赤石大輔先生による「キノコ博士とキノコ狩り」に4名のご参加を頂きました。
赤石先生が駐在研究員をなさっている珠洲の能登半島里山里海自然学校に集合です。
プログラムはキノコの生態や地域の関わりについての講義から始まりました。
例えば「キノコ」と「きのこ」の微妙なニュアンスの違い、ご存知ですか?
マツタケは人手によって落ち葉かきされたアカマツ林によく発生します。
かつて珠洲はマツタケの一大生産地でしたが、昭和30年代をピークに生産量が激減しました。
里山から薪を取らなくなって放置されたのが原因ですが、能登瓦の生産が廃れたことが背景にあったようです。
マツタケと人の営みの密接な関係を知ることができました。
先生はマツタケを回復させるための研究と実践も行っています。
専門家から実地の内容を学べたことは参加者にとってよい経験になったのではないでしょうか。
さて、いよいよ楽しみのキノコ狩りです。自然学校の裏にある保全林が舞台です。
自然のキノコは早足で見つかるものではありません。ゆっくり歩いてじっくり探します。
こわれやすいキノコは紙袋に入れてからカゴに入れるのがよいそうです。
見つかるとうれしい。採るのが楽しい。だんだん童心に帰っていきます。
能登で「ネズミノテ」と呼ばれているおいしいキノコもありました。
採ったキノコを集めてひろげて、仕分け作業です。
混沌としたキノコの山が先生の手によってまたたく間に可食・不可食に分けられて行きます。
万物を分類して把握したいという人間の要求から学問は始まりましたが
その現場に立ち会ったかのよう(笑)。まさに「ゴッドハンド=神の手」でした。
食べられるキノコ。
こっちは食べられないキノコ。
参加者の中には経験者もいらっしゃって食べられるキノコのみ集めていらっしゃいました。さすがです。
農家民宿「しいたけ小屋ひろ吉」さんのランチはキノコずくしの豪華料理。
酢の物・味噌漬け・炒め物など味付けも工夫されていておいしく頂きました。
採ったばかりのキノコもササッと調理されて出てきました。歯ごたえ・香り申し分ありません。
ご主人ご自慢の手打ちそばやサプライズメニューのイチジクのてんぷらもあって話も弾み、
ボリュームも十分すぎるほどでおなかいっぱい食べました。
能登では昔からキノコが愛されてきました。別の山でまた違ったキノコを探すのもおもしろいでしょう。
今後はそんな展開も赤石先生とふくらませていけそうです。知と動と食のプログラム、乞うご期待です。