭がいっぱいになってしまったかも。

ということで森の中でゆっくりと頭と体を休めました。

夏の盛りはさすがに暑いです。森の沢沿いは空気が止まって蒸し暑かったです。
皆さんがんばって歩きました。
それだけにブナ林でゆったり過ごしたお休みの時間は格別な体験となりましたね。

講演 ケロン村の上乗さん

2010年08月04日 | ひと
ふれあい農園「ケロンの小さな村」で村づくりをする上乗りさんの講演がありました。
能登町中斉を通る珠洲道路沿い、サルビアロードの先にあります。
ご自分で作った米粉を挽いて米粉パンづくりから。参加者全員で生地の形を整えました。

三種類のパンをおいしく頂きました。

パンが焼き上がるまでの間、上乗さんの講演をお聞きしました。

前職の教員時代から農業に強い関心を持ち、大工仕事も好きな上乗さんの理想の村づくり。
ここは三者健康農業(食べる人・つくる人・自然がともに健康になる農業)の実践の場です。

10年計画を3期に分けてひとつひとつご自身の力で地道にこの「村」作っています。
思わぬ協力者やあたたかい励まし、耕作の再開などよいことも周りに起こっているそうです。

一人の男の夢の王国を散歩しました。小さな苗木が大きくなるには10年以上かかるでしょう。

「焦らず、力まず、諦めず」をモットーになさっています。逆にいえば焦ってしまうし力んでしまうんでしょう。
それに気が付いたら「力を抜いて自然体に」なるという智恵です。

この村はゆっくりと成長し、多くの人を引き寄せることでしょう。


鉢伏山 夏の森2

2010年08月02日 | エコツアー鉢伏山
能登ファンの方が鉢伏山にいらっしゃいました。
最近能登に頻繁に通って能登の「楽しさ」や「真髄」に触れています。
今回は神奈川県からはるばる奥さまとご一緒でいらっしゃいました。
午前中は曇って風も凪いで蒸し暑い森の中でした。

蒸せばキノコが出てきます。さっそく観察です。
尾根に上がると風を感じました。山の上はいつも風が吹いているんですね。
やがて日も出て明るいブナ林で休息です。若鳥がさえずりの練習をしているのを聞きながら・・・

夏のこの時期は虫がけっこういますので虫よけスプレー大活躍でした。
じっくりと落ち着ける紅葉や雪の時期にも来てみたいとおっしゃってくださいました。

お待ちしております。