靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

横のつながり

2011-02-20 23:33:37 | 風景・散歩・旅
まだ20になる前の頃、ドイツを旅した。2週間は団体で、残りの2週間は1人で。

この「団体」は「第二次世界大戦中に共に戦った日本とドイツ、同じ過ちを二度と繰り返さないために」ということをドイツ訪問の目的としていて、日本全国から集まった草の根で活動する人々や地方の議員などで構成されていた。私ともう1人の男の子だけが学生で私は最年少だった。

元東ドイツも含む各地をまわり、様々な施設を訪れ様々な草の根運動家と交わり、朝から晩(本場ビール片手に)まで連日議論や討論会だった。私は終始興奮してうなずいていただけのことがほとんどだったのだけれど。ナチスの強制収容所跡、元東ドイツの秘密警察所、労働組合、ギムナジウム(ドイツでは中学校へ入る時点で大学進学か職業学校に進むかを決めることになっており、大学進学を目指す中等学校をギムナジウムという)などなどを訪ね、最後にベルリン市長に広島で被爆した建物の瓦を届けることで幕を閉じた。

旅の間ホテルなどに泊まることはなく、全てドイツ各地で様々な活動をする人々の家でのホームステイだった。1人になってからは、団体で行動していた時に知り合った人々の家を訪ねてまわった。緑の党のメンバーやミュージシャンや、様々な人々の家に泊めてもらった。


このドイツ訪問での出来事や出会った言葉の数々は今でも内にたくさん残っている。

その中の一つに、マイノリティの人々をサポートする団体を訪れたときのことがある。その団体自体「新しい組織作り」を目指していて、「縦のつながり」でなく「横のつながり」で形成される組織を作ろうとしていた。「団体長」などの地位はなく、一人一人がリーダー、「担当」という位置づけがあるのみで、一人一人が横につながっている集まり。

あと、ユダヤ人迫害についての徹底した議論がなされているとどこへ行っても感じた。ギムナジウムなどの子供時代から、公にもあの戦争で何をどう誤ったのか徹底した議論討論。文化の違いもあるのだけれど、あの戦争に触れることさえタブーな雰囲気のある日本と対照的だった。誤った部分をみていくことがどうして「愛国心を損なう」ことになるのか、国の未来を思うからこそ誤った部分「も」みていくといえるではないか、と素朴に疑問に思ったものだった。

リサイクルの徹底にも驚いた、当時の日本ではほとんどされていなかった。

どうでもいいことには、女の人が腋毛をそらないでタンクトップを着ていることに衝撃を受けたというのもある。全ての女の人ではないのだろうけれど。おお、こういう面でも男女平等を追求しているのか! ととまどいながらも羨望の眼差しで腕を閉じてもはみでているうす茶色の腋毛を眺めたものだった。あと皿洗いの際、石鹸をほとんどすゆすがないことにおののいた。これはどこでもだったのだけれど、どういうことなのだろう。


話はそれていくけれど、「横のつながり」、一人一人がリーダー、そんな人々の集まりを作っていくことについて今もたびたび思う。




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2 コメント

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Unknown (旅人パンダ)
2011-02-21 08:30:02
横のつながりは大事だとパンダは感じております!
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旅人パンダさんへ、コメントありがとうございます! (マチカ)
2011-02-22 00:11:47
そう感じておられますか! 横につながっていけるといいな、と感じてます。
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