靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

扉を開いていくには

2012-01-15 01:41:26 | 子育てノート
教えていかなくてはいけないことはたくさんあるのだけれど、子どもが受け取る状態に整えられていないのなら、いくら言ったって全く子どもの心に届かない、つくづくそう思う。

ガード固くがちがちに守り体勢に入っている時に言葉をかけても、跳ね返ってくるだけ。逆に扉が開いたところに言葉をかければ、すっと中に入っていく。

矢継ぎ早にやることなすこと否定され叱られ続ければ、扉はがっちりと閉まる。固い扉をこじ開けるためにこちらも「力」を使う必要が出てくる。より頑丈な扉、より強い力、とサイクルは続く。

扉を開かせるには?子ども達をみていると、認められているという感覚、受け入れられているという安心感、それらを本人達が感じられているとき扉が開く。そこで初めてああいうことはよくないと思う、こういうことはどうかと思う、と入れていく。するとすっと入るし、こちらに「力」も必要でなくなる。

一対一でゆったりと出かける時間、とはなかなかいかないとしても、つかの間でも向き合える時間を日々の生活に散りばめ、マッサージし合ったり、興味のあることを話し合ったり、冗談を言い笑い合ったり。忙しい中にそんなちょっとした時間を散りばめることで、子ども達は随分とほぐれる。親が向き合ってくれている、自分の存在をみていてくれる、そんな感覚に溢れ扉が開く。

自身や周りの安全を脅かすような即座に飛びついて止めさせる必要があることは確かにあるけれど、まずはその子の様子をよくみる。扉は閉まっているのか開いているのか。何かに夢中になっているのなら遠くから頭ごなしに叫ぶのでなくそばにいって一言二言声をかけ、取り乱すようなら場所を変え一対一で向き合えるよう落ち着かせ。

時間がないときなど難しいのだけれど、それでも結局はまず扉を開かせる方向を見ていくことが、問題解決への1番の近道だったりする。

そう心に留めつつ、今日も彼ら彼女に向き合っていきたい。


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2 コメント

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Unknown (mirumiru)
2012-01-15 11:47:29
本当にそうですね。おしゃべりな彼らが口を閉ざしているときは、扉も閉じているようです。そこに「スー君、今日はどんな日だった?」と尋ねると「ママ、僕今バッド ムードなの」と答える。
義理と一緒に住んでいるとこの辺りが非常に難しいです。子供たちがバッド ムードでも彼らは容赦なく「どうして挨拶できないの?どうしてちゃんと質問に答えないの?」となるからです。「人から質問をされるとちゃんと答えるものよ!」とお叱りの言葉を戴き、バッド ムードがワーストムードに変わります。
子供たちの様子をよく観察してうまく声かけをしていきたいものです。
バンガロールは今日も気持ちのよい朝を迎えました。半袖で十分な夏日となりそうです。
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mirumiruさんへ、コメントありがとうございます! (マチカ)
2012-01-18 04:33:55
同居されている難しさ、想像します。子育てに対する方針や価値観が異なることもあるでしょうね。たくさんの人々に揉まれて育つ息子君達、とても幸せだと傍から見て思うのですが、渦中にあられるmirumiruさん家族にとってはそれはそれは大変なことなのだと思います。

mirumiruさんの温かい理解の姿勢に包まれることで、息子さん達、あの人たち(親戚の方々)も実は自分たちのためを思って言葉をかけて下さってるんだなあ、というような視点を持つ力も生まれるのかもしれませんね。

「子ども達の様子をよく観察してうまく声かけをしていきたいもの」、そう私も心に留めつつ、今日も子ども達に向き合っていきたいです。

こちらは今日はマイナス25度の寒さです!寒いではなくむき出しになった部分が痛いです。冷たく乾燥した空気に屋外ではなるべく浅い呼吸です。といって子ども達屋内では半そでです。私は屋内でもセーターが手放せないのに!すっかりアラスカンな彼ら彼女です。

夏日のバンガロールを想いつつ。ありがとうございます。

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