能登でココロもどる旅

ぶなの森エコツアーのスタッフブログです。
能登の海・山・里で日本の原風景に帰る旅を楽しみましょう。

スタッフブログ

インタープリター山崎の日常、スタッフブログ「ゆらりぶらり」も日々更新中です!

猿鬼伝説の里 三井町 大幡神社

2010年11月29日 | 猿鬼伝説
猿鬼伝説の痕跡を辿って輪島市三井町へ行きました。
ここには昔、巨大な杉があって猿鬼が上ってにらみをきかせたところといわれています。
今は能登の里山を語る上で重要な場所で、学生ゼミなどと長い交流をしてきました。

この美しい田園風景に鎮座する「高幡神社」はかつてとなりの仁行(和紙づくりで有名)にあったものが
現在地である本江に移りました。
ここの女神は猿鬼伝説では主役「戦うヒロイン」として叙事詩を彩る杉神姫(神杉姫)その人です。

由緒を感じる神社です。狛犬も堂々としています。

あれ?こりゃなんだ。かなりユーモラスな狛犬?だれかに似てるぞ?

これは猿ではありませんか!狛猿です。もしや猿鬼を退治して眷族に従えたということか!?

名にし負う大きな杉の木も生えていました。

猿鬼伝説は極悪の猿鬼が神の軍団により退治される話ですが、この杉神姫は大活躍します。
東奔西走し、時に破れ、時に悩み、時にあでやかに舞い、そして勇ましく戦い抜きます。
猿鬼と杉神姫の宿命としてこの伝説を深く読めば、新たなドラマとして生まれ変わるかもしれません。

猿鬼伝説の里 三つ岩と消えた森

2010年11月27日 | 猿鬼伝説
大西山には他にも猿鬼伝説のいわれがあります。釜ヶ渕のさらに奥にある
「三岩(みついわ)」です。猿鬼が逃げる時に踏み割ったとされています。

ちょうど割れたところに小川が流れ込んでいます。

となりには「猿鬼の隠れ岩」というのもありました。

全体はこんな感じ。ちょうどせばまったところの右が三ツ岩、左が隠れ岩です。

この奥に続く道は「猿鬼の逃げ道」とされ、だんだん細くなりやがて山道になりました。
途中の斜面の一枚岩に足場が彫られ歩けるようになっています。

もしこのまま森の中を歩いて山を越えられたら猿鬼伝説のハイキングコースになるかも、と
期待して歩いていた私の前に現れたのは・・・木が一本もない山でした。どうしたことでしょう!

木材チップとして自然林・雑木林が皆伐(すべて伐採)された後だったのです。
まるで『もののけ姫』のラストシーンのようです。

境界線となる山の一番奥まで、つまり水源地までこのような有り様でした。
杉の苗も植えてありましたが、しばらくは灌木とササの原の斜面となります。
若い森になるまで10年以上、元の森に戻るまでには50年以上かかるでしょう。

かつて猿鬼が逃げ込んだ山深い森は消えていました。

一本残され、まるで森の墓標です。
猿鬼伝説をたどるウォーキングコースは残念ながら一瞬の夢でした。

猿鬼伝説の里 大西山と釜ヶ渕

2010年11月25日 | 猿鬼伝説
奥能登の猿鬼伝説は当社の能登事務所がある当目が主な舞台ですが
その他にも各所にいわれのある場所が点在しています。
そのひとつが大西山。輪島市金蔵に隣接し、柳田から見て裏側の山にあります。
大西山への入り口は「ふりむき峠」。

日本昔話のような風景が広がります。

大西山の猿鬼伝説の舞台「釜ヶ渕」へいく途中には山の清水も湧いていました。
飲みやすいおいしい水です。

さて、この下を流れる川に釜ヶ渕があります。

猿鬼がここで水浴している時に村人たちが奇声をあげておっぱらったという伝説の地です。

確かに、水浴びしたら気持ちよさそうなところ。
直径3メートル位ですが中は深そうです。

川床には甌穴が淵となっていくつも連続し、奇観です。

「猿鬼」などというと奇想天外な怪物のようですが、水浴びをしていたなどと聞くと親しみを感じます。

退治された猿鬼の正体とはなんだったんでしょうか。とても興味深いところです。

光明寺の報恩講

2010年11月23日 | 能登徒然日記
先週、北河内の集落にある光明寺さんの報恩講にお邪魔させていただきました。
能登に事務所を構えてから大変お世話になっている方に「体験してみたら」と紹介され、行ってきました。

お寺に着き、あたたかい地元の方に迎えられてお講料理をいただきました。
本格的なお講料理を味わうのは初めてのことです。
みなさんのご自宅で採れた野菜を持ちよって作られた、煮しめやお漬物、お味噌汁、酢の物は
ものすごく美味しかったです!野菜本来の味が引き出され、絶妙でした。
お寺の名前が入った塗りのお椀からは歴史が伺え、より一層ありがたい気分になりました。

食事をいただいた後は、御堂で行われている講話を聞かせていただきました。
地元のおじいちゃんやおばあちゃんがたくさん集まっておられました。
こちらの集落では毎月行われているんだそうです。
私にとっては貴重な機会なので少し緊張していると、
導師様のお話はまるで漫談のようで(笑)御堂は笑声で包まれることもしばしば。
しかし笑いの中にも、しっかりとしたメッセージは伝わりました。

親鸞聖人の「正信念仏偈」を自分自身の生活の様子を交えてわかりやすく説いて下さっていました。
「人間ひとりの力はわずか、自らが救いを求めることは大切なこと。そうすることで人から助けていただける」・・・

日頃の生活を見直すよい機会になりました。
お寺でありがたいお話を聞くと、心が洗われるような気がします。(今井)


鉢伏山 ブナの黄葉

2010年11月21日 | 鉢伏山
もう過ぎ去ってしまった一瞬の紅葉の美しさをブナを中心にアップします。
今年の鉢伏山のブナの黄葉は11月13日頃がピークだったようで、
その頃の白滝自然林の入り口のところです。

夏には他の木々に埋もれていたようなところでも秋になると
こんな立派なブナがあったんだと気が付きます。

黄葉した大王ブナは圧巻です。

ブナの葉は黄色から茶色の間の様々な色に変化します。

大きなブナの木はたった一本で空を覆います。

こちらはブナの茶色にカエデの黄色、アオハダの黄緑色が合わさって美しい。

自然のなせる一瞬の妙です。

鉢伏山 眺望

2010年11月19日 | 鉢伏山
秋で空気が澄んでくると、能登から中部山岳の山並みが遠望できる日が多くなりました。
鉢伏山の頂上は森に覆われていますが、途中の林道に眺望ポイントがあります。
しかし私のコンパクトカメラの光学3.5倍ズームで七尾湾と剱立山を写してもこんな感じ。
これまで写真ではその感動をお伝えすることができませんでした。

ところがふと思いついたんです、双眼鏡を使ってみたらどうだろう?と。その結果は以下です。
剱立山連峰。

白馬連山(後立山連峰)。

どちらも森に覆われた能登半島の向こうに富山湾があり、その上に名峰が堂々とそびえています。
内浦の海沿いから海越しにダイレクトの眺望も素敵ですが、
ここからは森で覆われた能登半島自身が前景に入るのが独特。
自分が450メートルくらいの標高から見ているので、山もより高く見えます。

七尾湾の遠望をこんな写真にしてみました。
能登島の東端、えの目が見えます。左に二子山がその通りの形で並んでいます。

そのまま右に視線を移すと七尾北湾の向こうに能登島が長々と横たわります。
その向こうは富山と県境を分ける石動山系です。
人工物は七尾の火力発電所が見えるのみ。今日は白いけむりを上げていました。


アルプスも望遠鏡フレームで撮ってみました。白馬と立山。

偶然ですがトイカメラで撮ったようなヤレた感じが出ています。効果満天、大成功!

鉢伏山 カエデ

2010年11月17日 | 鉢伏山
日本の極彩色の紅葉の主役はカエデやモミジの仲間です。
日本には約30種あり、他国に比べても倍以上多いそうです。
モミジは古い言葉で色が変わる=”もみず”から来ているそうですが
カエデは”カエルの手”からだそうです。なんかなー(笑)。
鉢伏山での代表的なカエデたち。まん中のがヤマモミジです。
イロハモミジやオオモミジに似ていますが日本海側にはこれがあります。

紅葉はふつうみどりから黄色(カロチノイド)に変わります。「黄葉」です。
葉に糖が残っていると赤(アントシアニン)に変わります。
ハウチワカエデの葉っぱの写真。赤いところは葉脈が途中で折れてしまって糖が行き場を失い赤くなりました。

ウリハダカエデ

イタヤカエデ

コミネカエデ

ハウチワカエデやコハウチワカエデ。これが一番多いかな。


木によって黄色に染まったり赤くなったりしてとてもきれいです。

紅葉を楽しむのなら遠くから眺めるよりも森の中へ入ることをお勧めします。

逆光で透かした美しさは格別ですし、木の葉一枚一枚の個性を楽しむことができます。

鉢伏山 紅葉の変遷

2010年11月15日 | 鉢伏山
鉢伏山の町有地全体を見渡せるいつもの定点で紅葉の変遷を撮りました。
10月23日

11月6日

11月11日

紅葉は動き出すと早いです。正味2週間くらいが盛期です。
今年は期間中に嵐のような日が多かったのでたくさんの葉が吹き飛ばされてしまいましたが、
紅葉自体は美しく楽しめました。今は里に紅葉が移っています。

長野大学 森の恵みクリエイターたち

2010年11月12日 | エコツアー鉢伏山
森林の利活用に強い関心を持つ大学生たちを鉢伏山にご案内しました。
長野大学「森の恵みクリエイター」実践講座で、夏に一度お会いしていました。
前回は悪天候で中止になりましたが、うれしいことにご再訪下さいました!
皆さん、ありがとうございます!!!

今日は黄砂舞う強風の肌寒い天候でしたが、若いパワーで前進です。

紅葉のただ中をご案内です。鉢伏山の自然解説を中心にツアーを進めました。

谷底へ下りると強い風もおさまりました。しかし沢は落葉が積もってせき止められるので
いつもより水位が増していました。難易度を上げた4つの難関をクリアしていきます。

山登り?ブナ林を進む一行。

目かくし木探しなどいくつかのアクティビティを行いました。

吹き荒れる風が木々を鳴らし落葉を降らせます。風の日もまたよし。

しかし時間が押してしまい、体験的な観察や地域のお話を省いたのが心残りでした。
先生方から地域に根差した解説などについての貴重なアドバイスを頂きました。
お客様の反応を感じご意見を取り入れながら、より満足度の高いツアーを目指して参ります。

満作の宿 in 春蘭の里

2010年11月10日 | 春蘭の里
能登「春蘭の里」にある農家民宿の「満作の宿」に泊りました。

到着するとすでに暖かい囲炉裏部屋でご主人の松井三代治さんが炭をくべます。
こういった心遣いに客人へのおもてなしの姿勢がうかがえ、うれしくなります。

ヤマメやゴリを炭火であぶる直火焼き。最強の一品です。

そして並んだお料理は奥様が手間暇かけた結晶の数々。ほとんど畑や山から採ってきたものです。
「田舎でなにも分からずお口にあうかどうか・・・」と謙遜なさいますがどうしてどうして
どれもこれも大変おいしく、彩りもよく、味も変化に富んでいました。

ご主人御自慢の自家製のお米は言うまでもありません。
ちなみに朝食はうちの夕食より豪華・・・です(笑)。
能登の家庭料理を味わえる農家民宿として十分な可能性があります。

外には炭焼き小屋もあり、ご主人の炭焼き作業に合わせて体験することもできるそうです。

米づくりや畑もしっかりとこなし、収穫が季節ごとの食卓に並びます。

違う季節のお食事を試してみたくなる、自給的な暮らしぶりが濃厚なお宿でした。

たこすかし

2010年11月08日 | エコツアー能登
能登で最も人気のある体験プログラムのひとつが「たこすかし」です。
能登町の赤崎海岸でたこすかし名人の大滝信男さんにご指導頂きました!

道具はふたつ。赤いカニの疑似餌とカギ針をそれぞれ竹のサオの先に付けます。

疑似餌にだまされてからみついてきたタコをカギ針でひっかけて捕ります。
タコをだまして捕るから「たこだまし=たこすかし」です。

こんなふうにしてカニのふりをします。

ドウナガ(胴付長靴)を着て浅い磯でタコを探します。石・岩・海藻のかげが狙い目。

あっという間に名人ゲット。大滝さん曰く「タコと目があった。」さすがです。

子供の手にわたって・・・タコ受難。

参加者も次々とタコを捕まえます。

驚き!地元の人はタライに乗って沖まで行ってたこすかしをしています。


海で「遊び仕事」。遊びといえば仕事のような、仕事といえば遊びのような・・・。

無中でいたら、いつの間にか詩情ある一刻を迎えていました。


実は鉢伏山の竹取物語が終わったその足で内浦の海岸まで行って「たこすかし」楽しみました。
山と海で精一杯過ごした一日でした。能登はいいなあ。
都会の方にもそんな能登の過ごし方を提案できるようにしたいです。

第七回 竹取物語

2010年11月07日 | ― 竹取物語
11月7日に第七回になる竹取物語を行いました。
紅葉の山の中で元気にネマガリタケの刈り取りです。

今回の解説は竹取物語のメッセージに加え、この森で”見える”様々な課題を問いかけました。

山や森に関わる保全とはつねに百年単位の視野を必要とするのです。

行事の多いこの日ですが地元の若手10人が集まりました。ホントにありがとうございます。

このチーム、作業の進捗がすごく早かった!

またたく間にネマガリタケの群落を駆逐です。

おつかれさまでした。

木を走る人も現れて森の中での時間を楽しんでもらえたようです(笑)。

今回は「ブナの移植」がもうひとつのテーマでした。
これまでの経験から種から芽を出すのはたいへん難しいのですが
ブナの幼樹を移植することは活着がよいことが分かってきました。
そこで林道のノリ面に生えたブナの幼樹を探して出して

鉢伏山の頂上へ植えることにしました。ノリ面ではやがて枯れるか刈り取られる運命です。
またその地域に生えているブナをその地域に植えることは遺伝子の交雑を防ぐ上でも大切です。


この写真が百年後に「この大木を植えた人たちの写真」として後世に残るかもしれません(笑)。

雪が積もる冬は中断ですが、来年も「竹取物語」続けますよ~!

春蘭の宿 in 春蘭の里

2010年11月03日 | 春蘭の里
能登の農家民宿といえば春蘭の里。その一軒、「春蘭の宿」に泊りました。
春蘭の可憐でありながらしぶとく生きるその姿になぞらえて地域の象徴として命名をされたとか。

能登の農村にある大きくて重厚な家そのものがお宿です。
手前の大きな株はノトキリシマツツジ。春先には見事な深紅の花を咲かすことでしょう。

「白い壁に黒い瓦屋根の家構えや大きな囲炉裏の居間に価値があることを来てくれる方々に教えられた」
というご主人の多田さん。

お食事の一部です。

食材は地元で採れたもの、地元料理を地元の味でそのままお出しすることにこだわっています。

養殖しやすいヤマメではなくイワナを出すこだわり。炭で直火焼きのシンプルなうまさ。

お風呂は五右衛門風呂付でした。

心安らぐ田園風景も望めます。

「絵に描いたような田舎」 ここには能登の可能性が詰まっています。

満天星 プラネタリウムと望遠鏡

2010年11月01日 | 店・施設
能登町の柳田植物公園内にある星の観察館「満天星
隣接して望遠鏡付きバンガロー「アストロコテージ」もあります。
一晩中夜空を楽しみたい人にはうってつけの場所です。

プラネタリウムでは肉眼で見える約3,000個の星をドームに投影し再現してくれます。
今年は木星がよく見え、来年は土星が見えるようになると解説がありました。
星をテーマにした短い映画も上映しています。

他に口径60cmの反射望遠鏡があります。石川県で一番大きい望遠鏡だそうです。

説明をして頂いたのは館員の室石英明さん。

希望すれば星空観察会を随時行ってくれます。
室石さんによれば一年でも特に今頃の星空が観察に最適だとおっしゃっていました。

観察する時には天井の一部が開いて、天井全体が回転します。
ウルトラ警備隊の基地のようです。こんなふうに見えたりして(笑)。

能登半島は星がものすごくよく見えます。ふつうに夜空を見上げただけで感動します。
海に突き出て空気が澄んでいることや光害(夜の明かりの影響)が少ないことが理由でしょう。

旧柳田村(能登町)は星空の町コンテストにも入賞したほどの夜空なのです。
さて、晴れた日に星空観察会に行こうかな。