靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

かつて野心渦巻いた地にて

2013-06-22 23:59:16 | アラスカ南東への旅2013
スキャグウェイ(Skagway)から舗装されていないガードレールなし川沿い崖道を、

7マイルほど行ったところにあるダイー(Dyea)のキャビンに3日間。

クロンダイク(Klondike)へ続くチルクート・パス(Chilkoot Pass)の入口だったダイー、今は民家がところどころに見られ、キャンプ場などがあるのみ。


ゴールドラッシュ当時(19世紀終わり)、この地に10万人近く集まったものの、気候の厳しさ(冬はマイナス50度!)、カナダ政府によるクロンダイクへの山越えには1年分の食料を持っていくべしという要請から、1トン近くにもなる荷物を運ぶ必要があったなどの過酷な条件により、金鉱にたどりついたのは3万人ほど、金を獲得したのはその中でも4千人ほどと言われている。

金鉱目指して急斜面を重荷担いで登る人々。クロンダイク・ゴールドラッシュの象徴的図。チルクート・パス。


ゴールドラッシュに集まる人々に向けての商売(宿泊施設や食事の提供など)目当てで、この地にやってきた様々な人々の記録も残されている。

過酷な環境に、一攫千金を狙って集まった人々。燃え上がる野心、ゴールドを目指した猛者達。

またそれらの背景には、多くのネイティブ・アラスカンがリザベーションに移され、亡くなったという歴史も。




そんな当時の様子は跡形もなく、今は観光地としてクルーズ客を迎える地。

志半ばに亡くなった人々、大金を得伝説になった人々などの墓地が、ひっそりと森の中に残されている。

当時町があったところ。




この地に立ち、野心というものを、改めて見直す機会になったように感じてます。

野心とバリューを、ヒレとウロコ(ヒレはプロペラ、前へ進ませる動力=野心、ウロコは身体そして魂を守るもの=バリュー)を、共に持つこと。

何に、どんな方向へと、渦巻く野心を生かしていくのかを見極めること。


そのすさまじい野心のエネルギーを、肌に感じつつ、

厳寒の雪山を、肩がひきちぎれるほどの重荷を背負って、何ヶ月もかけ、登り続ける勢いで、

Boys & Girls, be ambitious! そう子供達と話したダイー滞在でした。


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