能登でココロもどる旅

ぶなの森エコツアーのスタッフブログです。
能登の海・山・里で日本の原風景に帰る旅を楽しみましょう。

スタッフブログ

インタープリター山崎の日常、スタッフブログ「ゆらりぶらり」も日々更新中です!

鉢伏山 夏の森

2010年07月28日 | エコツアー鉢伏山
夏の盛りでも森の中はとても涼しくてみなさんに大好評です。
立ち止まって一本の木をよく見てみると・・・見過ごしていた不思議がたくさんあります。

足元には大きいのやら小さいのやら、いろんなキノコがニョキニョキ。

水源の森はちょっとした探検気分が濃厚で谷底はちょっとムシムシしていますから、
見晴らしのよいブナ林にたどり着いた時の開放感はまた格別です。

ちょっとゴロ寝をしていると実に気持ちがいいもので、ついウトウトと。

さすがに夏なので少々虫が気になります。虫よけスプレーが大活躍しています。
同じ理由で長そで長ズボンは必携です。薄手のものでいいですから持って来て下さいね。

鉢伏山 活動紹介

2010年07月26日 | エコツアー鉢伏山
地元の方に私たちの活動・エコツアーについてお伝えする機会がありました。
能登の山・鉢伏山を知るために「さぐる・すごす・かかわる」のプログラムをダイジェストでご紹介。
ブナ林エリアからスタートです。

まずは「さぐる」
鉢伏山のブナ林が30年前に保全されたこと、当時の村長の「想い」を朗読しました。

ブナ林の保水力をはじめとするいくつかの自然観察を行いました。

次は「すごす」
森林浴としての森の活用を実体験して頂きました。

「かかわる」はもうひとつのフィールド・鉢伏山頂上エリアに移動してから。
太枝切ハサミを手にネマガリタケの刈り取り作業です。

短い時間でしたが、鉢伏山とはなにか、エコツアーとはなにか、
概略をお伝えすることができました。

今度はゆっくりとひとつひとつのプログラムを体験して頂ければと思います。
違う季節に来て頂ければ違った山の表情にきっと驚くことでしょう。


春蘭の里で地元学

2010年07月25日 | 春蘭の里
能登半島で農家民宿といったら「春蘭の里」が草分けです。
これまでに全国から(中国からも!)たくさんの人が農家に泊って農家の暮らしを体験しています。

ここで行われた「地元学」の研修に参加しました。
地元学とは地域と人の持っている力を引き出して、自らの信頼を回復し、自分たちでやる力を身につけること。
学問というよりも行動指針のようなものです。

まず地図上に水路や田んぼ・山の配置などを色づけしながら水の行方から全体を押さえます。
それからそれぞれの調査地点へ移動して、ヨソから来た人の新鮮な目線で「!」や「?」を探します。

それを写真にとってひとつひとつ地元の方に聞きながら記録していきます。

あとで「地域資源調査カード」という形でひとつの事柄=一枚でまとめます。

たくさん集まったカードをカテゴリー分けしながら食材や体験プログラムへの応用を話し合いました。

専門的な知識や経験を持つ参加者がいると議論も深まります。

春蘭の里ではこうした「地域の宝」についてはかなり意識的に共有されています。
例えば「満作の宿」の朝食。地元食材や保存食を生かした田舎らしい料理です。

おいしくて朝からたくさんおかわりしてしまいました(笑)。

それからずっとここで暮らしてきた人の言葉と存在。それが旅人にとって最も心に残ります。

今回の調査は地元学の先生がコーディネーターとなり、東京や京都から森林活用の専門家も集りました。
今後も継続的に関わるそうです。
地元の方が十年続けてきた実績に理論的な背景が加わって更なる飛躍へつながることを期待しています。

石動山ツアー

2010年07月23日 | エコツアー能登
石動山は標高565メートル、能登半島で3番目に高い山。七尾市の南・中能登町にあります。

山頂を取り囲むように14haのブナ林が広がり見事な大木もたくさんありました。

この山はかつて五社権現と呼ばれ北陸における山岳宗教の一大拠点でした。
衆徒3,000人を擁した天平寺院坊は戦国時代に前田家によって攻め滅ぼされ
全山が灰塵と帰しました。
歴史の痕跡。なにげない石ですが実はお堂の遺構です。山頂に至る道も石の階段になっていました。

今のブナ林は400年の歳月で再生した森です。
そのため下層植生はササに覆われ単調でしたが、それだけ明るく歩きやすい道ともいえます。

一度再興された石動山でしたが、明治の廃仏毀釈で廃され、今では礎石が残るのみとなりました。
伊須流岐比古神社拝殿の横には樹齢400年の杉の大木がありました。

ボランティアガイド「いするぎ夢案内」の女性ガイドにご案内頂きました。
山岳宗教と抗争の歴史、それに回復した自然が織りなす多様な側面が石動山の魅力です。

ガイドたちは乱獲で途絶えてしまった「石動山ユリ」の復活も試みています。

鉢伏山 キノコ撮り

2010年07月21日 | ― キノコ撮りツアー
夏本番!暑い日中でも森の中は天然クーラーで実に快適です。

ふと足元をみると、キノコがずんずん生えています。
7月から11月まで森の小さな主役です。

これを図鑑で調べ始めると・・・名前の判別が難しくてご紹介できなくなります。
だからあきらめて写真を羅列することにしました(笑)。

キノコはもちろんおいしいのですが、食用・有毒の判別はもっと慎重を要します。
命にかかわる猛毒キノコもふつうに生えています。

だからキノコは採らないことにしました(笑)。

都会の人(山のモノを採って食べるという観念がない)が生まれてはじめて森のきのこをみたら、
色も形も大きさもとても不思議で魅入ってしまうはずです。

そこで私はきのこ採りならぬ「キノコ”撮り”」を提唱します。

マクロレンズを持って地面スレスレにカメラを構えて、パシャリ。とるのは写真だけ(笑)。

キノコと純粋に向き合う。キノコから森を知る。そんな森の楽しみ方です。

鉢伏山 ハナイカダ

2010年07月16日 | 鉢伏山
これは「花筏」です。みなさん、葉っぱの真ん中に花が咲いているので驚きます。

雅名ゆえに茶席・生け花でも使われるそうです。

花びらはそもそも葉っぱが変化したもの。虫たちに分かりやすくするための目印です。

5月下旬にちいさな「花」が咲き、6月中旬には散ってしまいますが
やがて緑の実ができます。

秋にはこの実が黒くなります。

ハナイカダはこういう暗い森の中にいます。

森の中の日陰で光不足を前提にしてひっそりと生きている低木の一種です。
彼らは大木になろうなどという高望みをせず、そこでの成長と繁殖がうまくいくように
「それなりの暮らし」をしています。

森という生態系をみると人間社会の縮図のようです。
いやもしかしたら社会も生態系の一種なのでしょうか。



能登の梅雨

2010年07月15日 | 能登 旅の目
能登の梅雨は涼しいです。これ実感。
考えてみるに多分梅雨前線の北に位置するからだと思います。

梅雨前線は停滞前線、北からの空気と南からの暖かく湿った空気がぶつかるところにできます。
同じ梅雨空の下ですが、東京にいた時はもっともっと蒸し暑い雨の日が多くて、
特に通勤電車の中とかは汗ダラダラでした。

それに比べて北陸は快適です。

海が近いせいもあるかもしれません。

朝夕は冷えるくらい涼しくて、よく霧が発生します。

たまに夕焼けで空が染まります。雲が多い分壮大です。

もうすぐ梅雨も明けそうです。去年の梅雨明けは遅かったから今年は暑い夏を期待したいです。
東アジア特有の気象現象である梅雨は本来の夏の季節を半分短くしているかもしれません。
でも暑くて乾く季節に多量の雨水をもたらし、国土の67%が森林である日本の自然を支えています。

あっという間に一年の半分が過ぎてしまいました。

鉢伏山 海と山のつながり

2010年07月09日 | 鉢伏山
梅雨の合間、水源の森自然ウォークにアウトドア・アクティビティの先生をお連れしました。

ダイビングの指導員として13年のキャリアをもつ彼女は海から山を注目しています。
豊かで多様性のある森の自然環境は海の豊かさの源として深くつながっていることに気がついたそうです。

好奇心が見つけだす小さき存在、その観察には繊細さを要します。
それは海も山も一緒、さっそくキノコを見つけました。

コケの上にキノコが生えます。この似て非なる組み合わせに4億年の秘密が隠されています。

ふつうでも湿気の多い水源の森はさらに梅雨の大気で湿度120%の様相です。
やがて真っ暗になって雷が鳴り、雨が降り出してしまいました。

ところが雷雨にも関わらず全然雨が落ちてきません。
森の中でじっとしてお弁当を食べ終わるまでの20分くらいはまるで「森の傘」です。
雨音が山に反響して白くけむって美しく変化する様を高みの見物。
しばらくすると大粒の雨水が葉っぱから落っこちてきましたが少しずつ濡れていく感じでした。

雨が降り始めてからあがるまで、森の傘の一部始終をすべてを体験したのは私も初めて。
災い転じて福、雨のブナ林もいいものです。

海で生まれた雲が山で雨となり、これが豊かな水源となってしずくが川を下り海に注ぐ。
水の旅をしっとりと実感したいいツアーになりました。

ホタル

2010年07月06日 | 能登徒然日記
この時期の能登の楽しみは、帰り道にホタルと出会えることです。
去年よりも遅かったので少し不安になりましたが、今年もちゃんと能登の夜空を舞っていました。


ホタルは地元の方も楽しみにしています。
各集落にはホタルがたくさん見られる「穴場」があるようで、
その場所を知りたくても簡単には口を割ってもらえません。
でも、能登の人は優しいので、
結局「誰にも言ったらだめやよ~」と言いながら教えてくれるのでした。

能登事務所の周りは、ホタルが好みそうなきれいな田園風景が広がっています。
(今井)